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タコ太(ぺいぺい)さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1649
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。
※2024.2.28ニックネーム変更「ぽこた(ぺいぺい)」→「タコ太(ぺいぺい)」

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  電力が溶けるとき 《ネタバレ》 
短編ならではの日常の写し具合いが心地良い作品。とりわけコメディと言う作りでもないように思えるし、笑えるネタは挿し込まれているものの何処の誰でも口にしそうな小ネタ。それでも随所にクスリとさせられる台詞があって楽しめました。三人三様、否、部長も含めて四人四様、皆イイ味出してますね。  電力が溶けるという比喩(溶ける訳ないし)は、停電という電力停止の事態も同期3人+部長効果の柔らかな熱源で溶解して復旧するところからか、或いは深夜の行動を根本から支えている電力ではあるものの、それがなくても人間ちゃんと機能してるよみたいな意味なのか。ま、どっちも大して変わりませんが。  なにげなくタイトルに惹かれて観た作品ですが、こういう掘り出し物があるので短編は楽しいなぁと思える1本でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-01 00:04:16)(良:1票) ★《新規》★
2.  おるすばんの味。 《ネタバレ》 
わずか10分ほどの作品ながら、一人の少女が大人になって母の愛を改めて感じるという流れが丁寧に描かれている小品ですね。  まぁ斜に構えて観てしまえば、「いくらなんだって毎日カレー?そりゃ子どもだって飽きるんじゃね?」などと言いたくならない訳でもないのですが、そこはカレー大好きオジサンとしては毎日三食カレーだって構わない訳でもあり、だいたいからして今日はポーク、明日はシーフード、明後日はビーフは高いからチキン、みたいにアレンジすれば尚更に毎日でもOK。栄養バランスも良いし毎日カレーで文句言うなよみたいにテーマと関係ない思念に耽ってみたりもしましたが、要はカレーというのは我々(特に)戦後派の日本人にとっての母の味の代名詞みたいなもんですから、ここでのカレーは概念として捉えていいのではないかなどとも考えてみたり。(以上蛇足です)  さほど年齢の違わない同僚がコンビニのカレーを食べつつ母の日のカーネーションを邪険に扱う姿を引き金に、日常忘れかけていた亡き母への思いを募らせていくみゆき。母の思い出をかみしめながら自ら作るカレー。そこには母の味があった。非常に短い尺の中で彼女の心境の変化を表しているのだから、少なからず唐突な印象を受けてしまうのは仕方ないところ。短編ならではの味わいに6点献上です。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-03-26 10:58:20)
3.  黄龍の村 《ネタバレ》 
これを未見の人に言ってはいけないのでしょうけれど(ですから未見の人は読まないで下さい)、既に皆さんのレビューにありますとおり前後半別モノ的作品ですね。前半定番的ホラー風味、後半は爽快活劇アクションてな感じです。  冒頭の今時の若者がはしゃぐシーンは少々引っ張り過ぎかも。縦長スマホ動画画面のままでの手振れ自撮りの連続は少々飽きます。ただ、本編に入りスーッとスクリーンがワイド化していってタイトルが登場する感じは新鮮で好みの演出。飽きかけて下がりかけたモチベーションが上がりました。  そしてお約束の如き謎めいた村に謎めいた村人。おもてなしの胸元チラ見せオネーさんたちは間違いなくサイコの人じゃん。こりゃ一人ずつ犠牲になるな。と確信。で予定通り全滅する若者たち。もとより感情移入不能なヤツらだったから可哀想でも何でもなくて終了!ん?尺半分の残ってるしヒネリも何にもないし、これじゃヒド過ぎ!と思いきや反転攻勢開始。  この展開は、同じく低予算で大ブレークしたあの作品とある意味似てるかな?中身は全然違っても展開が似てますね。終わったかと思いきやリスタートする感じ。一気に期待度急上昇です。  気に入らないし感情移入出来なかった若者たちではあるものの、復讐劇となれば多少は気持ちも変わります。