101. ソフィーの選択
《ネタバレ》 「ホロコースト」というテーマ、巧みなストーリー展開そしてメリル・ストリープの圧倒的な演技力等々、ずっしりと見応えのある映画でした。 「ホロコースト」という未曾有の惨事を告発するだけでなく、男2 人、女1人の友情と愛情のドラマを絡めることによって、その悲惨さを更に浮き彫りにしています。 この世の地獄を経験し生きる気力を失ったソフィーと、狂気の中で漂っているネイサンの関係は非常に切なくていろいろな事を考えさせられました・・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2008-03-18 18:21:03) |
102. ナッシング・パーソナル
《ネタバレ》 題名の「Nothing Personal」という言葉が全てを表していると言っても過言ではないですね。 結局、紛争というものは、基本的に己の主義主張と反し自分またはその身内に害を及ぼすものに対して生じるもので、必ずしも敵対する考えを持つ個人同士が憎みあっているばかりでは無いんですよね。 この物語は、そこで生じた「ねじれ」が、第三者の思惑等により更に複雑化し悲劇を引き起こしてしまいます・・・・・。 非常に考えさせられる映画でした [ビデオ(字幕)] 7点(2008-03-04 15:44:32) |
103. がんばれ、リアム
《ネタバレ》 良い映画であることは間違いないのですが、この邦題はちょっとどうなんでしょうか・・・・。何か、タイトルから思い描いていた内容と全然違っていてちょっと騙された気分です。 ただ、ストーリーとしては、第2次世界大戦前になぜ欧州にファシズムが台頭していったのか、今も残る移民問題は何故起こるのかということを加害者側(実は被害者でもあるのですが・・・)の視点から描いていていろいろと考えさせられました。 「弱い者がさらに弱い者を叩く」という人間社会の負の連鎖は見ていて本当に哀しくなってきます。日本も他人事ではありません・・・・ [ビデオ(字幕)] 8点(2008-01-17 19:20:09) |
104. こわれゆく世界の中で
《ネタバレ》 派手さもなく淡々とした映画ですが、じんわりと心に染みる佳作です。現代の世知辛い社会の中での人間関係のあり方についていろいろと考えさせられるところがありました。音楽も非常に良かったです。 しかしまあ、ジュード・ロウ演じる主人公の行動はちょっとどうなんだ?と思うところはありましたけど・・・・。最後も背中を押されてからじゃなくて自分の意思で助けに行けよ!と言いたいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-22 16:40:32) |
105. 戦場にかける橋
《ネタバレ》 戦争というものが、いかに様々なものを容赦なく破壊していくかを描いています。この作品で破壊されたのは、橋だけではありません・・・・・。 ストーリーだけでなく、半世紀たった今でも色あせぬ映像や俳優陣の素晴らしさ、あまりにも有名な「クワイ河マーチ」等々まさに「不朽の名作」と呼ぶにふさわしい映画です。 [地上波(吹替)] 8点(2007-12-19 12:52:54) |
106. ツォツィ
《ネタバレ》 ヨハネスブルグに並立して存在する高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並と荒廃したスラムのあまりの違いに驚きました。同じ赤ん坊でも生まれた場所が違うだけで、人生(それも豪邸か土管かというような非常に格差のある)が決まってしまう不条理さをクールに描いており、非常に衝撃を受けました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-12-08 13:16:38) |
107. 遠い夜明け
《ネタバレ》 人種差別に対する激しい怒りが湧き上がってきました。既に南アフリカのアパルトヘイトは廃止されていますが、このような愚かな制度が20世紀の終盤まで残っていたという人類にとって悲しい事実を描いた映画として後世に残すべき作品だと思います。 ラストにビコのように不審な死(拷問死?)を遂げた活動家の一覧がテロップで流れ、非常に衝撃的でした。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-01 19:18:42) |
108. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 小春日和の休日の昼間にウトウトしながら見ていたい感じの作品ですね。非常に幻想的で、まるで夢の中にいるかのような印象を受けました。大人のための童話と言っても良いかもしれません。 ただ、患者たちも楽しそうに見えますけど、街から出ようとする場面や最後病院に戻る場面など時折出てくる素の部分は非常に冷静なんですよね。もしかしたら、彼らは決して狂っているわけではなく、この狂った世の中から距離を置いているだけなのではないでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-11-24 19:30:27) |
109. タロットカード殺人事件
《ネタバレ》 非常に楽しく鑑賞できました。とにかく、ウディ・アレンの相変わらずのドタバタ姿がたっぷり見れただけでも良かったです。なんか、「男はつらいよ」末期の渥美清を見ている時の気分に近いかもしれません。スカーレット・ヨハンソンとのやり取りも息が合っていて楽しかったですね。(まあ、父と娘の偽装という設定にウディ・アレンの老いを感じてしまいましたが・・・・) しかしまあ、このセンス悪すぎの邦題は勘弁して欲しいですね。どう考えてもこの映画のタイトルは「スクープ」でしょう・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-23 21:34:23) |
110. ガンジー
《ネタバレ》 もう、この作品は人類必見と言っても良いでしょう。本当に、「偉人」と呼ぶに相応しい一人の人間を描いた作品です。 よく引き合いに出される「非暴力・不服従」の精神についても、決して弱腰な姿勢ではなくある意味非常に強烈な思想であることが良くわかります。 ただし、この精神を実践するには自ら死に臨むくらいの覚悟が必要ですから、よほど強大な敵でないと難しいでしょうね。だから強大な大英帝国に対しては出来ても、国内の異なる宗教間の争いでは出来なかったんだと思います。 つくづく宗教対立というものの恐ろしさを感じました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-11-18 14:52:54) |
111. ラストキング・オブ・スコットランド
《ネタバレ》 フォレスト・ウィティカーが、強烈なカリスマ性を持つ独裁者アミンを見事に演じきっています。ただ、彼のインパクトが強すぎて、その他の部分については印象が薄れてしまった感じです。 それと、主人公ニコラスの軽率さが腹立たしかったですね、何というか根底に流れる白人のアフリカ人に対する優越感みたいなものが感じられました。彼の軽率な行動で他人(それも複数)を死に追いやっておいて、最後は無責任に逃亡ですからね・・・・。若気の至りでは済まない話です。まあ、ヨーロッパ人たちのアフリカ政策を皮肉ってる面もあるんですかね。 しかし、幻に終わったアミン大統領VSアントニオ猪木の異種格闘技戦(?)が実現してたらどうなってたんでしょうかね? [DVD(吹替)] 7点(2007-11-16 20:25:34) |
112. 欲望(1966)
《ネタバレ》 映像・音楽といった雰囲気が非常に洒落た感じでしたね。正直途中まではちょっと退屈だったんですが、引き伸ばした写真に銃口が映るシーンからのミステリアスな展開は、想像力を激しく刺激してくるような魅力的なものでした(特に、ラストのパントマイムのテニスシーンは印象的でしたね。)。 それと何といっても、ヤードバーズ時代の若かりしジェフ・ベックとジミー・ペイジの御姿を拝すことができる貴重な作品なんですよね。ジェフ・ベックのギター破壊はちょっと興奮してしまいましたね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-04 21:02:25) |
113. スターリングラード(2001)
《ネタバレ》 正直観る前はあまり期待していなかったんですが予想以上に面白い作品でした。 ヒトラーのナチスドイツとスターリンのソ連という2大独裁国家の戦いということで、とにかく戦闘シーンは非人間的で残酷な描写となっています。敵側のナチスはもちろんのこと、主人公達の側であるソ連についても退却したり逃亡したりする自軍の兵士を射殺しまくったり、上層部はスターリンの粛清に怯え、それを避けることを第一に考えているような連中ばかりですし・・・・・。ドイツ・ソ連のどちらが勝っても負けても地獄が待っているような極限状況の描写は非常に迫力がありました。 こういった、戦争の悲惨さを描くだけでなく、そこにアクション映画的な要素(敵役のドイツ軍のスナイパーを演じるエド・ハリスが本当にハマリ役で素晴らしいです)や人間ドラマが上手く噛み合っていて娯楽作品としても良く出来ています(ちょっと、日本の戦記物アニメの印象に近いかもしれません)。 ラストは、いわゆる「ハリウッド・エンディング」でちょっとイマイチでしたけど、お勧め作品ですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-10-16 17:54:49) |
