1. ザ・マジックアワー
前作にもまして、ますます、舞台喜劇をそのまま映画にしたような作品です。はなからリアリティーのかけらも無いので、何があろうとまったく気になることなく見ることが出来ます。とにかく、上映時間中、お客さん何も考えず笑って楽しんで下さいという三谷監督の思いが良く現れていて、好き嫌いはあるでしょうが、けっこう笑って過ごすことが出来ました。ただ、気楽に笑って過ごすだけの作品なので、見終わった後には、なんにも残りませんが、娯楽としてこのような方向性も大事だと思います。 ただし、笑わせどころが、必ずしも誰もが無条件でというわけではなく、他の大勢の観客と一緒になってこそ、楽しめるといった面が強いのも事実です。 前作もそうでしたが、一人で見ると楽しさが半減することでしょう。 この作品に興味がある方は是非多数の観客のいる映画館で見ることをお勧めします。 上映終了後、DVDやテレビ放映で見るときも極力、できるかぎり他の多くの人と見た方がいいでしょうね。 [映画館(邦画)] 7点(2008-06-08 22:59:42) |
2. 築地魚河岸三代目
原作は連載初回からずっと読んでいるけっこう好きな作品なだけに、大きな不安と少しの期待で観に行きました。とりあえず、不安が的中するほどではなかったですが、なかなか複雑な感想を持つ出来映えです。 シリーズ化が決まっている第一作としては、松竹お得意の人情劇を織り交ぜながら、今後の続編への序章として、それなりの仕上がりです。が、お涙頂戴シーンを演出するための人間関係における設定変更はちょっとやり過ぎの感がぬぐえません。狙いどおり、館内はすすり泣きが聞こえてきましたが、ちょっとわざとらしすぎて私はしらじらしてしまいました。 他にも、いろいろ原作にない人々が出てきますが、どうも中途半端でまとまりに欠け、散漫な印象を受けます。そんなに無理して登場人物を増やすよりは、もう少し丁寧な心情描写を行った方が、はるかに良かっただろうにと残念な思いが強いです。 原作は現代の漁業(流通も含む)に関する問題提起もふんだんに盛り込みつつ、そこに人情劇を織り込んでいるだけに、今後の続編が、つまらないお涙頂戴だけにとどまらず、原作が持つ魚に関する問題提起を十分生かした作品になることを祈りつつ、期待の意味を込めて、6点としておきます。 [映画館(邦画)] 6点(2008-06-08 22:30:00) |
3. うた魂♪
ごくごく無難なコメディですね。ゴリが高校生という点からして、誰もが少々のことは無理なく受け入れられる作りで、前半はけっこう笑えるし、後半はちょっと気恥ずかしいくらいのベタな青春物で、最後まで気持ちよく見ることが出来ました。 が、主人公の女の子が歌うことのそして合唱の楽しさに気づいていく展開や最後のコンサートシーンがあまりに定型的にサラッと進んでいく展開は、万人向けと言えるのですが、やはりいまひとつ盛り上がりに欠けます。この辺が、好き嫌いは別れるけど、はまれば盛り上がれたスイングガールズとの大きな違いでしょうか。 個人的には薬師丸ひろ子の歌を久々に聴けたのが収穫です。出来ればもっと歌って欲しかった。 ところで、私が観たときは観客は中高年ばかり。ひょっとしたら私が最年少だったかもしれません。若い人ってこういう映画には興味がないんだろうか? [映画館(邦画)] 7点(2008-04-09 20:50:37) |
4. 犬と私の10の約束
犬とのふれあいを軸としたほのぼのとした展開に出演者達のしっかりした演技もあり、それなりに楽しめるのですが、「10の約束」を聞いた時点で、おおよそのストーリー展開が予想できる上に各エピソードがあまりにあっさりとしすぎているので、特に盛り上がりもないまま終わってしまったという感じです。犬に関しては「いぬのえいが」の中の「マリモ」があの短い中で表した世界を超えることはできず、人間同士の部分についても物足りなかったです。犬好きで素直に物語に入り込める人にとっては感涙にむせぶ作品でしょうけど、素直になれずについつい余計なことを考えてしまうと、まあ、こんなもんかなというところです。映画そのもの点数としては5~6点といったところですが、犬好きとしてはソックスをはじめとする犬たちにおまけして7点にしておきます。 [映画館(邦画)] 7点(2008-03-15 21:27:48) |