始終声援を送りながらのアクション活劇を楽しめました。アクションそのものもまずまずキレがあって良かったと思いますし。  まぁご都合主義満載の「実は生きてました」系ですし、死んでしまった3人(復讐のことは知らなかった?)ことには全く触れないこととか、挙句神様扱いで偶像崇拝されていた男はお持ち帰りしてたとか、B級ならではの残念な部分は多々ありますが、なんと言っても適度な尺。不満が噴出する前に終演ということでこれはこれでありかもです。  予想を良い意味で裏切ってくれた点が悪い意味で裏切ってくれた点を上回ったということで+1して6点献上です。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-03-25 10:27:15)(良:1票)
4.  誰のための日 《ネタバレ》 
(イマドキの)姉妹喧嘩アルアル的な展開は結構真に迫っていてハラハラドキドキ。親戚のおばさんやらいとこやらの態度や発言もアルアル的でムカつくやらイラつくやら。リアルで良かったです。  結局タイトルの意味するところは何なのだろうと考えてみるに、勿論「日」とは「法事」と「法事の会席」の「日」なんでしょうけれど、劇中の妹の指摘通り「故人ことなど誰も何も話さない日」というのがアルアルなのかも。けれど3回忌でしょ?流石に少しは思い出に浸りなさいよって感じがしないでもなく。  ただ、エンディングの姉妹の姿が象徴するように、作り手は故人が今を生き続ける者たちを結び付けている様をテーマにしているのでは?と思えるところです。どんなに激しく争おうと家族は家族、姉妹は姉妹。亡き母がしっかりと繋ぎ留めていますよ、みたいに。  観終わってみれば、思いのほかハートウォーミングな作品でした。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-03-22 11:50:46)
5.  リゾートバイト 《ネタバレ》 
正直な話、Jホラーには殆ど期待していないのですが、朝ドラ等に出演していて気になっていた伊原さん目当てに観賞しました。ダンスで有名になった印象が強いのですが、朝ドラ等で見かけた演技に間違いなし。本作でも(少々残念な役柄ながら)頑張ってますね。個人的にはそこが一番の見どころでした。  とは言え、作品の内容に触れない訳にはいかないでしょう。話題作を数々手掛けて来た永江監督の作品。プロット的には結構ベタだし、登場する怪異は思わず笑ってしまうような造形だし、ラストの入れ替わりドンデン返しはオリジナルアレンジが施されているとは言え既視感が無きにしも非ずと言った感じですが、ホラー部分のみに集中してみれば、(お約束感のオンパレードですが)なかなか手応え十分の出来映えとも思えました。  それだけに、無理無理ツッコんだような唐突感のあるコメディ要素とか、これまたお約束感のあるコイバナ的要素とかは、ホラー作品としての魅力を削ぎ落してしまっているように思えてならず、改めて考えると結構雑な部分もあったりして、そのあたりは完全にマイナス要素じゃないかと。  なので、5点を献上するに留めておきます。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-03-17 23:11:33)(良:1票)
6.  白く濁る家 《ネタバレ》 
幸せな未来が約束されている筈なのに何か暗い影が感じられるカップル。二人を出迎えるどこか不自然な表情や態度の母親。真新しく洒落た一軒家ではあるものの昼夜を問わず薄暗い雰囲気の実家。怪しげな効果音とBGM。雰囲気は決して悪くありません。寧ろ、これから起きるである不穏な出来事を予感させてくれるに十分な設定。そして、短めの尺に収められたストーリーは、とりたてて目新しいとか奇抜とかいうことはないものの、しっかりと纏められていて破綻することなく一気に魅せてくれます。  でも、何か物足りない。無難に過ぎるのかも。ラストシーンにしてもお約束どおりと言うか、結局秘法に則った儀式による母親の祈りは通じ、亡き次男の魂は長男に転移したわけですね。そして、良典の様子から異変を察した香苗は甘んじてそれを受け入れてしまう。予定調和的と言うかストレート勝負なエンディング。  登場人物が少なくても、まるで舞台劇のような限られた空間のみでの展開であっても、もう少しだけヒネリがあれば一気に魅力的なホラーに化けるのでは?と思えてしまう少々残念な1本でした。  ところで母親はどうなったのでしょう?
