1. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 懐古的なオープニングタイトルで始まり、ワンカットでカラフルに描かれる歌とダンスの競演。カメラワークが素晴らしい。ツカミはOK!という感じですね。 が、そこからは定番・鉄板・お約束感満載のラブストーリー。意外性はほぼなしといった感じでした。それでも惹きつけられ一気に観てしまったのは何故だろう?ひとつには主演ふたりの魅力ですが、それを上回る優れた演出によるところだと思います。 オープニングでも度肝を抜かれたカメラワーク、繊細かつ巧妙な色使い、そして素晴らしい音楽。敢えてカテゴライズするならば本作は本格的ミュージカルとは言えないように思えます。けれども、間違いなく音楽が支えている作品。これもミュージカルの一形態なのですね。 ラストのif走馬灯は感動的でした。ふたりの歩んだ、或いは歩んだかも知れない各パートが見事に編集されていて、このカットが定番・鉄板のラブストーリーを珠玉のラブストーリーへと昇華させているように思います。 ミュージカルと言うには何か物足りない。ラブストーリーと言うには目新しさは感じない。でも惹き付けられて止まない。不思議な魅力の作品でした。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-02-26 19:27:32)(良:1票) |
2. ミッドナイト・アフター
《ネタバレ》 兎にも角にも散らかった印象を残す作品。SFなのか違うのか?コメディなのか違うのか?社会派作品なのか違うのか?エッセンスを詰め込み過ぎと思います。 具体的には、原発事故で激しい爆発が起きたもののトンネル内を走行中だったため直接的被害を受けなかった1台のミニバスと17人の乗客がタイムスリップもしくはパラレルワールドに入り込んでしまうお話。と思いきや、都市のゴーストタウン化は謎の疫病の蔓延によるものという含みもあり、更には乗り合わせた17人についての運命論的な解釈も登場。 大筋を離れた部分でも、集団を離れて行動した若者たちが爆発するが如く消滅していったり、性暴力シーンが矢鱈生々しかったり、私刑シーンに多めの尺を使ったり、政府組織と思しきガスマスク男が日本人だったり、一人の若い女性(可愛いですね)が何かに憑依されている様子だったり、その他にも数えきれないぐらいに大いに散らかしてくれています。 そしてラストシーン。え?これでTHE END?なにが言いたかったのか?テーマは何だったのか?謎だけが残る作品でした。 ちなみに、仮にもう少しプロットがきちんとしていても、登場人物の殆どのキャラが濃すぎて全く感情移入出来ず、やはり低評価に留まっていたと思います。 [インターネット(字幕)] 3点(2023-03-12 16:07:31) |
3. 沈黙の達人
《ネタバレ》 超シンプルなストーリーに全く相手を寄せ付けない完全なる無敵っぷり。セガール作品はこうじゃなきゃいけませんね。パンチ貰ったり縛り上げられたりしてはいけません。 贖罪の念から出家したのかと思ったら、退役して僅かの年月で無敵の医師に変貌してるところもご愛敬。達人は何をやらしても達人なのです。 娘の救出を願い出た父親がそれを断られ、「自分が行く。生きては帰れないからこの子を頼む。」と言い放ち医院を飛び出したものの、ちゃんと扉の陰で引き留められるのを待っててもいいのです。セガールさんは決して断らないと分かっているのですから。 予め敵のアジトに武器を隠すチャンスがあるのなら、そのついでに攻撃しちゃえばいいのに改めて出直して結局は正面突破でもいいのです。無敵なんですから。 前半の雰囲気から独りで乗り込んで悪党を全滅させてくれるのかと思ったら、ヒーロー全員集合映画的に仲間を集めてひとりひとりデカイ文字で紹介されたりしたので、なんだかそこからテイスト変わっちゃうのかと思いきや、やっぱり最後は独りで乗り込む。いいですね。しかもラスボス全く寄せ付けず。シビレます。 オープニングとラストに何やら教訓めいたナレーションが入りますが、セガールさんの脚本ですからここは必須ですね。そしてエンドロールは歌にギターにまさにセガールショー。 しばらく欲求不満気味の作品が続いていただけに、ひさびさにセガールさん尽くしを堪能出来て、観終わった後は物語中の悲劇に反して爽快感に包まれました。 ちなみに、原題の「消耗」とは特殊部隊時代の「精神的消耗」のことなのでしょうか?イマイチ理解出来ていません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-04-05 11:26:31) |
