1. 叫
アジアの某国在住。日本映画のソフトはハリウッドリメイクされたものが元ネタとして出回る位だが、RetributionというKoji Yakusho主演のVCDを見つけた。おっこれは多分リメイクされてない映画だよなあ、Jホラーはやっぱ人気あるんだろうか、Retribution“報い”ね、観てみるか、ということで鑑賞。最初にタイトルが出てきたところでへえ、原題は叫なの・・・と何だかネタバレされた気になったのだが、どちらかといえば英題の方がネタバレだった。で、作品はというと、幽霊は怖くないし、ネタバレ展開は面白くないし、結末も強引で白ける。幽霊役たちはわざとああいう喋りなんだろうが、ただの棒読みにしか聞こえないし、幽霊役でもないオダギリジョーの演技も下手すぎ。が、誉めどころとして、舞台設定はイケてると思う。開発に失敗し、建物が立っては壊されていく埋立地。地震で液状化して海水でぬかるむこの土地の、じめっとした暗さが良かった。こういうJホラー独特の湿感、暗さを描いてくれたのでおまけしてこの点。 [DVD(邦画)] 5点(2009-09-03 18:13:20) |
2. ミンボーの女
これはすごく良かったです。社会派のテーマを実に解りやすく見せてるし、キャスティングには非の打ち所がありません。考証がきっちりされているので、問題となっている事象にリアリティがあります。従業員のストレスによる血尿など、インパクトのあるエピソードを効果的に織り込み、テンポの良い展開で最後は爽快に決めてくれる。伊丹監督は実存する社会問題を、映画というエンターテーメントにまとめ上げるのが本当に上手いですね。あー、しかしこれが生かせるような状況には…立ちたくないよな~。 [地上波(邦画)] 8点(2009-05-06 13:14:47) |
3. アポロ13
(私にとっての)1つの難を除き、素直に感動できる作品だった。無論実話だから感動できる、ということになるけど、手間とお金をうんとかけて、よく練ってかつ良心的に再現した、という感じ。昔のニュース映像も本物とか。航空機を使って作ったという、無重力状態なんかの技術面も凄い。また、結末が解ってるのに、これだけの緊迫感を作れるのは相当の演出力だと思う。ドラマチックにしたところもあるわけだが、過剰すぎず、かつ効果的な脚色で好感が持てる。宇宙飛行士のみを英雄にせず、地上スタッフの活躍を強調してみせる公平性も高く評価できる。ホーナーの音楽は実に感動的だ。難は…敢えて言わせてもらおう、トム・ハンクスである。私は別にアンチ・ハンクスではないのだが、良くも悪くもこの人は役者としてのキャラで見せるというか、役作りをしない(ように見える)。そういう俳優はたくさんいるけど、この人は顕著と思う。実話ものでは、ここがどうしても気になってしまうのだ。本作のラヴェル船長(実在キャラ)は、先に観ていたプライベート・ライアンのミラー大尉(フィクションキャラ)とかぶりっぱなしだった。この作品で初めてトム・ハンクスを見たのだったら、気にならなかったんだろうが…。この人には実在の人物をやって欲しくない。トム・ハンクスで-1。すみません。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-23 13:04:44)(良:1票) |
4. 火の鳥(1978)
当時、火の鳥黎明編がいつのまにか映画化されてたのを知り、放映されるのを楽しみにしてたのですが、あまりのダメさに最後まで観るのが苦痛でした。原作を擦り切れるまで愛読してたこともありますが、単品の映画作品としても全然ダメでしょう。市川崑監督だったの?驚くばかりです…。 [地上波(邦画)] 1点(2009-04-22 13:16:12) |
5. 天城越え(1983)
ストーリーは清張の名作だから、悪くなりようがありません。ミステリーの形をとりながら、謎解きより緻密な人物描写に力点がおかれてるので、役者は映像化における最重要ポイントでしょう。本作と大谷直子のNHKのTVMと、ついでに田中美佐子が演じたTVドラマも観ていますが、本作の田中裕子はなんか発するオーラが違うんですよね。演技力はよく考えると皆さん(演じた当時で)それほど変わらないと思うし、大谷さんも美佐子さんもそれなりの雰囲気は出してたんですが、本作の手ぬぐいを姉さんかぶりにしてそぼ濡れた田中裕子の、背筋をなぞられるような、色気というのか気だるい魅力というのか、なんとも形容しがたい吸引力にはかないません。取調べの壮絶なシーンも印象的ですが…。少年時代の主役も思春期の少年らしく良かったですね…ってこの時22歳なんですか!いや、撮り方が上手いんだろうなあ、ううむ。トンネルや霧雨など天城峠の日本的な映像美も素晴らしい名作。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-20 13:21:40) |