[インターネット(邦画)] 4点(2025-03-12 00:13:56)
7.  チャーハン 《ネタバレ》 
解らんです。これはサスペンス?ミステリー?ヒューマンドラマ?  突然ワケアリの友人が転がり込んで来て彼女も巻き込んだ不思議な生活が始まる、というのはコメディとかで決して突飛でもない設定ですが、本作はコメディではなく寧ろ恐ろしげにさえ感じる展開。我が物顔でキッチンに立ってこの人なんなの?居座る気?と思いきや、どうやら就活はしている様子。彼女に黙って受け入れる透も透だけど、二人っきりでも結構平気な沙耶も沙耶だったりして、登場人物の関係性がモヤモヤしたまま短い尺が進んで行く。  普通なら衝撃の事件みたいな転換点が待っていそうだけれど、沙耶と伸太郎の会話場面と透と伸太郎の会話場面でやや核心に迫るかなという程度。種明かし的にまではならない感じで終了。モヤモヤが残ったままなのは私の読解力不足なのか。  結局、伸太郎は別人だったのでしょうか?「通報」って?財布から現金抜かれたこと?それとも別人疑惑?語られていない事実がある?別人だったら何で昔話出来た?何故透は沙耶に打ち明けなかった?そんな不穏な状況にあってのラスト。予告電話は無言だった?無言だったからこそのドアロック?モヤモヤとしたままの終了でした。  都会の片隅で暮らす若者たち。決して根の生えたような生活ではない。そこに訪れる転機。不安定な状況から生まれる新たな関係性。しかし、その関係性は脆く儚い。何もなかったの如く明日はやって来る。そんな感じの解釈で良いのかなぁ?  展開に期待を膨らませつつ観ていたら、サッとすり抜けられてしまったような感覚が残ったという不思議な作品でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-24 11:06:22)(良:1票)
8.  ひとりぼっちの人魚 《ネタバレ》 
主人公の絵のモデルになってくれた女性が実は出会ったときには死んでいた。しかも、二人の出会いを日記に書いていた。それでは主人公が毎週会っていた彼女は…?というお話。ショートストーリーのホラーとしてはアルアル的なプロットです。出演者の演技、BGM、音響等々、いろいろと物申したくなる作品でした。  が、最も理解に苦しむのは主人公が後追いしてしまうこと。生死は明確には描かれていないものの後追いしたことは間違いないように思えます。この顛末は一体何?どうして?理解出来ませんでした。  仕事と人生に疲れてしまった女性が死を選び、その魂を救った人魚が夢を果たさせようと仮の姿を与えて主人公と出会わせた。だから、公園に居る他の人たちには彼女の姿は見えない。束の間の安息を得ることが出来た魂は、生前の自分に舞い戻りモデルとして生きがいを感じた日々の記憶をもう一つの人生に焼き付ける。絵本作家を目指す女性は、真実を知って人魚の物語をライフワークとすべく改めて心に誓う。  ベタではありますが、そんな感じに仕上げてくれればもう少し作品世界に感情移入出来たかも知れません。ラストが残念。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-02-23 11:29:23)(良:1票)
9.  怪物(2023) 《ネタバレ》 
タイトル、予告編、そして本編鑑賞時の印象。全てに強烈なミスリードを感じてしまいましたし、実際されてもしまいました。ただ、そのこと自体は否定しません。他者の主観を表現し理解を得るにはデフォルメは不可避かと思います。  母親の視点で語られる冒頭部分における愛息子や教師の見え方は母親本人にとっては間違いなく現実であり、保利教諭の視点で語られるパートでの母親の表情や言動は彼自身にとって紛れもない現実です。そこに固有の主観がある限り、誰一人として他者と同じ理解や価値観をもって物事を観察したり考証したり出来る訳はありません。少なくとも一般的な人物である限りは。  映画という手段によってあるテーマを語り、なおかつより多くの観客の理解や感銘を得るためには、作り手は自らの主観を越えた表現を求めなければならないように思えます。(というのも私の主観に過ぎない訳ですが)  なので、本作である意味過剰とも受け取れる人物表現やその表情や言動等の齟齬・矛盾は必要不可欠だったのではないでしょうか。  