1. 第9地区
《ネタバレ》 南ア、ヨハネスブルク関係、なら面白くないことはないだろうと。たぶん、それなりに社会派映画で、怖いもの見たさで見聞広げるのもいいかなくらいの気持ちでした。そんな軽い気持ちで行ったところ見事に裏切られました。いやー、すごく面白かったです。娯楽映画でここまでツボにはまった作品は今までないですね。最上級に楽しめました。第9地区と呼ばれるスラム化したエイリアンの難民キャンプを移転するために、板きれの寄せ集めでできた彼らの住居を1戸1戸訪問して、移住承諾書にサインをもらうという大役を担った男の物語です。低予算映画的なバカバカしい発想に基づく世界を、それなりの予算を使って徹底的に創り込んだところがすばらしく、その上で、大役を担った男の肉親、知人、関係者の声、専門家の解説をまじえたドキュメンタリーという体裁に仕上げています。後半、主人公チームvs軍にスラムのギャングまでもが絡んできて、ギャングのボスが主人公を喰らおうとしてきます。土着信仰的カニバリズムなのか、ゲーム脳なのかわからないのですが、ここで南アを舞台にしたことが生きてきます。ヨハネスブルクブランドの凄さと言いますか。「南アでは当たり前」と言われたら、「南アなら仕方ないね」と返すほかありません。言われないとは思いますが。 [映画館(字幕)] 10点(2025-05-13 18:56:01) |