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プロフィール
コメント数 583
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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1.  猫は逃げた 《ネタバレ》 
かわいい猫ちゃんの映画だし、あの今泉監督だし、ユルめの恋愛コメディと思っていたら・・・。その予想に反して、思い切った "濡れ場" の数々に驚かされた。 そこで、近年は世間 (映画界) を賑わせることも多い、映画監督による出演女優への性加害問題について。本作にも、まさにその騒ぎを予見するようなエピソードがあり、私は苦笑いをしながら眺めていた。自ら心当たりのある監督さんが、あえてこのようなエピソードを撮るはずもないので、そういう意味では、今泉監督はうまいこと "予防線" を張っていたわけだ。(ほめ言葉です) もう一つ、女優のラブシーンを撮るにあたり、近年は「インティマシー・コーディネーター」という職種が注目されている。それは、演出側と演者側の間に入り、間違いが起こらないよう演者の尊厳を守り演出を調整する、とされている。要するに、監督の監視役であり、女優のボディガードみたいなもん。その抜擢については監督の判断に委ねられるらしいが、今泉監督は本作でインティマシー・コーディネーターをおくことを選択し、その大役をどうやら「カンタ」にお願いしたようだ (笑) あれなら、きっと女優さんも安心するのではなかろうか。つまり、今泉監督はここでも、先手を打つように "予防線" を張っていたわけだ。(また言っちゃった) ・・・おっと、かなり話が脱線してきたので、ここまでにしておこう。 本作に登場する河川敷は、うちのすぐ近所で、私のいつものジョギングコース。映画の中の、見慣れた日常の風景に1点だけ加点。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-07-30 22:45:43)(良:1票)
2.  ぜんぶ、ボクのせい 《ネタバレ》 
松本まりかママは、優太クンに虐待はしていなかった。いやむしろ、愛情は少なからずあるが、自分に子育ての裁量がないことを理解していて、あえて子育てを保護施設に任せている、私にはそう映った。そういうことであれば、一緒に住んでいて育児放棄するよりは、よっぽど健全かもしれない。 ちょっと脱線したが、、本作は育児放棄を描いた社会派ドラマの体を成しつつ、優太少年の心の成長記、といった内容になっていた。 特に重要なことは、この境遇でありながら、少年が道を踏み外さなかったこと。私なら、、きっとグレてたと思う (笑) ・・・そう、この映画は、少年を非行へと走らせない。名古屋に行こうとしたら、「車」が燃やされた。次は「電車」で行こうとしたら、警察につかまった。まるで、名古屋へは行くな、と、何か見えない力が少年を引き留めているようだ。オダギリも、詩織少女も、気のいい人たちだったが、素行の良くない面もあり、少年が正しい人生に向かいたいなら、行かなくて確かに正解だったのだ。少女と少年が二人で見知らぬ地へ逃避行では、映画的にはロマンチックだけど、現実的にはそれは「非行」だから。 詩織が歌った「夢で逢えたら」は、刹那的に美しく、まさに夢のようであった。二人はあの瞬間を大切にして生きていけば、それでいいと思う。 全体的に、出来事に対して答えをハッキリと見せず、意図して視聴者に考えさせるような展開が多かった。 ママが育児放棄する理由。(さっき考察してみましたが) ウサギが死んだこと。(自然に死んだ?殺された?誰に?) 車を燃やした犯人。(本当にあの不良たち?) 象徴的に登場する「一路橋」。(ネットで検索してね) そして「ぜんぶ、ボクのせい」の意味。 最後は人生のドン底に落ちきった感じで、そういう意味では実は前向きな終わり方ですかね、、なかなか複雑な気分。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-07-22 23:36:16)(良:1票)
