1. 幕が上がる
《ネタバレ》 全然ダメというわけではありません。 例えば、百田夏菜子演じる高橋さおり。 吉岡先生の前でふてくされるシーン。心の中で悪態をつくシーン。そーいったものは自然な演技ですごく良かった。 一方、ちょっと長めの『語り』になると、途端に拙さが出ます。 『真面目なセリフ』『クサいセリフ』『自分語り』などは顕著に出ます。 そのセリフの中身の青臭さと、セリフ回しの拙さがあいまって、もうかゆくて見ていられないレベル。 また、脇を固める黒木華、ムロツヨシ、伊藤沙莉がうますぎて、実力差が悲しいほどに出ちゃってます。 一度それが気になりだしちゃうと、なかなか物語に入り込めないものですね。 他の高校の演劇シーンも挿入されるのですが、それがまた上手いわけです。 とてもももクロメンバーの演技力で全国は無理だったと思うので、県大会がスタートするところで終わらせたのは、タイミングとしてはベストだったと思います。また、映画のタイトルをここで最後の最後に入れてくるのは、ニクイ演出です。 また、有安杏果だけでなく、百田夏菜子やしおりんも舌っ足らず。あーりんは棒読みが多い。 そんななか、高城れに演じる『がるる』だけは、なんの違和感も感じませんでした。 もしかして、ももクロのなかじゃ一番演技がうまいのはれにちゃんなんじゃ・・。 退屈になりそーな映画を支えていた立役者の一人は、まちがいなくれにちゃんだと思います。 そしてなんと言っても黒木華演じる吉岡先生が素晴らしかった。 完全にももクロを食ってしまう、圧巻の演技力。吉岡先生が途中で離脱しちゃったときは、この映画の行く末どーなんのと、本気で心配してしまうくらい。本作は、黒木華にかなり助けられている印象です。 [DVD(邦画)] 5点(2025-06-07 01:36:37)《新規》 |
2. ジャッジ!
《ネタバレ》 面白いかなぁ・・・これ・・・。 いや、面白くないだろう・・・。 まず前半が苦痛。 見ていてイライラする人間と、性格の悪い人間しか出てきません。 人物に魅力が無さすぎて、コメディなのに全然笑えません。 一番嫌いなのは、他でもない主人公、太田喜一郎。 口では随分正論を述べているようですが、それに見合った努力を主人公はしているのでしょうか。 良いCMを作るために勉強するとか、試行錯誤するとか、そーゆー描写が少しでもあれば応援する気になれます。 でも全くない。努力もしなけりゃ工夫もしない。 ただ流れに流されて、自分の感情ストレートに出してみて、結果それがたまたまうまくいっただけにすぎません。 それでも後半は前半に比べりゃ多少はマシです。 本来ライバル関係の審査員同士に、なんかよーわからん友情が芽生えちゃうのは嫌いじゃない。 そして、本当に良いCMをグランプリにするため、みんなで力を合わせる流れも好きです。 結果論とはいえ、太田喜一郎が審査会で出会った人たちに認められ、友情を育むラストは爽快ですらあります。 でもそれは、あまりにマイナス地点からのスタートだったため、相対的に後半がよく見えただけという気もします。 それにひかりが主人公にラストで恋心を抱くのはあまりに不自然だと思います。 『ビジネスパートナーとして、これからは一目置いてあげる』 くらいに留めておくべきだったと思います。 ま、一番の問題は、この映画の笑いのセンスが幼稚すぎて、コメディなのにすべりまくっているところでしょう。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2025-05-25 18:55:06) |
3. 心が叫びたがってるんだ。(2015)
《ネタバレ》 予想の何倍も良かった・・・最初のうちは・・・。 もうめっちゃいい映画、共感しまくり、・・・・最初のうちは・・・。 ヒロイン成瀬の両親がまじでクソ親で毒親。すべて自分達が悪いのに、何を全部娘のせいにしてんねん。最低です。 ・・・という気持ちからスタート。当然成瀬を応援する気持ちで物語は始まるわけです。 そしてヒロインを支えるもう一人の主人公、拓実。こいつがいいやつなんだ~。『ふれ交』の実行委員、仁藤と田崎も最初は反発しながらも、次第に4人は一枚岩になっていきます。そのプロセスは青春もののエッセンスがこれでもかっていうくらいつまってて良いです。 脇役たちも良い味出しています。 最初は乗り気でないクラスメートたち。 