6. となりのトトロ
大学生の時に初めて観たんですが、良かったですねぇ。明らかに子供向けなのに、心がコトコト揺り動かされるような感じでした。観たことのあるジブリの作品の中では一番好きです。正直、ナウシカのメッセージ性などは、なんか心に響かなかったので。この作品のメッセージは、自然に伝わる感じです。ある大阪出身の友人が鑑賞前に「めっちゃいいねん、何がいいって無いんやけど、とにかくいいねん。はっきり言って、どってこと無い話やねん、子供の空想世界みたいな、でも何がいいって解らんのやけど、とにかくめっちゃいいねん!」と言ってたのを聞いたのですが、鑑賞後、このボキャブラリーの少ない(笑)評が、なんて的確なんだろうと思ったものです。大阪弁の表現力は時々ツボをついてますね~。ちなみにあの都市伝説を聞いて少し怖くなったのですが(バカ)、製作側はその意図は全く無いと、はっきり否定してるそうです。安心。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-18 13:05:42)(良:1票) |
7. 黒い雨
原爆投下直後の広島の町の描写もかなりのリアリティで怖いが、作品は「黒い雨」を浴びたことによる二次被爆を中心に描いている。核兵器は言わずもがな大量破壊兵器であるが、それと同時に静かに体を蝕む「見えない兵器」の面もある。直接被爆はしていない、ヒロインの抜け毛という形でそれが見えるものになる、この描写には背筋がゾッとした。昨今は若者が右傾化し、核兵器を持って強い国になろう!という意見も見かけたりするが、核兵器の使用というのが何をもたらすのか解って言っているのだろうか?爆発の直接被害のみならず、人の体の奥まで入り込み、静かに人間を破壊する放射能兵器というものの恐ろしさを。核兵器に肯定的な人には是非観て欲しい映画だ。また本作では被爆者差別も描かれている。はだしのゲンでも「ピカの毒がうつる」と避けられる被爆者差別の描写があったが、「ピカの毒」の得体が知れなかった以上、避けた人の気持ちも解る気がする。所謂「無知が生む差別」に対しては正しい知識を広めることが先決だが、当時は二次被爆などの害ばかりが形になって現れ、正しい知識など得ようが無かった。ここの問題も描けていると思う。 [地上波(邦画)] 8点(2009-04-15 13:41:26) |
8. 悪霊島
原作、本映画化作品とも評判が芳しくないのだが、私としては、今のところこれまで観た金田一ものでは、一番好きな作品。これは当時のCMの出来が中々良く、Let it beをバックに数場面が映し出され、ピタッと音楽が止まって「悪霊島。鵺の鳴く夜は恐ろしい。」というおどろなナレーションが入る、というものだった。これは怖くて面白そう!観たい!と思ったものだ(実際に鑑賞したのはTV放映)。CMや予告編で期待させられた映画は往々にして期待を裏切られるものだが、狂言回しの古尾谷雅人が、時代背景をビートルズにかこつけて語る冒頭からよく出来ており、適度にグロくてシュールな世界観が充分楽しめた。岩下志麻、公開年から計算すると40歳か…きれいだよなあ。鹿賀丈志の金田一が良かったのも意外だった。彼はなんだかんだ言って二枚目俳優だと思うが、三枚目ぶりがちっともわざとらしくなく、意外に(失礼)演技力のある役者だと思った。ま、犯人はすぐ解ってしまうが、本作は時代の変遷による価値観の変化なんかを織り込みながら、犯人の人物像や、動機を解明していく過程や、おどろおどろした世界観を楽しませてくれる作りになっているので、犯人当ての楽しみがなくても面白い。ただ個人的に、Let it beを聴くと「人の腕をくわえて走る犬」(確か本編ではLet it beはこの場面ではかからない。CMのみ)が頭に浮かぶようになってしまったのは悲しい…。 [地上波(邦画)] 7点(2009-04-14 13:11:01) |
9. ルパン三世 カリオストロの城
