1. ピンクの豹
《ネタバレ》 映画の前半部分はお話の内容と人物関係がよく理解できずかなり退屈で、こけるとぶつかるだけのピーター・セラーズはちっとも笑えません。中盤からはクルーゾーの部屋での卿とジョージのかくれんぼ・金庫を開ける二人のゴリラ・夜の広場でのカーチェイスを達観する爺さんの3つの場面は面白い。これはドリフのコントの元ネタになってるなと感じるシーンも多かった。王女役のCCが加賀真理子に見える。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-08-15 09:59:05) |
2. チャーリーとチョコレート工場
目指すところは何なんだろう。ディズニー作品のように親子で見て道徳心を育てるという風でもなく、ただ単に良い子にしている子供にだけ幸運が訪れるのだと諭すにしてはあちこちで表現がグロテスク過ぎて子供が泣くぞ。これでは文部省推薦の御墨付きは到底望むべくもなし。粗悪品でもプロパガンダの打ち方ひとつでヒット作品に化ける最近のプロモーション第一主義の商業映画に騙されるな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2006-07-28 21:45:30)(良:1票) |
3. ザ・コア
WMPの視覚エフェクトのように美しいマントルの姿や都合の悪い場所には全く影響しない磁場の力は本物の物理学の権威者が見ればきっと腹を抱えて笑うだろう。最初は一生懸命説明してくれていたのに次第に設定がデタラメになってくるが気にしてはいけない。自己犠牲によるお涙頂戴も一つに絞って凄いのを魅せて欲しかった。水晶の杜はスーパーマンを思い出させ、ヒラリー・スワンクは時々シガニー・ウィーバーに見えた。でも予想よりも面白かったので二番煎じ三番煎じにしては結構がんばったで賞くらいはあげてもいいな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-06-05 17:55:37) |
4. ブラザー・サン シスター・ムーン
持たざることの自由、何にも属さないが故の自由。宗教について何にも知識が無くても最後までちゃんと観て富と権力を非難する製作者側のメッセージをよく理解できる。そして宗教の汚い部分と信仰の美しい部分を示し「清貧」という言葉の意味をより解りやすく丁寧に映像で教えてくれる佳作。 8点(2005-03-05 22:01:16)(良:2票) |
5. ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
「A Hard Day's Night」を聞くと、伝説の番組「突然ガバチョ」を思い出すのは私だけでしょうか。すべて巧妙に仕組まれた台本通りの演技なのか、それともぶっつけ本番のアドリブなのかどんな風に撮影していったのだろう。細かなユーモアのセンスが上々で今観ても充分面白い。これをまねて日本でもザ・スパイダースが同じような映画を撮っていたけどこちらはマチャアキ中心の完全なお笑い映画になっていた。 6点(2004-09-11 17:14:27) |
6. 岸辺のふたり
絵の単純化に徹している割に動きに様々な工夫が随所に見られ、特に小鳥の群れのリアルな軌跡には驚かされた。音楽も雰囲気も良いのだが、娘を置いて父はいったいどこへ行ったのかが気になって、その後の娘の想いに感情移入することの邪魔をしてしまう。「船に乗って漕ぎ出す=死」と理解していいのだろうか。ストーリーまで単純化しすぎなのと観る前に高評価を聞いていた事が災いしたのか、普遍的な重いテーマを8分間で表現しきることにはやはり無理があるように感じた。 5点(2004-09-11 11:57:31) |
7. ミニミニ大作戦(2003)
強奪物としては今までにないほどにテンポが悪く全く冴えない展開に唖然。ハラハラドキドキさせてくれることもなく本当に下手な作りだ。ミニクーパーでのカースタントに期待して見たのにがっかりした。 4点(2004-09-04 15:33:03) |
8. ジョニー・イングリッシュ
良くも悪くも「Mr,ビーン」そのままなので、一連のシリーズが大好きな人にはたまらない作品となるであろう。が、コメディ映画で思いっきり笑おうと期待して見る人には、いつものローワン・アトキンソンの代わり映えしない一人舞台に食い足りない思いを感じさせる。今までは彼に対して他の国より比較的受けが良かったのか、少し日本に向けた笑いを狙っているようだが、同じ目つき、同じ身振りにもうそろそろ飽きてきているので、次の映画は相当難しくなるだろう。 5点(2004-07-25 22:36:16) |
9. ダンサー・イン・ザ・ダーク
手持ち風で揺れる画面は最初違和感があったけど、固定画面になる歌のシーンとのメリハリに慣れて次第にそれなりの効果を感じてくる。特に鉄橋でのダンスシーンがとても素晴らしい。移動する貨車とカメラの視点の細かな変化で表現する斬新な映像に目が釘付けになった。これらセルマの空想の中の出来事であるダンスシーンが終わるたびに現実はどんどん悪い方向へ進んでいく一連の展開方法はなかなかうまく作られている。セルマは裁判でなぜあれほどまで頑なに”沈黙”を守ったのだろうか。このときもっと事実を主張していれば金は自分のものだと認めさせられたし、殺人についても死刑は免れる事も可能であったであろうに。戦え!もっと生きろ!と思うけれど、無駄に抵抗せずに流れのままに受け入れるセルマの気持ちが不思議と良く判る。ラストの絞首刑に向かう所からはこのドキュメンタリーのような撮り方が見事に成功して背中がぞくぞくするほどのリアリティを感じ、観る者を主人公と同じ死の恐怖に陥れる悲劇の秀作。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2004-05-30 21:04:09) |