でも実行委員の4人の友人たちが協力を名乗り出ると、少しずつクラスメートたちも協力的に。 定番ですけど、こーゆーノリ好きです。 そして拓実は言う、『成瀬の本当に言いたいことを歌に乗せよう』 とても良いです。感動的です。ベタで王道だけど最高です。 とまあ、ここまでは良かったんですが、問題は恋愛問題ですよ。 終盤になって。なんか恋愛動き出して。 いや、別にそれは良いんです。恋愛パートあったって。それ自体に反対はしません。 その直後ですよ。 拓実が自分に恋心を抱いていないとわかった成瀬、まさかの『ふれ交』当日ドタキャンという暴挙に出ます。 正気を疑います。 それはないわ。 これだけの人を自分の都合に巻き込んでおきながら。 ラブホの廃墟でどれだけ拓実と成瀬の心の交流描かれたって、全然入ってこないんですよ。 ミュージカルのほうが気になっちゃって。 なぜなら私は常識と良識がありますからね。 つまり、そーゆー至極まともな人にとっては、最後大きく落胆させられること間違いないのです。 このシナリオ書いたひと、『自分達さえ良ければそれでイイ』って思ってますか? ついでに言うと、田崎のラストの告白はマジで蛇足。 メンヘラ女と粗暴な田崎じゃ絶対不幸になるから、やめときな。 [DVD(邦画)] 6点(2025-05-20 02:41:12) |
4. ロマンス(2015)
《ネタバレ》 出だしこそ面白かったんですけどね。 大島優子はかわいいだけじゃなくて、ちゃんと演技ができるから良いです。 冒頭の、『仕事ができる車内販売員』がまず好印象。 このままお仕事ドラマでいくかと思いきや、なぜか初対面の万引き犯と母親を探す旅に出ることに。 う~ん、万引き男を捕まえるくだりまでは面白かったんですけどねー。 母親を探す旅に出てからはちょっと退屈だったかなぁ・・・。 思い出の地に赴くたび、差し挟まれる回想シーン。最初のうちこそ、見てるこっちまで切ない気持ちになっちゃって(なんか子役の女の子がうまくて!)、めちゃめちゃ感情移入しまくっていたのですが。 同じような回想シーンが何度も何度も出てくると、『ああ、またか・・・』という気持ちに。 感動が薄れるだけでなく、話のテンポも遅くなっちゃう。 ミステリーでもない限り、回想シーンを多用するのはあまり好きではありません。 それと、今作の大倉孝二演じる桜庭のキャラがちょっと苦手。 とゆーか、彼の演技が苦手なのかな。あまりに演技演技していて、劇中彼だけ浮いている感じがします。 それに万引きをして迷惑をかけておきながら、仕事中の主人公を勝手に連れ出すなんていう非常識極まりない行為が笑うに笑えず。 あのできない同僚1人車内に残して、主人公仕事クビになったりしないか、余計な事が気になって仕方が無かったです。 小道具としてのコイン。 人生において、何かしらの選択の場面でコインを使う桜庭。 でもこれさ、『表が出たら○○する』って先に言っておかないと。 どーするつもりかわからないのに、コイントスだけ見せられても。 はちこの『それ表だよ。数字が書いてあるほうがウラ』発言だって、今までの選択が全部ひっくりかえるっていうプチサプライズのはずなのに、見ているこっちは具体的に表でなにして、で裏でなにするつもりかを知らんから、何も驚けない。 そーゆーところがすごくもったいないです。 [DVD(邦画)] 4点(2025-05-15 02:39:21) |
5. 白ゆき姫殺人事件
《ネタバレ》 綾野剛演じる赤星の目線から始まる物語。 TⅤ局に契約社員として勤める赤星。 勤務態度は不真面目不誠実。テレビ局で得た情報をツイッターにつぶやくコンプライアンス精神皆無の男。絵に描いたようなダメ人間。見ていて辛いです。 こんな不愉快な人間が主人公で、2時間も見ていられるか不安になったのですが、この人途中から存在感なくなっていきます。 いるにはいるんですけど、この人が撮っている『インタビューを受ける人たち』が主体になっていきます。この辺のシフトが自然で上手。 ただ、インタビューを受ける人たちも、おおよそ良識や常識が欠けている人が多く、辟易します。 極端におかしな証言をしているわけではなく、なんか誰しもが持つ人間の嫌な部分をちょっとずつ見せられている感じ・・・。 事実に個人の主観が加わりアレンジされていき、そんなちょっとだけずれた供述や証言が集まっていくイヤ~な感じ。