3.  Helpless 《ネタバレ》 
本作につき、健次 (浅野忠信) が着ていた、ニルヴァーナの「Nevermind」Tシャツが妙に気になりませんか? このアルバムが発売されたのは、1991年の9月。そして、本作の時代設定は、1989年の9月。・・・ はい、つ、じ、つ、ま、が、合、い、ま、せ、ん。 青山監督。これがうっかりミスならば、さすがに救いようがない。 (まさに、Helpless) しかし、あれほど "PR" しているわけだし、あの名盤の発売日を監督が知らないはずがない。(よね?) であれば、、実は、監督はニルヴァーナ「Nevermind」の "アンチ" なのか。(つまり、単なるTシャツの絵、程度の扱いとして、わざと間違えてやった) それとも、健次があのTシャツ着て登場した以降は、1991年以降の設定だったりして。(二年ほど早送りされていた) あるいは、映画は芸術性 (映像・音楽・空気感) でこそ評価されるべし、という強い自己主張の表れなのか。 まあ、、全ては私の考えすぎかもしれません (笑) こんなことは、大したことではない、あまり気にするな、ということ。(まさに、Nevermind)
[インターネット(邦画)] 5点(2024-06-23 18:03:30)
4.  ちょき 《ネタバレ》 
まず、導入部から波多野青年 (吉沢悠) の日常を丁寧に描いており、とても好感が持てる。続いて、美容室にて常連客たちとの軽口があり、彼の人柄や人間関係もわかりやすく、実に手際が良い。 やがて、満を持してサキ (増田璃子) が登場すると、まるで「そよ風」が吹いたように、映画全体が爽やかな空気に包まれた。 その彼女が青年と二人、バイクに乗って海岸線沿いを颯爽と走り、マリーナシティを楽しみ、砂浜を歩く。それだけで視覚的には十分に楽しめるものだが、、しかし、彼女は盲目だ。バイクの疾走感と彼の背中、海のかおりと潮風とつないだ手の感触、、我々も一度は目をとじてみて、彼女の「体感」を想像してみるのもいいだろう。 神社の「絵馬」のメッセージが感動的なのは、その前段において、サキが見えない目で書道に取り組んだからである。それはつまり、伝えたい言葉を (つたなくても) 自分で書きたい、、そう思わせる下地があったからこそ。 全体的には、透明感ある青と白を基調とした、色合いのキレイな映画だったと思う。 また個人的には、なぜだか「ジョゼと虎と魚たち」を思い出す映画だった。 最後に余談だが、和歌山県産の映画に好作多し。大げさではなく、有田みかん、紀州梅干、と併せて、もはや "和歌山三大特産物" に認定したいほどだ。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-04-12 21:26:43)(良:1票)
5.  ヲタクに恋は難しい 《ネタバレ》 
この映画って、さも面白そうには見えます。でも実際には、高畑充希、山﨑賢人の顔芸と、佐藤二朗、斎藤工のエキセントリックな芝居と、ヲタク心をくすぐる小ネタ (演出) の数々、、そういう一発芸的な笑いを延々と羅列しているだけで、その中身はスカスカで薄っぺらい、と言わざるを得ません。 「ヲタク」について掘り下げているわけでもなく、それすらも、やはり笑いのネタとしての「ヲタク」であって。 高畑充希のミュージカルパート、そこだけは例外的に良かった。
[インターネット(邦画)] 4点(2024-03-25 10:46:11)
6.  川っぺりムコリッタ 《ネタバレ》 
本作はご存知、荻上直子監督。 ご飯のうまそうな映画、、そこはブレることなく継承しながらも、人の描き方は過去作品からかなり変化が見られます。例えば、「かもめ食堂」「めがね」では、登場人物たちの過去を明かさず、あえて素性をぼやかすような作りでしたが、本作の彼ら (山ちゃん、島田さん) は過去の苦悩をみなに吐露していて、実に人間味のある描き方をしています。 そして、テーマである「再生」を意識したのか、出演俳優も (常連組から) 一新されているし、「川っぺり」は監督ご自身の新たなスタートでもある、、そういう意気込みを感じさせる映画でありました。 特筆としては、「死」にまつわるエピソードの数々、、そのインパクトが大きい本作ですが、死を感じてさらに生きる意欲、つまり食欲が湧くという、紛うことなき「食」の映画であることは間違いありません。 しかし、うれしいことに監督の売りでもある "ほのぼの感" はまだ健在であり、これは鑑賞直後よりは、後からジワジワと評価が上がってきそうな予感がしてます。 さてと、、イカの塩辛、買いに行こっと (笑)
