1. 八仙飯店之人肉饅頭
《ネタバレ》 妻投稿■この映画残虐な映画というイメージがあるけど、女性に対する拉致監禁、恐怖を味合わせた上での殺害、死体損壊はショッカーの方がたくさんやっている。でもその被害者の命乞いや将来を断ち切られる絶望、家族の悲しみは、仮面ライダーではスルーで、後は平成版では特にイケメンの主人公によるチャラ日常が展開される。この映画では残虐な暴力、殺人シーンがあるだけで、話の展開は基本的に仮面ライダーと一緒なのだ。ライダーとかの冒頭でよく生きたまま毒ガスとかで骸骨にされるモブの女の子もよっぽど痛かったんじゃないかと思うし、元民間人の怪人を殺戮するライダーのノリはこの映画の警察官を連想させる。■映画の残虐シーンだけど、私はヤギ解体した事があって、シメル時にヤギって「殺さないで殺さないで」と言うように泣くんですよね。知り合いの話だと牛や豚も古いやり方で〆ていた時代は同じだったみたいです。やっぱり人間だけじゃなくて、動物も痛いとか怖いとか死にたくないという感情はあるんですね。私たちはそれを肉まんやすき焼きや牛丼にしているわけです。■今回はたまたまそれが人間になっただけ。うーん、こういう映画を見て「命の重さ」という教材を見た気になっている私って・・・アセ(←ただし、これは映画の感想です。現実の殺人事件に関しては深い憤りを覚えます)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-07-09 11:45:41) |
2. 宋家の三姉妹
《ネタバレ》 妻投稿■三姉妹が喧嘩をするたびに「ジャッキーに何とかして貰えよ」と隣で喚いている旦那。蒋介石のプロポーズを見て「ああいう気の利いた事する奴に限って、いざ結婚したら亭主関白になるんだぜ」とうるさい旦那。日中戦争が終わって映画も終了しそうな状況で、「これから戦前の何倍も虐殺があって中国の歴史はさらに拗れ切るのに、ここでおしまいかよ」とさじを投げる旦那。図書館で映画を見るときは黙っていろ(笑)■でも旦那の言う事も一理あって、三姉妹の評価は1945年以降の中国の激動でこそ決まるんですよね。まあ、中国の歴史を扱った中華圏の映画は、ここんところを描けないのか描きたくないのか、1945年で物語をおしまいにしちゃう映画が多いですよね。自動車で滑走路を照らし出すシーンはいいから、文化大革命や2.28、国共内戦、台湾で民主主義がやっと成立した時、共産党に保護された姉と、蒋介石の妻として台湾の前面に出た妹がどのように評価され、どのようなまなざしを国に向けるのか、その対比こそが三姉妹の話を2つの中国共和国の歴史物語に昇華する要素だと思うし、この映画の価値のある表現だと思うのですが。 [レーザーディスク(字幕)] 7点(2011-01-28 01:32:24) |
3. 黒い太陽七三一/戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌
《ネタバレ》 妻投稿■この映画が作られた1980年代後半は、731部隊の生き残りが捲いた惨劇、薬害エイズが問題になった時期ですよね。■ちょうどそのころ(1987年)生まれの私は、1940年代に日本軍が酷い事をしたのかしてないのか、不毛な議論に関わる気はない。しかし「戦争をする」と言う事は、人体実験云々を差し引いても、爆弾や化学兵器で誰かの手の皮がめくれて手が骸骨になったり、体が膨張してうんちと内臓が噴き出したり、かわいい男の子が解剖台の上で死んで(本物の)内臓をぶちまけると言う事だ。ネズミの炎上シーンや猫がネズミにたかられるシーンだって、空爆の下の建物や野戦病棟であり得る話だ。■でも今は「民主主義」で政治家を選んだ国民が、自分たちが選んだ国家元首が戦争を始めるのを、お茶の間でゆっくり鑑賞できる時代だ。この映画は異常でプロパガンダを多分に含んでいると思うが(それでもこの映画、中国共産党とはゆかりのない香港映画だし、人間ドラマとしてもさり気なく見せてくれるので、実はプロパガンダというよりも製作陣が「戦争の狂気」とやらに取りつかれた映画じゃないかと思う)、軍隊や戦争を(ある程度)肯定しながら「こういう気持ち悪い映画を作るのは反日プロパガンダだ」といってた私も、結局「死体を映してはいけない」という戦時宣伝部みたいにおぞましい存在だと思う。■私はこの映画を見た後でも軍隊や自衛隊は必要だと思うし、この映画を見た日本人が中国人に謝り続ける必要などないと思うが、狂気はいつでもうちらに向かって口をあけているのだという事、私たちはお茶の間で綺麗に編集されたニュース映像を見ながらその狂気を実現できる力を持っている事は自戒するべきだと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2010-09-02 05:11:44) |
4. 北京原人の逆襲
《ネタバレ》 妻投稿■北京原人の逆襲…てことはゴジラの逆襲みたいに「北京原人第1作」があるって事ですか。もしかして「who are you」ですか・・・・・。まあ、本家は1997年製作だからあり得ないけど、旦那には予備知識なしで、「これ北京原人の続編だよ。僕の彼女はサイボーグよろしく国境を越えて続編作ったんだよ。90年代の続編なのに映像が汚いのは香港だから仕方ないよ」と吹き込んで(旦那信じているし)鑑賞。■旦那は大喜びでした。「うおおおお、ミニチュアが凄い。立体駐車場で車が連続爆発するシーンなんか最高だぜ」「素晴らしい。ゾウさんの表現に前作の精神が息づいている」「日本でのストーリー破綻と香港映画特有のストーリー破綻をブレンドさせて、濃厚な破綻(「はじょう」と特別に読んでください)攻撃を食らわしてくる。しかも今度は簡単にはピーチクを見せない趣向か」「いやー見事。今度はタイでウルトラマンと戦わせてくれい」「シネマレビューに書くぞ。10点だ」と興奮していましたが、私はここは押さえておきました。8点。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-19 01:07:14) |