4. 三人の夫
《ネタバレ》 冒頭のタイトルバックから性的な表現ばかりで、予備知識なしに観てしまうとポルノ以外の何ものでもないような描写が続く作品。 けれども話が進んでいくと、底なしの悲しみの中に生きる貧困層の逞しさと、「性」への執着は「生」への執着に他ならないというやるせない現実、そして次から次へとスクリーンから投げつけられて来る映像の数々に胸を締め付けられる思いになりました。 淫猥な映像も時としてハッとさせられる程の美しさを放ち、それがせめてもの救いかなと。恐らくは知的障がいを持つヒロインと彼女と共存する三人の男、そして赤ちゃんの姿は、所謂底辺に限らず社会全体が内包する様々な問題を提示していて、観終わった後しばし胸苦しさと居心地の悪さに苛まれました。 フルーツ・チャン監督が自ら「娼婦3部作」と呼ぶ作品のうち、先行した「ドリアン ドリアン」「ハリウッド・ホンコン」は未見ですが、観るためには心してかからないといけないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2022-03-23 02:06:34) |
5. 霊幻道士
《ネタバレ》 某ネットラジオでの紹介をきっかけに、35年振りに鑑賞しました。当時の記憶は殆どなく、新作のような気分での鑑賞でした。 香港映画らしいこれでもかと言わんばかりのコテコテのギャグ満載。登場する女子は美女(ここでは主に2人だけですが)ばかり。戦いの場面では子気味良いカンフーアクションが炸裂。当時、日本でも大ヒットし、シリーズ後続作品や類似作品が次々とヒットし続けたのも頷けます。流石に随所に時代を感じさせられはしますが、短い尺にみっしりと詰め込まれたストーリーを、飽きることなく楽しめました。エンディングが唐突なのもご愛敬? 考えてみると、狂暴なキョンシーが大暴れする割には、犠牲者はヤン氏と村人1人、それとキョンシー数体なんですね。数あるバンパイア映画やゾンビ映画と比べると随分と平和な感じがするのも、古き良き時代の映画ということなのかな? [インターネット(字幕)] 6点(2022-02-13 12:51:37) |
6. ライジング・ドラゴン
《ネタバレ》 確かに年齢を超えたアクション。ただし、最後を飾るに相応しいか?彼の集大成か?最高傑作か?などなど、様々な疑問には?と言わざるを得ないのではないでしょうか? 冒頭のローラースーツアクションは惹き込まれましたけれど、次第に緩くなっていくかの如き展開は、ジャッキー映画でなければリタイアしかねないダラダラ感でした。少しばかり欲張った結果、長尺になりすぎたかも。 まぁ、結局はこの後も主演アクション作品を制作することになるにしても、もう少し頑張って欲しかった、というのが率直な感想です。 ジャッキー作品だからこその高得点と思いましたが、5点献上で御勘弁を。 [DVD(字幕)] 5点(2014-07-05 12:08:49) |
7. 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
《ネタバレ》 ノンストップでスピーディな展開に惹き付けられるものの、ここで描かれる「男の世界」には今ひとつ共感や感情移入出来ない。復讐の気持ちはひしひしと伝わって来るものの、ヒットマンたちの死に様がどうにも受け入れられず、無駄に死に急いでいるとしか思えない。だから、その時点で作品世界から出てしまった。 更にはラストシーン。コステロの単独行動は無謀であり、仮に行為に走ったにせよ描くべきだったか。描くにしても長過ぎないか? やたらドンパチが激しいばかりで、少しずつ引いてしまった作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-11-13 21:46:42) |
8. カンフー・ダンク!