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-11 22:34:17)
7.  長い散歩 《ネタバレ》 
主演は名優の緒形拳さん。 年老いても凜とした存在感は健在であり、孫のように幼い娘と歩くその姿だけでも、充分に惹きつけられるものでした。本作公開からまもなく亡くなられたので、まるで羽をつけた天使に天国へとエスコートされているように、見えなくもなかった。 親の虐待と育児放棄から子を救うために、赤の他人が連れ去ってしまう・・。犯罪的行為を犯罪的行為で阻止するわけですが、目の前で困っている子を見過ごしておけない、、こういう人徳は尊重されるべきものだと思うし、老人はうまいやり方を知らない「不器用男」そのもので、自作の覆面と竹の棒で懲らしめるお姿はなぜか笑えてしまうような部分もあった。 二人の刑事 (デカ) が登場するけど、やる気も空回りして、ちょっとドジなところ、、昔のバディもの刑事ドラマのような味わいがあってよかった。こういった事案では、警察は初動も遅く肝心な時に頼りになりません。でもそれは組織やルールとしてのことであり、彼らも、それぞれ情熱や正義感はある。そういう意図があったとは思う。 なお、今や名女優の安藤サクラさんがウェイトレスの端役にて長編映画デビュー。彼女の父であり、本作の監督でもある奥田瑛二さんによる推しの抜擢、と察します。本作のテーマである、親の「育児放棄」とは裏腹に、ここでは親の過保護をまざまざと見た気がいたします。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-10 13:18:48)
8.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 
2006年の映画ですか、、。あの田中麗奈ちゃんが、なっちゃんの面影を残しつつ、すっかり大人っぽくなっておりました。ストーリーは火曜サスペンス調ですが、彼女のフォトジェニックな存在によって最後まで飽きることはなかった。 映画としては、主に「家」が舞台。しかし、全盲者が一人で暮らすことにより目が離せないドラマになるし、そこにアキヒロが潜むことによりサスペンスを生む。 もう一つの舞台として駅のホームがあり、時間、目線、構図をいくつか変えることにより、やはりたくさんのドラマがありました。このあたりこそ、映像化した意義があるのではないだろうか。 そして、公園で歩き出すラストは際立って美しく、実に後味の良い終わり方となっていた。 目の見えない女と闇を抱える男が、暗いところで待ち合わせ、そして二人は明るい未来へ・・・。 観終えてみて、うまい題名だと思った。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-03-05 22:57:27)(良:1票)
9.  ひゃくはち 《ネタバレ》 
まず、出演者たちが確りと野球をこなしており、全く芝居に見えないことが驚愕ですが、本当に秀逸なのは、彼らのノリとか、彼らが醸し出す雰囲気そのもの。実を言いますと、私が高校在学中に、わが校の野球部が甲子園に出場しておりまして、当時のヤツらったら、まさに本作のようなヤツらだった (笑) こういう、わざとらしくない雰囲気を (正確に) 作り出せるのは、監督の手腕によるところが大きいと思います、はい。たまに合コンとかあってもさ、365日も野球漬けだからファッションなんぞ知らん、だから服装はダサいんだ、それでいい。 ところで本作、甲子園を目指す高校野球の強豪校、そのベンチ入りのはざまを彷徨う球児が二人、彼らは親友であり、いつしか最後の一枠を争うライバルへとなる・・。何だか、書いてるだけで胸が熱くなるお話でしたが、なぜか私は、弁護士を志して退部した彼のエピソードに心を (カキーン!