1. DEATH NOTE デスノート(2006)
《ネタバレ》 徹夜明けの夜に鑑賞したにも関わらず、全く眠くなりませんでした。序盤の演出?(バスケ、エキストラのセリフ、テレビ報道等)で「こりゃダメだ…」と思ったのも束の間、終わってみれば「映画版」デスノートとしての面白さを十分に発揮できた傑作という感想に至りました。漫画を忠実に再現しても、こんなに面白くはならなかったでしょう。漫画はジャンプで毎週楽しみにして読んでいましたが、漫画より面白かったです。 良かった点は、捜査本部に入る動機をしっかり作れたこと。そしてLのお菓子好きを単なるキャラとしてだけではなく、ラストでLの凄さをアピールする道具として利用させたこと。ポテトチップスを食べながら登場する場面は、お菓子好きを伏線として使った映画ならではの名シーンです。後編は間違いなく最高に面白いと思える作品になるのだろうと確信できた前編でした。 こういう漫画原作映画やアニメ映画は、そもそもとんでもないフィクション設定が根底にあるわけですから、作り手にとってもリアリティーとフィクションの境界線の引き方がすごく難しいと思います。ストーリーの流れと漫画的な盛り上げ方、人間離れしたキャラクターなどをどう折り合いをつけて「実写」という現実に不自然でないように映し出すか。なのでこういった映画を楽しむためには鑑賞能力も非常に大切です。漫然と見ていればいくらでもツッコミ所が出てきてしまうもので、そうなると例えば私は序盤の演出やレイとナオミの会話シーンで「うーん…」と不自然さを感じてしまうわけです。これは作者の境界線と自分の境界線が重ならなかったということで、映画が悪いのではなく鑑賞者である自分が悪いのです。境界線の位置は人それぞれ違うので、全員を満足させる線引きは不可能です。ゆえに鑑賞者が線を合わせていかないと、偶然制作者と気が合ったという場合にしか楽しめないことになります。世の中漫然と見ても楽しめる寅さんみたいな映画ばかりではないと考えます。それを踏まえると、このデスノート前編が絶妙な境界線を引けていることがわかります。 ただ一カ所だけどうしても気になるのが、ポテチの袋の中の小型テレビをあっさりとゴミ箱に捨てるシーンがなかったこと。あればもっと面白いというだけのシーンだと思うので、カットした理由が気になりました。 [映画館(邦画)] 9点(2006-11-08 13:16:08) |
2. 名探偵コナン 瞳の中の暗殺者
《ネタバレ》 ベタだけど燃える展開がコナンに合ってます。記憶を失うという非常事態にお母さんも登場し、家族の絆や園子との友情も見所となった作品でした。中盤のポイントはやはり列車が迫る線路に蘭が突き落とされるシーン。それ以外はどうしても退屈になってしまうのがコナンクオリティですが、終盤は一気に加速します。諸所の不自然さを気にすることは完全なる鑑賞ミスです。どんなに離れていても、蘭の危機を知るや否や光速で助けに行き、命懸けで守るヒーロー江戸川コナンにシビれることが大事なんです。真犯人の存在を知った小五郎が愕然とするシーンが終盤の幕開け。コナンはジェットコースターのレール上をスケボーで滑り大ジャンプして一気に蘭の元へ(笑)劇場もいろんな意味で大変沸いておりました。有り得ないアクションあってこそのコナンですよね。これを見に言ってるんです!風船が撃たれて割れるシーンが好きです。コナンが蘭の手を握る場面で「ああ、もう大丈夫だ」と思わせてくれます。そして見てて恥ずかしいぐらいのラブロマンス、だがそれがいい!思い出の遊園地の思い出の噴水で記憶を取り戻した蘭が、「君がいれば」をBGMに犯人を空手でやっつけるという、まあ、これ以上ない素晴らしいクライマックスですね(笑)定番お決まりの面白さっていうのがコナン映画の魅力であることを再認識しました。そして私がこの映画で非常に高く評価するのがシメ(終わったあとのオマケにあらず)です。1作目も最高でしたが、それ以上に上手いシメだと思いました。コナンカッコイイワァ! [映画館(邦画)] 10点(2006-05-12 08:09:33) |
3. 名探偵コナン 天国へのカウントダウン
