1. THE 有頂天ホテル
まぎれもなくグランドホテルを意識したグランドホテル形式のコメディ。十分楽しめましたし、エピソードが多いのはいいのですが、やっぱし中心となるお話が欲しかったですね。音楽が貧弱なので盛り上がりに欠けるのもマイナスポイント。音楽が良ければウルッとくる場面がいっぱいあったのになあ。コメディが成功するには、やっぱしウルッとくる場面が絶対必要だと思います。 [DVD(邦画)] 6点(2008-11-24 21:18:09) |
2. 歓喜の歌
わたし、あんまり日本映画見ないのですが、何となく借りてきたらこれが結構良い作品でした。作中大きな盛り上がりがあるわけでもないのですが、笑うところではプッと吹いてしまいますし、ウルウルって来るところも多くって、見終わったらとっても清々しい気分になりました。悪役がいなくって善意で構成されたストーリーで、じんわりと感動できる作品に仕上げちゃうのってすごいなあと思いました。そして改めて歌の力を強く感じました。 [DVD(邦画)] 8点(2008-11-23 21:45:57) |
3. 二十四時間の情事
普遍的な映像美をもった作品です。冒頭の男女が肌を重ねるシーンもきれいですし、上半身の肌の重なり合いだけ(下着が描写されない)なので古くささを感じさせません。背景は50年前の日本なので実際古いのですが、白黒作品であるということと、男女の顔のクローズアップが多いのでこれも時代を感じさせない要因になっています。また、フランス女性は顔の作りが日本人に近いので、岡田英二さんと共演しても大きな違和感はありません。ただ、フランス人女性側のそれまでの人生は描かれていますが、日本人男性側の人生がまったく描かれてないのがちょっと不満です。日仏合作とはいえ、フランス人脚本監督のあくまでフランス映画ですから、大戦でドイツに蹂躙されてそこから解放されて10年ちょっとのフランス人の気持ちになって鑑賞するといいのかもしれませんね。岡田英二さんは行きずりの日本人男性という設定で良かったのかな。ちょっと、モンティ&ジェニファー・ジョーンズの終着駅を思い浮かべてしまいました。8点つけようとしたんですが、ラストがやや唐突な気がしたので一点減点。でも、メディアが変わっても消滅しないで引き継いで欲しい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-10 09:45:37)(良:1票) |
4. ロスト・イン・トランスレーション
異国での心象風景を描いた作品として佳作だと思います。これって、男女の年を逆にすれば、銀河鉄道999の鉄郎ととメーテルですよねえ。最後にキスもしちゃうし。男の人っていくつになっても少年なんだなあって思ってしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2007-10-07 18:08:00) |
5. アポロ13
元々ドラマティックな実話を、忠実に再現しようとしてるので悪い点のつけようがないといった感じかな。ゲイリー・シニーズとエド・ハリスがすっごくかっこよかったで~す。 [DVD(吹替)] 7点(2007-03-04 19:04:35) |
6. 美しき運命の傷痕
映像はすごくきれいで迫力がありました。反面、ストーリーの流れや人間関係はわかりにくかったです。終了間際にわかるのでいいようなものなのですが、観ている最中は不安で仕方ありませんでした。お母さん役の女優さんは、美しさの中に凄みがあって恐いぐらいの迫力でした。そして最後のシーンはやっぱりドキッですねえ。最後の言葉がお母さんの筆談から出てくるからには、父母の間で作品に描かれている事件以前に何かあったはずなのですが、そこには一切触れられていませんでした。映像と女優さんたちの演技を楽しむには十分に優れた作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-06 22:44:03) |
7. タンポポ
《ネタバレ》 何度も見ている大好きな作品です。はやらないラーメン屋を再建する話をメインにして、役所広司と黒田福美がホスト役。その間に食べ物にまつわる話を入れ込んだ設定。伊丹さんは、ラーメンストーリーよりも「食にまつわるエッセイ」の方が描きたかったのではないかなあと推測しています。その中でも一番のメッセージは「エロティックな食物たち」かなあ。いろんなシーンでそれを表現していますが、私が一番感じたのは、原泉おばあちゃんが津川店長と追っかけっこする場面(いつぞやのテレビ放映ではカットされていた)。カマンベールをグニュ~、桃をグチュグチュ、お汁がピュッってシーンです。ああ、食べ物はエッチなんだと理解したのです。エンディングの公園での授乳シーンの意味が最初見たときはわからなかったけど、何度目かに見たときに「ああ!母乳が生まれて最初の食べ物なんだ」とわかったときは嬉しかったなあ。一つ一つのシーンがとても丁寧に撮られていて、本当に美味しそう。食物の周りの人間心理もうまく描かれています。伊丹映画の中で一番好きな作品です。最後に大好きな台詞をご紹介。「だっておじさん、ラーメン食べるのはそのド素人なのよ。素人にわからない味のラーメン作ってどうするの」 [DVD(邦画)] 9点(2006-05-21 17:15:15)(良:1票) |
8. ふたり(1991)
《ネタバレ》 大好きな映画です。この作品はきっと、兄弟姉妹の有無、長女か次女かで感じ方も変わってくると思います。石田ひかりのけだるい雰囲気がこの映画のカラーを作っていますね。エンディングのおじさま二人のハーモニーもいい感じで涙を誘います。公開時に観て、エンディングでついにこらえきれず涙でグシャグシャになった記憶があります。公開時には、やっぱり実加や千津子、真子中心に観ていましたが、十数年たってDVDで再度観て、また涙なのは同じ。でも、十数年の年月を経て、私も大人になり社会人になっていろんな経験をして、岸部一徳、富司純子、増田恵子の大人の皆様方の関係にも興味津々。富司のおかあさんてすごいなあ。あんなに優しくしかもバシッと増田恵子を追っ払っちゃった。映画は変わらないけれども、鑑賞者の方が年を経ると感じ方も変わるみたいですね。舞台が尾道のせいか、今観てもちっとも古さを感じない映画です。蛇足ですが、一度でいいからああいうスタジアムみたいなところで、飲み物を持ってぶらぶら歩きながら第9を聴いてみたです。 [DVD(邦画)] 9点(2006-05-12 21:27:52)(良:1票) |