と) 打たれました。なぜって、本作は夢見る補欠の物語ですが、「退部者」の描き方にも愛を感じたから。野球から逃げたのではなく、別の夢を追うことにした、、という、彼を敗残者にしないところに優しさを見ました。 ちなみに、「ひゃくはち」って、硬式球の縫い目と人間の煩悩と除夜の鐘、の数。 "甲子園" が持つ狂信的な求心力と、頭を丸めて来る日も来る日も (野球という) 修行に励む高校球児たちの姿。その関係はどこか宗教じみたところがあるので、なかなか奥深い題名なのかと。 最後にどうでもいいことだけど、野球少年が神社にいらっしゃると「耳をすませば」のカントリーロード、聴こえてきそうでした (笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2024-02-06 22:31:34)
10.  島にて 《ネタバレ》 
山形県唯一の有人離島「飛島」と、島に住む人々の暮らしに密着したドキュメンタリー映画。 まず、上映開始直後の巨大なタコに思わずニヤリ。ちょうど、今日の晩酌のつまみにタコの唐揚げを考えていたからだ。私がスーパーで購入した真だこは130gで550円、いったいこの巨大な真だこはその何食分になるだろうか (笑) さて、本作は島民の方たちの素朴な暮らしぶりがよく伝わる内容となっていた。 映画的な出来映えとしては、場面が変わるところの挿入画に監督の光るセンスを感じさせた。 島の緊急ヘリポート。 放し飼いになった山羊。 寂れながらも生活感のにじみ出る古民家の数々。 はるか海の向こう (の本土) にそびえ立つ雄大な鳥海山・・・。それぞれ、この島ならではの風景を厳選しており、いつの間にか私は次の挿入画を心待ちするようになっていた。 本作は、島の過疎化問題への取り組み (島おこし) が大きなテーマとなっている。その事例として、UターンやIターンによる新規サービス業や、バーベキューイベントなど催しの様子も紹介されていた。しかし、とても良い取り組みであると素直に思う反面で、島おこしが大当たりして多くの人と喧騒で賑わい、まるでリゾート地のように開発される島 (の姿) もあまり想像したくない自分がいた。 手付かずの大自然。 140人が暮らす島。窓から海が一望できる教室で、たった一人の生徒にたった一人の先生。 それはそれで、この島ならではの贅沢だろうし、誇りたい文化でもあるように思えたからだ。「飛島」自身は、どう考えているのだろうか? 少し身勝手な意見になったが、、この島の古き良き文化を残しながらの、飛島と島民みなさまの繁栄を願いたい。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-29 23:08:08)
11.  由宇子の天秤 《ネタバレ》 
インタビュイーを見つめる由宇子 (瀧内公美) の、まるで実験動物を観察する学者のような (冷たい) 眼差しが印象的。 まず、視聴者によって、映画のテーマ自体の受取り方が分かれそうな内容だ。 「罪」の重さについて。 報道することの是非や倫理観について。 正義と悪、その境界線の脆弱さ。 かいつまんで、犯した罪を後悔して苦悩する父 (光石研) 、悪意を以てそれを隠蔽しようとする由宇子。果たしてどちらの罪が重いのか、、それは天秤に乗せて量ることはできないけど、むしろこの映画は、インタビューや報道、そのどこにも映らないところにこそ「真実」は存在する、、至極当たり前のことを逆説的に語っているような気がします。 ちなみにですが、由宇子の「宇」の字が天秤 (の形) に見えませんか? はい、見えませんね (笑) でも、目に映ったこと、そこから感じたこと、それもまた人それぞれ。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-01-25 12:25:27)(良:1票)
12.  そばかす 《ネタバレ》 
