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プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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1.  [リミット]
棺の中だけじゃ絶対画面が単調になるでしょうと侮っていたのですが、なかなかこんな狭い空間の中でも色んな画が撮れるもんですね。ライターのオレンジの炎、携帯の青い画面の光、緑のケミカルライト、懐中伝統の黄色と赤の光、同じ空間でも照らす光の変化で映像の調子が変化していく工夫が成されているおかげで飽きずに見られます。棺の蓋を無視したかのように上から主人公を映すアングルでこれはもうネタ切れなのかと思ったら、そこからワンカットで棺の天井が映るところまでカメラが移動したのにはやられましたね。まあしかし傑作になるには不条理なワンアイデアだけでなくもうちょっとストーリー性が欲しかったところはありますね。イラク戦争批判も臭わせる程度で中途半端な描き方でしかありません。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-10-24 23:06:20)
2.  怪物はささやく
CGの出来自体は良くドラマ部分から逸脱することもなく自然で、この監督がこれ以降アメリカに拠点を移して活躍していくのも納得ですが、果たしてこの内容でCGを多用する必要があったのかは疑問です。いっそ全編アニメーション映画として作るか、あるいは下手に怪物を視覚化しない方がより含蓄のある内容になった気もします。その辺は悪い意味でハリウッド的なセンスの持ち主なのかもしれません。やはり児童文学原作のためか大人が見るにはちょっと食い足りない内容かなとも思います。おとぎ話と違って現実は単純でなく複雑だなんて言われなくてもわかってますので改めて説教されても鬱陶しいだけですし、明かされる真実も別に大したことはないです。では主人公と同じぐらいの年齢の子供にはおススメかというと、暗くて難解な作りのため好んで見ることも考えにくいのが困りものですね。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-15 23:56:03)
3.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 
セピア調のノスタルジックな映像と純真な子供たちを微笑ましく眺める、要はアナ・トレントがかわいいから人気があるだけの映画という偏見を持ってたのですが(笑)、改めてじっくり見ると結構ストーリーも理解できました。言わば壁にぶつかって割れる卵があるなら壁がどんなに正しく卵が間違っていたとしてもそれでも割れる卵の側に立つという話ですね。映画の中のフランケンシュタインの怪物、踏み潰される毒キノコ、銃殺される脱走兵、アナは大人たちがそれらを間違っている側に位置付けようとも彼らに想いを寄せ続けるのです。ただ抑圧という行為に批判的ではあってもそもそも壁が正しくないのではないかというところまでは踏み込まない、当時のスペインの政治状況もあってか踏み込むことができないところがあるように感じます。今見るとメタファーを多用し直接的な描写を避けるのはうっとうしいところもあり淡々としすぎで刺激がなく物足りない部分もあります。まあ逆にフランコ独裁という政治背景を踏まえなくても子供心に残る違和感をベースに仕上げたところが多くの人間に好まれる普遍性を獲得できた要因でもあるのですからそこは痛し痒しではありますね。
[映画館(字幕)] 6点(2023-09-27 23:39:23)
4.  スクールガールズ
舞台となる1992年は長く続いたフランコ独裁が終わってから15年が経ちオリンピックと万博が公開された年であり、スペイン人にとっては日本にとっての1964年オリンピックと同じような意味を持っていそうです。とはいえこの作品はそんな世相とはほぼ関係ないシングルマザー家庭の少女が主人公で、その学校と家庭での出来事が淡々と描かれているだけです。スペイン人ならば当時の空気感が再現されていると評価もできるのでしょうが、激しいドラマもメッセージ性もないため当時のスペインの雰囲気をよく知っている人間以外が楽しむのは難しいと思います。ミツバチのささやきのアナ・トレントを生んだスペイン映画らしく主演のアンドレア・ファンドスはかわいいのでそこは救いです。劇中で映画を見る場面もありますし意外と意識しているのかもしれませんね。他にも保守的なカトリックの学校に通い母親との軋轢もあるというプロットはグレタ・ガーウィグ監督のレディ・バードに似ているところもありますね。修道院学校の押し付ける窮屈な道徳と世俗的な文化のもたらす自由という対比ですが、アメリカに比べると世俗文化の力が弱いためかどうしても暗く陰鬱な印象の方が強くなってしまっています。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-30 23:11:18)
5.  83歳のやさしいスパイ