ちょっとレビューするの迷った。確かにすごく面白くって、本当は手放しで誉めたいんだけど、どうも手放しになれない「ちょっと引っ掛かる」作品。私はルパンは前から知ってたし、それでいて原作やTVのコアなルパン・ファンではないので、どぎつさが抜けて取っ付きやすくなった本作の、正に対象になる層だと思う。しかし、やはり「コアなファンはキャラが去勢されているように感じるのでは?」とコアなファンでもないのに感じてしまったんだな。不二子なんか、TVでは登場したら親の目を気にするキャラだったもん。本作では手負いのルパンをグライダーから腕一本で助け出すなど、アクションでは滅茶苦茶かっこいい所を見せるが、売り物のお色気は影を潜めちゃってる。とっつあんの最後のセリフも有り得ないし。完成度は極めて高く、日本のアニメ映画作品の5本の指に入るのも納得、でも敢えて言わせてもらえば、ルパンⅢ世という既知のキャラで作った作品として、どうしても一抹の引っ掛かりを覚えてしまうのです。とはいえよく出来た面白さに、この点で。 [地上波(邦画)] 7点(2009-04-06 13:12:33)(良:1票) |
10. 八つ墓村(1977)
確かTV初放映の頃はたたりじゃあ~の流行りは一段落してたと思うが、怖そうでとても観れなかったなあ。全編通してみたのは結局大人になってからだったかも。うちの両親は金田一耕介に石坂浩二はかっこよすぎると常々言っていて、渥美清のこれが一番イメージに近いそうなんである。うーん、でも私はなあ、きっと渥美氏が悪いんじゃないだろうが、寅さんに謎解きされてもなあ、と違和感で満杯だった。原作からの脚色については、何度も映像化されている作品だから(今後もされると思うし)こういうのがあってもいいという感じ。おどろおどろした横溝ワールドも、ふたを開ければ殆どがオカルティック無しの本格派推理なので、これが唯一の映像化作品とか言うのならまずいだろうけどね。たたりじゃあ~♪ [地上波(邦画)] 5点(2009-04-04 13:13:19) |
11. 戦場のメリークリスマス
騒がれていたのは、豪華キャスト、音楽、そしてテーマの1つに同性愛を盛込んだため?印象度は確かに高いのだが、結局何が言いたいのかよく解らなかった。反戦ものでもなさそうだし。公開の頃に大島監督のインタビューが雑誌に載ってて、何と言うか、自己解説というより自画自賛って感じだったのを思い出したが…戦争という普遍のテーマを扱いながら、わからん奴は頭が悪いと言わんばかりの小難しげな映画を作るって、何か好感が持てなかったなあ…。難解っぽい振りをして、かつ欧米から見た日本軍の印象を「利用」して、自分の好きな世界観を作っただけ、という意見を聞いたが、その辺が当たらずとも遠からずなのかも。教授も、あのメイクを含めてなんかいかにも作られたキャラになってたし、相手にもミュージシャンを配したあたり、えらく狙ってる感じだし。教授の音楽とたけしの存在感+ラストのセリフは印象的でした。 [地上波(邦画)] 4点(2009-04-03 13:07:00) |
12. SADA 戯作・阿部定の生涯
公開の頃にどこかの映画紹介で「敢えて性的な観点に重きをおかず…」みたいなことが書かれてて、阿部定でそれをして何が描きたいのかよく解らん、と思った覚えがありました。入ってるケーブルでWOWOWの配信があった頃、つけたら丁度冒頭だったので鑑賞したのですが、放送コードが日本より厳しいこの国でもあまり映像が途絶えなかった(編集されてるわけでは無いので、問題場面で映像が切れる。問題ない場面になると映像が戻るので、どの位放送コードに引っかかる場面が続いたのかは判る)ことからしても「敢えて性描写を控え目にしている」のがよく解りました。問題なのは抑えたのが「直接的な性描写」のみならず、性の対象であった吉蔵(役名は龍蔵)は実はどうでもよかったかに見えること。関係した幾多の男性とさして違いは無いというか、吉蔵への思いより岡田への追慕がやたらクローズアップされ、「思春期のトラウマとそれと同時に芽生えた初恋」みたいのが、阿部定のベースになっていたんだよ、という映画になっちゃってます。うーん、やっぱそりゃ無理があるでしょう。どんなに多彩な男性遍歴があろうとも、あんな事件を起こしたのは吉蔵が特別だった証拠でしょうから、吉蔵とのやっちゃ寝三昧の生活中もあのパンが象徴的に登場し、岡田との想い出の方が本当は大事、みたいな描写をされたら、その後の事件の説得性もなんもあったもんじゃありません。監督には、女性は基本が純情みたいな幻想があるんじゃないかなあ・・・。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-04-01 13:18:10)(良:1票) |