その上で本作を語らせていただければ、登場人物一人ひとりの人物像が丁寧に語られ、子を持つ親の悩み・苦しみ、人の子を育てる教師の悩み・苦しみ、そして自我の目覚めと性の目覚めの年頃を迎えた少年たちの悩み・苦しみ更には夢と希望、それらが丁寧に描かれた佳作であると思いました。  シングルマザーに至るまでの熾烈な過去を愛息子の前ではひた隠しにし、只管彼の「普通」の幸せを求める母親。ある意味守りに徹している姿には力強さより悲壮感を感じました。  新任教諭として赴任し、子どもたちとのコミュニケーションを大切にし、退勤後は恋人との甘い生活を送る「普通」の青年である保利教諭。追い詰められ、全てを失っても飼っている金魚に残酷な仕打ちをすることは出来ない優しさは心に遺している。(当たり前に捉えれば一番の被害者かも)  ひとり親世帯になった原因を漠然と知りながらも、愛する母親のために平静を装おうとする湊少年。優しさ故に依里君をかばうもののそれに徹することの出来ない自分への内省と、親友的に思っていた彼との距離が縮まった瞬間に性的感情を無意識化に得てしまい身体の反応に狼狽えてしまう「普通」の少年。  自らの性的違和感を理解しつつある中で、それを理解するどころか消し去ることしか考えない父親からの虐待に耐えるしかない日々を送る依里。それはやはり父親への愛なのか優しさなのか。学校で繰り返されるいじめ行為にも、クラスメートを達観することで耐えているように思えます。その姿からは怪物感は得られません。  クライマックス。母親と保利教諭が半分こじ開けた車窓から見たものは何だったのか?湊君と依里君が敢えて通過し直した廃車両の先に広がっている世界はどこなのか?単純に受け止めてしまえば土砂崩れで亡くなってしまった二人の魂が次の世界へと旅立っていく姿と捉えられないこともありませんが、だとすればそれは希望ではなく現世に絶望を遺したままの旅立ちであり、二人が真に求めていた世界とは乖離しているように思えてしまいます。  かと言って、実は二人は無事だった、母親と教師が救出した、というのも無理と言うかそこに至るまでの作品の世界観とは異なるのではと思えてしまう。結果、自分なりの納得いく結論は得られていません。  強いて言うならば、「怪物」は決して特定の個人ではなく、個人個人が生きる社会のシステム全体の中に浮遊しているものなのかなと思えた次第です。幾度か鑑賞し、作り手の意図するものとそれを受け取って得たものについて熟考することを求められる作品でした。  (追記) 校長の葛藤と夫の真意。依里の父親の苦悩。これ以上の長尺化は好ましくはないと思いつつ、このテーマに不可欠な登場人物とエピソードであるのならば、もう少し掘り下げて欲しかったなと思いました。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-02-22 11:41:14)(良:1票)
10.  ルックバック 《ネタバレ》 
原作未読です。なのであくまでも本作を鑑賞しての感想です。ただ、本作は原作を読むべきという気もします。原作者の意図を読み違いしたくないから。  物語自体は(衝撃の展開までは)結構ベタな展開だと思います。主人公の慢心、思いもしない存在との出逢いによる挫折、その対象から得る意外なエネルギー、そしてあざとさ、更には後悔の念。結構ベタです。  ただ、作画表現と言えばいいのでしょうか、そこが非常に繊細で惹き込まれます。恰も実写作品の中で生身の俳優が演じているようなリアリティがあります。正直なことを言えば、この画風自体は好みではありません。画風を見て鑑賞を止めてしまうぐらいに好みではないです。しかしながら、それを忘れて魅入ってしまいました。個人的な好みを忘れさせてくれるだけの魅力あふれる世界でした。  なので、二人が道を違えてそれぞれの夢を追っていくくだりまでは一定のアルアル感に包まれつつも感情移入を惜しむことなく没入していました。  そして衝撃の悲劇的展開。と言っても、具体は兎も角としてこの悲劇はある程度予想していたと言うか、シンプルに再会して新たな希望の未来を手にするなんていうベタベタな展開などあるはずもないとは思っていました。しかしながら実在の事件をモチーフにしているかの如きアクシデントに見舞われるとは。  原作者の思い入れは知りません。本作の作り手の思い入れもまた然りです。