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プロフィール
コメント数 1497
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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1.  パラメディック -闇の救急救命士- 《ネタバレ》 
なんとも恐いと言うか愚かと言うか、おぞましき物語ですね。ストーカーここに極まれりといった感じ。  ただ、よくよく考えると結構無理がありますね。車イスにやっと慣れて来た彼が、神出鬼没に行動していくらスレンダーとは言え彼女をベッドまで運んで拘束したりして、どんだけ時間かけてんだろう?みたいなアリエネー感は多々ありますし、野暮なことを言えばそもそもどうやって生活維持(経済面や家事雑事等々)してんだ?みたいに。  終盤、いくら正当防衛だとしても重要容疑者の彼女があっさり殺人犯の彼の病室に入れて、しかも引き取りを許可されるというあり得ない設定。結構啞然モノですが、結末に繋げて締めるには致し方ないと言ったところでしょうね。  救急救命士としてのスキルやコネを超利己的な犯罪に使いまくるという、日々必死に活動している救急隊員に対して極めて失礼な作品ではありますが、ラストの主客逆転の恐ろしさに意外性と爽快感も感じたりして甘めの6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-10-09 15:52:09)
2.  複製された男 《ネタバレ》 
原作は未読です。自分的には、原作を先に読むか?はたまた原作を後に読むか?問題というのが長年ありまして、ノベライズ版の小説だったりすればどっちでもいいのですが(出来れば映画が先)、本作のように原作者はノーベル文学賞作家なんていう場合には、やっぱし原作に敬意を表して先に読むべきかと思ったりもします。  つまりは後悔しきり。これは原作を先に読むべきでした。若干ミスリード気味の邦題があるから尚更です。SFっぽ過ぎますって、邦題。  結局、全てはひとりの男の意識下から出ることなく、二人の男は同一人物の思念の産物。いや潜在意識の産物?潜在意識そのもの?妄念の具現化とでも言いましょうか。  とは言え、矛盾も避けられないです。それぞれの妻の存在。妻も同一人物?主人公の意識下で全てが成立しているのであれば当然の如く同一人物かも知れません。作品の全体が彼の妄念そのものであるならば矛盾もないのですが、仮令断片的にでも覚醒している部分があるのであれば、妻の存在は矛盾をはらみそうに思えます。自分以外の者の思念において死亡してしまう訳ですから、彼女自身の意識の行き処はどうなっているのでしょう?そもそも彼の思念が作り出した虚像・偶像だから関係ない?  秘密クラブで裸女のハイヒールで踏みつぶされそうだった蜘蛛。部屋全体を満たすほどに巨大化した蜘蛛。ハイヒールも蜘蛛も重要なアイテムとして作品テーマの一端を暗喩しているのでしょうけれど、かなり解りにくいですね。他の数々のシーンやアイテムも然りです。とてもじゃないけど自説を披露する自信などありません。  心理学的、或いは哲学的なテーマを映像として表現することの難しさを感じさせてくれた一本でした。ジェイクさんと二人の美女の好演に救われた作品のように思えてなりません。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-09-20 11:15:43)
3.  バード・ボックス:バルセロナ 《ネタバレ》 
前作の世界観をそのまま引き継いだスピンオフ作品。またしても具体的な「それ」は登場しませんが、エイリアン的存在ということを匂わせるものはあります。ただし、(「バイオハザード」的な)ラストシーンでより具体性を持たせつつも、基本的には正体不明・実態の有無さえ不明。見えない恐怖は続くといったところでしょうか。そういう意味で、前作同様の楽しみ方の出来る作品ではないかと。  ただし、前作との大きな相違点は主人公の立ち位置。主人公父娘(一括りにして良いものか?)は追われる弱き存在ではなく、追う存在。端的に言えば「ヴィラン」に他なりません。序盤でそのことが露呈してしまい、観客としては大いに混乱しました。