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1.  プラットフォーム 《ネタバレ》 
非常に観念的な作品。  そもそもあり得ない設定なのですが、登場人物たちの「感情」は非常にリアルで、極限状態に置かれている彼らの「行動」はショッキングなものになりがち。 それらショッキングな部分を見どころにしないと映画として成り立たないので、アリではあるのですが、ちょっとグロい描写が多いため、人を選ぶ作品になってしまったかもしれません。  世の中の不平等、階層、富を享受する人間たちと飢餓に苦しむ人間たち、搾取する側とされる側。それらへの問題提起と、そこに置かれた人間のエゴイズム、生物として生き残るための殺し合い、足の引っ張り合い、侮蔑。 救いは宗教にはなく、心ある主人公ですら原罪を犯す。そこに批判的なメッセージは見当たらない。  原罪を犯しながらも、子どもを見つけるため、主人公と黒人の相棒は命を尽くす。  最下層で見つけた子どもは、「良心」のメタファー。  そして彼らは最上階へ「良心」を届け、役目を終えて死んでいく。  解釈はある程度観客側にまかされており、形而下的な描写で形而上的なテーマを描いているので、観客にきちんと伝わるのかはちょっと疑問に思いました。  深遠なテーマを冒険的・実験的に描いていてとても面白い作品ではあります。ぜひたくさんの人に観てもらいたい作品ですね。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-10-26 12:33:53)
2.  リグレッション
テーマが「性的虐待」「悪魔教団がらみ」とくれば、興味を持つ人は多そう。 そこへ「実在の事件」とアピールしたら、作品の出来とは関係なく、そりゃあ興行的にはそこそこ成功するんじゃないか。  しっかりと取材したドキュメンタリーじゃないんだったら、実際の事件にインスパイアされて制作しよーとしまいと作品の出来不出来とは関係ないんだから、いちいち持ち出すのは止めてほしいな。  それにしても主役の刑事、どこかで見た顔だと思ったらイーサン・ホークだった。年取ったなぁ。 彼は、悪魔教団の存在を信じて調べていくうちにどんどん心理的に追い詰められていくのだが、なんでそんなに追い詰められていくのかが、さっぱりわからなかったです。 彼が受けた実際の被害って、無言電話だけじゃん。なにをそんなにビビッているのか。 実は神の存在を信じているから、ひっくり返って悪魔も信じているんだろう。だから頭っから疑わず、悪魔教団の存在も信じちゃうんだろう。それで「組織に狙われる!」と被害妄想に陥ったのかもしれない…が、タフネス刑事のくせに、ココロ弱すぎだろう。  単純すぎて、頭っから被害者の言うこと丸飲みしちゃうしね。 同僚が被疑者になったら、それもすぐ信じちゃう。ヒドイ…。まぁマッチョな刑事だから、可憐な美少女が泣いて助けを求めてくるのを、加害者だと疑ってかかるのは難しいのかな。しかし刑事のくせに…と思ってしまうのだが。 確かに現実には、そんな単純な手に引っかかるか???と、思う人ほど、引っかかっちゃうんだろうなぁ。オレオレ詐欺の電話が実際にかかってきたら引っかかっちゃうみたいに。  しかしつまらなかった。 虐待は本当だったのか、教団は本当に存在するのか、どちらが本当かわからない謎をミステリアスに描くこともできたはずなのに、主役の刑事さんのビビった妄想夢や仲間内の喧嘩ばかり披露されて、いまいちストーリーが盛り上がらなかったです。 ラストも、大して衝撃的でもないし。 最後にもっともらしく、催眠療法については現在こういわれている…とか字幕で出されるのも、カウンセリングが一般に流布されていない日本では、はあそうですが、という感じでしょう。  大きく振りかぶった割にはヒョロヒョロ球でした、という作品でした。残念。