こうやって真実が捻じ曲げられていくんですね・・・。誰かが決定的な仕事をしたわけではなく、ちょっとの誇張、ちょっとのうろ覚え、ちょっとの思い込み、ひとつひとつは『ちょっと』なんだけど、積み重なると大きな間違いへと発展していくのがよくわかります。 こーゆー手法で、『間違った認識』を『われわれ見ている側に自覚させる』のは面白いです。 精神的に追い詰められた城野美姫が自死しようとした寸前で流れるニュース。真犯人逮捕の報。このどんでん返し感とテンポの良さは好きです。 それに、自己中心的な殺人犯はつかまり、劇中最も性格の悪い女はめった刺し、ダメ人間赤星もこてんぱんに罰をくらうのは、ちょっとすっきりします。 ただそれ以外にも嫌なやつはいっぱいいて、そういった人たちに何のペナルティもないってのがちょっとね・・・。 あと殺人はシロかもしんないけど、事故とはいえバイオリニストを突き落としちゃったのはクロなわけですから、そこは何か決着をつけてほしかったかな。 あ、それと、大学の時のエピソードとその親友(実際は親友でもなんでもないけど)は正直要らなかったと思います。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2025-05-06 01:02:37)(良:1票) |
6. 神さまの言うとおり
《ネタバレ》 原作漫画がくだらないので、映画もくだらない出来になっております。 ある意味、原作に忠実と言えるでしょう。 このくだらなさは、悪くないくだらなさ。 『バトルロワイアル』とか『人狼ゲーム』とか、理不尽なデスゲームのなかでは、一番ライトでポップな作品。デスゲーム初心者にはオススメです。 それにこんなシナリオでも、演者のみなさま、なかなかの熱演でございます。これぞプロ魂。みなさま素晴らしいです。 原作同様、主人公の高畑瞬がここぞというところでひらめきを見せる爽快感もあり良い感じ。 原作にあるゲームもないゲームも、誰もが知っているゲームをデスゲームにしちゃっているからとっつきやすい。 ラストの缶蹴りは実はデスゲームでもなんでもなかったっていう、ここにきての意外性。 そしてそこからのアイスの裏切りが最高。 とまあ、エンタメとしては全然悪くないんですが、なにせ人物の掘り下げが浅い。 原作自体が、アイデア先行みたいな出来なので、人物の掘り下げが甘いのは仕方ないのですが。登場人物と一緒にハラハラしたりドキドキしたりしたい人には絶対物足りない映画でしょう。 とりあえず、かみまろもニートも、この2人のおっさんは映画版には不要でしょ。ストーリにからんでこないんだから。 むしろこの2人を全カットにして、そのぶん尺を短くしてテンポよくしたほうが良かったと思いますよ。 そうやって謎を残したまま終わったほうが理不尽さも際立つし、こんな映画でも多少ラストが引き締まったんじゃないかな。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2025-04-23 04:13:26) |
7. アオハライド
《ネタバレ》 たま~に若かりしときのノスタルジーを求めて、こーゆー青春ものを見てしまう。 そして見たあとにいつも思う。 自分にはまったくなかった青春時代であると・・・。 まあ、漫画原作、しかも少女漫画原作みたいですから、そりゃそうだ。 映画の出来とか、ストーリーとか、特筆すべきものはこれといってありません。 とりたてて非難すべきところもなければ、かと言って人におススメできるようなものでもありません。 お暇な人や、学園青春ものがお好きな人はどーぞといった感じです。 あと、ばっさーが好きな人。もう本田翼のプロモと言っても過言ではないくらい、ばっさーな作品です。 個人的には、前半の売店のシーンが好きです。 売店のおばちゃんから、『あんた、お金払いなさいよ。』と言われて、『払いました』と言ったのに、信じてもらえず、周りの友人たちも助けてくれないシーン。そこに颯爽と現れる東出君、『こいつ払ったよ。』。いや、ベタだけどい~ですね。 で、それだけで終わらず、ばっさーの友人たちを一喝したあと、売店のおばちゃんに向かって『謝れよ』の一言。 このシーンはスカッとします。 でもここが割とピークで、こっから先はどっちつかずなグダグダ男になりさがっちゃって残念。 まあ、悲しい過去があるのはわかるけどさ。原作未読なので、原作を読んだらこのキャラも素直に受け入れられるのかな? 後半はお約束のオンパレード。 よくある『親しい人の死』によるお涙頂戴ものへとストーリーがシフトしていくのです。 まあいいけどね。 本田翼が好きだという理由だけで、この映画を見たわけですから。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2025-03-17 04:16:56) |
