1. レッドクリフ Part I
《ネタバレ》 「レッドクリフ」というタイトルでありながらまだその「赤壁の戦い」が起きてないわけで、パート1だけで評価するのはおかしいかもしれない。とりあえず前編を見終えたいま思うのは、Part2を映画館に見に行くことはないだろう。しかしレンタルは借りるだろう、ということ。 僕は三国志のファンだから、何はともあれ三国志にふさわしいスケールで映像化してくれたことだけでもありがたい。有名なシーンが出てくると、あの場面をこういう風に描いたか、と興味深く思う。 問題点その1。役者がパッとしない。全体的に、その時代の中国を動かしていた人物たちにふさわしい迫力が無い。トニー・レオンという人、名前はよく聞くが、団子っ鼻の普通の人にしか見えない。関羽、張飛は小太りのおじさんで、強そうに見えない。曹操には周囲を畏怖させるカリスマ性が感じられない。 問題点その2。切り合いのシーンに見ごたえがない。関羽、張飛、趙雲にはもっと、バケモノのような強さを見せてほしかった。やや中途半端。 林志玲さん、美しい。とんでもなく美しい。 「赤壁」という地名は、この映画で描かれる(予定の)「赤壁の戦い」の後でつけられた。曹操船団が燃え、岸壁が赤く染まって見えたから「赤壁」なのだ。パート1中ですでに「赤壁」と読んでいるのは、間違いである。 [DVD(吹替)] 6点(2009-03-14 22:33:10)(良:1票) |
2. ラスト サムライ
武士道とかサムライ精神っていうのは、江戸幕府が幕藩体制を維持するために、儒教という他国の哲学を利用しながら作り上げていったもの。戦国時代以前の武士を見りゃわかる。保身と欲のために、主家をころっころ替えている。仁も義も礼も無い。 だからこの映画が勝元一派を「古き良きもの」を大事に守っていると描いているのは滑稽だし、日本にきてまもないアメリカ人がそれに魅せられることに至っては片腹痛い。 そう思った時点で、ストーリーが優れていようが役者の演技が良かろうが、この映画を評価することはできない。 ちなみにストーリーも、ものすごく面白いとは思わない。 まあ元々この映画、日本人が見て評価するように作ってないのだろう。南北戦争の将校が日本に来て、欧米にはない価値観をもつ人々を発見しましたよ!強烈な美学を持ってます。生き方は壮絶ですよ!てのを見せる映画であって、この時代が現代日本からしてもかすむほど昔になったのをいいことに、ちゃっかり背景として利用しただけのことだ。日本以外の他国の人が、実際の歴史に照らし合わせて細かいツッコミを入れることはあるまい。 [DVD(字幕)] 4点(2009-03-04 02:38:27)(良:1票) |
3. 天然コケッコー
これがNHKの1時間ドラマであれば、「けっこういいドラマを見た」という感想になるかもしれない。田舎の少女の恋愛をさほどの起伏もドラマもなく描くには、2時間は長すぎる。映される農村、田園、山河は本当に美しい。風景がもう一つの主人公と言ってもいい。ストーリーはその美しさを損ねないようにほのぼのして、舞台のユートピア感を醸し出す。しかし。その「ほのぼの感」だけを2時間楽しむのは無理。 退屈。この一言に尽きる。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2009-02-09 00:34:58)(良:1票) |
4. 仁義なき戦い
そこそこ面白い。基本的にヤクザ映画は嫌いだが、この映画はヤクザを過度に美化していない点に好感がもてる。 広島出身者としては、劇中の広島弁がどうしても気になった。映画の質と直接関係はないが、思った事をいくつか書いておく。 セリフ自体は、ほぼ正確な広島弁だった。だが、ほとんどすべての役者がイントネーションを間違っていた。一番マシだったのは菅原文太だった。 映画中で「こんな」という言葉を「お前」という意味で使っていた。しかし広島弁で「こんな(こんなあ)」は「こいつ」という意味であって、「お前」ではない。同様に「そいつ」を「そんなあ」、「あいつ」を「あんなあ」と言う。 イントネーションについては最も難しい部分だから、ある程度はやむを得ないと思う。だが語彙の間違いはできるだけ避けてほしいものだ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-12-30 13:44:30) |
5. 崖の上のポニョ
正直なところ、よく分からない。宮崎氏自身が「子どもたちのために作った」と公言しているのだから、分からなくても文句を言うべきではないのかもしれない。いずれにしても間違いないのは、僕にとっては面白くも何ともなかったということ。 この程度の映像であれば、それだけを見て大人が賞賛するほどではない。ストーリーは無いも同然。宮崎氏の、ほのぼのとしたファンタジックな世界観を表現しただけ。 宮崎駿は世界最高のアニメーション作家であり、世界最高の映画監督の一人であると思う。しかしながら、残念なことに世界最高の脚本家ではない。<改行> すでにかなりのお年寄である。この巨匠が映画を作れる時間は、無限にあるわけではない。早くナウシカ、カリオストロ以上の、いやせめてそれに次ぐ傑作を。切に求める。 そういえば宮崎アニメの、というかジブリ作品について他にも文句があったのを忘れていた。声優以外のタレントを使うのをやめてほしい。有名人の集客効果を期待しているのか。しかし日本映画において、「宮崎駿」というブランド以上に集客効果があるものなんぞ、無い。タレントは声優ではない。しかも観客は顔を知っているから、顔をイメージしてしまって映画に入り込めないことが起こりうる。ただの邪魔なのだ。 [映画館(邦画)] 4点(2008-08-27 18:15:17)(良:4票) |
6. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
《ネタバレ》 あんなに所轄署員いじめに血道をあげる本庁の管理職はいねえ。このシリーズ、事件そのものではなく事件をめぐる所轄vs本庁官僚主義の対立が主軸になっているが、それにしてもその対立に無理あり過ぎ。ありゃ官僚主義じゃなく、性格が悪いだけだ。 青島 「どうして現場に血が流れるんだ」……そりゃお前、現場だからだろ。会議室に血が流れたらもっと変だ。 本広、カメラをぐるぐる回し過ぎ。目が回る。 [地上波(邦画)] 4点(2008-02-06 01:03:13) |
7. さくらん
安野モヨコの漫画の映画化だから、見た。 驚くほど、漫画との違和感がない。あの淫靡さとけばけばしさをよく表現している。良いのはそこまで。話は90%漫画の通り。従って、「漫画をもう一度読んだな」程度の印象である。レベルが同じなら、最初に作られた物の方に価値がある。 土屋アンナの顔は、どうしても好きになれん。大根であるのは仕方ないにしても。 [DVD(邦画)] 3点(2008-02-06 00:59:52) |
8. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 演出は高度で一つ一つの場面を切り取れば緊張感があるが、とにかく話に中身がなさ過ぎる。評判になったタップダンスのシーンは確かに楽しいが、ストーリーと何の関係もないので意味がない。北野さんの映画はほとんど観たことがなかったが、すごい才能だとは思う。惜しい。 [DVD(邦画)] 5点(2008-02-06 00:48:56) |