[インターネット(吹替)] 4点(2020-06-29 16:03:43)
3.  ペインレス 《ネタバレ》 
ラストの唐突な父から息子へのメッセージ(強く生きろよ~的な…)に、これで終わり?なんだこれ??と、ボーゼンとしました…。  だいたい目の前にいきなり髭面のおっさんが現れて、「こいつは俺の息子だ!」ってわかるもんでしょうかね。 もし直感でわかったとしても、誤って出火して火事で死ぬ羽目になったというのに、そんな場面で髭面の息子へ父親としてのメッセージなんて送るもんでしょうか。いや、送らんだろ。  現在と過去を何度も行き来して、引っぱって引っぱってようやくラストまで来たというのに、何も解決せずにとりあえず燃やして終わりにするなんて、なんて乱暴な脚本なんだ! 燃やして終わりなんてあんまりだから、とりあえず感動できそうな父から息子へのメッセージをつけとくか。…と、後から映画会社がつけたのでは??なんて思ってしまうほど、不自然だったわー。  そう考えると哀しいので、あのメッセージは脚本家がちゃんと書いたものでテーマにかかわるものだったとして。 この不自然さは、もしかしてこちらの受け取り方の問題だったりして?  で、考えたのですが、主役の医者ダヴィッド。彼はベルカノが死んだことで骨髄移植を受けられなくなり、死ぬ運命になりました。 取り残されるのは、保育器に入った息子です。 あの父から子へのメッセージは、ベルカノからダヴィッドが無意識に受け取ったと思ったもの、そして同じように死にゆくダヴィッドが息子へと送ったメッセージなのではないでしょうか。  そう考えると、父とムスコはそっくり同じ人生を生きたことにも気づきます。 ベルカノは妻を先に亡くし、子どもも赤子の時に手放した。 ダビッドも妻を先に亡くし、赤子の子どもを一人残して死んでいく運命です。 父と息子の人生が、ぴったりリンクしているのです。  だから二人とも言葉にならないメッセージを送る。自分の死に際に。  もしかして、そんなラストだったのではないでしょうか。  映画の時間がもう少し長ければ、そこを描けたのかもしれません。 ラストが駆け足すぎて、それまでの大掛かりな設定とストーリーが無駄になってしまっているのがとても残念。 ペインレスという設定を生かし切れていないのも残念。 一言でいえば、詰め込みすぎ。  ペインレスは別の映画でホラーの題材にして、この作品では内戦と子供の監禁と拷問という過去の話を絡めて父と息子を中心に描いた方がよかったのではないかと思いました。
[DVD(吹替)] 5点(2018-03-01 00:12:06)
4.  ロスト・ボディ(2012) 《ネタバレ》 
う~~ん、いまいち。『ロスト・アイズ』でも思ったんだけど、この監督とは相性悪いのかな~。 ジャンルをまたいだ作品は大好きだが、この映画みたいに「あっちとみせかけてこっち、と見せかけて、実は…」みたいな、振り回すのが目的の軽い作品は好きじゃない。 引っかける部分が違うだろう、もっと内容で勝負してくれよ、と思ってしまった。観客をだますための脚本だから、あちこち不自然なんだよね。  死者の携帯電話をあっちゃこっちゃに置いたり、死体袋に入れてみたり、意味があるようで実はナシ。単にホラーにみせかけるための演出で、警部がそれやるのはどう考えてもおかしいだろ。 探偵さんは都合よく旅行に出てるしなぁ。全て観客をだますための演出で、いらない不自然なもの。  それに、復讐のためとはいえ、警部は死体安置所の警備員を殺しかけてしまったわけでしょ。ラストで「人を殺しておいて…」と恨めし気に主役の男を断罪しているが、自分はどうなのさ。本気で人殺しは許せないと思っているなら、もう少し態度に出てもよさそうなもんだ。 つまり、「人間が描けていない」  いいんですけどね…どんでん返し系サスペンスだから。 人間が描けていなくても、トリックを重ねて行ってラストでびっくりさせれば成功!ってタイプの作品だから。そういうのが好きな人には評価されると思うし。  私は映画が大好きで、長年たくさんの作品を見続けてきましたが、最低限人間が描けていなければ、映画としてはいまいちと言わざるを得ません。 この作品はいまいちです。スミマセン。
