1. 人造人間ハカイダー
雨宮監督って特撮界では神格化されているけど、その割りにカクカク動きに偏重で、旧時代的な印象が拭えません。 しかしストーリーはまあまあでしたね。正義を振りかざす独善者グルジョフの支配するジーザス・タウンに悪を振りかざしてやって来たハカイダー。ただ最後に、独善者との対決で、ハカイダーが死んだ(と言うか壊れる)方が何かしっくり来た気が。独善者に一泡吹かせて悲劇的に散る方が「物語らしい」のですわ。って言うか 「独善者からの解放者などこの世には存在しない。恰もG.ブッシュの如き独善者からは結局自分の身を自分で守らねばならないのだ」という方が教訓になりそうな感じもしました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-03-30 22:49:17) |
2. ゴジラ FINAL WARS
怪獣島シリーズで散々シリアスゴジラ派に叩かれたミニラが落ちを食うという結末です。どうするかと言うと、X星人打倒に自分を利用した人間に怒るゴジラに、「まあまあ」と説得して世界のどこかへ引き下がらせる大立ち回りをやるのです。で、ラストクレジットに入る直前が「笑うゴジラ」なのであれ~?の一言です。 人間が怪獣と共存できるようになったのは、世界中の軍事力が轟天号一つのみになり、怪獣の跳梁で世界の人口の大半が死滅し、危険でなくなったからだとしか思えません。それでも「戦いはこれから」と言う主人公のセリフは、50年で終わりを告げるはずのゴジラシリーズをまだ続ける余地を残すもので、何かなあ。 今まで出てきた怪獣たちが特色を発揮する事無く殺されていく・・・ 救いはラドンの飛行シーンで、ラドンが超音速以上の速さで飛んだ後のビル街が、ガラスが液状化して(ソニックブームなんてものじゃない。こういう状況は人知では予測不可なので描けたのでは)、あたかもビル街の人が「溺死する」ごとく死んでいくシーンです。不謹慎ですが、幻想的なシーンと言えます。 [映画館(字幕)] 3点(2005-03-30 22:45:06) |
3. 北斗の拳(1986)
《ネタバレ》 あのヘタレ実写版ではありません。アニメ版。おそらく「どうせ東映の映画だろ」と過少評価されてしまった可能性が高い傑作。 内容は、TV版シン・ケンシロウ対決~一回目のラオウ・ケン対決のアナザーストーリー。一番大きいのは、トキという仲裁役がラオウとケンシロウの間に設定されていない、ラオウ・ケン・ジャギの北斗三兄弟の間で争いが為されている点である。他の違い:核戦争後の悲しそうな略奪者の目(生きるためには仕方がないんだ)。ケンシロウによって倒されなかったシンは、「同じ女を愛した男…」というTV版ではケンが言ったセリフを言って死ぬ。流血シーンもエフェクトなしでバッチリ。etc 「力の哲学」がケン・ラオウを動かす。まだ恐怖政治をしなければならない時代だと言い張り権力の一線から退こうとしないラオウに対し、もう既に花が咲く時代が来ているのだと言って戦死したレイと、ラオウに拮抗するケン。ケンとラオウの引き分けに、仲裁に入ったのはなんとリンだった。次世代を担う少女、そしてケンに再戦を約して去って行くラオウ。そしてケンは、2人の戦いの巻き添いで吹っ飛ばされたユリアを求めて永遠の旅に出る。甦りを見せつつある大地の完全な復活と、ユリアとの再会を夢見るケンのヴィジョンで話は幕を閉じる。 9点(2004-07-29 20:23:59) |
4. 機動戦士ガンダムF91
素朴な疑問。ファーストガンダムにおける大量殺人兵器はコロニー落とし・ソーラレイ、Zガンダムにおけるのはコロニー落とし、核兵器、G3毒ガス、コロニーレーザー。ZZではコロニー落としが出て逆シャアでは隕石落とし。これらは対コストで考えると比較的安価に人が殺せる。現実味が有って恐いのです。「戦争はいけない」というのが伝わってきます。しかしこのガンダムで出た「バグ」という対人センサー付きロボットは解せないなあ。だって制作費無茶苦茶かかりそうでしょ?「こんなの普通の戦争のセオリーじゃありえないよ!」と一喝したくなる。現実味が無いと、戦争そのものさえ絵空事に追いやられそうで困るなあ。スペースポートが襲撃された時の逃げ惑う市民も何か逃げ慣れている感じだったし。 主役の母親が「仕事に没頭して家族を忘れた」と言うのは、今の家庭そのものだが、これがこの作品の主題だと言うなら、何でロボット物という形式でそのテーマを隠蔽するのだ。家庭放棄が問題の今、もっと直に言ってやったらいいテーマじゃないか(説教にならん程度にな)。この後に「クロスボーン」と言う解決編を書いているが、そこでは家族愛は問題になっとらんぞ、大して(「クロスボーン」完結編は問題なく面白いんだけどね・・・)。何せこの後に「∀」がテレビ放映されてそっちの方が面白かったよ。 3点(2004-06-29 03:36:32) |
5. こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE
前にドラえもん劇場版とかでやっていた、今ならクレしん劇場版でやっているようなストーリーライン。今時は媒介に立てられるアニメの数が減ってしまったのでこち亀を立てただけのような感じだった。まあそれでも上映しないよりマシかという内容。しかし職業声優が殆ど出ていないのはいただけないなあ。 5点(2004-06-28 22:31:29) |
6. ドラえもん のび太とアニマル惑星
僕にとっての最後のドラえもん映画。動物の飾り耳を付けて、動物が人間化した住民と対話をするというファンタジー。人間が自然を破壊するから動物を異星へと逃がすという文明へのプロテスト(抗議)。少年誌出身だからできた教訓と幻想の入り混じった物語展開。このあとのドラえもんはどちらかが行きすぎるから、もう見る気がしません。 9点(2004-06-28 20:12:15)(良:1票) |
7. おろしや国酔夢譚
僕は面白かったですよ。同朋が異国で足をなくしたシーンなど悲劇の極みです。ただ映画ではなくて1年もののテレビドラマ向けのネタであるのも本当。 この映画を見て光太夫記念館にも行きました(小学校の一室。近畿日本鉄道・名古屋線&鈴鹿線 伊勢若松駅より徒歩15分)。鎖国時代ロシヤに流された人々ってだけでも絵にしてみたくなりますからね。この手のものは今の所映像もないですし。 冗長なのは原作の方にも非があると思います。 9点(2004-06-19 12:08:25) |
8. 北斗の拳(1995)
《ネタバレ》 もう今更言う程の事でもないが汚い映画だ。シンが倒されても空が晴れないのが何よりいやだったなあ。でケンシロウがシンに替わってサザンクロスを服従させとるし。これじゃやってることはむしろラオウ。 「北斗の拳 アナザーストーリー ラオウ対シン」と改名したらいかがでしょう。あ、いかん。こんな弱いラオウはいない。 それと僕の背後からシンを神と崇めるカーネルのような弟が「あんな弱いやつシンじゃないですよ~」って。そういえば原作ではシンは部下に女を辱めることを厳禁してたからなあ。この実写版の「シン」の部下って一体・・・ いずれにせよ原作に対し何の敬意も払わないリメイクは、大なり小なりこうなる。 0点(2004-06-13 10:14:50) |