《ネタバレ》 クライマックスに全てを詰め込んた、ディズニーリゾートのスプラッシュマウンテン+センターオブジアース的な映画。そのため、コナンの映画としてはおよそ文句の付け所がない最高傑作です。これが10作目でも良かったかな。前半の退屈さをもうちょい上手く解消できてればね。歩美ちゃんのハートのストップウォッチが全てだよね。もう最高に歩美ちゃんモエッツつ!!!可愛い!神!!そもそも最初の女子大生歩美ちゃん写真で、既に今回の主役は歩美ちゃんって公示してたよね。次の映画で蘭にするみたいに歩美ちゃん一人を命懸けで守ってあげてよ。スケボージャンプは相変わらず劇場がいろんな意味の歓声を上げてました。白鳥刑事の「コナン君が飛び越えました!」っていうセリフに笑った。エレベーター狙撃シーンが好き。良いよね、伏線もちょびっときいてるし。蘭とのラブコメはクサいほど良いんです。嫌いな人は笑うところだと思いましょう。例のバンジージャンプは劇場が沸いてました。てかこれでまだクライマックスじゃないなんてサービスしすぎ!最高!!あたかもそこが最高の見せ場みたいにしてた予告編にうまく騙された。コナンがビルに戻るシーンのオーケストラverの「君がいれば」が最強に燃えるっての!少年探偵団今まで馬鹿にして悪かった。お前ら以上にすげえ小学生はいないよ。光彦はマジいい男。普通に私より頭いいし。元太この映画では頑張ったけど10作目では… [映画館(邦画)] 10点(2006-05-12 08:05:53)(良:1票) |
4. 名探偵コナン ベイカー街の亡霊
《ネタバレ》 予告編にあった馬車のシーンや灰原のセリフに期待していたのですが、馬車シーンはなくセリフも微妙に違ったことや、少年探偵団のあっという間のワンパターンな退場は致命的になった人もいそう(「コナン君危ない!!キャア!?」みたいな)あと秘密道具が使えないこと、ラブコメが薄いこと、コナン名物のありえないアクションがないこと…等々により期待を外されました。ただこの作品は非常に良作です。私の見方がズレていただけ。定番に期待しすぎると、新しいパターンできたときに対応できませんね…。 この映画は最初から最後まで飽きないし、映像の動きも秀逸。ロンドンの雰囲気や細かい遊びなど見所も満載でした。ママ出てきたもんねママ!!新一のお母さん好きなんだよ!可愛いよね?まあテーマもしっかりしているし、クライマックス後のオチもなかなか…なんというか非常に良く出来た話で微妙にコナンらしくないような気もする作品でした。しかし灰原の「あなたは私達にとってのホームズなんだから…」みたいなセリフを超期待してたのに!!なんか中途半端なセリフになってた…このセリフ聞いたら超シビれる自信があったよ。シャーロック・ホームズなんかより、コナンの方がもっとすげえ探偵だぜって思わせるシーンが見たかったの。 [映画館(邦画)] 8点(2006-05-12 08:03:18) |
5. 名探偵コナン 迷宮の十字路
《ネタバレ》 平次と和葉は見てて「はにゃーん」となっちゃうぐらい萌えますね。この映画での大ピンチも、和葉にとってはデートの一環でしょ?平次と和葉のピンチってラブシーンにしか見えないんだよね。であえであえー!平次の剣道の腕の見せ所だぞ!「義経になりたかったんやー!」って、別にそこまで批判される動機でもないと思うけど、やっぱ笑ってしまう…。犯人顔変わりすぎて分からなかったし。でもそんなことはどうでもいいんです。和葉を助けるために平次が戦うための舞台ですから。平次はコナンと違って完璧さに欠けるから危うい。なんか怪我要員というイメージがあるし。だかそれがいい。 コナン=義経、平次=弁慶 みたいな?なんかそういうところが良かったです。クライマックスでの超人的アクションはなかなか良かったよ。有り得なければ有り得ないほどいいんだよ。平次もピンチ時に推理頑張ったね。自分だったらテンパッて片っ端から引き出しあけてるね。こういうアクションと推理の融合がコナンの面白さだよね。姉さん六角の歌、しばらく頭から離れなかったなあ。コナンも京都も大好きなので、この映画は内容云々よりもまず個人的感覚で最高点つけました。あとEDの歌と実写が珍しくとっても良かったです。後味を悪くさせない良いスタッフロールでしたね。てかB’zの歌は微妙なんだよな。あとバイクは…なかったことにしよう(笑) [映画館(邦画)] 10点(2006-05-12 08:00:48)(良:1票) |
6. 名探偵コナン 銀翼の奇術師
