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1.  墨攻 《ネタバレ》 
 原作は未読ですが、1エピソード・1つの城の攻防戦にしぼったドラマ作りは、成功していると思います。スペクタクルを堪能できる良作だと感じました。  迫力を支えているのは、やはり、体を張ったスタントの人員たちで、また演出も人間同士が戦うことの「痛み」を感じさせるものであり、力強い作品に結びついていると思います。特に「痛み」は、攻防戦で死んでゆく人々の悲鳴や、処刑の残酷さなどを描くことで、観客に戦いの負の面を訴えていたのではないでしょうか。  ヒロインの結末は、賛否あるようですが、私は決して無駄な死ではなかったと思います。エンディングの、主人公が戦いの虚しさを悟り、平和を訴えてゆくという、より大きく困難な目標への旅立ちは、希望を感じさせる物語であり、主人公をそこへ導いたのはヒロインの死であったからです。  攻防ののち、王が主人公を邪魔に思い始め…というストーリー展開はありきたりですが、とっつきにくい題材において、ストーリーが単純でわかりやすいのは良い方向に働いていると思いました。多くの観客を意識した、エンターテイメント作品としての製作姿勢がうかがえるのではないでしょうか。  アンディ・ラウの抑えた演技も作品に合っていて、バランスのとれた一本だと思います。そして、アジア発のスペクタクル歴史娯楽作、という作品であることを嬉しく感じました。
[映画館(字幕)] 9点(2007-04-17 23:47:38)
2.  爆裂都市(2004) 《ネタバレ》 
 香港的なバタ臭さを排し、警察VS国際テロ組織という正統派ハリウッド調アクション作を目指して製作された印象を感じました。  ですが、逆に香港映画の持つアクションへの傾倒や熱さまでもが損なわれているのではないでしょうか。冒頭の空港での暗殺未遂シーンこそ、スピーディーで引き込まれますが、中盤からの失速感はかなり期待外れの感を否めないと思います。  特にクライマックスで判明する、テロリストの真の狙いは、観ている側としては拍子抜けしてしまうぐらいアンバランスだと感じました。マカオの知事の暗殺が陽動作戦で、元CIA工作員への復讐が真の目的とは、到底納得できるものではありません、  知事暗殺をフェイクとするならば、大量殺人兵器の使用など、より大きなテロを目的としなければ、映画としての盛り上がりに欠けると思います。香港映画としてはレベルの低い格闘戦や銃撃戦、テロリスト首領役の千葉真一の存在感の薄さなどもマイナス要素につながるものだと思います。 
[DVD(字幕)] 1点(2007-02-24 23:09:51)
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