5. 歓喜の歌
もとが落語というだけあって、小林薫のいかにも落語の登場人物といった演技も含め、まさに落語の映像化と言っていい作品です。このいかにも落語という雰囲気を残したのが大正解。ちょっと考えれば、ストーリー展開的には、あまりにご都合主義的なところや、いくら何でもそれはないだろといったツッコミどころが多いのですが、落語的雰囲気のおかげで、それが全然気になりません。見終わった後は気の利いた人情噺を聞き終わったような気持ち良さが残ります。常にストーリーの緻密さを求める人には向かないと思いますが、多くの人に勧められる良作です。 [映画館(邦画)] 8点(2008-03-04 22:37:38) |
6. 陰日向に咲く
いろいろな人間模様がやがて繋がっていくというのがこのお話の柱なんでしょうが、それぞれがいまひとつ現実味がなくて薄っぺらなのと、まったく繋がらないエピソードがあったことで全体的に細切れ感が強くなってしまい、いまひとつのめり込めないまま終わってしまいました。それと、こういうお話は細かいところまできっちりと詰めておかなければ、全体が嘘くさくなってしまうのに、けっこういい加減な部分が多くて、なおのことしらけてしまいました。まあ、出演者がそれなりに好演しているので、それなりには見られましたが・・・ [映画館(邦画)] 5点(2008-01-28 00:49:42) |
7. スマイル 聖夜の奇跡
そんなことあり得ないだろうとか、バラエティー的ギャグと呼ぶべきなようなシーンが数多く、基本的には、おバカ映画の範疇なんでしょうが、これがどうして、なかなか良かったです。話の展開のテンポが良くてだれるところがないし、伏線や説明が実に丁寧に折り込まれていて、ストーリー展開がまったく無理なく受け入れられます。さらにあまり現実味のない物語をしっかり支えているのがアイスホッケーのシーン。実際にアイスホッケーをやっている子供たちを集めたとあって、ここだけは本物で、これが映画全体をぐっと締めています。 笑いと涙ありの微笑ましい展開は、題名の「スマイル」にふさわしく、見ているものに気持ちの良い微笑みを与えてくれます。リアリティーの無さを受け入れられない人にはまったく駄目でしょうが、そうでなければクリスマス映画として秀逸な作品で、あらゆる年代の人に薦められる作品です。 [映画館(邦画)] 8点(2007-12-19 20:00:43) |
8. ALWAYS 続・三丁目の夕日
《ネタバレ》 前作に続いての昭和30年代前半テーマパーク映画です。地方都市だったら昭和40年代初頭までは残っていたような町並みと人付き合いの良い面だけを再現して、当時を体験した人には良い思い出話、知らない人には過去へのあこがれをかき立てる作品でしょう。今回は茶川エピソード等のエピソードに重点を置いているので、前作ほどのテーマパーク映画性は低下してますが、それでも美化された当時の雰囲気を味わい、その中で繰り広げられる人情物語を楽しむには十分な出来です。ちょっと気になったのは、物語では4ヶ月後からのお話になのに2年後の製作なので、子役が大きくなっていること。この作品単体でみればまったく問題は無いんですが、前作を覚えていると、一平はまだ許容範囲ですが、淳之介はえらく背が高くなっているし声変わりが始まっているしで、ちょっと厳しかったかな。あと、画面合成の粗が見える場面がけっこうあったのも残念な点。せっかく背景をあれだけ丁寧に再現しているんだから人物との合成はクロマキーの縁取りが見えないようにして欲しかったですね。いろいろ不満は残りますが、素直に見ればけっして悪くない出来です。 本編の方は前作に比べるとやや劣るかなという気もしますが、冒頭に思わぬサービスシーンが。せいぜい2階建ての木造家屋の町並みを蹂躙していく様が、現代のデジタル技術と昔の映画風にわざと粗した画面のおかげで、史上最高のゴジラ映像として見られます。映画館を出るとき周囲から、あの技術でゴジラ映画を作って欲しいという会話がちらほらと聞こえてきました。考えてみればゴジラが無理なく映画上で暴れ回れるのは昭和30年代までなんでしょう。科学技術が発達し(高層ビルの建ち並ぶ現代では何をやっても嘘くさくなってしまいそうです。制作者の意図はわかりませんがゴジラもまた昭和30年代の郷愁の対象なのかもしれません。昔のゴジラファンとして1点プラスで8点献上です。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-04 00:28:24)(良:1票) |