8. 虐殺器官
《ネタバレ》 いやー、もうなんか難しくて、わかりづらくて。 アニメーションやアクションシーンはとても良かったのですが。 疲れていたからアニメでも見ようと思って借りたのですが、疲れているときに見るような作品ではありませんでしたね。 ヒロイン的立ち位置だった人が、主人公が信頼している仲間であり友人から射殺されちゃうシーンは強烈でした。 でも、それからなんの躊躇もなく、その友人に発砲する主人公の行動はまるで意味がわからず。 ソレニアナタタチハカンジョウヲヨクセイスルヨウナショチヲサレテイルンジャナカッタデスッケ? その割に、主人公はずいぶんと感情で動くなぁと思った次第。 なんかね、ヒロインが殺されてしまったことも悲しかったですが、それ以上に簡単に友情が壊れちゃうような展開のほうがよほど悲しい。 終盤、子供兵しか出てこない、そして子供兵を躊躇なく撃ち殺していくシーンは、なんとも悪趣味。 なんにせよ、映画やアニメを娯楽として楽しみたい自分には、まるで向いていない映画でした。 ああ、なんか無性にドラゴンボールが見たい・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2025-01-15 04:12:18) |
9. 屍者の帝国
《ネタバレ》 ワトソン、バーナビー、ニコライの3人で旅をする前半はなかなか面白かった。 謎の美女のハダリーが時々助けてくれるサプライズも好印象。 完全フィクションの世界なのに、実在する人名や小説の登場人物を使って、さもそんな時代があったかのような舞台設定が斬新で楽しい。 ゾンビを社会の労働力として当たり前のように使役している世界観も面白い。 ただね、後半になればなるほど、ストーリーがわけわかんなくなるんですよね・・。 登場人物の行動原理も抽象化されすぎて、みんなが何をしたいのか、何を目指しているのかがよーわからんのです。 ザ・ワンと、それに対立する組織のトップみたいな人間。 でもどちらもやってることは似たり寄ったりで、結局ゾンビを暴走させてるだけなんじゃ・・。いったい何がしたいのか。 事態が収拾したら、もともと生きている人たちは元に戻ったみたいですが、ゾンビに咬まれた外傷やらは普通に大怪我だと思うのですが、その辺は何の説明もなしにスルーしちゃうんですね。 ストーリーはつまらないうえに、わけがわからなさすぎて、これはハズレだと確信したのですが、エンドロール後の後味はなかなか良かったので、そこは加点しておきます。 ※ニコライさんがゾンビにされちゃうの、かわいそうすぎて見てられんかった。劇中一番衝撃的なシークエンスではありますが、ニコライさんはあんな形で離脱させんでほしかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2024-12-16 08:14:27) |
10. 寄生獣 完結編
《ネタバレ》 1作目にひきつづき、2作目も会心の出来。 とくに前半から中盤にかけてが出色。 終盤、後藤との一騎打ちになってからは、単調なアクションとなってしまって面白味に欠けます。 やはり寄生獣の醍醐味は、さまざまなキャラクターの思惑が交差するその人間ドラマにあります。サスペンスとしてもホラーとしても人間ドラマとしても、とにかくストーリーが面白い。倒す倒されるだけの関係になってしまう終盤は、物足りなさを感じてしまいます。 特にこーゆージャンルの作品は、主要人物や主要キャラがどんどん退場していき、物語が終盤になるにつれ単調になりがちです。 この映画も例外ではありません。 前作は、最初から最後までとにかくストーリーで魅せてくれました。ストーリー、脚本が面白いからこそ、アクションシーンにより一層の緊張と興奮とカタルシスを感じられます。 ただ原作も前半から中盤にかけてが特に面白く、終盤になると普通のモンスターアクション漫画になってしまった覚えがあるので、原作に忠実っちゃあ忠実なのかもしれません。 市役所襲撃のシーンと、田宮良子のエピソードを平行して描いたのは最高に良かった。 映画ならではの興奮と感動を味わうことができました。 ここまでだったら10点でも足りないくらいです。 やや不満点も挙げてしまいましたが、邦画がこの手のジャンルでここまで面白いものを作ってくれるようになったのは幸せの極みです。 [ブルーレイ(邦画)] 9点(2024-11-17 13:55:00) |