[DVD(字幕)] 4点(2018-01-17 20:52:42)
5.  スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 《ネタバレ》 
目ヂカラと眉ヂカラが喧嘩してハゲあがってしまったような男‥。スペイン人てのはどーしてこーゆう配役を…と思っていたら、なるほど変態というよりは変質者の役でしたか。納得です。  想像するに、この管理人は幼少期に親に虐待されたなどで精神的に歪んでしまい、生きる事の意味や喜び、自分の幸福がわからない。母親に代表される女性一般を憎み、母親に似た女性に欲情しつつ、その女性を苦しめる事でなんとかほんの少しの心の安寧を得ることが出来る、という人格障害者のようだ。 何度か寝たきりで入院中の口のきけない母親が出てきますが、たぶん彼が成長してから、母親の食事に漂白剤でもまぜるか、事故にみせかけて大けがさせるかなどをして寝たきりにさせちゃったんでしょうねぇ。 それらの細かい設定や状況は説明されないのだが、ちゃんと観客に伝わってくるように不穏な雰囲気を描いてある。そういうしっかりとした設定が土台にあるせいで、彼のキャラクターがとても説得力と迫力を持って迫ってくる。コワイ。  邦題の副題で誤解されるかもしれませんが、この映画はサスペンス・ホラーであって、エロはほとんどありません。 エロなどいらないくらい、主演男優がリアル変質者&偏執狂で気持ち悪かったです。むしろ主演男優さんの偏執狂っぷりにR指定が必要なくらい。ワタシ的にはR16に決定。子どもは見ちゃいけません。
[DVD(吹替)] 6点(2016-09-21 20:17:23)
6.  シャッターラビリンス
映像がいい。音楽もいい。役者の演技もいい。イマイチと思ったのは、脚本だ。真正面から素直にストーリーを作って撮りました、なので捻りとか驚きを期待しないでください、という作品に見える。 だが、ヒロインの妄想と願望と哀しみと苦しみの表現は凝っていて、とてもいい。彼女の苦悩を映像化した作品として観るなら、淡々と進むストーリーも捻りや驚きのなさも納得できる。それゆえの捻りのない脚本なのだろう、とわかる。淡々と進む場面が積み重なり、ただ一つの山場のラストへと繋がっていく。 娯楽作品を求める方にはまったく向かないが、とても良心的でいい映画であることは間違いない。この世で一番愛する子どもを喪失した母親の、魂の放浪を描いた作品だ。
[DVD(吹替)] 6点(2016-04-25 20:31:43)
7.  ロスト・アイズ 《ネタバレ》 
悪くないですよ~。OPの姉の首吊りシーンはなかなかショッキング。で、ギレルモ監督なんで、「もしやオカルト?犯人は霊がらみか?!」と思ちゃったのですが、それが作り手の狙いだったのでしょうか。 でも早い段階で犯人は実在の人物だとわかっちゃいます。なのでその後の見せ方は、かな~りマンネリでくどく感じました…途中で飽きちゃう人も多いかも。日本と違って、スペイン映画では、こーゆう場面をネチッこいほど映した方が人気が出るんでしょうか。 まあ何をどれだけ面白いと感じるかどうかは千差万別、観客側の勝手な好みですが、この作品は、失明の恐怖にどれだけ感情移入できるかで主役に感情移入できるかどうかが決まり、それによって恐怖をどれだけ感じられるかが決まってくる映画ですね。 そーゆうのを別にしても、刻一刻と視野の暗転が進んでゆく失明の恐怖を丁寧に描写してあって、なかなかサスペンスフルな見せ方です。 かんじんの犯人ですが‥本当はどーでもいいって感じに作ってあるなぁ。