確かに愛する娘を置いたままの行動としては異常ですし特に気遣う様子もない。「こりゃ変だぞ?」と思った時には惨劇が始まってしまう。何故?そりゃあ言うまでもないことですね。主人公はあっち側の人だったという早々の種明かし。ま、そのくせ冒頭に襲われてタコ殴りにされるっていうあからさまな目くらましをいきなり挿し込むのは反則気味ですが。  何にせよ個人的にはその点(主人公=ヴィラン)が一番気に入らないというか、だからこそのスピンオフと言われてしまえばそれはそうなのかも知れませんが、やっぱりこの状況設定の中での主客逆転では感情移入のしようがありませんでした。  ラストシーンになってやっと感情移入出来そうな雰囲気も無きにしも非ずですが、時既に遅し。極度の感情変化が感染?を妨げるといった理屈付けも空回りするばかりでした。  続編の在り方としては面白いのかも知れませんが、もう少し何とかならなかったものか?今ひとつ入り込めなかった残念な続編でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-08-17 22:29:51)
4.  スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 《ネタバレ》 
リアルでガチな変質者を描いた作品。等身大過ぎる描き方が只管恐ろしいです。  自らの幸せや生きる価値を見出せないからといって、毎朝気さくに満面の笑みをもって話しかけてくれる女性に対し、笑顔を剥ぎ取り不幸のどん底に叩き落そうとすることなど、一体どこの変質者が思いつくのやら。否、だからこその変質者なのか…。実行しないだけであって、世の中にはこの手の人物が数多く潜んでいるのかも知れません。  既にレビューされている方もいらっしゃいますが、精神的に病んでいることは勿論、その成育過程において極めて重大な問題があったのかと思わせられる異常性。彼が親離れ出来なかったのか、それとも母親が子離れ出来なかったのか、いずれにせよ今や会話さえも出来なくなってしまっている(息子とは話したくないのだけなのかも知れませんが)入院中の年老いた母親は、彼の報告めいた話を一方的に聞かされるだけで、彼にとっての救いとはなり得ない、いやそれどころか彼の行動をエスカレートさせる源にさえなってしまっています。  犯行の手段もある意味で残虐極まりない。しかも傷心の極みにある彼女に犯行声明的な手紙を送り付けるとは。巻き添えになった恋人は遠退いていく意識の中で何を思ったことでしょう。  それと、無実の罪を着せられてしまった清掃人の親子はまさに青天の霹靂。更には、捨て台詞的に残酷な言葉を投げ掛けられ失望の極みに追い込まれてしまった老婦人。愛犬も危害を加えられたし。前のアパートも含め、ここに登場しない被害者はまだまだいたのかも知れませんし、警察が捜査をしくじればこれからも増えるのかも知れません。  現実的に考えれば、ベッドの下でトイレも行かずに何時間もじっとしていたり、どこで知識を得たにせよ目的達成のための薬剤を十分に調達していたり、目撃者である女児を金品や脅迫で意のままにしたり、だいたいからして他人が一晩一緒に寝ていたら匂いとかで判るでしょうに…etc. そんなに上手くいかないでしょみたいな場面は多々ありますが、目を背けるような描写は殆どないながらも兎に角主人公の暗い素顔が恐ろしいホラー作品。恐いです。7点献上します。  ちなみに、これも既にご指摘がありますが、邦題は方向が違い過ぎますね。ミスリード目的?これはマイナスポイントです。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-11 11:37:05)
5.  Infiesto インフィエスト 《ネタバレ》 