スマホもまともに使えないおじいちゃんが虐待の告発のために老人ホームに潜入する、こう書くと重苦しい社会派映画のようですが作品から受ける印象は真逆で朗らかで優しくかわいらしい感じの映画です。お年寄りって子供みたいなところがありますよね。妙にずれたことを言ったり、またある時は素直だったり、そこがおかしみを生んだり時にはもの悲しさを感じさせたりもします。この映画はチリが舞台ですが日本でもどこの国でもあり得ることでしょう。ドキュメンタリーとは思えないほど絵作りや色づかいは凝っており、ストーリーの構成も明確です。悪く言えばやらせっぽくもあり、そこが気になる方もいるかもしれません。しかしもし劇映画ならば役者の自然な演技が上手すぎますのでやっぱりこれはドキュメンタリーなのでしょう。カメラマンやマイクが映り込むのも演出のうちで、見ているこっちまで本来の目的を忘れそうになるとちゃんと劇中でもツッコミが入ります(笑)。聖フランシスコ特養ホームという名前を見ても舞台はカトリックが運営している老人ホームらしく、あちこちにキリストの十字架や像が置かれており、それが意図的にカメラに収められています。これは宗教的押し付けがましさというよりも、この映画が人間を愛することについての物語だということを象徴しているのだと思います。やさしいスパイという邦題は内容を的確に表現できています。
[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-28 23:36:28)
6.  ブレット・トレイン
アクション映画の主人公までがセラピーを受けるとは世知辛い時代ですな。まあ主人公と言ってもブラッド・ピットは災難に巻き込まれただけで物語の重要な部分は真田広之が持って行ってますけどね。よくこんな映画に出たとも思いますが現場は楽しかったかもしれませんので余計な心配はしないことにしましょう。日本が舞台となるわけですがおそらくロケーション撮影は全くされておらずほぼセットとCGで再現された新幹線内のみでストーリーが進行します。夜や夕焼けを表現した照明のカラフルでノスタルジーも感じさせる雰囲気は悪くなくリアリティを無視したいい加減な内容ですがこのアプローチは一応成功しているとは言えます。とにかくステレオタイプな描写とそれをおちょくったようなシーンしか出てきませんのでクエンティン・タランティーノというよりそれを真似ただけのダメな日本映画を見ているような気分にすらなります。まあ伊坂幸太郎自体がそういうところありますので逆輸入という形にはなるんでしょうね。ジョーイ・キングや福原かれんがかわいかったのでとりあえず見て損したとまでは思いませんでした。
[インターネット(吹替)] 5点(2023-08-03 23:58:15)
7.  ビリディアナ
この程度の作品が上映禁止となるとは随分素朴な時代だったのだなあという感じです。主人公はキリスト教精神を体現しようと最後までがんばりますので現代の視点からだととてもじゃないが冒涜的だとは思えません。主演女優が美人で脚や胸をちょっと見せるシーンがある程度ですのでそういうのを期待しても無駄です。セックスも暗喩でしか表現されません。宗教画へのオマージュも現代のキリスト教をファッションとしてしか利用しない作品の方がよほど宗教を軽視した態度だと言えます。ルイス・ブニュエル監督の作品としては過激さもシュールさも後の作品の方が優れています。キリスト教を馬鹿にしているというより貧乏人を馬鹿にしているような話になっているのもいかがなものでしょう。
[DVD(字幕)] 4点(2023-07-19 21:27:08)
8.  海を飛ぶ夢
尊厳死という題材を扱っていながらこの映画に感じられるのはむしろ人の温かさです。神父には家族の愛情がないからと揶揄されますが、逆に多くの人間から愛情を与えられているからこそラモン(ハビエル・バルデム)は死を選ぶのです。それは追い詰められたというのともまた違う感情でしょう。なぜいつも笑顔なのか?と尋ねられたラモンは他人の助けに頼るしか生きる方法がないと涙を隠す方法を自然と覚えると答えます。彼は他者の愛情を噛みしめているからこそ無理にでも笑顔を返すのでしょう(とはいえ世間の無理解な人間に対するそれは冷笑に近いのでしょうけど)。夜になぜ他の人のように自分の人生に満足できないのかと泣き叫ぶシーンも印象的です。生きる義務とは言い直せば現状を幸福な状態として受け入れなければならないという周囲の要求のことです。現状に満足することさえできれば人は生き続けることができます。それを拒むからこそ人は死を願うのです。
[DVD(字幕)] 8点(2023-06-18 22:55:55)
9.  プラットフォーム
ご馳走の載ったテーブルが上から降りてくる設定はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の短編・華麗なる晩餐のパクリじゃないですか。あっちの映画が社会の上層部の醜さを描いていてこっちは下側という違いはありますが、結局この監督には自分の好きなあの映画みたいな作品を作りたいというモチベーションしかなかったのではないでしょうか。スペイン語を喋っていることとドン・キホーテ以外はスペインらしい要素はなく登場人物の人種も多様で世界市場向けの商品としての最低品質は満たしてはいますがそれだけです。寓話として記号化されすぎた登場人物には共感することも難しいです。階級社会・資本主義・宗教、いろいろ意味深な要素を並べてもそれらに対する作者の立場が明確ではないので曖昧で陳腐な答えしか提示することができていないのです。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-06-11 23:19:02)
10.  パラレル・マザーズ