かろうじて「存在感がなく誰にも見えない男」って視力繋がりで描写してありますが、そんなに存在感がない犯人ではなかった‥言ってみれば大人しい普通の人?外見も意外性はなし。その辺りは、ギレルモ監督が描きたい所ではなかったんでしょうねぇ。監督、正直すぎ。 ギレルモ監督の他の映画でも思うのですが、彼は愛を信じる人なんですねぇ。ラストシーン、夫のセリフ通りに「きみ(フリア)の瞳に宇宙が見える」、そして彼女は鏡の中の自分の瞳を覗きこむ、彼女の瞳が大写しになり宇宙へ繋がり、そしてタイトル「LOS OJOS DE JULIA(JULIA’S EYES)」がバーン!と出て、終わり。あああ、監督のしてやったりの笑顔が目に見えるようだ!でもちょっとやりすぎ(笑) いろいろ凝った部分と手ヌキの部分がまぜこぜで、それなりに面白くはあるけどクオリティ的にはそんなに高くない映画でした。
[DVD(字幕)] 4点(2016-04-18 21:07:28)
8.  MAMA(2013)
ギレルモ監督なんで、期待しすぎちゃったのかな~。後半ぜんぜん怖くなかったな~。 やっぱり幽霊は、バーン!と姿を現しちゃダメなのよ。亡骸をブワキッ!とか力づくで砕いたりしちゃダメだし、ハイスピードになったりローになったりコロコロ態度を変えちゃーダメ。怖さ半減どころか、マイナスよ。 色々ご都合主義な部分が多すぎるのも、観ていて白けるし怖くなくなる原因。なんであの山小屋と家がクローゼットの中で繋がってるのか、教えてくれ。役に立たない心理学者や、姪に執着するおじさん(おっと主役の恋人か、失礼)とおばさんの心理も不自然だし(遺産があるならともかくねぇ)、第一、妻殺しの父親と一緒の子ども達をあんなすぐ見つけられる山小屋すら捜索せずに2年間も放置、っておかしいでしょ。  よかったのは、姉の視力が悪くて幽霊もぼんやりとしか見えないから怖くない、という設定かな。あの年の少女なら、あの姿の幽霊が出てきたら怖くて「ママ」なんて呼べないよね。そこは今までにないリアルな設定の小道具で、面白い。 あともうひとつ、ママの幽霊が欲していたのは、自分の子の亡骸ではなく、「生きている子ども」という設定もいい。 日本人は母子神話が強いから、亡骸でも自分の子どもの方がいいはず!て思う人は多いだろうけど、母親の幽霊が真に望んだのは、冷たい骨なんかじゃなく、自分に向かって「ママ」と伸ばしてくる柔らかい手を持った無邪気で温かくて自分を慕う子どもという存在なんだと思う。  それだからこそ、あのMAMAの幽霊を、ある意味普遍的な存在として捉える事もできる。  子どもを母親からムリヤリ取り上げちゃ~ダメだよ、という寓話。母子の絆とかいう問題ではない(愛着の対象となり愛情を注いでくれる人間なら母親でなくとも子どもには十分なのだから)。子を想う母親の妄執に火がついたら恐ろしいよ、というお話。そして、血の繋がりがない女が少女を守り、最後は家族のように抱き合って終わるのだ。 男はそえモノ。気の毒なので、次回作はぜひ「PAPA」をお願いしたい。
[DVD(字幕)] 5点(2016-03-03 21:19:26)(笑:1票)
9.  モスクワ・ゼロ
延々と続く、洞窟…廃墟…そこに出没する少女の霊…。  こんなホラーにピッタリの設定をなぜ1ミクロンも生かせていないのか、もったいなくてしょうがありません。 俳優も豪華にヴィンゼント・ギャロとヴァル・キルマーが出ているとゆーのに。  とにかく延々と洞窟が続くので、洞窟マニアの人にオススメです。 ストーリーはありません。  眠いけど、なんか映画観たい。内容がなくて雰囲気だけ感じられるような、観ながら寝れるヤツがいいな~という方、ぜひ観てください。 きっと目が覚めた時にはすべての内容を忘れているでしょう…。
[DVD(字幕)] 2点(2014-05-10 00:33:46)
10.  [リミット] 《ネタバレ》 