新型コロナウィルス感染症の蔓延を世界の終わりと受け止めた狂信的な人物が、生贄を捧げることで神の怒りを鎮め事態を収束させようとすべく誘拐と殺人を繰り返すという物語を軸に、刑事たちの人間模様を絡めて描くサスペンス・スリラー。  ただし、事件現場はかなり狭い範囲ですし、預言者を名乗る主犯格の男と共犯者たちはもっと狭い範囲での旧知の間柄。オカルト基軸に大上段からワールドワイドに描くのかなと思いきや、思いの外スケール感が乏しい作品世界です。そう考えると、我が国の2時間ドラマ的なテイストかな?と言った感じがします。  物語の展開していくテンポは良く、ありがちな2人の刑事の単独行動による活躍ということではなく、捜査にあたってはきちんと部下を引き連れて出直すなど、意外と現実的な演出。そのせいもあってか、特にハラハラドキドキといった展開はラスト近くまでありません。  しかし、クライマックスになって何故か単独行動。捜査上の暴走を理由に無給停職させられた主役のひとりは予想に反して殉職。否、停職中の単独行動なので殉職とも言えない無残な死。相棒の若き女性警部補もラストになって相当無謀な単独行動。最後の最後に緊迫のサスペンスシーンを纏めたと言った感がします。  ラストシーン。まだまだ運ばれてくるコロナの感染者を病室の窓から眺める彼女が、「この世の終わりの始まり」みたいなことを言いますが、全体的な物語のスケール感からすると違和感がないこともない結びの言葉でした。  ちなみに、特に邦題のない本作、地名だけではどんな内容かまるで分からず、こういう作品こそ邦題とか副題とか付ければ良いのにと思った次第です。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-03 11:22:03)
6.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
原作は未読なのでシンプルに本作のみの感想です。  ひさびさに大いに笑えたアクションコメディ。と言っても大笑いではなく、全編通じてクスリとさせてくれるお洒落なコメディ。コテコテのアメリカン・コメディではないところがいいですね。  伏線回収だらけというのもまた愉快。なるほどと思わせてくれる過去の出来事とのリンクがあるかと思えば、小物を使って見え見えの無理やり感ある回収もあったり、矢鱈と多い回収ぶりですが回収の仕方も逐一工夫されてて飽きない。  一昔前の外国人目線による日本人のキャラや街の風景とかも、今更そりゃないだろというレベルで確信犯的に持ち込んでるところが楽しいです。挿入曲もまたしかり。  監督の日本愛なのか?それともブラピの日本愛なのか?ちょっと歪と言うか歪んだ愛かも知れませんが愛されるということは嬉しいものです。ラストの大事故を筆頭に只管荒唐無稽で非現実的な作品ですが、だからこそ手放しで楽しむべき作品でしょう。  作り手からの愛されてる感とラストを締める真田広之の存在感に+1点の8点献上します。  (蛇足)どう考えても「ブレット」じゃないでしょ「バレット」でしょ。映画とは関係ありませんがGibsonの「DOVE」を昔は「ドブ」と呼んでましたけれど、今では「ダブ」か「ダヴ」が普通だなぁということを思い出したりしました。邦題を命名した方が作品内の日本観を反映して懐古的にローマ字読みにしたのであれば、それはそれで深くて有りかも。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-25 00:11:34)
7.  ロスト・ボディ~消失~(2020) 《ネタバレ》 
大雨の中、ちょっと問題ありな感じの女の子がいきなりクルマに乗せろと言って来る。優しい主人公は逡巡の挙句乗せてしまう。その優しさがアダになり、主人公は彼女に苦しまされ続ける羽目に。  彼女の言動や行動がいちいちウザったい。なんで主人公は強い意志を持って関りを拒否しないのか?いや拒否はするんだけれど結局押し切られてしまう。それがまたウザったい。  見事にハメられてしまいました。ストーカーまがいの彼女に対する反感を煽られていたと思ったら、結局感情移入してしまっていた主人公こそが悪だったという展開。ラスト近くまで解らなかったです。  内なる敵の物語。否、本作の場合には生まれることを許されなかった子の亡霊のようにも描かれています。しかも、最後の最後には主人公が内なる敵に勝ったのかの如く描かれています。心の奥底の闇を払拭したのか?あるいはぬぐい切れない罪悪感や後悔の念を克服してしまったのか?  ダークファンタジー風味のサイコサスペンスの佳作。上から下に流れるエンドロールが印象的でした。  ちなみに、タイトルは原題の方が秀逸だと思います。邦題はちょっと主題から外れているように感じてしまう。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-07-31 22:05:07)
8.  ゾンビ・リミット 《ネタバレ》 