11. 寄生獣
《ネタバレ》 原作の大ファンです。 何度も読みなおしました。 アニメも見ました。 この手のジャンル、この手の実写化作品のなかでは、過去一良くできているんじゃないでしょうか。 そもそも連載漫画の実写化なんて、尺の関係上うまくいくわけがないんです。 ところがところがこの作品、なんともきれいに2時間の枠内にまとめあげて・・・。 しかも無理も無駄もないストーリー展開。 省いていいところは思い切って省き、大事なエピソードは全部詰め込んでいます。 そもそも母親の死のエピソードと島田のエピソードをどちらも入れてくれたことに拍手を送りたいです。 ミギーがどんどん知識を吸収して賢くなっていく様子や、ミギーと泉とのほのぼのとしたやりとりもしっかり描いています。 原作ファンとしてはずしてほしくないエピソードをこれだけいれて、なおかつストーリーが破綻もしていなければ駆け足にもなっていない。じっくり丁寧に、でもテンポよく見せてくれて、最初から最後まで至福の時間でした。 田宮良子に深津絵里をキャスティングしたのもうまいですよね~。 マンガ原作映画でここまで完成度が高いものを見られる日が来ようとは。 [ブルーレイ(邦画)] 10点(2024-10-15 04:39:31) |
12. 人狼ゲーム デスゲームの運営人
《ネタバレ》 うわー、まさかの二重構造。これはしてやられましたね~。 天上人だと思われていた人たちも、やはり誰かの手のひらの上。またきっと違うゲームの賭けの対象になっていたのでしょうね~。 ラストの怒涛のネタバラシは圧巻でした。 今作は歴代シリーズのなかでもビジュアル最強。プレイヤーも運営側も、いまどきの美少女ばかり。とても華やか。もったいないから、誰一人死んでほしくないものです。 運営側とプレイヤー側。両陣営のドラマをほぼ均等に展開した結果、どっちつかずの映画になってしまった感は否めないですね~。それぞれのドラマの密度が薄くなってしまいました。 特に前半。運営側のターンは若干間延び気味。「そのシーン、本当にその尺必要?」ってな箇所が散見されます。前半のテンポは決して良いとは言えないでしょう。 正直最初は、今までの人狼ゲームと比べて見劣りする感じだったのですが・・・やはりラストの盛り上がりが非常に良かった、これに尽きます。今までにない、驚愕の真実。最後の最後で、この作品に対する評価が大きく変わりました。 とは言っても、いつもの人狼ゲームを期待してしまうと、落胆してしまうタイプの映画なのは間違いありません。 ですが私は最後のネタバラシがぐっときてしまったので、サスペンスホラーとして高評価をつけさせていただきます。 生き残ってほしい人たちが生き残ってくれた後味の良さもプラス要因です。 [DVD(邦画)] 8点(2024-06-21 03:53:45)(良:1票) |
13. 人狼ゲーム インフェルノ
《ネタバレ》 ドラマ版「ロストエデン」の後編。もうがっつり後編。タイトル変える意味なんてないくらい。 一番の見どころは主人公の闇堕ち。 ロストエデンで、紘美、ルナ、亜利沙の3人に結構感情移入してしまったので、この結末は何とも後味が悪いです。 デスゲームもので後味が悪いもクソもないのですが・・・。 この3人は、はっきり言って性格は悪い。 紘美は確かに偽善者だし、ルナや亜利沙にいたっては論外。 ただ、紘美とルナの友情だけは、本物だと思っていました。少なくともロストエデンではそうでした。 だから紘美がルナをだまし続け、そんな紘美をルナが信じ続けた結果、こんな結末になるなんてあまりに救いがありません。 もう一足早く刑事の2人が到着しただけで、水谷、ルナ、越智の3人は助かった可能性すらあります。なんとも趣味の悪い脚本ですね。 「ラヴァーズ」と「インフェルノ」以外は、あまり後味の悪さを感じさせませんでした。 