なので、不用意に無責任なことを言うべきではないと思いますが、それでもやはり今ここに実在の事件を想起させる事態を挿し込んだことには疑問を禁じ得ませんでした。  一つの道に邁進する方にとっての感覚と、蚊帳の外の人間が抱く感覚が異なることは止むを得ないことでしょう。ですから勿論否定も肯定もしたくありません。ですが、正直疑問でした。  ただし、そうは言いながらも、終盤の(ちょっぴりタイムリープ感が漂い運命論的でもある)マルチバース的視点に基づく展開は感動的でした。人は誰も身近で何か重大なことが起きると「自分のせい」と思ってしまいます。寧ろ思いたくなります。自己の客観視は容易ではありません。ただしそれは両刃の剣。本作では主人公は悲劇とそれに伴う自責の念をバネにしてこれからの人生に力強く踏み出して行くのだと思いました。  いろいろと書きましたが、総じて言えば佳作であることに間違いないでしょう。ただ、ある意味観る人を選ぶのかなと思えてしまいました。私にとっては「感動的なアニメですが感涙はしなかった」という作品でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-02-17 18:35:23)
11.  砕け散るところを見せてあげる 《ネタバレ》 
手放しで傑作と称賛するのはどうかとも思えますが(結構観る者を選びそうなので)、ワタシ的には大好きなラブコメと大好物のサイコホラーを、お膳立てはキチンと見せてはくれるものの相当ちゃぶ台返し的に転換するところがツボではありました。  なかなか姿を見せないヒロインのお父さん。見せたと思ったらクルマがイキナリ猛スピードバックという攻撃行動だったり、主人公のお母さんの執拗な質問攻めに表情ピクついてたり(ありゃ私でもイラっとするが)、ヒロインのおばあちゃんの実態がよく解らんのは多分お父さん絡みの死亡フラグと匂わせたり、陰惨な苛めが背景にあったとしてもそれをカバーして余りある学園ラブコメ的な中盤までの空気の中に終盤の惨劇がチラリチラリと見え隠れ。この見え隠れの塩梅が非常に好みで、ホンワカラブラブ感がどこでひっくり返されるのかにビクつきながら観ている快感はなかなかのものでした。  ヒロインを始終抑圧し続けるUFO、当然それは父親なのでしょう。主人公の頭上にまで迫り、ついには具体的攻撃行動に出る。なかなかどうして素敵なサイコっぷりの堤さんが恐かったです。お母さんはある日突然家を出てお父さんは居場所を知ってる?当然アヤシイところです。洗濯屋さんのオバさんが見たという学校では誰にも殴られてはいなかった筈のヒロインの身体にあったいくつもの痣。当然アヤシイです。サイコ堤さんが次第に影を延ばし、最後の最後に一気に正体を現す演出は緊張感がありました。タイトルの「砕け散る」は主人公が叩き壊したUFOのことなのでしょうね。ヒロインが叩き壊した誰かさんの頭部ではなく。  見ようによってはモタツキ感があるかも知れません。主役二人がどちらもスムーズに感情を出せない設定故の台詞回わし。トイレのシーンなんか結構イラっともしました。でも、観終わってみれば無駄なシーンや演出はなかったと思えます。  強いて言わせていただければ、もう少しヒロインのお父さんの中にある闇を描いて欲しかったこと。それと、敢えてヒロインが過去を捨てた設定にする必要があったかな?数年後の偶然の出逢いは不自然過ぎるんじゃない?あれだけの外傷と心理的ダメージを負ったのだから、二人そろって長期入院の後にやっと会うことが出来て、とかでも良いような?と思えたこと(蛇足ですが、主人公の外傷からして卒業式に包帯巻いて出席出来るわけないし…)あたりに少々消化不良感があったかもです。  ちなみに、物語には関係ありませんが人命救助シーンで堤防沿いを走っていた男性はカメ止めの監督役さんですね。気付いちゃうとついつい口にしたくって。いや、ホントに関係ないことで失礼。  (追記です) 思い返してみて、ヒロインが血まみれで主人公宅に辿り着いたところで警察に通報するのがどう考えても常識的で、彼女の根拠不明瞭な「ダメ!」の一言で自ら遺体捜索してしまうところがどうにも無理筋。だいたいからして危ないから逃げなきゃって状況で玄関先で話してないでせめて早く家の中に入りなさいって! あの段階で警察に連絡していれば、否、百歩譲って池から交番なり知人宅なりに直行して助けを求めてれば、二人とも無事だったしお父さんももしかしたら捕まえられたし、そもそも相当パニクってても、てかパニクってればこそ助けを求めるのが筋かと。だいたいからして真っ先にお母さんに連絡入れなさいって。もっともそれだとエンタメ的には見せ場が減ってしまいますけれどね。 などと思った次第です。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-02-17 00:23:52)(良:1票)