114. ダスト
《ネタバレ》 神話や伝説というものがどのように作られていくのかを映像化した作品ですね。中々斬新で面白い視点で作られた映画だと思いました。 まあ、過去のシーンは昔話をしている者の脳内イメージを映像化したような感じなので、兵隊の人数が200人から20人へと急に減ったり、現代の音楽が流れたり、飛行機が飛んだりとまるで劇中劇のようになっています。 「ビフォア・ザ・レイン」といい、この作品といいミルチョ・マンチェフスキー監督の映像感覚は素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-14 18:07:22) |
115. INTO THE ARMS OF STRANGERS ホロコースト:救出された子供たち
《ネタバレ》 非常に貴重なドキュメンタリー作品だと思います。 ナチスのユダヤ人迫害からせめて子供だけは逃がしたいと思う親心と、自分は親から捨てられたのではないかと疑う子心のすれ違いが非常に切なかったですね・・・・。ある日突然自分が学校やほかの友達から切り離されてしまう存在になってしまうなんてことは、子供にとっては余りにも残酷な仕打ちですよね・・・・(大人ならある程度予測はつくのでしょうけど)。 しかし、救助された子供たちの何倍(150万人とも言われています)もの幼い命が奪われてしまっているんですよね・・・・・・。 [地上波(字幕)] 6点(2007-10-08 21:09:47) |
116. ブラックブック
《ネタバレ》 第二次世界大戦終盤のオランダの状況を知ることができ、なおかつ娯楽作品としても良く出来ている作品です(お色気やグロテスクなシーンも多いので、決して家族向けではないですが・・・)。 2時間半近い作品ですが、話が面白くテンポが良いのであっという間に終わってしまいました。 しかし、終戦後のナチス協力者への仕打ちなんかは凄まじいものがありましたね・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-09-09 00:52:31) |
117. 僕のニューヨークライフ
《ネタバレ》 正直言ってイマイチでしたね。「セレブリティ」の時も思ったんですが、ウディ・アレン的な役を他の俳優が演じると非常に違和感があるんですよね・・・・。はっきりいって、ストーリーも散漫で、ウディ・アレン出演部分だけ見れば良い感じでした。 しかし、ニューヨークを舞台にした作品はもう撮らないんですかね・・・・。NYを舞台にしたラスト2作がこの作品と「メリンダとメリンダ」だなんてちょっと寂しい気がします。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-08 23:38:11) |
118. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 まるで、自分がその街にいるかのような気分にさせてくれる作品ですね。個人的に人気の無い夜中の街の風景が結構好きなので、とても楽しめました(何か、昼間よりもリアルな感じがするんですよね)。 ストーリー的には、パリの話が一番好きでした(「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダルが中々すごかったです。)。後は、ヘルシンキの話の登場人物の名前がミカとアキって・・・・カウリスマキ兄弟じゃんw ジャームッシュのセンスの良さに浸れる2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 12:08:10)(良:2票) |
119. セックス・ピストルズ グレート・ロックンロール・スウィンドル
《ネタバレ》 「アナーキー・イン・ザ・UK」よりも「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」よりも、この映画でシド・ビシャスが歌う「マイ・ウェイ」にパンクを感じてしまいます。 [映画館(字幕)] 7点(2007-08-10 15:05:34) |
120. ナビゲーター ある鉄道員の物語
《ネタバレ》 サラリーマンだったら、嫌というほど聞かされる「経営の効率化」という言葉。経営者であれば誰もが取り憑かれるであろうその言葉の裏側をドラマ化した作品と言えます。 まるでドキュメンタリーのようなリアルさにユーモアを交えた作風は、さすがケン・ローチとしか言いようがありませんね。ラストの展開なんかは、観ている我々に「お前だったらどうする?」という問いを投げかけているのではないでしょうか・・・・・・。非常に考えさせられます。 [映画館(字幕)] 8点(2007-07-15 17:02:04) |