13. 銀河鉄道の夜(1985)
宮沢賢治は児童文学の巨匠とされるが、「児童」の頃何作か読んだ印象としては、筋は追えるものの、感性的に難解でひどく置いてけぼり感をくらうイメージが強く、この映画の原作も、その例に漏れなかった。長じてからストーリーをぼんやりとしか覚えていない状態で本作を鑑賞したわけだが、意外なことになんともすんなりと世界観が入ってきたのである。またこれも意外だったのだが、この「猫」のアレンジで感情移入しやすくなってたのにも驚いた。鑑賞後、原作を読み直した。映画はなかなか忠実に、そして実に解りやすく世界観が映像化されてるのが解った。あの置いてけぼり感はもう無かった。そして何作か他の宮沢作品も読み返してみた。のめりこんだ。私は宮沢賢治の童話は「大人のための童話」なのだと思う。無論感性の強い子供が読んでも入り込めるのだろうが、大人が触れるとあの世界観がまた違った感覚で入ってくるような。この映画は原作を愛する人のイメージを損ねずかつ、作品を解りやすくするという、ある意味での「映画」としての機能を果たしている作品のように思う。宮沢賢治の世界への「導入」として打ってつけなのではないか。子供も大人も、宮沢作品をどこか敬遠している人に、かえって勧めてみたい映画。 [地上波(邦画)] 7点(2009-03-27 13:12:09) |
14. クリフハンガー
かつて某森田一義氏の○キャブラ天国というダジャレの投稿番組があり、採用したダジャレを映像化した寸劇?が中々面白く、よく観ていました。その中で確かこういうのがありました。崖から崖に張られたロープから宙吊り状態のバンドにしがみつく女性。ロープから手を差し伸べる救助隊員の男性。「頑張れ!もう少しだ」手を必死で伸ばす女性。手には白い容器。「ああ、もうだめよ」「諦めるな!頑張れ!」が、白い容器が男性の手に届く直前に女性の手を離れる。「あっ・・・」谷間に落ちていく容器。容器のふたが開く。“クリフハンガー”というテロップが出てその上から文字がなぞるように変わっていき、悲鳴調のアナウンスがかぶる。「栗ごはんが~」落ちていくくりごはん。…あまりのバカバカしさに腹がよじれるくらい笑いました。スタジオの評価も良かったんじゃないかな。 あっ!ごめんなさい、映画の話じゃなかったですね。つまり映画は、そちらの短編(?)の方がよっぽど強烈に記憶に残ってる、という程度の内容だったということで…。雪山ロケを頑張ってること位が誉めどころでしょうか。 [地上波(吹替)] 4点(2009-03-26 13:15:38) |
15. 僕らはみんな生きている
コミック版をリアルタイムで読んでいて(スピリッツ読者でした。同誌では盛んに映画の宣伝もしてましたが)、後から本作をTV放映で鑑賞したのですが、かなりがっかりしました。コミックは作画の山本直樹氏の脚色が多分に入っていたようですが、そちらの方が、要らんエロはあるものの、アジアの赴任地で現地女性をおもちゃにする日本人駐在員の描写やら、ODAの皮肉ももっと強く出てたと思います。結末もこの映画版は危機から脱出して「でも僕たち日本人だもんね~」ってな感じのライト過ぎる終わり方。コミックでは助けたはずの中井戸が、“反乱軍が政府になってそちらに取り入れば会社の一発逆転が狙える”と再度狂気じみた社畜ぶりでゲリラの陣地に戻っていき、果たして反乱軍は勝利し、数年後の高橋と中井戸の皮肉な後日談が描かれます。その後日談の中では、勝利したものの現状は何も変わってない、セーナの煩悶もさらりと描かれており、重くなりすぎない程度にちょっと考えさせられる結末でした。山本氏が原作者というわけではないので、同じというわけにはいかないでしょうが、もう少し結末にも、シニカルさを出して欲しかったですね。これでは、調子の良すぎる日本人に、少し嫌悪感さえ感じます。 [地上波(邦画)] 4点(2009-03-25 13:09:04) |
16. 風の谷のナウシカ