冒頭いきなりのゾンビカットで始まるものの、物語としてはヒューマンストーリー感がかなり強いですね。  医師としての倫理に背を向けてでも夫のために貴重な治療薬を不法に確保してしまう妻。偶発的かつ正当防衛による射殺でありながら秘密の暴露を避けるために警察を呼ばず死体を遺棄してしまう妻。妻に一目会いたいがために自らを拘束し死への恐怖を必死に耐える夫。親友のために彼の妻が必死に集めた貴重な薬剤を自らの妻の命を守らんとして奪う夫、等々。いずれも、常軌を逸した混乱の中で愛する人のために選んでしまう究極の選択。  そのあたりの心の移ろいはそれほど丁寧には描かれていないものの、八方塞がりの劣悪な状況に必死に立ち向かおうとしている人間の強さと弱さはしっかりと表現されていて、思いがけず出逢った佳作でした。  それだけに、復讐に燃える身重の妻のラストシーンが必要なのかどうか?少なからず疑問に思え、その分マイナス1点です。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-07-06 21:33:21)
9.  プラットフォーム 《ネタバレ》 
ストレートに受け取れば、この作品は社会の構造的欠陥や資本主義とそこに生きる人間の堕落、歪んだ宗教観等々、いろいろと暗喩しつつ批判的或いは教訓的な色彩を加えているのかなと思いますし、恐らくは作り手はそのような趣旨をもって製作したのでしょう。  肝心の構造物については、登場人物の精神世界を具現化したと思えなくもないのですが(単に禁煙道場でマインドコントロールされている主人公の幻覚とか)、やはり単純に矛盾点をSF的に何でもありにしている実体としての構造物なのだと思います。  必要以上にグロく演出しているように思えて好感度は低いのですが、不条理系SF作品としては大きく破綻してはいないかと思いました。  ただ、邦題は「台座」で原題は「穴」というのは少々気になるところ。配給元としては生きるための糧を載せて各階層を上下する「台座」こそがこの作品を象徴していると解したのでしょうけれど、製作者はあくまでも各階層を良くも悪くも繋いでいるルートとして「台座」よりも「穴」をタイトルに選んだのではないかなと思いました。二者は似て非なるもの。邦題には違和感があります。  それからラストシーン。文字通りのどん底で見出した希望の象徴である幼児を、ゼロ階層に届けることが果たしてメッセージなのか。だとしたら、そこに至るまでのプロセスを考えれば随分と綺麗事過ぎるメッセージであり、恐らくは伝わらないでしょう。少なくとも理不尽な構造を改革するきっかけにはなり得ないメッセージではないかと。  そして、最下層で闇に消えた二人は何処に行くのか。地獄なのでしょうね。であれば、待っていたのは希望のフリをした絶望。救いようのない結末と思えました。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-09 12:08:54)
10.  ラスト・デイズ(2013) 《ネタバレ》 
№1の方のご意見とほぼ同様の感想です。  感染症なのか集団ヒステリーなのか分かりませんが(それって重大な問題なんだけど)、何故全世界で同時多発的に発症し始めたのか?まるで結界の如くその場所から外に出ることが出来ないとして、そのラインは何処なのか?あくまでも位置であって、外気に触れることや陽の光を浴びることは関係ないのか?(それって逆広場恐怖症って感じ?)  だいたいからして、そんなのが全世界で同時流行したら軍も出るだろうし、防護服に身を包んだ医療関係者が走り回ってるだろうし、いきなりポンッとばかりに十分に纏め上げられていないプロットを投げつけられても、正直なところ受け止めきれません。  エンディングもまたハッキリせず、ハッピーエンドなのかそうじゃないのか不明瞭。出産までは何とかなるかも知れないけれど、授乳やら産湯やら成育環境劣悪かつ食糧不足の中、そんなにもスクスク育たないでしょ?旅立つ友たちだって同年代。みんな同じような成育環境なのに旅なんて出来ないだろうに。  あまり真剣に考えることなく鑑賞すれば、決してつまらなくはない本作品。けれども、主演の彼が最初から最後まで感情移入出来ない短気独りヒステリー男なのはマイナスポイントです。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-03-14 00:04:25)(良:2票)