10. これがピーター・セラーズだ!/艶笑・パリ武装娼館
それぞれの国の人間を演じることでお国柄をネタに笑いにしようとしていたのかも知れないが、ほとんど変装せずに同じ顔で次々現れるので区別がつかず話もよく解からなくて観ていることを次第に苦痛に感じてしまった。おまけに目立った笑いそのものが無いので辛くて辛くて。ピーターセラーズにもこんな映画があるんだと知った作品。 3点(2004-04-24 18:23:25) |
11. ピンク・パンサー2(1975)
久しぶりに観たが、爆笑することはないものの最近のコメディ映画より十分笑える。回転ドアの場面や水着の女性につられてプールに落ちる場面等、世界中のコメディアンに影響を与えたであろうセンスの良さは今も充分輝いている。 7点(2004-04-24 17:57:04) |
12. トレインスポッティング
汚いトイレ、汚い部屋、毎日同じシャツ、タバコの臭いと嫌いなものばかり出てくるので見終わったあと歪んだ顔がしばらく戻らなくて困った。薬物に肯定的な表現が多く賛成できないが、トリップ状態の幻覚ではなくて禁断症状に苦しむ主人公の幻覚の方だけを凝った映像で表現したのは正しい判断だと思う。やっと更正できたのに手に入れた麻薬の質を調べるためにまた以前のヤク漬けの状態に戻ってしまうが、これではこの映画の趣旨すらわからなくなる。仲間の中ではまだまともな考えを持っていると思われた主人公のレントンがなぜ金を1人で持ち逃げしてそこで終わるのか解からない。 3点(2004-04-11 15:41:12)(良:1票) |
13. ターミネーター3
悪いと言う評判を聞いてから観たので予想していたよりも面白かったと感じました。冒頭のカーチェイスはすごいですね。やっぱり体を張って実際にスタントでやっているから見応えが充分ですな。こんなに町をぶっ壊しちゃって大丈夫なの?って心配します。ただ次第にVFX(って言うんですか、最近は)を使った場面が増えてからは驚きもなくつまらなくなるのは最近の映画の常ならん。ラストも「えっ、こんな終わり方?」という感じ。途中にシリーズを通しての謎解きのような部分がありこの作品の存在意義を辛うじて示しているものの、この3作目の役割を何とかこなして次作に最終的な責任を丸投げをしたように思えます。 7点(2004-03-28 22:44:46) |
14. 恋におちたシェイクスピア
冒頭から難しくて物語になかなか入って行けなかったが、細かい設定や中心以外の人物名など気にせずにシェイクスピアの戯曲を基にしたラブロマンスだと思って観れば理解し易く、それで充分に楽しめる映画だと思う。男装、二つの劇場、女王陛下の挿話をロミオとジュリエットの物語とうまく絡めて進んでいくストーリーの出来栄えは秀逸。但し、ロミオとジュリエットが正統な純愛劇なのに対し、主人公の二人は会えばすぐに抱き合い愛欲に溺れた行動に少しも純愛の部分が感じられない事が不満なのと、物分りのいい陛下による遠山の金さんのような名裁きで簡単にすべてが一件落着となる様なまとめ方はこの作品にふさわしいとは思えない。 6点(2004-03-06 19:14:59) |
15. ノー・マンズ・ランド(2001)
これほど余韻を残した映画は初めて観た。エンドロールを観ながらしばらく固まってしまった。地雷を背にしたまま助からない恐怖を突きつけて終わるラストシーンの出来の良さで評価が決まった感がある。決して反戦に重きを置いた映画とは言えないが、この戦争を始めたのはお前の国だ、と言い合う場面やお前が刺したから撃つんだというこの二人の人間の論理が、戦っている二つの国の縮図と交錯して見える。戦争状態でなければお互い隣町の住人同士であったのに。遠い国の戦争も生に近い映像を茶の間で見られる事に慣れつつある現在だが、放送局での指示が最前線まで飛び、カメラのレンズが苦悩する兵士の目の前まで迫る様な戦場での報道のあり方に問題提起もしている。観る者の心を揺さぶる素晴らしい映画。 9点(2004-02-29 21:58:36)(良:1票) |
16. 華氏451
映画、ラジオ、テレビ、コンピュータといろいろなメディアや情報源が進歩してきても何千年の間現在まですべての国の人々に手にされている本。本はそれだけで他に何の道具も必要とすることなく電車の中でもベッドの中もいつでも知識と情報を得られる素晴らしい道具。改めて感じることは多い。本が燃やされる場面の度にもったいないと感じた。もう二度と焼かれることが無いようにと口伝えで残していくラストに結びつくのだろうが、本という形で残す事こそこの映画の本意ではないのかと思う。 6点(2004-02-22 18:21:34) |
17. 戦場のピアニスト
何の躊躇もなく人を撃ち殺していくシーンに心が締め付けられる思いの連続でした。ドイツ人が悪いのではなく戦争状態での狂気が人間を変えてしまったのでしょう。かつて日本も同じ事をしていていたことは若い人たちにも知って欲しい。途中からは逃げ続ける主人公ばかりに目が向けられ、運良くというかあまり苦労せずに周りの人々に助けられて行く姿に嫌悪感を持ちました。事実なんだから仕方ないと言えばそれまでだが、最後にドイツ人将校に見逃してもらう場面は特に。たくさんの賞を獲っていますが高い評価に疑問です。 6点(2004-01-11 12:35:33) |
18. ノッティングヒルの恋人
やめとけ。この女にはきっとまた騙されるぞ。 5点(2003-12-06 22:03:47) |
19. ハノーバー・ストリート/哀愁の街かど
ごめんなさい。最後まで観られませんでした。昼メロとは正に言い得て妙。出会いからの進め方がちょっと強引過ぎる。逢引きと出撃の繰り返しに飽きました。 1点(2003-10-05 21:57:36) |