12.  蛇の道(2024) 《ネタバレ》 
元ネタ未見です。あくまでも本作のみについての感想です。  物語の中心をなす復讐譚を少々トリッキーに語った作品ですね。主軸に力点を置いて装飾は省いたような。まともに考えてしまったら、例えば拉致の方法が杜撰過ぎて、目撃者不在だったりスタンガンの効果が過剰だったり都合よく意識失ってたりとか、クライマックスで武装した相手が戦闘能力ゼロでヘタレ過ぎだったり等々、「んなわけないだろ!」的な曖昧さとか物足りなさが相当数見受けられます。なので、作品世界を楽しむためにはいろいろと目を瞑らなければならないです。そこまでして観るべきかという根本的な問題はありますが。  結局、ヒロインの復讐譚は帰国した夫を始末して完成なんですか?私は最後まで観ててっきりアルベールの件を含めて真犯人はヒロインなのでは?などと思ってしまいました。だって死体にナイフを突き立てる姿とかドライバーを手にした表情とかが鬼気迫り過ぎていて常軌を逸しているような。あくまでも極度の復讐心がなせる業なのかも知れませんが。  それと西島氏の登場。黒沢作品に多数出演している御縁ですか?の如き唐突感が否めませんでした。ヒロインのマインドコントロール的台詞によって死を選んでしまう役処は、彼女の持つ恐ろしさを浮かび上がらせる上で重要だとは思いますが、サイドストーリーとして必要だったかどうか疑問。それもネームバリュー的に釣り合わないようなキャスティングに思えてしまったりして。だから「御縁ですか?」と思ってしまったのですが。  元ネタの邦画作品を観れば様々な疑問は解消されるのかも知れませんが、やはり1本の作品は独自に存在意義や感動を放って欲しいところ。本作だけを見た印象としてはかなりの消化不良でした。柴崎さんの熱演に+1点しても5点献上までかなと。
[インターネット(字幕)] 5点(2025-02-15 11:49:13)
13.  AREA 《ネタバレ》 
一般論から言えば、問題のある作品と言わざるを得ません。一緒に死んでくれる相手をネットで探すとか、リアルなリストカットのシーンとか、映像化には賛否の分かれるところでしょう。  しかし、旅の途中で交わされる言葉から二人の距離感が微妙に変化していきます。昴は自らの死に対して当初無感情に見えましたが、香との会話を経て目的地に着き、震災で灯台が崩落していたことを知り、生きることに向き合う彼の姿勢が少なからず変容し始めたように思えました。  願わくば、香も昴との交流を通じて変わって欲しかった。灯台が存在しないことを知って考え直して欲しかった。しかし、作り手の表現は残酷でした。あれから昴はどのように行動したのでしょう?私は彼が香を追わなかったと信じたいところです。ありがちな表現になってしまいますが、香の分まで生きることに執着して欲しいと。  観終わってみて、意に反してと言うか、誰に対してか解らないままに涙ぐんでしまった作品でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-02-06 15:58:48)
14.  禍里荘 《ネタバレ》 
