1. タンポポ
《ネタバレ》 ”ラーメン・ウェスタン”と謳うように、偶然立ち寄った主人公がラーメン屋を再生させる、という内容は西部劇そのもの。 ストーリー運びはいたって真面目で、そのシリアスさと”ラーメン”というある種下らない題材とのギャップがシュールな笑いを誘う。 また、エログロ・シーンや食に関するエピソードが脈絡なく挿入され視聴者を混乱させるが、それは監督の味として、あまり捕らわれずに鑑賞するのが良いだろう。 テンポも良く努力の実るハッピー・エンドであるため、個人的には非常に楽しむことができた。 余談だが、この映画でラーメンを知り、その魅力にとりつかれた外国人は多いそうだ。 ラーメン文化の発展に貢献した功績に、一ラーメン好きとして敬意を表したい。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-22 15:00:04)(良:1票) |
2. 人情紙風船
《ネタバレ》 人情コメディというイメージの強い長屋もので、悲劇をテーマにするのは珍しい。 主人公は2人、ずる賢い新三とまじめな浪人又十郎。 それぞれなりに正しいと思える行動をしながらも、たどり着く先は死という無常観。 楽しい人情劇、手に汗握るチャンバラものとはひと味違った、異色の時代劇として広く世に知られたい1作。 惜しむらくは、台詞が聞き取りにくく現状把握がしづらいことか。 [DVD(字幕)] 6点(2014-12-21 21:31:26) |
3. 近松物語
《ネタバレ》 日本人なら一度は観ておきたい古典的名作。 ……とはいうものの、愛の逃避行という限りなく女性向けの題材に共感するには、男性の自分には少々難しいところ。 およそ一般の町人と思えない歌舞伎顔の(公開当時の女性たちを虜にしたであろう顔立ちの)主人公にも、一抹の違和感がある。 時代考証の細やかさ、リアリティのある江戸の生活感には感嘆したが、それは本筋とはあまり関係がないだろう。 今も昔も、エンタメ作品というのは自分には合わないものなのかな、と考え込んでしまった。 [DVD(邦画)] 4点(2014-12-21 17:43:55) |
4. 借りぐらしのアリエッティ
人間の軒下に借りぐらしをする小人の家族が、人間に見つかり新たな家を探しに旅立つまでを描く。 ……というただそれだけの物語で、これを観て一体何に感銘を受ければ良いのか分からない。 小人や少年の哀しい運命にだろうか? どの登場人物も設定が突拍子なさ過ぎて絶対感情移入できないと思うのだが……。 いっそのこと冒険ものとして改変して作った方がまだ観れる作品になったのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 2点(2014-12-02 13:14:12) |
5. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
スーファミやスラムダンクなど、90年代に小学生だった自分にはまさにストライクな小道具(話題)が満載で楽しい。 夏休みの雰囲気、挿入歌の美しさ、それが流れるタイミング、ラストの打ち上げ花火のシーンなど岩井俊二的美的感覚も満載だ。 しかしそれらがあってもなお、子役の演技の野暮ったさが上回る。 子役しかほとんど出てこないので、短いはずの45分がかなりつらかった。。。雰囲気は好きなんだけど。 [DVD(字幕)] 3点(2014-12-02 13:07:44) |
6. Love Letter(1995)
役者の演技や演出、言葉運びが”演技演技”しすぎていて、少し違和感がある。 小説版は結構胸に迫るものがあったので、脚本は悪くないのだろう。そしてさすがの岩井俊二、雪降る映像も非常に美しい。 しかし、いかんせんトヨエツも芸人の宮迫にしか見えないし、なんか今観るとこっ恥ずかしい映画。90年代の雰囲気は良く出ている。 [DVD(邦画)] 4点(2014-12-01 20:55:54) |
7. 乱れる