9. ゲゲゲの鬼太郎(2007)
《ネタバレ》 あまり期待せずに見に行ったのですが、それが良かったみたいです。妖怪の脇役陣のキャストはほぼ完璧! が、肝心の鬼太郎がねぇ・・・。ストーリー上も鬼太郎はメインとは言えないので、まあ、これでも腹は立たないかというところですが、「ゲゲゲの鬼太郎」を名乗る映画なら鬼太郎をもっとましなキャスティングをしてもっと主人公らしく扱って欲しかった。とにもかくにもストーリーのメインが父親との約束を守ろうとする子供によって、引き起こされることがなので、こぢんまりしすぎていてつまんないし、妖怪裁判もしっくり来ませんでした。原作のどんよりとした雰囲気は80年代以降のアニメでもすでに失われていたようですけど、これも、やはりそうで、白黒時代のテレビアニメ&劇場アニメを見ていたものにとってはちょっと違和感が強すぎます。今回、あれだけの脇役陣を揃えたんですから、鬼太郎役をもっと良い俳優を見つけ、原作の雰囲気に沿った作品を期待したいですね。 [映画館(邦画)] 5点(2007-05-24 22:19:55) |
10. 俺は、君のためにこそ死ににいく
《ネタバレ》 この映画の評価は、その人の思想信条にかなり大きく左右されそうですが、まずは思想信条に関係ない部分から。 航空機の飛行シーンや米船団などCGで描かれた映像は、これまでの日本映画にはない出来映えです。高射砲の炸裂などがいかにも合成と見えるのが残念ですが、戦闘機の映像は適度にブレを加えて、かなり実写に近い雰囲気が出ています。もう少し技術が進歩すれば、改めて太平洋戦争の航空決戦を描いた映画が作製されることを期待します。 ストーリー展開は、初めから特攻が始まるところからなのに加え、知覧にやってきては散っていった特攻隊員のエピソードがいくつも繰り返されるので、各エピソードの掘り下げがなくて見ていてまったく感情移入ができないばかりでなく、食堂のおばさんが特攻隊員達に母親のように慕われたということに関してもいまひとつ説得力に欠けています。おまけに最後の方の満開の桜並木の下でホタルが飛び交うシーンは、夢オチでないかぎり成り立たないでしょう。 さて、一見、全編、特攻隊員達のある面、犬死にといっていい運命を描いているものの、上記のようにエピソードの掘り下げがないことに加え、軍上層部や単純に特攻隊員達を軍神とたたえる人々の描写のせいか、「男たちの大和」のように戦争の非常さを通して、反戦を訴えるといったものではなく、むしろ捉えようによっては国のために命を投げ出すことは美徳だと説いているようにも受け取れます。また過剰と思えるくらいに台詞に登場する「靖国神社で合おう」や朝鮮人の特攻隊員のエピソードなど、どうしても胡散臭さを感じてしまいます。 結局、評価できるのは特撮場面だけで、その他に関しては問題の多い作品と感じます。 [映画館(邦画)] 4点(2007-05-16 21:33:54)(良:4票) |
11. バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
もっと、おちゃらけた映画かと思って見たら、意外にまともな作りでした。阿部寛と広末涼子の持ち味を生かした演出と、テンポ良いストーリー展開に判りやすい伏線も手伝って、バブル当時を知らない人でもそれなりに楽しめるかもしれません。タイムパラドックスの扱いも過去を変えれば現代も変わるという基準で徹底しているので、タイムトラベルした二人に言及しなければ、納得のいくものです。 ところで、バブル時代を経験した世代は、映画で描かれる浮かれた世界を実体験した人と、私のように報道で知っているだけでとくに関係のなかったもの、バブルの弊害をもろに被った人で、この映画を見終わって抱く感想はだいぶ違ってくるでしょうが、バブルを楽しんだホイチョイがなんの反省もなく徹底して「あの頃は良かった」的作りをしたおかげで、かえって誰にとっても嫌みのない仕上がりになってます。見終わっての個人的な感想としては、もし、現実にタイムマシンがあって過去を変えられるなら「バブルの始まりを止めたかった」です。 [映画館(邦画)] 7点(2007-02-25 19:44:48) |