《ネタバレ》 何度か観てるけど、世間の高評価とあわせ、なんともおいてけぼり感の強い作品です。一応面白いことは面白いんですが、肝心?のメッセージが今ひとつ伝わってこないというか、胸に響かないというか。しかも「メッセージ性の強い作品なんだろうな」いうことは感じるので厄介です。筋も大体は解るんですが、オババの語る伝説に合わせてナウシカが生き返る?とこが…本当に生き返ったのか、伝説をナウシカに重ねて幻想を見せてるだけなのかがよく解んなくって、ラストで感動より、思いっきり置いてけぼりでした。あと、ナウシカの幼少期のトラウマの場面もわかり難くて。初見の時すでに世評が固まってたので、期待しすぎたのもあったんでしょうが・・・。なんとなく、私にとっては、深遠なテーマを入れた感動物であるより、小国のお姫様が大国の侵略に立ち向かう活劇だけの、もっと単純な作品だった方が良かったように思えました。 [地上波(邦画)] 5点(2009-03-23 13:23:22) |
17. 疑惑(1982)
多分3回くらいは観てるから、初回時以外は結末は分ってたんだけど、大人になるほど面白くなりました。脇役含めてこれ以上のものは無いと思えるキャスティング、ぐいぐい引き込むストーリーとテンポの良さ。法廷での戦いと、クマ子と女弁護士の正反対のキャラの戦い、もう最高でした。あの桃井かおりの腹立つ口調、ちょっと真似したくなっちゃいますよね。証言の核となる“クマ子は悪い女だ。でも私は愛している。”・・・そりゃあ、そんな父の言葉は無かったことにしてしまいたかったわな~。少年はかわいそうでした。女のコワさが分る映画だけど、男の弱さにため息が出てしまう結末も秀逸です。 [地上波(邦画)] 8点(2009-03-20 13:27:05) |
18. 課長 島耕作
キャスティングした人、きっと原作が嫌いなんだよ。 [地上波(邦画)] 1点(2009-03-17 13:19:46) |
19. 春琴抄(1976)
主演映画のほとんどが文芸ものだったことからしても、山口百恵というのはなんかこう別格だったんだろうなあ。歌は下手ではなかったが、演技は決して上手くないし、そもそもいっちゃあ特別美人でもないんだけど、やっぱりオーラみたいなものがあったように思う。本作でもそういうのを感じる人は感じるだろう。が、私はTV放映された当時まだ小学生だったので、モモエちゃんはなんでこんな高慢ちきでいけ好かん女を演じてるんだろう、友和演ずる佐助はなぜこんな女に尽くすのだろう、ああ目まで刺しちゃってえ、と理解に苦しんだものだ。まあこれは元々内容が「マゾヒズムを越えた耽美主義による究極の愛」だもんなあ、子供に理解できなくて当然か。原作は何度も映画化・舞台化されているとのことので、人の心を打つ作品なんだろうが(句読点を省いた文体による実験的作品で、えらい読みにくいとかいうので今後も読むことはないだろうが)、私は今でもこういう「献身モノ」はちょっと肌に合わない気がする。他の俳優で演じられた春琴抄は観ていないので、比べようもないのだが、アイドル映画にしちゃややアレな内容が、きれいに丁寧に撮られていたとは思う。目を閉じた百恵にああきれいと嘆息できる人、原作というかこのストーリーが理解できる人には満足できる作品だろう。 [地上波(邦画)] 6点(2009-03-14 18:50:15) |
20. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
世代の人間だが・・・私はTVで放映されていたシリーズは、ほとんど見せてもらえなかった。二次大戦の反省や反戦意識の高い親が「戦艦大和」に拒否反応を示したのは自然なことだったが、どういう風の吹き回しか、街に出た時、公開していた劇場前でこれが観たい、とねだったら、あっさり見せてくれた。実は自分でも巷で人気の宇宙戦艦ヤマトがどんなものか、興味があったらしい。こんな経緯だったため、断片的に観た時の情報や、級友からの話で主要キャラや基本的設定くらいは把握していたものの、それほど馴染みはなかった。にもかかわらず、しっかり感動した覚えがある。主題歌も良かったなあ、沢田研二はまだジュリーと呼ばれてたっけ、いい歌だよなあ・・・。問題はこれがヤマトの最後と信じたのに、その後永久にだの完結編だのが出て、思いっきり失望させられたこと。いや、私はこれらは観てないんだけど。まあ、この作品自体の印象は上述のようにいいのだが、大人になってから観てないので(観るのが怖い)やっぱり今観るとかなり古臭いかなあ、という不安と、元々のヤマトファンでないのでこの点で。 [映画館(邦画)] 6点(2009-03-13 13:10:29) |