ああっこれで終わりかよ!あと一山あれば傑作だったのに!と言う感じ。私としては無事着陸して終了では物足りませんでした。それで終わり?みたいな。コナンの超人アクション≠飛行機の操縦ではないなあ、と。それに、歌はやっぱり「君がいれば」がいい。「ボクがいる」はなんかクライマックスっぽくない…あとキッドは好きなんですけど、平次が大活躍!の迷宮~の方が燃えたなあ。キッドはなんか飄々と問題解決するので熱さに欠ける。ドラえもん映画でいうタイムパトロールに助けてもらったような感じがします。今作はベイカーのように最初から最後まで飽きないタイプの作品でした。そこは非常に評価が高いです。ギャグも好調でした。それは監督が変わったせいらしいですね。 パニックアクション映画であることになんの文句もないし、着陸させるための方法がちゃんとコナンらしく伏線が効いてるし、コナン映画の形としてはいつも通りで問題ないことは疑いがないですね。でも見せ場において「あと一歩」が足りないと感じてしまった。飛行機って事でスケールが大きすぎて小回りがきかなかったかな?面白かったとは思うけど、感想は短めになっちゃいました。 [映画館(邦画)] 8点(2006-05-12 07:57:24) |
7. 名探偵コナン 水平線上の陰謀
《ネタバレ》 コナン映画は毎年楽しみにしている私ですが、これは正直あまり見せ場がない作品だと思いました。見所は本当に最後の最後のクライマックス。ここでは「おぉ!!」と感動しました。これは文句なしに良かったです、ブラボー中谷! 他には小五郎が活躍するところも良かったです。いつも通りのピエロ役と見せかけて…なかなかカッコよく見せますね。あとはまあ犯人が初めから分かっている形式をとっておいて実は真犯人が別にいたという意外性(?)が見所といえば見所ですが…。コナンの映画を一作目から見ていれば、そういった純粋なミステリー部分に過剰な期待するべきではないことがわかります。コナンのアクション&蘭とのラブロマンス→クライマックスでの伏線回収によるカタルシスという形での多重エンターテインメントであることがコナン映画の一番の魅力であって、ミステリー部分に特化してもコナンならではの面白さが出せない退屈な印象の強い映画になるように思います。コナンの粗や不自然さに寛容な私でも、今回のクライマックスへのもっていき方は無理矢理感が強いです。小五郎と犯人との格闘シーンは「なぜ格闘しているのか?」という疑問が浮かびました。せっかく豪華客船が沈没するのですから、沈没に伴う見せ場がもっと欲しかったです。水中キスシーンを入れるなら今作に入れるべきでした。面白くするためならもっとタイタニックをパクっていいと思います。でもEDの実写は逆にダメです。何故捨てる!?って感じです。 [映画館(邦画)] 7点(2006-05-12 07:44:42) |
8. 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
今までの中で全体的に見れば一番楽しめた!最初から最後まで飽きさせないのは、要所に「見せ場」と「笑い」を挿入しているからでしょう。ファンなら楽しめなきゃ嘘でしょ。ファンだからこその不満もいっぱいあるけどね。記念すべき10作目ということで史上最大のハラハラドキドキ感、大爆発、蘭とのラブロマンス、アクションシーンなどを期待して見に行く人が多いと思うのですが、例えば「天国へのカウントダウン」のような派手さを基準にすると、ちょっと期待を外されるかも。 今作のポイントは事件のスケールの大きさではなく、コナンとしてのスケールの大きさです。つまり、主要登場人物みんなが活躍&危機に陥るということです。これまでは蘭とコナン中心のピンチであったり、少年探偵団や平次と和葉のピンチであったり…と個別的でしたが、一度に全員が生きるか死ぬかという状況になったのは今作が初めてですからね。地味だけどそこを見て欲しいわけよ!! 推理の方も結構面白かったと思います。オチというか犯人のダメさっぷりもいい味出してると思います。コナン映画の犯人は動機がイカレてることが多くてそこが好きですね。「結局~だった」というところは、個人的にグッと来ましたが。探偵物って警察を馬鹿にしちゃう感が強いので。 また印象に残ったシーンが一番多い映画かもしれません。全部挙げていたらキリがないくらいですが、敢えて一つ挙げるとしたらやはり灰原の2シーンですね。一つ希望を言えば、やはりコナンの人間技じゃないアクションがほしかった。今回はキッドや平次、灰原に助けられっぱなしのコナンでしたね。それゆえ、仲間(+キッド)のコナンへの愛を感じた映画でもありました。とっても満足できましたよ!10点以下は付けられませんね。 [映画館(邦画)] 10点(2006-05-12 07:40:18) |