12. ゴジラ FINAL WARS
《ネタバレ》 なんだかんだ言っても怪獣映画が大好きなものにとって、なんとも評価の難しい映画です。「ゴジラ対ガイガン」で愛想を尽かしたものの、84年のゴジラ以降また見始め、ゴジ・ハムでは映画館に行きたいながら、ハムが嫌で行かなかったおじさんにとって、久しぶりの単独上映。おまけに最後のゴジラということで、期待に胸をふくらませて映画館に行ったのです。が、始まった途端に嫌な予感が・・・。話が進むにつれ、あの忌まわしき昭和40年台のどうしようもない雰囲気が。ミニラが出てきて軽トラに同乗、で、あの結末・・・。小学生の時に感じたのと同じ失望感が思いっきり沸き上がりました。で、この失望感だけで採点すれば間違いなく1点ぐらいなんですが、恐ろしいことにこの馬鹿馬鹿しさになぜか惹かれるものがあるんですよ。でもこんな映画に高得点は付けたくない自分がいて、葛藤の末3点です。 [映画館(邦画)] 3点(2007-02-20 02:21:10)(良:1票) |
13. 墨攻
《ネタバレ》 原作が好きだったので期待して見に行ったのですが・・・。城防衛のための攻防に関しては文句なし。でも、中途半端にラブストーリーを絡めたせいで、革離の人物像が曖昧になっただけでなく、ストーリー展開も中途半端なものになってしまってます。せめて逸悦が助かっていれば、それなりに納得できたでしょうが。 [映画館(字幕)] 5点(2007-02-19 23:34:53) |
14. ゴジラ(1954)
後の怪獣映画を観ると、この作品は正に偶然と奇跡の賜だったのかもしれません。レベルの低い特撮技術のなかで、いかにそれらしく見せるかの工夫と、着ぐるみが重すぎて素早く動けなかったことがもたらした、ゴジラのスケール感。そして、居丈高に反戦・反核を唱えていないのに、作品全体から伝わってくる平和への思い。これがすべて意図されたものだったら、その後のゴジラシリーズももっと違った展開があったのかもしれませんが、その後の作品を見るにつけ、本作が如何に奇跡的な出来だったのかと思いを新たにします。日本映画としては奇跡としかいいようのない本作に対し迷わず10点献上です。 [映画館(邦画)] 10点(2006-12-23 02:10:01)(良:1票) |
15. 亡国のイージス
せっかくの豪華キャスト&自衛隊の(撮影)全面協力を台無しにした作品。自衛隊には撮影だけでなく内容に対しても監修を行って欲しかったです。すでに多くの方々が言われているように、映画の焦点を何に置くかがおそろしく中途半端で、その結果、映画そのものがどうしようもなく中途半端になってます。個人的には登場人物の描写を整理して、自衛隊全面協力を生かして迫真の艦船・航空機のアクション・シーンを描いて欲しかったのですが、それもかなわず、人間ドラマも詰めの甘さばかり目立つし、基本的な設定そのものもいい加減すぎます。まあ、これだけ酷い脚本でも出演者の演技力でそれなりに見られたので、甘めですが4点とします。 [地上波(邦画)] 4点(2006-10-31 23:26:34) |
16. フラガール
この映画、見てるといろいろな過去の映画が頭をよぎりますね。パロディやオマージュといいたものでなく、シーンの作り方やストーリー展開の参考にしているのがありあり。各エピソードの盛り込みかたがちょっと散漫なのと、明らかなお涙頂戴的なシーンが多いのが気になりました。が、全体としてみれば話の展開の流れもよく笑いあり涙ありでけっこう出来のよい作品に仕上がってます。そして圧巻は最後のダンスシーン。蒼井優の踊りが素晴らしいこともあり、それまで気になっていたこともすべて吹っ飛び、気持ちよく見終わることができました。 [映画館(邦画)] 8点(2006-10-08 19:12:41) |
