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コメント数 39
性別 女性

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1.  天上の剣 The Legend of ZU 《ネタバレ》 
これは映画じゃなくて実写版ロールプレイングゲームだ。世界をも滅ぼしかねない巨悪に立ち向かう勇者たち、というのが大筋で、プレイヤーは好きな勇者のシナリオでゲームスタート。試練をクリアして強く成長した主人公勇者は、最後に他の勇者たちと全員で力を合わせてラストボスを倒す-。この映画はまさにこの手のゲームの、すべての勇者のシナリオを、めちゃくちゃにつなぎ合わせたもの。それぞれの人物描写も何のひねりもなくて適当だし、人物間関係に厚みもリアリティもない。各人、途中で何がしかのトラブルに遭遇するも、まさかの突飛な展開でそれをクリア、パワーアップする。まさにRPG、マルチシナリオ。それも攻略本なしでは絶対クリアできないやつ。要するに、人格のない、戦力としての主要人物多すぎ。主役は誰だったんだ結局。というのが映画じゃなくてRPGだと結論付けるにいたった一番の要因。そして最後にはパワーアップした全員が力を合わせて巨悪を倒してハイ大団円。ちなみにチャン・ヅイイー扮する孤高の女軍人にいたっては、最後の戦いに直接参加するでもなし、何で登場する必要があったのか全くわからない。そもそも、舞台となっている精霊住まう霊山・蜀の世界観も説明不足で、陰と陽だの、天と雷だの、宇宙の力だの再生の力だの、といった、巨悪を倒すのに必要な力がどう相互作用するのかが最後まで理解できなかった。(あたしのアタマが悪いのか?ていうかたとえホントにこっちがアタマ悪いのだとしても、観客にそれを悟らせちゃっていいのか?)CGを多用した映像は凝っていて見ごたえがあるのに、中身が全く伴っていないので、せっかくの映像美も結局この映画をRPGに変貌させる手助けをしたに過ぎなかった。RPGも嫌いじゃないけど、映画を見たいときに映画じゃなくてRPG見せられても満足できるはずないのである。
4点(2004-08-18 15:17:56)
2.  HERO(2002) 《ネタバレ》 
実は、見るまではあんまり期待してなかった。イーモウが始皇帝暗殺の物語を撮るって聞いて、はぁ?と思った。この人は、(中国第五世代の双璧のもう一人、陳凱歌と比べると)歴史的大作のダイナミズムよりは文芸的カホリで勝負する人だと思っていたから。でも、見てびっくり。思っていたよりずっとよかった。秦王と刺客の物語というからには、武侠ものなんだろうと思ったのが間違いで、これは武侠もの、アクションものというよりは、リアリティを無視して視覚的美しさで勝負を狙った芸術性の高い作品だ。イーモウらしい。見せ場はやっぱり、剣を使ったアクションにあるんだと思うけど、アクションというよりは剣舞という感じ。体の動きがすごくキレイだし、重力の存在をまるで無視したワイヤーアクションも、武侠のリアリティではなく、視覚的美しさに重点を置いて撮られたものだと思う。あと、『羅生門』パターンで繰り返される、残剣と飛雪のエピソードがバージョンごとに違う色を前面に出して描かれるが、どれも思わず息を呑む。これはマジで一見の価値アリだと思う。
9点(2004-05-23 12:37:38)
3.  恋する惑星 《ネタバレ》 
すれ違い的に交差しない2つのエピソードの「かすり方」が素敵。4人の主人公のうち、ト二ー・レオンの愚鈍さ(おうちでの白ブリーフがあまりにもはまっていた点も含む)と、ブリジット・リンの金髪ヅラの似合わなさだけは、個人的に納得がいかなかったが、基本的な人物設定はおもしろかった。特に良かったのはフェイ・ウォンかな。彼女が演じた女の子キャラは、彼女の子鹿のような雰囲気に合っていたからこそ光ったのであって、他の人がミスキャスト的にやっていたら、完全にストーカーになってたと思った。その点で絶妙。半年に一回ぐらいの割り合いで繰り返し見たくなる佳作だと思った。
8点(2003-11-29 09:16:23)
4.  天使の涙 《ネタバレ》 
比較するなら『恋する惑星』の方が数段よかった。かもし出している雰囲気やおおざっぱなつくりは似ているが、『恋する・・・』に比べて少しスノッブな感じになっていると思った。たとえば、登場人物がやたらと煙草を吸う(飯を食う時ですら吸っている)ところとか、レザーものを身に付けているところとか。あげくに香水の移り香で男の居場所をかぎあててみたり。バブリーなアイテムちりばめ過ぎ。逆に時代遅れな感じがして、ちょっとしらけた。最大の欠点は、殺し屋が殺し屋に見えないところ。どんなに悪そうなふりをしても、そこらのおばさんの息子かなんかにしか見えない。あれは完全にミスキャストだと思った。
5点(2003-11-29 09:07:30)
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