思ったんですがね。 「テロに屈するな!」とか言う正義大好きなアメリカ人って、底抜けに楽観主義なんだろうか、と。自分がテロで死ぬ多数の犠牲者の名もなき一員になる事なんて、あまり考えないんだろうか。 「俺は強い!」みたいな幼児的万能感をずっと持ち続けてるのか。都合の悪い事を考えるのを拒否しているのか。見ないふり、聞かないふり。否認。あと、自分に都合よく事実を変えて思い込んだりしたりね。  それはさておき、スペインぽい映画ですね。良作です。 でも、主役の勤務している会社が賠償金の支払いから逃れるため、主役が生きているうちに社則違反の言質をとろうとしたりする場面は、アメリカぽさを出そうとしたのかもしれないけど、ちょっとあざと過ぎて白けちゃいましたが。  他はよかったし、面白くはあったのですが…鑑賞後、妙に消化不良な気分になりました。 それは、リアルなようで全くリアルではなく(テロリストは生き埋めにしたトラック運転手とあんな取引はしない)、なのにストーリーは徹底して非情で救いがない、というのがどうもバランスが悪かった。 そもそも設定がリアルでないのだから、バッドエンドにする必要はなかったのでは…。 まあ、あれで助かったらさらにリアルから遠ざかるので、仕方がないと言えば言えますが。  助かるのか否か、ラストが絶対に気になる映画です。面白かったけど、2度は観ないな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-29 17:22:43)
11.  ●REC/レック(2007) 《ネタバレ》 
スペイン語って、すんごい巻き舌&長弁舌(センテンスが長い!)なんですね。 同じ内容の文章でも、日本語の方がずっと簡潔。 ナゼ?日本語は主語がなくても通じるから?でも、英語と比べても長いよね…。  本題に入りまして、 内容は、現代版ゾンビもので古いマンション(アパート?)が舞台。 このマンションが、小規模で狭い(部屋の中は広いようだが)。政府に隔離されて閉じ込められるという設定は珍しくないのですが、狭くて古くて縦に長いようなマンションの圧迫感が手伝って、全編通してずっと、密室モノのような緊迫感がありました。  ゾンビたちに追っかけられて、上へ上へと逃げていくしかなく、しかし逃げれば逃げるほど逃げ場がなくなり、追いつめられていく、という図。 「28日後…」でも同じようなシーンがありましたが、あっちは対ゾンビという覚悟があっての籠城、こっちは何が何だかわからないパニック状態での逃走。 当然、こっちの方が恐ろしさはハンパなかったです。  登場人物たちのキャラクター造詣も自然で、ごく普通にいそうな人ばかり。 女性リポーターというと好き・嫌いがハッキリ別れそうですが、ヒロインのアンヘラちゃんは可愛いけど可愛すぎず、庶民的で、ガッツとプロ根性があり、適度に女性らしくてヨカッタです。つーか、日本の女子アナとか女性リポーターの位置づけがかなり特殊なんでしょうねぇ(苦笑)。 消防士さんたちも、最後まで顔を見せないカメラマンさんも、みんな頑張り屋さんでした。合掌。  視点が手持ちカメラ(POV)という設定なので、途中で酔うかな~と思ったら、大丈夫でした。 やっぱりTV局のプロカメラマンが撮影、という設定だからでしょうか。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」では酔いまくりだったのですが、今回はそれはなく、「ヤバイ婆さんが襲いに来てるってば!撮ってないで早く逃げろ!」とジリジリしたくらいでした(笑)。 いやほんと、部屋に入った途端に、スリップ一枚の半裸の血まみれバーサンが絶叫しながら飛びかかってきた時は、怖くてこっちまで悲鳴を上げましたよ…。 さっきまで助けてくれた消防士さんがゾンビの形相になって階段を追いかけてくるのも怖かったですが、あのバーサンの恐ろしさにはかないません…。 77分間、たっぷり怖がらせてもらいました。スペイン・ホラー、いいですね。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-06 22:31:55)