まず、テーマである「アセクシャル」について私見です。 例えば、他に趣味がたくさんあるから、一人でいる方が気楽だから、、要するに恋愛志向はあるわけですが、優先順位で並べると「恋愛は (今は) いいかな」という考えで、何年もそのまま独りって人も大勢いると思います。これって、アセクシャルに限りなく近いけど、別にそうでもない。でも、このまま周りに (アセクシャルと) 誤認される人も多そうだし、そもそも当の本人ですら自分自身がそうであるのか、考えたこともないケースが多いのではないだろうか? 個人的には、人それぞれ、色々な恋愛思考を無理やり「型」にはめて名前をつけるの、そろそろ止めにしませんか? って思うけど。 ちょっと脱線しましたが、、本作はまさにその核心を突いたような内容となっていて、いわゆるLGBTとはまた違う曖昧で複雑な感情に戸惑う、蘇畑佳純 (そばかす) を三浦透子さんが好演してます。 恋愛に興味が湧かない、、つまり余裕があるから本人の意に反して意外とモテてしまうわけで、冒頭の合コンからお見合いまで、グリグリすり寄ってくる男たちを、そばかすさんが素っ気なくもヒラヒラと身をかわしていく様子に笑えます。全体的に、冷めた彼女を取り巻くてんやわんやが面白可笑しくて、特に真帆の存在は、そばかすが「レズでもない」ことを強調する意味で、それだけでも必要なエピソードと思えました。 この映画は着地点をどうするんだろう? って観ていたけど、私は良い終わり方であったと思えます。 アセクシャル、それはとても曖昧、時に恋愛もする、それでいいじゃん。 北村匠海クンは最後に登場して、おいしいところ全部持っていきましたね (笑) それでは、、玉田真也監督、また次作を心待ちにいたします。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-01-24 12:35:15)(良:1票)
13.  家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 《ネタバレ》 
冒頭、安田顕による二人の馴れ初めの回想にて、舞台は寿司屋になりますが、そこで親父さんが榮倉奈々の幼い頃を回想する、、という、これはいわゆる回想の回想というダブル回想ですね。回りくどくて、私が最も苦手とするヤツだ。 ところで、加賀美じゅん氏はどうやら会社員 (らしい) ですが、いったい彼は何の会社でどんなお仕事しているのか、とうとう最後までわかりません。本作は、彼の仕事と職場と同僚たちが、単なる一エピソードではなく、ストーリーの中心として大きく存在しているので (二人の馴れ初めでもある) 、そこはキチンと説明してほしかったところ。 親父さんが寿司屋、というのはわかりやすくてよかったのに。そうそう、せっかく寿司屋の娘なのに、死んだふりコスプレで寿司ネタなかったのは残念。 寿司のネタなし。そりゃあ、残念に決まってるでしょ、、。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-01-23 15:06:38)
14.  わたし出すわ 《ネタバレ》 
この不可解なストーリーは何かを意味するのか? それが問題でしょう。 まず、いらないほど溢れた「お金」ですが、その全盛期が80年代の森田芳光監督だけに、私は勝手にバブル景気を連想しました。あの頃、お金をこう使えばよかった、、そういう自分自身への「自戒」がありますかね。バブル崩壊とともに下降線をたどった監督でもあるので。 マラソンランナーのエピソードは、絶頂の時はもてはやされ、走れなくなると見放される、、これはご自身の監督人生を投影してるのかも。 研究員のエピソードは、彼が新しいことに挑戦する終わり方だし、空と太陽とキレイな海が見える "希望" を連想させる描写が多いので、ご自身にとってのこれから、として、これはそのまま受け取るべきなのかと。 上記以外、あまり強欲だとこうなりますよ、、というエピソードの数々はわかりやすいですが、このあたりはむしろ、もともとハードボイルドな作風でもある監督の一面 (こだわり) を垣間見た気がしました。 全体的に、人間の体温を感じさせない無機質な雰囲気ですが、マラソンランナー宅では母さんの手料理の数々がホッと温かくて、そういうギャップは面白かったと思います。 なお本作には (非公式で) 続編があり、この後で小雪は舞台を函館から札幌ススキノへと移し、高級クラブの美人オーナーママになるわけです。(探偵はBARにいる) お金、、たくさん残しといたのね (嘘)