短い尺の中にいろいろと盛り込まれていることもあり少々解りにくい作品。  主なところとしては、 ・禍里荘105号室はゴミ部屋になっていて人の気配はないが家賃は滞納していない。 ・105号室にはゴミ以上に特定のブランドの生活用品が箱で積み上げられている。 ・ヒロインは父親の死去により禍里荘を相続した。(妹の相続分は不明) ・妹はヒロインと違って感情に左右されずに合理的に考える。 ・ヒロインは105号室の住人と面識がない。 ・ヒロインの父親は何らかの詐欺にあっていて犯人側はヒロインを新たなターゲットにしている。 ・謎の男がアパートの近辺をうろついている。 ・見知らぬ男が訪ねて来て父親から恩を受けたと言う。 ・しかし、男の語る父親はヒロインの知る父親像と齟齬がある。 そんなところですね。観ていて分かりにくいという程ではないのですが、総じて見ると少々散らかり感があると言うか、不都合な部分は描かれていないと言うか…流れ的には仕方ないとは思いますが。  結局、訪れた男は父親の知人に成り済ました詐欺グループの下っ端。正義の味方は105号室の住人。元々は彼が詐欺の被害者で父親は優しさ故に巻き込まれていた。で、父親譲りの優しいヒロインは被害に遭わずに良かったね、というお話。  尺の短さもあって面白くないとは言いませんが、正直なところムリムリまとめた感じは否めない1本でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-02-06 13:25:24)
15.  寫眞館 《ネタバレ》 
短い尺の中に凝縮されて描かれる各時代の潮流に翻弄された喜怒哀楽。殆ど心を開こうとしない少女が、何十年も経た後に年老いた写真館の主人にやっと見せてくれた笑顔。ただし、直接ではなく一枚の写真を通して。劇中にはそんなシーンは登場しませんが、現像してネガから浮かび上がって来た彼女の微笑みに、主人は残り少なくなった人生を飾るに相応しい最高の喜びを感じることが出来たことでしょう。  奇を衒うような展開は一切なく、ある意味予想通りに展開していく物語。きっとそうなるだろうな、あぁなるだろうな、と容易に予想可能ながらも感動させてくれるという、短編ならではの佳作でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-02-06 11:20:37)
16.  陽なたのアオシグレ 《ネタバレ》 
実にシンプルな初恋ラブストーリー。なのでしょうけれど、なんだか素直に受け入れられない。ラブコメや純愛物は好物なのに。  それは主人公を小4に設定しているからなのか?にも関わらず微妙(ストレート?)にエロティシズムを感じさせる表現が垣間見えるのも原因か?  個人的には自称トリ馬鹿なので、現実にはあり得ない学校の鳥小屋で飼育されている風な様々なトリさんの登場に喜ぶべきところかも知れないけれど、ワクワク感があるのは高層ビル沿いに落下する主人公を救うハシビロコウの登場ぐらい。  なにか全体的にワチャワチャしているのが落ち着かない。自分が歳をとったせいに過ぎないのかも知れないけれど。  どんな層を対象に製作されたのか?イマイチ理解に苦しみつつも、スピッツの楽曲に救われた十数分でした。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-01-30 10:10:02)
17.  “それ”がいる森 《ネタバレ》 
何故、近年の邦画ホラーはこうなってしまうのか?敢えて「近年の」と添えたのは、昭和の時代のホラーや怪談話はもっとジメッとしておどろおどろしくて、早い話が恐かった記憶がある訳でして、それは以来何十年も様々観て来てしまったが故の眼の曇りというのも確かにあるし、今更ちょっとやそっとじゃ驚かないって、というのもあることはあるのですが、その辺差っ引いてもやっぱ「近年の」はさっぱり恐くなくてバカバカしかったり呆れるしかないようなものが多過ぎるのです。(それはそれで好きでもあるのですが)  本作について言えば、まず第一に緊張感の欠落。冒頭の強盗カップルの部分だけはまぁまぁイイ感じがしたのですが(特に彼氏の腕が飛んできた辺りは良かったです)、それだって「犯人」が姿を見せないってだけの良さに過ぎず(流石に冒頭からヤツは出なくて安心)、結果アッサリすぐに全身丸見えだったりもするから結局興覚め一直線ってな感じに落ち着いてしまう。  この緊張感の無さは全編通じてたりして、主人公親子の言動や行動があまりに緩くて危機管理力なさ過ぎだし、教頭やら担任やら(穂香ちゃんは好きなので悪く言いたくないのですが)警察やら何やら、誰も彼もがユルユルなのには閉口。子ども向け作品?だとしてもユルユルではダメなのじゃないかと。  そして、物語的には要らんようなエピソードに必要以上にウェイトが振られてたり、そうかと思えば妙に真面目に造り込んで演出してたりして、少なからずチグハグ感が漂ってしまう。ま、そんなことより何より話がチッチャ!