筋は分かりやすい。古き良き日本人の良さと悪さがどちらもよく表現されていて、情緒もある。 しかし、近親的なタブー恋愛、義理の親戚との軋轢といった、割とドロッとした題材があまり自分の趣味ではなかった。 迷いなく義姉にアタックし続ける加山雄三にもあまり感情移入はできない。あんな嫁さん欲しいとは思うが。 [DVD(邦画)] 4点(2014-12-01 20:52:46) |
8. 風立ちぬ(2013)
特にヤマも用意せず、淡々としたストーリー運びは結構好き。 夢と現実の境をなくしたようなファンタジックな表現方法は”もう飽きたよ”と言った感じだが、 旧時代の巨匠の作品と割り切って、そういうもんと楽しむべきか。 問題のタバコの件は、本作の”矛盾”というテーマに沿った、一番グッと来るワンシーンではないだろうか。 [映画館(邦画)] 5点(2014-12-01 20:51:37) |
9. 女優霊(1996)
ジャパニーズ・ホラー映画の原点ということで、日本独特の恐怖感をあおる雰囲気はビンビンに満ちている。 しかし、巷で言われているように稚拙な部分は多く(幽霊が出てきまくり、幽霊が肉々しいなど)、確かにあまり怖くはない。 この反省を元に名作『リング』などが出来ていくわけだから、その手のファンには必見の映画であることは間違いないだろう。 [DVD(邦画)] 5点(2014-12-01 20:50:05) |
10. 幸福の黄色いハンカチ
根幹を成すのは山田洋次一流の”いい話”。70年代の北海道という土地柄と合わせて、人々の人情劇が心に染みる。 ただ、ちょっと武田鉄矢が汚すぎるし桃井かおりも微妙な立ち位置で、イマイチ素直に鑑賞できない。 もうちょっと良いキャスティングがあったのではないか、と思ってしまう。 その代わりと言ってはなんだが、倍賞千恵子と高倉健の名コンビっぷりは冴え渡っている。 こちらは文句の付けようがありません。 [DVD(邦画)] 5点(2014-12-01 20:48:44) |
11. 秋刀魚の味(1962)
小津映画の不思議な手法(カメラの端から見切れて登場しない、2人で向かい合って話すシーンがないなど)をたっぷりと堪能できる。 ストーリー自体は、古き良き日本を感じるなあぐらいの感想で別段どうってことないが、 自分も娘を送り出す立場になったらまた違う印象を受けるのだろうか。 [DVD(邦画)] 5点(2014-12-01 00:37:56) |
12. 思い出のマーニー
『借りぐらしのアリエッティ』の監督、ということで大いにハードルが下がった中での鑑賞だったが、思ったより悪くなかった。 序盤の主人公のイヤなヤツっぷりを乗り越えてしまえば、思春期の成長ストーリーものとして大いに感動できる。というか、泣いた。 ストーリーやマーニーの設定は完全に読めてしまうが、王道を行っている作品なのだと好意的に解釈できる。 近年のジブリ映画の中では、名作の部類。 [映画館(邦画)] 6点(2014-12-01 00:36:38) |
13. 黒い家(1999)
他のレビューを見て原作改変に端を発する評価の低さに驚いたが、自分は原作未読(怖くて読めない)のためかなり楽しんで観れた。 映画としては、確かに過剰演出な部分はあるが、サイコパスという異常性と絡めて考えるとマッチしていたように思う。 問題の「乳しゃぶれ〜」は唐突過ぎて完全にギャグで、必要なシーンかは謎。せめてサイコパスの性欲の強さを表す伏線でもあればなあ。 全体的には、不気味で本当に怖かった。結構オススメだったりする。 [DVD(邦画)] 6点(2014-12-01 00:34:35) |
14. 遥かなる山の呼び声
かなり不自然な設定も多いが、全体としては爽やかに泣ける人情映画。 特にラストのやりとりには落涙を禁じ得ない。 中盤、高倉健のイメージビデオと化すのはご愛嬌(乗馬のシーン)。 個人的には『幸せの黄色いハンカチ』よりこっちの方が好きかな。 [DVD(邦画)] 7点(2014-12-01 00:31:42) |
15. もののけ姫
個人的に、手に汗握りながらワクワクして観ることのできる宮崎アニメ最後の作品。 [地上波(邦画)] 7点(2014-12-01 00:24:42) |