それは、人間のサイコパスな側面を見せながらも、同時に人間の良心も見せてくれていたからかもしれません。 でもこのインフェルノでは、良心のある人間はまっさきに殺されてしまいます。 要は、一番良心に欠ける人間2人が勝ち残ってしまう後味の悪さがあるんです。 ただロストエデンで、いじめの当事者でありながら蚊帳の外であった性格の悪い宮下舞や、不良の馬渡なんかをゲームに参加させてくれたことは良かった。それに宮下舞の襲撃は、何気にこの作品で一番のお気に入りです。 とゆーことで、映画としては非常に面白かったのですが、後味の悪さでプリズンブレイクよりは1点下げておきます。 そしてやっぱり人狼が誰だかわからないほうが面白いことを再認識しました。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-20 02:47:08)(良:1票) |
14. 思い出のマーニー
《ネタバレ》 映画はエンタメと思っている自分にとって、この映画は冗長で退屈なものでした。 この『ザ・道徳』なスタイルの映画で、主人公のモラルが欠如しちゃっているのはまずいでしょ。 体が弱い。両親が死んでいる。だから悲劇のヒロインのように振舞ってもOK? いやいや。自分をひきとってくれた叔母さん。夏休みに面倒を見てくれる大岩夫妻。田舎で出会う人々。その誰もが親切でフレンドリー。こんな恵まれた環境なかなかないよ?何を勘違いしちゃっているのかな?あなたより不幸な人はたくさんいますよ。 それに最後の種明かしでわかることですが、両親が亡くなったのはもうずいぶん前、アンナが物心つく前じゃないですか。 ・・・・え?そんなにヒネますかね? しかもその後ひきとってくれた祖母、おばさん夫婦、みな愛情を注いでいるのに、こんなにヒネますかね? おばさん夫婦が自治体からお金をもらっているのを知っただけで?今まで育ててもらった恩はなかったことになるの? は?性格悪すぎません? 極めつけは、『太っちょ豚』発言。しかもそれを言われたほうが、『はい、この件はもう終わり。』って手を差し伸べる寛大さ。 なのに、その手をはらいのけるアンナ。 ・・・・・お前は何様じゃ~(゚Д゚)ノ で、そっからマーニーと仲良くなっていくわけですが・・・・マーニーのことは無条件で受け入れるアンナ・・・。 いやいや、ルッキズム至上主義じゃないですか。引くわ~( ̄д ̄) 主人公が嫌いすぎてだめでした。 でもミステリー要素だけは面白い映画でした。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2024-06-15 03:22:16) |
15. チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像
《ネタバレ》 ドラマは見ていません。 だからすみれ先生(栗山千明)がなぜ白鳥を憎んでいるのかよくわかりません。 ドラマと関連性のある映画は、ドラマも見ておくべきですね。 2つのサスペンスが同時進行。 ただ別宮葉子(桐谷美玲)サイドのストーリーは追いやすく、推理も比較的簡単なので、すっきり見やすい。 別宮や滝沢(松坂桃李)は、要所要所で明らかに『何かある』てきな雰囲気を匂わします。でもこれはおそらく確信犯的な演出であり、あえてわかりやすく教えてくれているのだと思います。 そのため別宮が真犯人とわかるシーンが驚きにつながらないのは痛いところではありますが・・・。こーゆー見る側のことを第一に考えてくれる映画は悪くないです。 まあまあ長尺だし、前半がちょっと退屈。 生瀬のアメリカかぶれキャラは過剰すぎてちょっとウザい。し、やや映画の雰囲気から浮いている気がします。 終盤、田口先生が別宮の自殺を止めるシーンが、まるで学芸会で見てられません。これ、ちょっとチープすぎて台無しです。 とまあ、正直気になる点はちょこちょこあるんですけど、全体としてはまとまっていて良作かと。 実際はそんなこと無理なんでしょうけど、ラストの病院のサーバーハッキングしてからのひともりあがり、こーゆーパニック好きなので点数甘めです。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2024-06-10 22:28:15) |
16. 人狼ゲーム マッドランド