一体何で福島の此処?UFOスポットなんてのは他にもあるだろうに。そんで何でオレンジの病原菌でエイリアンあっさり死亡フラグ?インフルで滅んでしまった火星人みたい。てか、そのアレンジに見えてしまう。  だいたいからして、そもそもエイリアン御登場は早い段階から見えていたものの、エイリアンにして欲しくなかった。エイリアンにする必然性あったのかしらん?もっと不気味な「森に棲むアレ」みたく纏めて欲しかった。  まとまりのない文章で失礼しましたが、観終えてみれば早い話が思った通りの作品。「それ」以上でも「それ」以下でもない「それ」。もっと骨太にオリジナリティ豊かに物語を練り上げて欲しかった。正直な気持ちは、Jホラー頑張って!なので尚更に残念でした。
[インターネット(邦画)] 3点(2025-01-22 15:08:33)(良:1票)
18.  リバー、流れないでよ 《ネタバレ》 
山口監督とヨーロッパ企画によるタイプリープもの第2弾ですが、味わいは大分異なりますね。SFドタバタコメディというジャンル感と作品全体から漂うテーマ感は共有しつつ、タイムリープやパラドクスについては扱いが大きく異なると言うか、大いに似て非なる作品でした。  結論から言えば、少々雑ですがこれはこれで面白い。ラブコメ要素があったりヒューマンストーリー要素があったりと、中身も濃いいです。ただ、なにせタイムリープのスパンが短か過ぎますから頻度高っ。2分というのは短いようでいて長くもある微妙な時間。流石に繰り返しが多過ぎかも。その間の天候(降雪)の差異については作り手の計算もあるのかも知れませんが、個人的には当事者の意識だけは変化していっても環境部分は据え置くと言うのが正しいように思えて仕方ないです。  また、どう考えてもキーパーソンの冒頭に登場する謎の女性ですが、トラブルに対しての焦りや絶望感がまるでないのはコメディだから良しとしても、やっぱしタイムパトロールなんだから過去の人物や時間にそんなに関与しちゃいかんでしょと思えてしまう。SFコメディとして最低限の理屈は持って欲しいところでした。  それとあとひとつ、この場であまり他作に踏み込むべきではないと承知しつつも、前年に公開された「THE MONNDAYS…」との類似性が少なからず気になってしまったと言うか、一番気になったと言うか、決して批判的な意味ではなく同じ邦画タイムリープコメディとして比較しつつ楽しむのも良いかな、などと思った次第です。  ちなみにタイトルは秀逸。このセンスは好きです。
[インターネット(邦画)] 7点(2025-01-19 12:19:52)(良:1票)
19.  友達の家 《ネタバレ》 
試験的に制作したのではないかと思えてしまう作品。  №1のご意見に全く同感なので自分なりに想像した部分は省略しますが、結論のみ言わせて貰うならあまりにありがち過ぎて殆ど全て予測可能。なのでストーリー的には評価しようがないかなと。  それでは演出面はどうかと言えば、やはり特に意外性やオリジナリティは見出せず、トータル的には低い点を付けざるを得ないところです。  ホラー初心者向けお試し編としての2点献上です。
[インターネット(邦画)] 2点(2025-01-14 10:25:31)(良:1票)
20.  大怪獣グラガイン 《ネタバレ》 
本編を劇中劇でサンドイッチするというアイディアは目新しいですね。劇中劇部分は矢鱈芝居がかったナレーションや大袈裟で一つ間違うとコミカルな演技、そして何より怪獣をパペットにして更にデザインや色彩も変えることで本編との差別化を図っていると言うか、まぁ非常に解り易い演出です。  そして本編も劇中劇も、懐かしの特撮怪獣映画を彷彿させる出来映え。予算や制作期間は知りませんが、相当な頑張りを感じます。もし子どもの頃にこの作品を見たならば、子どもの目にはメジャー作品と同じように見えていたかも、というのは褒め過ぎかも知れませんが。  そんな特撮部分を始めとして、脚本や出演者の演技等々、ある意味作り手には失礼かも知れませんが、観終わって何となく微笑ましくなってしまう作品でした。
[インターネット(邦画)] 5点(2025-01-13 21:39:24)(良:1票)
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