[DVD(邦画)] 6点(2024-01-23 12:38:51)
15.  朝が来る 《ネタバレ》 
これは運命的と言うべきだろう、特別養子縁組という "縁" によって結びついた二人の女たち、、佐都子とひかりの物語。 まず、佐都子 (とその家族たち) が住むところ。都心にあるタワーマンションの高層階であり、たくさんの観葉植物に光が降り注ぐ光景は、まるで天空の一室のようだ。かたや、ひかりが住む (ことになった) のは、広島の似島にあるベビーバトン。その風景こそ美しいが、はるか船でたどり着いた最果て、眼前間近に海が迫るロケーションは、彼女にはもう逃げ場がないことを否応なしに連想させられた。 ・・・ここまで、やはり二人の境遇を比較せざるを得ない。裕福で愛する夫と子がいる、、それだけが幸せの全てとは限らないが、人生の残酷さをまざまざと見せつけられた気がした。 ひかりが彼と抱き合う場面は、奇跡的に美しかった。それは、二人の愛をキレイに撮し取っただけではなく、今、その瞬間が彼女の人生で最も幸福な一瞬であることを刹那的に予感させるからだ。 映画は彼女の元から去った者たちを追うことはなく、その人生から徹底的に排除したかのようだ。 思えば、ひかりがたどった道は「八日目の蝉」に登場した、ある女 (永作博美) の人生とよく似ている。そして、ある女は、本作では全く違った人生を送って幸せになっていた、、。これは、偶然じゃない。 八日目の蝉 → 朝が来る。 きっと、この二作の関係も「ベビーバトン」と同じなんだ。 本作のラストは、大切な人と一緒にいることだけが幸せではない、という (ひかりと朝斗君にとっての) ハッピーエンドである、と信じたい。でも、ひかり (蒔田彩珠) には他の映画でもいいから、次こそ本当に幸せをつかんで欲しい、、と切に願う。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-01-17 22:32:54)
16.  奇跡のリンゴ
あにやんさまのレビューに笑わせてもらいました。 そう、「何か」のもどかしさ、じれったさ、そして、あれだけもったいつけて、その大したことのなさ (笑) とうとう画面いっぱいに映ったのが、ゴジラか、ウルトラマンか、仮面ライダーだったら、その強心臓とセンスと大どんでん返しに10点投じていたんですがね~。
[インターネット(邦画)] 4点(2024-01-16 22:36:37)
17.  お父さんと伊藤さん
お父さんと伊藤さん、そして語呂悪く題名から除外された娘さん。(山中彩34歳) 同居しながらも、心のうちを見せず、心のうちに踏み込まず、ほどよい距離感・緊張感が持続する心地よい120分。部外者であるはずの伊藤さんによる機転・気配り・先回りによって、何とか成立していた父娘の関係性。きっと、彼は人生を2周目なんだろう。だから、何でも知ってるんだろう。もちろん、2周目の余裕からもう仕事にこだわるようなことなどしないし、欲もない。うん、そういうことにしておこう。(ファンタジーだし) お父さん74歳、伊藤さん54歳、山中彩34歳。 どうりで、父娘の間にピッタリおさまる伊藤さん。でもこう並べると、(彼に) 14歳の隠し子がいそうな予感の今日この頃。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-15 19:24:05)(良:1票)
18.  こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 《ネタバレ》 
低評価ごめんなさい。 鹿野を演じる大泉洋 (の姿) がどうしてもコントにしか見えなくて。鑑賞中、「志村けんのバカ殿様」を何度も思い出しちゃった。 あと、彼を取り巻くお三方 (萩原聖人・渡辺真起子・宇野祥平) についてコメントを。なぜ、三人はあの偏屈男の介助に人生を捧げるのか? そもそも、三人はボランティア? それとも (介護系の) 職業? ボラとしたら、無報酬であれだけ献身できることの理由があると思うんです。以前に家族がボラに介護をされてきて助かったから、とか、有名人を介護してオイラも有名になりたい、とか、何かあるでしょう? 介護「ボランティア」が一つの大きなテーマでありながら、真のボランティアたる彼らの内面 (苦悩) を描こうともしない。だから、この映画からはボランティアの「心」が伝わらない。 鹿野と美咲の惚れた腫れたはもういいから、もう少し彼らにスポットを当ててくれ。 三浦春馬と佐藤浩市の親子エピソードも取って付けたようで蛇足。 以上。