《ネタバレ》 『マッドランド』の副題。その名もズバリでしたか。 『狂人村』。次から次によく考えるなぁ。 これ人狼側が有利すぎて、ゲームにならなくない? ・・・と、しばらく頭が混乱。 でもよくよく考えると狂人は村人側としてカウントされるから、人狼側の勝利条件は『人狼1人、狂人1人』もしくは『人狼1人、預言者もしくは用心棒のどちらか1人』の組み合わせしかないわけです。人狼は人狼で1人しかいないというのは、なかなか厳しい勝利条件かもしれないですね。 また、狂人も人狼を勝たせないといけないわけですが、最後に生き残れる狂人は1人だけなので、狂人同士で潰しあう必要があります。そうなってくると、思っていたほど人狼側圧倒的有利ってわけでもないのかな・・・。 いつもとは全く違って、人狼をあぶりだすのではなく、自分が人狼であることを証明しなければならないってのは、結構面白い試みだと思います。その設定が映画の面白さにつながっているかどうかは微妙ですが、少なくともいつもとは違う心理戦や駆け引きを見ることができました。 正直最初は狂人村のシチュエーションとルールが意味不明すぎて、これはもうクソ回だと思ったものです。 ただ主役以外の役職を伏せたこと。庄司も彩乃も人狼ではないことがわかったあたりから、俄然面白くなってきます。 そして今作は主役が初の用心棒。 そしてなんと言っても、まさかの主役デッド。 主人公のドアが開いたときの衝撃はなかなかでしたよ。 結果として、今までとは違う路線の人狼ゲームを楽しむことができました。 『プリズンブレイク』が一番好きなのは変わらないけど、これはこれで良かったと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2024-06-09 03:13:05) |
17. 青天の霹靂
《ネタバレ》 いわゆるタイムリープもの。 でもタイムリープにありがちな、過去改変による現在への影響などは一切なし。 もちろんパラレルワールドもなし。 主人公の晴夫が自分のルーツを知る旅に終始しています。よってわかりやすいシナリオです。その辺は好印象。 ただ、『劇団ひとり』『大泉洋』『柴咲コウ』ときたらどうしてもコメディを期待してしまうわけで、そのあたりはちょっと期待とは違いました。 多少コメディテイストな部分はありますが、これはもうヒューマンドラマでしょう。 自分を捨てたと思っていた母は、実は命をかけて自分を生んでくれていた。 ろくでもないと思っていた父は、自分のために優しい嘘をついていた。 そのオチそのものは美しく、嫌いではないです。 個人的には、晴夫には過去の世界に逃げ込まず、現在のほうで人生逆転してほしかったものです。それだけの実力はあるわけですから。 もちろんそーゆー趣旨のドラマでないことは重々承知しているんですけど。 変にサクセスストーリーの空気も出すから、期待しちゃうじゃないですか。 現在の世界に戻ってきた晴夫が一念発起してもう一度夢に向かう姿も見てみたかったです。 [ブルーレイ(邦画)] 5点(2024-05-28 01:49:02) |
18. 銀の匙 Silver Spoon
《ネタバレ》 淡々と進んでいくドラマ。 あまり退屈に感じさせないのは、ケンティー演じる八軒くんに、なんだか期待しちゃうから。 八軒君はどう成長していくのだろう。進学校出身の頭の良さというアドバンテージは、どう活かされていくのだろう。 なんかね、サクセスストーリー的なものを想像しちゃって、勝手にワクワクした自分が悪いのです。 結局、期待した以上のものなんて出てきません。なぜならそーゆードラマじゃないから。 ただ前半から中盤にかけては、そんな期待感と御影アキ役の広瀬アリスのかわいさで、なんか楽しく見られました。 要は、文化祭の準備にはいってから、なんか自分が期待したのとは違うベクトルに話が進んでんなぁと、だんだん興味が薄れてきたのでした。 豚丼のベーコンエピソードは最高に良かったんですけどねぇ。バーベキューのシーン、かなり好き。ただ一番の盛りあがりがそこっていうのが残念。 せっかく打ち解けて仲良くなった駒場の実家が離農。駒場は高校を辞めてしまう。 駒場家がそんな大変な状況なのにさ、文化祭の様子を見せられても集中できないっす。 駒場家は中島先生の紹介で、別の農場で住み込みで働かせてもらえることになりました。 ・・・だからなに?根本的な解決にはなってないでしょ? それが現実だと言われればそれまでだけどさ。映画の世界でまで厳しい現実ばかり見せられると嫌になっちゃうのよ。 進学校から来た主人公が、その頭の良さで何か画期的な解決策を見つけてくれるのを、心のどこかで期待しちゃいました。 原作読んでないから何とも言えませんが、映画向きの題材じゃなかった気がします。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-05-15 02:17:33) |