5. 新宿インシデント
《ネタバレ》 妻投稿■2回目見て少し感想が変わりました。■この映画はアジア人が見た日本のイメージを反映していると思う。日本人は世界で日本が一番安全だと思っているが、実は殺人発生率は決して低くはない。私の友人のお母さんは、わけあって身元不明遺体相談で遺体のページをペラペラめくった事がある。多分考えられているより高頻度で死体が路上に転がっていることが分かったと言っていた。あれが全部殺人だったとは言わないが、生き倒れや餓死というわけでもない。日本は死体を解剖しない国だから「弱い立場の人を殺しても殺人とは認知されないんだろうな」と背筋が寒くなった。作中で死んだ人、ニュースになったのだろうか・・・日本の暴力団を除き、アジア人が日本人の目につくところで死ぬシーンは全くない。これがアジア人が見た日本なんだろう。「暴力、拷問、リンチ。実はすぐ近くにあることなのに誰もがそんなもの自分の生活圏にないもんだというように隠すのが日本社会なんだ」とこの映画は言いたいんだと思う■しかし、出てきた人間、ジャッキーの香港国際警察の悪党ですよね。ジャッキーは明るい喜劇映画。香港国際警察2004みたいな重い映画でも相応の優しさはあった。なんていうか、その優しさが引きずられている気がする。演技路線に入るにしろ、ジャッキーにやくざと悲劇は似合わない。 [インターネット(字幕)] 7点(2009-08-28 05:41:11)(良:1票) |
6. プロジェクトBB
《ネタバレ》 ジャッキー・アクションに限りがあるかな。■その1、トランポリンのシーンは、ジャンプの最中に敵を叩き上げて慣性の法則を使ってはるかかなたに吹っ飛ばすアクションが欲しい。■その2:ジェットコースターのシーンはクレヨンしんちゃんの栄光の焼き肉ロードを見習ってほしい。ただ鉄の塊が動くだけではなく、コースターが上がって行って恐怖が大きくなる瞬間とこんな所に追い詰められたピンチ感が、その後高速で動きだすコースターと一緒にハラハラドキドキのアクションに繋がるという「アクションの舞台をアクションに組み合わせた」演出は、ジャッキーは得意なはずなのに、その部分が何か物足りない。■その3、マンションのベランダから落ちそうになるシーンが多すぎる。あれは1回でいい。■いろいろ文句言ったけど、この映画は面白いです。赤ちゃんはかわいいよね。でもデカイ・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2009-02-18 09:52:21) |
7. 冒険王
冒険王・・どんな冒険をしたんでしょうか。アクションは確かにレベルは高い。しかしこの脚本家は「ストーリーなんてどうでもいいや」と思っているようだが、実際のところ「アクション映画」「勧善懲悪映画」「ヒーロー映画」「単純ストレート映画」だからこそ脚本家はその腕を問われるのである。この映画の脚本は品がないし、意味が分からんし登場人物に感情移入出来ん。原爆を見て「日本が負ける」と喜ぶ金城武君が、この映画の面白くない原因を象徴していると思う。 [DVD(吹替)] 4点(2008-04-01 17:40:42) |
8. 香港国際警察/NEW POLICE STORY
《ネタバレ》 傷ついた犯人を前に警官隊に銃を突き付けられながら、「銃で撃たれて出血がひどい、早く助けてやれ!」とわめくジャッキー。今までの残酷なシーンはこのためにあったのだ。ジャッキーは今までも時計台から飛び降りたり、バスにぶら下がったり、ヘリコプターにぶら下がったり、ビルから滑り降りたりと不可能に見える事を次々とやってのけたヒーローだが、この映画ではどうしようもない怒りや憎しみや悲しみをも乗り越えたのだ。 [地上波(吹替)] 10点(2008-01-27 00:06:01) |
9. レッド・ブロンクス
《ネタバレ》 実はこういう映画が結構好きな僕ちんであります。田舎者が見知らぬ土地の親戚を訪ね、そこであか抜けない行動をしているうちに、知らないうちに大変な事に巻き込まれているという設定は、自閉症を患っている自分が結構体験したことに似ている。ですから親戚とだっこだっこするシーンから、チンピラに追われてガラスを投げられるシーン(旅先の興奮した夜に、外でブルンブルンとなるバイクの音つうきっかけがいい)、駐車場での追っかけっこ、マフィアが絡んできてダイヤがどうのこうので、ホバークラフトが突っ込んできて・・・という流れは、破天荒で映画のストーリーはなってないとも言えるが、逆をいえば「所詮映画じゃん」というものがなく、観客である僕のボンクラな日常からいつの間にか画面の中のヒーローと(ウルトラマンとハヤタ隊員みたいに)一体になっているというような、逆をいえばヒーローになりたいという僕の持っている厭らしき妄想的願望を叶えてくれる作品ではないかと思うのだ。そしてこれを可能にしたのが、しょっぱなのどうでもいい結婚式シーンや、敵を殺さずギャグみたいに倒すシーンなのではないかと思う。映画のバランスはともかく、観客と一体になったヒーローが残虐な敵とはいえ人を殺すと矛盾が生じてしまう。そして気持ちい勝利の後エンドールのメイキングで映画だったのだと再び確認する。これが僕のジャッキーの鑑賞法。明らかに公平中立性を欠いた間違った鑑賞法です。 [ビデオ(字幕)] 10点(2008-01-20 01:16:29) |