[インターネット(邦画)] 3点(2024-01-11 00:03:55)(良:1票)
19.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》 
志乃ちゃんのような重度の吃音症というわけではありませんが、私もあがり症 (ぎみ) なので、彼女の気持ち、少しだけわかります。例え一言だろうと、人前で話すのが苦痛な人は本当に苦しいもの。個人的に思い出したのが、はるか昔、小学校の音楽の授業で、先生のピアノの伴奏でみんなの前で一人ずつ独唱させられる歌のテストがあって、あれ死ぬほどイヤでした。あがり症で音痴な私には地獄でしたわ。今は教育の場も難しい時代だし、生徒が苦手とすることを強要すること、場合によっては大問題になりそうですよね。 さて、本題。本作について、志乃と加代の友情モノといった意見が並んでいますが、私には、志乃の加代に対する感情は、友情を通り越して恋愛感情に見えましたが。空気読めないクンが仲間に入ってきて、志乃が彼を歓迎しなかったのは、彼のことを恋敵として警戒したからではないでしょうか。しかし、加代は、志乃を友人として見ていた。そして、志乃の感情には、薄々気づいていた。でも、志乃とはこのまま良い関係を続けたかった。・・だから、このジレンマを解消する魔法をください、、そういうメッセージがあの歌には暗に込められているように感じました。
[DVD(邦画)] 6点(2023-12-19 21:47:53)
20.  マイスモールランド 《ネタバレ》 
本作は監督をノーチェックで鑑賞したのですが、サーリャ (嵐莉菜) の撮り方が優しく繊細だし、観終えた後にこれは女性の監督だろうな、、と予想した。当たっていた。抑制の効いた演出は、是枝裕和氏の制作によるものも大きいのだろうが、川和田監督としては、これが初めての商業長編映画のようで、これからがとても楽しみな監督が登場したように思う。 本作は「クルド難民」であり在日クルド人たちの物語ですが、サーリャ目線の青春映画に仕立ているので、重たいテーマでありながら、映画自体の間口はとても広くて、観せ方がうまかったように思えます。あのお父さんを主人公にしていたら、きっとゴリゴリのクルド難民映画になっていた気がしますよ (笑) そのお父さんですが、娘が男友達を家に連れてきたときに、一緒にご飯食べて行きなさい、と歓迎した。これは、クルド人は、日本人を差別しない、ということ。でもそのお父さんですが、娘が口紅をして出かけるようになったときに、彼にはもう会うな、と言った。クルド人だろうが、日本人だろうが、やはり "お父さん" は万国共通だ。もちろん、女の子が恋したらキレイになりたいのも、万国共通だ。 この映画を観ても、クルド難民の問題は何一つ解決されない、でも、彼らも本質的には、我々と何一つ変わらない普通の人たちじゃん、、ということを、私という一人の日本人が理解した。 しかし、私があのコンビニの店長だったら、やはり同じようにすると思う。だって、いくら彼らがよい人たちだとしても、不法滞在は「違法」だから。今度は私が捕まっちゃうから。 つまり、人間の問題よりは、その法律ってやつこそ、頭でっかちで変わることを知らない最も厄介たるものだ。 ・・と言いつつも、法律でコントロールしないと、この国は不法滞在者で溢れてしまって、本当に "無法地帯" になってしまうのだろうし、国と人と法律ったら、何でこんなにややこしいのか。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-12-18 23:28:58)
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