11.  スカイライン-逆襲- 《ネタバレ》 
三作目となって最強ヒロイン大活躍的作品といった色が益々濃くなったような…。最早無敵のローズ。全二作を未見でも十分に楽しめるSFアクションエンタメ作品に仕上がっており、結果、シリーズ全三作はそれぞれに異なるテイストの魅力的な作品になっていますが、本作は前二作がそれぞれに持っていたようなオリジナル感が少々控え目に感じられます。SFアクション大作の王道を行くような正統派作品とでも言いましょうか。  ただし、攻め入る人類側がローズを中心として強力極まりなく、背水の陣で決死の攻撃に出たはずなのに、結局は圧倒的に優位なように感じられ、どっちが侵略者なのか分からないような気がしないでもないです。まぁこの場合、リベンジと言えども地球人が侵略者と言っても当たっているような気はしますが。  ということで、前二作を未見でも楽しめるとは言いましたが、シリーズを通して観た場合の評価と本作単品での評価は若干異なるように思えます。ここではシリーズの完結編(第四作があるかも知れませんが)として大いに楽しめたということで7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-03-02 23:11:31)
12.  エヴォリューション 《ネタバレ》 
物語としてはシンプルな構成。少年と成人女性だけが暮らす寂れた島。全く生活感のない部屋、そして町並み。そこで行われる秘密の医療行為。そして儀式。恐らく女性たちは人間ではなく、自分たちは繁殖行為が出来ない。その為に少年たちを使う。  SFホラーとも受け取れそうなストーリーではありますが、生命の在り方に視点を向けた概念的な作品なのだと思いました。  何より特徴的なのは映像。海と病院を生命誕生の象徴的存在として据え、海については長めのカットでねっとりとした質感で描き、病院についてはやや低い視線から無機質ではあるものの何か温度を感じさせる描き方。そしていずれも只管薄暗いトーン。  まさに悪夢を映像化したようでいて、思いのほか恐ろしさやおどろおどろしさは感じません。  監督が表現しようとしている深みまでは理解出来そうもありませんでしたが、この世界観にはどこか共感するものがあります。  ラストシーン。沖に漂う小舟から見える都会の夜景。朧気に記憶する実母の面影。街中を走る自動車や遊園地の観覧車の記憶。ニコラはあの街に住んでいたのでしょうか?さらわれて来た?思い出してしまった彼に感情移入してしまったステラは彼を故郷に戻した?  余り具体的に想像しないことが、この作品の鑑賞においては必要なのかも知れませんね。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-12-19 01:07:17)(良:1票)
13.  アパートメント:143 《ネタバレ》 
ポルターガイストを扱った作品は多々ありますが、亡くなった妻の怨念が原因と思わせつつ、実は妻の死には裏の事情があり、家族の間に生じた修復不能な歪みが原因だったというサスペンステイストに振り、その解明によって一件落着と思いきや結局は霊的な存在が根本にあった、というドンデン返し要素の籠められた作品。短い尺に随分と詰め込まれてますが、流れとしては楽しめました。  ただ、所謂モキュメンタリ―風にアレンジされた映像の効果がいまひとつ伝わらない。監視カメラやハンディカメラの映像を多用していますが、特にドキュメンタリー感は感じられず、製作者がモキュメンタリ―として撮ったのであればそりゃ違うかな?と思いました。どっちつかずの雰囲気が音や特殊効果を寧ろ邪魔とかわざとらしさの強調にしてしまっているような印象で、全体的なクオリティを下げてしまっているきらいもあるような…。  そして調査隊のリーダーである精神科医さんが、妙に達観したイメージのキャラなのが気になりました。人物紹介が殆どない中で全てを知り尽くしているかのような振る舞いは、緊迫感を損ねているように思えました。  決して駄作とは言えない作品ですが、あと少しのところで勿体なさを感じ6点献上です。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-06-12 11:00:39)
14.  シンクロナイズドモンスター 《ネタバレ》 
