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プロフィール
コメント数 56
性別 女性
年齢 55歳

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1.  用心棒 《ネタバレ》 
力強いシネマスコープの構図が芸術的で、しかも面白いというお得な映画です。とりわけ、絶妙なのが舞台設定。広い宿場通りの両端に、跡目争いで対立する新旧ヤクザが陣取り、真ん中には、腰ぎんちゃくの十手持ち半吉が「九つでござあーい」と時報係をやっている番所と、見物台の火の見櫓。そして、舞台のへそである権爺の居酒屋、上下に開閉する窓がいいインテリアです。隣には最近棺桶が売れまくって、笑いが止まらない桶屋。斜向かい同士にはヤクザの跡目争いにかこつけて、名主争いをしている造り酒屋と絹問屋。まるで監督の手の平に、馬目の宿があるように上手く出来ています。そこへ宿場町の騒乱を収める(いや、掻き回す?)役目の桑畑三十郎。抜け目なく悪知恵を働かし、泥臭く、それでいてお茶目でユーモアがあるところが最高に魅力的です。もちろん強いし。女性が少ないのに、それを補って余りある独特の色気。目つきも肩をすくめるポーズも完璧、セリフも決まっていて、もう終始、彼のオーラに当てられっぱなしでした。他にも、鬼婆みたいな山田五十鈴、つながった眉毛がいいツボの加東大介、なかなか死なない仲代達矢、あ、ジャイアント馬場だ。と誰もが思ったであろう羅生門綱五郎、ただの頑固親父なのに、なぜか格好良い東野英治郎。あの志村喬にチョイ役に近いヒヒ親父をやらせたり、黄門様が2人も出てきたり(チンピラだけど)、すごいキャスティングです。これだけお得な映画だと、四の五の言わずに、三十郎の格好良さに酔った方がお得です。それにしても、三船と組んでいた時代の黒澤映画は本当、油がのってて(いや、贅肉がなくてかな?)、力強いです。全く引き延ばさずにスパッと「あばよ。」ああ、面白かった。
[DVD(邦画)] 9点(2009-06-10 01:21:54)(良:1票)
2.  雨月物語 《ネタバレ》 
この映画は死霊の女性2人が主役です。妖艶で能のように仕草が美しい京マチ子と、母性豊かな賢妻の田中絹代。共通点は好きな男とのささやかな幸せを望んでいることと、上品で言葉遣いが丁寧なこと。対照的に遊女に堕ちながらも、強かに生き抜いた水戸光子が人間臭く、対比が面白かったです。一方、男2人ははっきり言って狂言回し。彼らの望みは、金儲けと立身出世、なんとも解りやすいです。改心に至る過程もすごく解りやすいですね。何にせよ、つきあわされる女たちは大変です。 あと、この映画で素晴らしいのは、墨絵のような画面の美しさとカメラワークです。特に霧の琵琶湖でのシーンと、誰もがよく撮れたなあ。と思ったはずの、源十郎が宮木を捜して家を一周する長回しのシーンです。源十郎が荒れた家を一周して戻ると、火が焚かれ、鍋と酒を温める妻がいる。ほっとして安らぐ夫のそばで、こちらに背中を見せる彼女はどこか不気味な黒い影に見えます。少し夫を責めるような視線を投げたり、やはり嬉しいと涙を見せたり、ここはもう田中絹代の抑えた名演技に引き込まれっぱなしでした。やがて、彼女は朝日の中へ消えていく。一方、1人の男性を獲りこむために存在した朽木屋敷も美しく幻想的な怖さがいいし、闇に消えた若狭と右近も魔性そのもの、素晴らしかったです。海外受けした理由がよく分かります。ただ、惜しむらくは宮木や阿浜の台詞が、ちょっと説教臭く感じてしまったこと。特に宮木はお金なんかなくてもいいのにと、ちょっと悲しげな目を見せるだけでよかった気がします。あと、どうせなら「吉備津の釜」もぜひ映像化してほしかったと思うのは、あの兄弟のような僭越な望みでしょうか?最後に藤兵衛に一言、全部戦のせいにしないで下さい。
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-31 01:19:17)
3.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
面白いといえば、面白いんだけど、私はどうもシータの性格が完璧すぎて違和感を感じました。ドーラおばさんも結局いい人すぎだし、ムスカは恥ずかしいくらい悪役にはまりこみすぎです。そして最後、都合よくみんな助かって、お宝までゲット・・・ハッピーエンドになりすぎです。・・・要するに完成度が高いんじゃなくて、全体的に出来すぎなんです。
[地上波(邦画)] 6点(2008-09-03 00:53:52)(良:1票)
4.  あの夏、いちばん静かな海。
私にとって初北野作品。北野武だから、過激な暴力シーンやベッドシーンがあるかもしれない・・・。と、恐る恐る観てみたら予想以上に良かったです。下手くそな説明ナレーションを一切しないところが高評価。そうかあ。北野武ってこういう一面があるのか。というより、テレビで見る彼は彼の一部にすぎないわけなんだ。静かなエンディングの音楽で詩を見ている気分になりました。
[DVD(邦画)] 8点(2006-06-26 01:55:28)
5.  天と地と
映画館で観たなあ。でもレビュー見るまで存在すら忘れていたこの映画。私は映画は結構細かく観る方(あくまで自分的には)なんですが、これほど何っっっにも(!)話の一片すら覚えてない映画はまだありません。唯一覚えているのは、赤と黒がただドドドドドドドと無意味に長~く走り回っていたことと映画館の客の「え、何これ。」って感じのどよめき。で、私も再び「え、何これ。」です。こんなに有名どころの役者が出ていたの?あ、女性もいたのか。桜吹雪?そういえば、何かの下に姉ちゃんが1人いたような・・・。テーマソング?小室哲哉?・・・ダメだ、覚えてないや。えーと確か、金だけは掛かったんだろうなと、ただ画面をボーっと眺めてたっけ。終始、客席がざわついていたからなんとか寝ないで済んだような気がする。監督誰だっけ?角川春樹?名前は知ってるなぁ、作家だっけ?違うか・・・まあどうでもいいや。強く思ったのは映画館出る時、出来ればお金返してほしいと思ったことだけ。騎馬戦に金払ったのね・・・ちぇっ。1点!
[映画館(邦画)] 1点(2006-06-06 23:30:39)
6.  羅生門(1950)
昔の作品は良かった。と懐古趣味に走りたくはないんですが、モノクロ時代の方が上質だった。と、どうしても感じてしまう監督の筆頭が黒澤監督ですね。映像綺麗、京マチ子綺麗、したたかに生き残ろうとする男女の念がここまで画面に映し出された作品もなかなかないです。森雅之も名優なんですがどうしても三船さんと京さんに比べると落ちますね。初めて観た時はどうしてここまでみんな大嘘つくのか?と思ったものですが、今の世の中、金さえありゃ犯罪者が大きな顔して大嘘ついて当たり前ですから、思い切り通じますね。やな世の中になったもんだ。それはそうと小説では「藪の中」も「羅生門」も両方あって、しかも別の作品なものですから、最初あれあれ?と混乱してしまったのを覚えてます。で、紛らわしいなあ全く。とちょっとだけ腹立ちました。・・・もっとも最初からオープニングの原作「藪の中」と出てたのをちゃんと見てればよかっただけなんですけどね・・・。
[DVD(吹替)] 8点(2006-05-10 19:33:34)
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