17. 陽気なギャングが地球を回す
《ネタバレ》 この映画、出演者は役柄にぴったり合ってるし、ちゃちなCGによるカー・アクション?もふくめ個々のシーンのノリもいいのに、なんだかあまり面白くなく、何が悪いのか判らないもどかしさを感じてしまう不思議な映画です。まあ、見終わって腹立たしくもないし、時間つぶしにはちょうどいいのかな。 [映画館(邦画)] 5点(2006-07-08 23:14:15) |
18. 初恋(2006)
《ネタバレ》 この映画、「子供から大人へ」をメインテーマに三億円事件をひとつのエピソードとして挿入した、昭和40年代の青春群像劇としてみるべき作品です。当時のちょっと背伸びした青臭い青年像が出演者たちの演技も含めうまく描かれていて、子供ながらリアルタイムであの当時を知るものとしてはある種の郷愁と感慨があります。が、各エピソードの設定が甘く、空想の世界の絵空事のような印象を受け、特に三億円事件の準備からその後の顛末に関してはその感が強いため、ストーリー全体が散漫になっているのが残念です。結局、大人になれたのは「大人になりたくない」と言った主人公だけで、その他は子供のまま命を失なったり消息不明になったりと、なんともやりきれない結末のはずがリアリティの無さがそのやりきれなさと大人になった主人公にたいする感慨を薄めてしまっています。さらにこの作品の評価をややこしくしているのが主演の宮崎あおいです。演技力には定評のある彼女のこと、演技にはなんの不満もなく、主人公の心情、成長?の過程を実に良く表現しているのですが、彼女独特の無邪気な可愛らしさが現れるシーン(当然、演出で狙ったはずですが)を見ていて、こういう娘だからこそ実行犯になれたと受け止めるべきか、こんな娘が実行犯になれるはずがないと受け止めるべきか映画鑑賞中に困惑してしまいました。見ている最中にこんなことを考えさせる映画なので、作品の出来としてけっしてほめられたものではないのですが、あの時代の雰囲気を思い出させてくれたことに対して6点献上です。 [映画館(邦画)] 6点(2006-07-08 23:00:38) |
19. キャッチ ア ウェーブ
おもいっきり陳腐な青春ドラマ。1970年代にテレビ放映された青春物から借りてきたようなシーンばっかり。陳腐なストーリー展開自体はけっして悪いとは思いませんが、脚本が悪いのか演出がまずいのか、とにかくテンポが悪すぎ。見ていてぜんぜん波に乗れないまま終わってしまいました。せっかくサーフィン協会が監修しているのにサーフィンの映像がいまいち。竹中直人の役柄にもいい加減うんざりだったのですが、後半はなかなか良かったのでこれはプラマイ・ゼロ、というか最初の悪のり部分をどうにかして欲しかった。主演の三浦春馬をはじめ若い出演者たちはおおむね好感が持てましたが、映画と言うよりはお手軽テレビドラマといった感じで、あえて映画館で見るほどの物ではないですね。 [映画館(邦画)] 5点(2006-05-10 23:02:24) |
20. シムソンズ
コーチの設定をはじめ「クールランニング」のカーリング版だなあと思って観てましたが、制作段階で「「スウィング・ガールズ」と「クール・ランニング」を足して2で割ったような映画にする」ということだったそうです。まったくの素人が練習を重ねて大舞台にたつという物語としてきわめてオーソドックスな展開だし、メンバー4人のキャラ設定や訳ありのコーチもよくあるパターンで目新しさはないものの、安心して観られる出来です。カーリングのルール解説や作戦の説明がうまく盛り込まれているし、シート整備の様子もさりげなく挿入されていて、カーリングになじみのない人でも十分に楽しめるでしょう。モデルになった4人のメンバーのうち2人は今回のトリノ大会にも出てるそうなので、予選期間中(今日の時点では予選突破はきつそうなので)に観に行った方がより楽しめるかもしれません。ほんとうは7点ぐらいですが、毎日のようにオリンピックのカーリング中継を目にして盛り上がっているので1点おまけです。 [映画館(邦画)] 8点(2006-02-19 15:14:51)(良:1票) |