酷評するには勿体なく、絶賛するには物足りな過ぎる。一体何なんでしょ、この作品? アイディアは面白いです。確かに最初にオチを思いついちゃったのかもしれない。でも、純粋SFとかパニックとかにするには薄い。じゃ、ヒューマンとかラブコメとかブラック要素とかどう?なんて考えてるうちにてんこ盛りになり、どっちを向いたら良いのか判らない作品に落ち着いたという感じか。いや、それじゃ落ち着いちゃいないか?それぞれの側面から切り分けてみれば、そんなにつまらないわけでもないのだけれど… ただ、メインとなっているモンスターとのシンクロエピソード。あっちの国に行って逆転というアイディアは意外性もあって良かったけど、そもそも幼少の頃の雷で何故こんな事態を招いたのか?何故に韓国?もしかして、シンクロの大元は2人の持ってる精神的なというか感情の発する強大なエネルギー?だったらまさかのミュータント?などなど、突っ込みどころを論じ合って楽しめる作品かも。 評価が難し過ぎて5点献上です。(暫定的かも)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-28 10:07:19)(良:1票)
15.  アブノーマル(2012) 《ネタバレ》 
父親に愛を求めるあまり、満たされぬ心を癒すため次々と相手を替え性に溺れる。そんな生き方には感情移入は出来ないけれど、歪んだ成育歴が人を愛する心まで歪めてしまうというあたりは、十分に理解は出来ます。彼女を受け入れることしかせずに育ててきた父親の未熟さ。未熟ゆえに壮年期を過ぎても未だ若い女性にばかり愛を求める。父親もまた、妻を失ってから(もしかしたらもっと以前から)歪み続けて来たのでしょう。この未熟な父娘は、実はお互いを男と女として愛したいのかも知れない。でも、二人ともそこには明確な拒絶感を持っている。同僚の夫婦が出てきますが、結局その奥さんの方が、父にとっても娘にとっても救いの主だった。父親にとっては妻が、娘にとっては母が、実は一番必要だったんでしょうね。気付かないのか、気付きたくないのか、父娘の人生のボタンの掛け違いは、すごく身近なところに答えがあった。そんな解釈をしました。 ちなみに、ヒロイン役の女優さんは、時に美しく時に幼く可愛らしく、表情豊かに演じていますね。惜しげもなく晒した華奢な裸体からは 大人の女性は感じられない。監督の表現のひとつなのかな。場面の転換の際に多用されている絵画のようなカットは、彼女のような容姿の女性ゆえに引きたっていると感じました。 もひとつちなみに、邦題はダメでしょ。ミスリードですよ。確かに異常だとは思うけれど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-06 15:39:25)
16.  MAMA(2013) 《ネタバレ》 
mamaを化け物として表現して欲しくなかった。アジアンな雰囲気が色濃い哀しみに満ちたストーリーにはスゴく惹かれる。だから、ストーリーで勝負して欲しかったな。我が子を愛する執念が実体化しているのだから、もっと優しい光を感じさせても良かったんじゃないだろうか。あれじゃ伽椰子の焼き直し的じゃん。 ただ、ストーリーには惹かれます。アジアンだなぁ…てか、日本的な怪談話。日本人の感性に訴える何かがあります。そして、子役たちの素晴らしすぎる演技。恐怖を増幅させつつ画面に惹きつけられる。 突っ込みどころは多々あるけれど、観終わってみれば決して後味悪くなく、7点献上します。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-28 18:46:09)
17.  REC/レック4 ワールドエンド 《ネタバレ》 
シリーズ完結編にしてシリーズ無視的作品です。1作目だけが良かった、ということを確信させてくれる1本とも言えますね。 話が別物になってますよ。なんで宇宙から?の寄生生物なの?2作目の段階で宗教的雰囲気プンプンで3作目に繋いだのではなかったの?これは完全に、「バイオ」化を筆頭に、既視感バリバリのオリジナリティ無視の作品ですよ。 とは言え、予算と気合のこもった本作は、決して退屈極まりない1本ではありません。スピーディな展開と緊張感あふれる演出は、観る者を飽きさせることはないです。微妙な点数になったのは、逆に言えば、良いとも悪いとも取れてしまうからです。採点難しいっ!