《ネタバレ》 ノンストップで飽きずに観られる青春スポ魂ドラマという感じでしょうか。ワタシ的には大満足でした。 お約束どおりの展開は、全くもって予測可能。でも、その辺が逆に言えば安心して観られる訳で、実写のスーパープレイが適度に混じるワイヤーアクションも、妙な不自然さなしで良かったです。 ま、この作品を受け入れるか否かはラストシーンですよね。師匠の死が複線となって最後の最後に見せる主人公の底力。それを許せない方にはこの作品はダメでしょう。 と言う訳で、意外と観る人を選んでしまう1本です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 10:34:50) |
9. インビジブル・ターゲット
爽快なノンストップ・アクションムービー、それに尽きます。 ただ、シンプルながらストーリーにも意外と惹き込まれます。 ジャッキーの息子も必見かな?似過ぎかも…。 飽きずに一気に観ることが出来る痛快青春アクションムービーって感じです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-19 02:59:59) |
10. 死の森
何と言ったらいいんでしょ?この作品、ネタバレ厳禁ですね。 冒頭、緊張感とともに幕があけ、その後陰惨な事件が起き、犯人の狂気が映し出される。その合間には、適度なユーモアを交えた植物学者と助手、そして美しい恋人の風景。 その後、超常現象的な事件の解決。全てが明らかに?いや違う。本題はここから。 で、驚愕の真実!え、え~~~~~っ! 残る感覚はデジャブの如く、思わず漏れる「この結末、どこかで観たかも…」の言葉。 なんだか2本観た感じ。それにしても… 映画だからって… 何でもアリですか? [DVD(字幕)] 5点(2008-10-05 16:01:01) |
11. PROMISE プロミス
《ネタバレ》 漫画や劇画の実写版って何で製作されるんでしょうか?この作品を観ていてつくづく思いました。ここのサイトでも激しく批判を浴びている実写版ものはありますけど、何故そんなリスクをおかしてしまうんでしょうかね?この作品の場合には、キャスティングと画面の美しさを追求し過ぎたから? で、この作品は別に実写版というわけではありませんよね。でも逆に、この世界を表現する手段としてはアニメの方がいいんじゃないかな~?などと思ってしまいます。 皆さんの失笑をかっている一番の原因は、CGやワイヤーアクションのやり過ぎ。でも、そもそもが起点不明の3千年の昔の物語。神も人間も同居している世界という設定なんだから、四足で高速走行しようが人間凧揚げしようが、今の世界と比較しても仕方のないこと。てか、必要なファクター。でも、観客が比較して、笑い転げて、仕舞いにゃ怒り出してしまうのは、全てが実写故でしょう。 是非とも同じ監督でアニメ版を作って、この雄大でいて切なくも哀しいテーマを表現して欲しいものです。実写版ゆえのキャスティングの妙や画面の美しさは、全体のバランスの中できっと吸収できるはず。ただし、もう少しストーリーを練り込んでね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-07-20 07:57:53)(良:1票) |
12. リサイクル -死界-
微妙ですね~。とにかく、どこかで観たカットのオンパレード。テーマとアイディアは面白いと思いますよ。でも、良く似た話をどっかで観たか読んだかしたかな?それに、ホラー的表現があまりに平凡、お約束的。それから、CGで描かれた世界はなかなか豪快ですけど、やっぱりどこかで観たような…。 気合と意気込みは感じられるけれど、残念ながらスベッテしまった典型かも。 [DVD(字幕)] 4点(2008-05-31 02:21:17) |
13. 墨攻
ずっと気になっていた作品。原作は未読です。 ストーリー的には非常に好みなんですけど、何にしても2時間そこそこじゃあ無理ですよ、壮大すぎるテーマなんだから…。結果として、あれもこれも省略省略、不完全燃焼の作品になってしまいました。だから、妙に短絡的で意味不明な展開が目立ってしまうんですね。 とは言え、エンターテイメント作品としてはハイレベル。飽きさせない展開は演出の妙と言ったところでしょうか? ちなみに、アンディ・ラウ、今までで一番カッコ良かったと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-09 20:54:40) |