冒頭からスペイン内戦に関する説明的な台詞が続き不安になりますが、まあすぐにいつものペドロ・アルモドバルの映画になります。レインボーな色彩と女性同士の連帯、そして母となる女性への賛美。うーんしかしこうも同じことを繰り返されると正直マンネリズムです。それに物語の根幹である子どもの取り違えとスペイン内戦に何の関係があるのかよくわかりません。新生児取り違えなんて今時目新しいアイデアでもないですし、赤ん坊がおじいちゃんに似たのかもしれないという旨の台詞がありましたがスペイン内戦を絡めるならむしろそこを掘り下げるべきではなかったでしょうか。ラストの遺骨の発掘場面ではリアリズム優先のためかビビッドな色彩の強調が抑えられておりそれは死者への誠実さの現れなのでしょうが、平凡なテレビ番組のワンシーンのような印象も受けてしまいこの監督が撮る意義を感じさせません。今までのように愛の多様性や人生を肯定する結末で終わるのが難しい題材である以上、自分のスタイルに固執するよりも題材に適したスタイルへの大胆な飛躍が必要だったのではないでしょうか。たとえばピカソだってスペイン内戦を描いたゲルニカでは色彩を捨てたモノクロの画面を選択しました。今回は新境地というよりもむしろこの監督の限界を感じてしまいました。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-02 23:42:56)
11.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
セルジオ・レオーネ作品の中では一番ドラマ性が薄い作品です。娯楽映画ならテンポよく進めればいいのに何の意味もなくワンシーンがしつこく引き伸ばされる上、本筋と関係のないエピソードまで挿入されるので正直ダレます。夕陽のガンマンを見た後だとところどころで前作夕陽のガンマンのロケ地と被ってるので安っぽく見え、リー・ヴァン・クリーフが単純な悪役を演じている姿にもがっかりします。冒頭の殺されるメキシコ人一家が生き残りもいるのにその後全く話に絡まないのは普通に構成上の失敗ではないでしょうか、例えばトゥーコの家族として設定するだけでもラストの決闘にドラマ的深みが出たと思います。トゥーコの兄の神父や無意味な橋の奪い合い等ドラマチックなエピソードもあるにはあるのですが所詮サブエピソードでしかなく、この辺でブロンディとトゥーコの友情を描いておきながらラストの展開がああなるのも違和感があります。全体として個々のエピソードの繋がりが弱くつぎはぎのような構成は平凡なテレビドラマに近いとすら言えます。カルロ・シーミの衣装は砂漠のシーンでのトゥーコのピンクの日傘などいいものもあるのですが、今回は戦争ものということで時代考証を優先したのか地味でいまいちですね。結局この映画の価値はエンニオ・モリコーネの音楽のための壮大なミュージックビデオという点に尽きるのではないでしょうか。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-05-28 22:42:20)
12.  夕陽のガンマン
何よりこの映画はファッションがいいですよね、脇役に至るまでとても野蛮な連中とは思えないほど(笑)見事な着こなしと小物へのこだわりだと思います。さすがイタリア人の映画といったところでしょうか。殺伐とした金の奪い合いでありながらオルゴールの音色が示すように物語の底には哀しみが流れています。大切な人がいなくなってしまった世界で自分はどう生きればいいのか、それがこの作品以降のセルジオ・レオーネ作品に通底するテーマです。モーティマー大佐(リー・ヴァン・クリーフ)もインディオ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)も本当は金のことなんてどうでもいいのです、彼らは己の欲望に突き動かされて行動しているわけではありません。金よりもずっと大事な人が死んでしまった後では賞金稼ぎも強盗稼業もすべては暇つぶしの戯れでしかなく、だからどこか大人が子どもじみた悪ふざけをやっているような感覚が付きまといます。そうした諦観があるからこそ、この映画は大人の寓話であり続けていると思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-05-25 23:41:45)(良:2票)
13.  悪魔の墓場
確かにジョージ・A・ロメロのナイト・オブ・ザ・リビング・デッドの焼き直しでしかないんですが、あくまで放射線をただゾンビ発生の原因として採用したに過ぎなかった元ネタよりも超音波による公害を明確にテーマに据えた点は評価できます。ラストの展開も死者が蘇るという設定をより生かしていると思います。それにゾンビ映画に似つかわしくなく結構おしゃれな雰囲気があっていいんですよねー。主演のレイ・ラブロックをはじめ、登場人物がみんなファッショナブルです。滝の前で点滅し続けるフラッシュと警察のカメラのフラッシュを繋げる、ホテルの看板と本物のフクロウを繋げる、編集と場面転換もセンスがあります。冒頭の有害な煙が漂う都会と緑豊かな田舎の自然のコントラスト、環境問題テーマを視覚イメージとしても昇華できています。なんだかゾンビの出てくる場面が一番ダサくてがっかりしちゃうぐらいです(笑)。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-04-19 23:36:09)
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