1. HERO(2002)
ワイヤーアクションの異様さは、心の準備をしてから観たので、まあ良い。それよりも、この映画は「絵」を楽しむものなのだろう、と思う。それぞれの場面における構図や色、雨や風、水面や落ち葉...。それらの美しさは、十分に楽しませてもらった。 ストーリーで気に入らないのは、ラスト。残剣の「殺せたのに、生かした」、「今だって殺せるけど、そうしない」ことが意味を持つように、無名も生きて欲しかった。雨のように降り注ぐ矢から、無傷で逃れ(その逃れ方は描かなくても良いが)「いつだって殺せるが、世の平和の為に、生かしたのだ」という「去り方」をした方が、その後に続くと思う。好きなシーンは、(架空の場面ではあったが)如月が、刺されながらも笑うシーン。「昨夜のあなたを思うと...」。剣では負けたが、女としては勝った...とでも言いたげに。 6点(2004-03-16 20:32:49) |