14. BLACK NIGHT ブラック ナイト(2006)
全く怖くない!映像的には妙に古臭い!短編集だから暇つぶしにはなると思ったのに…やっぱり期待を裏切らない(これ以上裏切りようもない)作品集でした。あぁ虚しい… [DVD(字幕)] 3点(2007-12-08 02:17:35) |
15. SPIRIT スピリット(2006)
ジェット・リーのアクションはこれっきりなんでしょうか?数少ない本物の武道家&俳優だけに、それが一番残念! ストーリーはあまりに単純でお約束だらけ。でも、相変わらず冴え渡る武術シーン。爽快です。細かいことは気にせずに、本物のカンフーを徹底的に見るべきですね。 ところで中村さん。あなたの武道はいったい何? [DVD(字幕)] 7点(2007-10-29 00:33:53) |
16. 私の中に誰かがいる
《ネタバレ》 バービィー・スー主演のアジアン・ホラーということで、喜び勇んで観賞! でも、一体全体これは何? 香港映画にまで進出してきたのか例のオチ?! まぁ、嫌いじゃないんですよ。ただ、あからさまな仕掛けには興醒めです。突っ込みどころ満載なので、いろいろ楽しめますけどね。 唯一、観賞後も残る謎は、ニーニーがあの時ホントに落とされたのか?一人称はニーニーで始まるし、エンディングも同様。じゃ、あの時の騒ぎもリンの○○? [DVD(字幕)] 3点(2007-10-17 01:09:32) |
17. カンフー麻雀
《ネタバレ》 何にも考えないで観ましょう。これは娯楽作。いかにも香港映画。そのテイストがお嫌でなければ楽しめます。割り切らないと! で、肝心の中身ですけれど、タイトルで期待するほどカンフーシーンは出て来ません。でも、麻雀を知らなくても楽しめます。もちろん、麻雀シーンは楽しいですけれどね。パロディあり、変てこりんなキャラの登場あり、まぁこの際ストーリーはどうでもいいかな? 個人的にはアウォンの同居人の出っ歯の彼女がいつ可愛く変身するのかということと、バドミントンの彼女はラストシーンで幸せになるのかが気になったな~。答えはひとつしか得られず! [DVD(字幕)] 6点(2006-09-02 07:51:29) |
18. 双子
最近のアジアンホラーの中では、かなり上質の恐怖ではないでしょうか?途中まで観ていくと「まさか?」と展開が判ってしまわないこともありませんけれど、まぁこの手の作品はある意味限界を迎えてもいるわけで、最後の最後まで予測不可能ってのも難しいかなと。そういう意味で、かなりの頑張りを見せていると思えます。私としては、主役の白田久子さんが今後どんな作品に出演するのか?果たしてホラー路線から脱却できるのか?そんなことが気になったりして…。 [DVD(字幕)] 6点(2006-03-20 23:16:20) |
19. セブン ソード
アクションシーンが素晴らしい。生身の殺陣と最小限度のワイヤーアクション。ちょっとしたアクションにも、他では見られぬアイディアと迫力が光ります。 ただし、ストーリーが薄いなぁ~。あと、人物の表現も。やっぱ短縮しすぎかな?二時間半で納めるのは無理だったかも? [映画館(字幕)] 6点(2005-10-11 21:33:19) |
20. ダブルタップ
銃器の扱い、心が壊れていく様、レスリー・チャンの演技が素晴らしい。ストーリー的に少し説明不足であることが否めないものの、彼の存在感が全てを支えている。スピーディな展開と、リアルな銃撃戦は一見して娯楽アクション作品とも思えてしまうが、実は非常に深く重いテーマ。アクション映画では主人公が銃を乱射し、悪者たちをバッタバッタと薙ぎ倒すが、現実の世界に置き換えれば(おそらくは)ここで描かれている心の闇を避けて通ることは出来ないに違いない。リックとミウ、彼らの違いはまさに紙一重。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-28 08:28:39)(良:1票) |