12.  永遠のこどもたち 《ネタバレ》 
母親と父親の違いというよりは、女と男の子どもへの想いの違いがハッキリ描かれているな~と思いました。 もしかして実の子どもに対してなら、男も女と同じくらい強い想いを持つのかもしれませんが…(シモンは養子なので)。  自分の命や人生と引き換えにしてでも無事に子どもに戻ってほしい、という気持ちは、ラウラにはあっても、夫にはなかった。 それは、実の親を持たない孤児だったラウラだから持てた、シモンへの想い、シモンとの絆だったのかもしれません。  だからこそ、想いあっている母と子が、最悪のタイミングですれ違ってしまったため、悲劇的な別れをしてしまった、その結末がどうしようもなく、哀しい。 ホラーテイストな演出も、その哀しい結末を彩るためのものであって、映画のメッセージをさらに強く伝えて来ます。  思ったのですが、ラストをあまりにつらいアン・ハッピーエンドにしない為、ラウラとシモンをエイズであるという設定にしたのでしょうね。 遠からず死ぬ運命の2人ならば、予想より早い死を迎えてしまったとしても、あちらの世界で2人が再会できた事を喜ぶことができる。 これが健康体の2人だったら、最後で夫が安堵を得る事もないでしょうし、哀しいというよりはつらいだけのラストになってしまったでしょう。 そうしたら、ここまで観る側の心を揺さぶらなかったハズ。やりすぎないという、そこら辺のサジ加減も、絶妙です。  非常に綿密に考えられたラストだし、全体に丁寧に愛情を持って作られています。 感性が素晴らしくて職人肌の監督なのでしょう。派手ではないけれど、ファンも多いのではないでしょうか。 私はつらすぎて二度目はしばらく観ないけれど、監督の他の作品をぜひ観たいです。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-05 21:56:30)
13.  マシニスト
マシニストって「機械工」って意味でしたか。「機械工」である事が、ストーリーとどれだけリンクしてるのか。してないじゃないか。 そもそも一年間も不眠なのにそれを解決しようとしていない時点で、ああこの男は何か問題から逃げてるな、と観る側にわかってしまう。それがネック。 そんだけ寝てなきゃ、そりゃー仕事もミスするし、頭おかしくなるし、幻覚も見るよな。なのに主役、意外と元気。仕事はもちろん、なじみの娼婦とする事はしてるし、暇があれば掃除してるし。いくら無意識に封じ込めた問題から目を逸らすためとはいえ、現実には体力が続かないって。  それと、痩せた体を見せびらかしてましたが、あんだけ痩せたら普通は恥ずかしくて隠すのでは?恐ろしいほど痩せた肢体が売りなのはわかるのですが、「見せびらかしてる」とこちらが感じるという事は、不自然な撮り方なのだと思う。あまりよろしくない。 それでも、悪くない映画でした。ヒットを狙わず、誠実に作り上げた作品という感じ。 私は、遊園地で少年と入った地獄行きの乗り物のシーンが一番怖かったです。抑圧した罪の意識があんな世界を見せるのなら、現実を直視した方がマシでしょう。主役の激痩せは、地獄へ堕ちた証明なのか…。 鑑賞後の後味は、ずっと前に「ジェイコブス・ラダー」を観た時と同じ。苦い、やるせない、けれど何故か少しの救われた感がある。 ロスが舞台の映画をスペインで苦労して撮ったらしいのですが、なぜそんな苦労を選んだのかだけが、唯一の謎でした(笑)  
[DVD(字幕)] 5点(2012-07-09 22:29:51)
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