19. 人狼ゲーム ラヴァーズ
《ネタバレ》 ああ、また役職オープンにしちゃったか。 しかも人狼、恋人、キューピッド、重要な役職があっという間に判明。 消去法で佳奈が霊媒師、管すばるが予言者ということもわかってしまいます。 よって『プリズン・ブレイク』のときのような、推理ゲーム的面白さは弱い。 そのぶん処刑シーンや襲撃シーンを復活。過激な描写とスプラッタな映像に振り切っている感じ。 あとは人狼ゲームを楽しむというより、役職がわかっているうえでの、登場人物の駆け引きや人間ドラマをお楽しみくださいってことなんでしょう。 面白かったのは、恋人の二人が人狼側と村人側に分かれちゃっているところ。 人狼の2人は、本来協力関係であるはずなのに、この恋人システムのせいで仲間の人狼を信頼しきれない構図ができています。そのため、人狼が人狼を襲うというのもアリ、という解釈ができてしまうのです。これにより、今までにはない人間ドラマや緊張感を作ることに成功しています。 でも良かったのはそこぐらいかな。 後味の悪さは気になります。 今までで最悪の主人公と言っていいでしょう。良心のカケラもありません。 今作の主人公はシリーズ中はじめて、『自分の命が助かるため』でもなければ『大事な誰かを助けるため』でもなく、『お金のため』に動きます。 最悪だったのは、最後の投票。恋人陣営3人で勝ち残れるのに、賞金の分け前が減るという理由だけで、味方のキューピッドを吊ります。しかもこの吊られた八木ひなたは、もっとも主人公に協力的で、好意的で、そして余命いくばくもない薄幸の美少女。そんな少女を主人公に処刑させるっていう趣味の悪さ。 更には一緒に勝ち残ったもう一人の恋人は、ゲームと関係ないところで殺害。 すべては1億円を独り占めするため。 2人が不憫すぎて、この決着のさせかたはとても不愉快です。 あ、でもサスペンス映画としては、もちろん面白かったですよ。 [DVD(邦画)] 7点(2024-05-09 15:35:57) |
20. 人狼ゲーム プリズン・ブレイク
《ネタバレ》 全役職オールシークレット。 いいですね。これでこそ人狼ゲームですよ。 キャスティングも最高に良かったと思います。 予言者や霊媒師に性格難アリの人物を配置。視聴者の反感を買いそうな人たちをあえて村人側に。 そして性格でもビジュアルでも好感がもてるタイプを人狼側に配置。心理的なミスリードをさそっています。 個人的には金城渚の人狼は意外でしたね~。 処刑されちゃうときの渚や菜々実の演技は同情をさそうすばらしいもの。その二人がまさかの人狼だったとはね~。 今作では人狼が襲う場面は、遠目にしか映していません。それが逆に良かった。 かたや正義感、かたや理知的で理性的、その二人の美少女はどんな気持ちで人を殺していたんでしょうかねー。 そしてなんと言っても、ラストで明かされる主人公の役職。 その役職の特性を活かして人狼をあぶりだした決着は最高でした。 惜しむらくは『た、タイトルでネタバレしちゃってますよ~。』ってとこでしょうか。 『ビーストサイド』にしろ『クレイジーフォックス』にしろ、サブタイトルがズバリ的を得ていたのが、今回は裏目に出ちゃいましたね~。 朱莉の自己犠牲のシーンも、どうせ死んじゃいないんだろうことがバレバレです。 あとついでに言うと、『死角になっているところでルール違反をしても処刑されない』のであれば、その死角のところで2、3人ずつカードを見せ合えば、簡単に人狼をあぶりだせて犠牲者は最小限に抑えられたんじゃないかな。 もっとも、それじゃ映画にならないわけですが・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2024-05-08 01:49:33)(良:1票) |