[DVD(字幕)] 5点(2015-08-31 00:48:15)(良:1票)
18.  ロスト・ボディ(2012) 《ネタバレ》 
「○曜サスペンス」とか「○曜ワイドドラマ」みたいなコテコテの作り込みのミステリーです。サイコもの?ホラー?観ている者は翻弄されます。そして意外な、てか意外すぎるどんでん返し。これには正直驚かされました。先読み可能な予定調和とはかけ離れたぶっ飛んだ展開。こりゃ予測不能です。ある意味素晴らしい。嫌いじゃないです。 そんなわけで、細かな部分、特にどんでん返し部分はツッコミどころ満載ですけれど、尺も丁度良い良質なミステリー。そして主人公にとっても、死んだ奥さんにとっても、担当する警部にとっても、警部の妻子にとっても、とんでもない悲劇、哀しすぎるドラマです。 ちなみに、○曜サスペンス的ドラマということで邦題の副題を考えてみました。「ロストボディ、彷徨える死体~逆玉年の差結婚がもたらした歪んだ愛の行方。若き研究者の人生を変えてしまった狂気の選択と、それによって葬られた哀しき真実とは?」 すべったかな…?(汗)
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-09 00:20:00)(笑:1票)
19.  レッド・ライト 《ネタバレ》 
観ている時には面白いのだけれど(って言うのも私がこの手の作品が大好きだからこそかも)、見終わってみれば実に何も残らない。あれほどの大どんでん返しがラストに控えていても。まぁ、どんでん返しと言っても、途中から見えて来てしまうんですけどね。 プロット的にはさほど新鮮味がない中、描き方次第でもう少しインパクトがあったかも知れない展開と思えるだけに残念。 デ・ニーロさんの存在感に敬意を表して6点献上。
[DVD(字幕)] 6点(2014-09-15 07:32:04)
20.  REC/レック3 ジェネシス 《ネタバレ》 
RECシリーズと言ってくれなければ判らないような別物ですね。第1作とほぼ同時進行の時系列ですけれど、2つの作品を繋ぎ合わせるのは「犬」と「TV報道」だけ。あ、感染者が聖書や聖水に弱いってところもかな?RECシリーズという看板を掲げることを免罪符に、物語の背景描写をパスしてる感じですね。 その辺りに目を瞑ったとして改めて作品を観れば、シリアスとコミカルの中間を微妙に彷徨うテイストのゾンビ映画です。これが最後だとばかりに制作者はあれもこれも詰め込んだ感じ。思い付くことは片っ端から盛り込んじゃいましたね。飛び道具満載です。最後の最後に感動的な愛の物語っぽく仕上げようとしてるところは正に力技。ただ、そこに至るまでも含めて、強引なラブストーリー仕立ては、かえって主人公の行動への感情移入を妨げる要素になってしまっているかも。 まぁ、とは言えそこそこ退屈せずに観ていられたのでB級作品としては及第点といったところかな?やや辛めの5点献上です。
[DVD(字幕)] 5点(2013-02-04 00:16:35)
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