1. ウォッチメン
ザック・スナイダーとタイラー・ベイツ・コンビということで期待したが、期待通りの映画であった。シリアスなヒーローものとして「ノーラン・バットマン・シリーズ」以降の流れに乗っているとは思うが、出来事をシリアスに扱う前者に対し、こちらは登場人物達が徹底的にシリアスであり、リアルである。ヒーローの葛藤を扱うという意味では前者よりも成功していると思われる。とは言え、設定なり前情報が無い限りほぼ理解できない内容なのは言うまでもない。その意味では決して万人向けではなく、ファン向けの映画だと言える。というわけで、アメリカン・コミックのファンとして8点を献上。ロールシャッハが格好良すぎて痺れた。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 11:36:23) |
2. ターミネーター4
《ネタバレ》 「もう観ない!」と言いつつ見てしまう、私のような消費者がいるからこそ「シリーズもの」がウケるんだよなあと苦笑いしながら観た。そして、なかなか面白くて結構感動。ジョンがT-800に驚くところで「おいおいお前T-1000と格闘したろ」とツッコミたくなったが、よくよく考えるとあれは驚きというよりも、聞いた未来が現実になってゆくことへの恐怖だったんだろう。その他司令官ジョン・コナーの顔の傷の謎が解けたり若かりし頃の州知事の顔が見えたりと、こだわりをヒシヒシと感じる。なによりも良かったのは「ファンタジー」では無かったところ。機械との戦いが非常にリアルで、前作と打って変わった骨太さに大満足した。その他ヘリコで離陸・墜落までのシーンにカット割が無かったことや、各種マシンのおどろおどろしいまでに練りこまれたサウンドエフェクト、そして全編に漂う第一作目リスペクトの精神がそのままダイレクトに画面に出ていて非常に良かった。あからさまに続編あるよ的な終わり方には多少辟易したが、この路線で行くのならまた観たいと素直に思えた。良かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-24 18:47:15)(良:2票) |
3. エリザベス:ゴールデン・エイジ
まず何にビックリしたかというとケイト・ブランシェットの渋さ。素晴らしい女王の威厳にただただ敬服。久しぶりに脚本も美術も音楽も映像も演出も、映画が内包するあらゆる要素を存分に楽しませてくれる映画でした。ところで前情報ナシに観たのでクライヴ・オーウェンが出てきたときはビックリした。 [DVD(字幕)] 8点(2009-09-12 02:59:38) |
4. ザ・コア
《ネタバレ》 映像は一流だったし役者も結構粒揃い。ただし展開が古臭いというかありきたりというか、まあ何も考えずに楽しむ系のSF娯楽でしょう。暇つぶしには持って来いかと。個人的には空洞があるという解釈というか設定が面白かった。 [DVD(字幕)] 5点(2009-09-12 02:36:08) |
5. オーメン(1976)
《ネタバレ》 何を観てるの?とカミさんに聞かれ、サスペンス映画と答えてしまった。ホラーというよりはそっちのほうがしっくり来るかなー。昨今の残虐スプラッタで血ィがドバドバ噴出し、マクドナルドのパティより安そうな肉のダイレクトな演出よりも、先頭打者である乳母の首吊りの方が印象的で恐怖を感じたし、キャシーのダイビングも着水(着車)時の飛沫が少なくて高得点。派手なものを子供騙しと感じる年齢なので、この抑えた恐怖は大変感動したし、全編に渡って美しい表現と映像が印象的。にしても音楽のジェリー・ゴールドスミスの苦悩が伺える作品でした。生みの苦しみが作品にダイレクトに表れてますねえ。素晴らしい音楽に+1点。単純に美しく、怖く、そして面白かった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-07-28 05:33:42) |
6. ウォーター・ホース
《ネタバレ》 思わせぶりなルイスは結局何も無かったし、砲撃が止んでるのにクルーソーが外海に出る必要性がわからなかったし、色んなところで伏線がありつつも消化不良で整合性に多少欠けるけれども、普通に家族で楽しめる素晴らしい作品だと思いました。ちなみに私はクルーソーとアンガス少年の絡みよりも、チビアンガスとパパの作業場でのやりとりにホトホトと涙を流しちゃいました。子を持つ年齢の人には分かってもらえるかな? チビアンガス役の子に10点上げたいですね(笑) [DVD(字幕)] 6点(2008-05-07 18:40:07) |
7. キングダム・オブ・ヘブン
まず製作からいきましょうか。戦オタ歴オタであれば恐らく誰もが10点満点つけるんじゃないでしょうか。数多い史劇の中でも群を抜いてます。15点ぐらいつけたい。会戦の場合軍団の流れをいかに描写するかというのが肝なのですが、この映画は凄い。攻城戦にしても、『指輪』が子供だましに思えるくらい凄い。こういうのが好きな人は是非見るべき。印象に残ったシーンは途中で挿入される田園のシーンの美しさと、最初の戦いで兵を進めるときに描写された馬の出足のシーン。やられた!と思いました。かなり凄い。肝心の内容の方は8点。オーランド・ブルームという役者が大嫌いで大嫌いで仕方が無かったのですが、この映画で見直しました。一度悪役をやって欲しい。リーアム・ニーソンの扱いに不満。あとジェレミー・アイアンズがスゲエカッコイイ。個人的にMan of the OYAJIの称号を与えたい。こういう、どことなく空虚な印象を与える映画を作らせたらリドリー・スコットは天下一品ですね。書きたいことは山ほどあるけど、頭と胸にしまっておきます。総合8点。個人的には大満足。私のようなオタク向け。 [映画館(字幕)] 8点(2005-05-26 23:41:16) |
8. アレキサンダー
ボクの点数のつけ方は、美術・衣装・撮影・音楽など、映画が内包するあらゆるものを評価対象にするので低い点はあまり出ませんが、これは納得の1点ということで。1点の内訳は、戦闘シーンを戦術的観念から描写した玄人指向に+0.5点。クレイトス役がピッタリで素晴らしかった事に+1点。これで合計1.5点なんですが、金をボられたのに腹が立つので-0.5点。合計1点。トロイよりも遥かに駄作だったので、点数を並べるのはトロイに失礼だと思ったので1点。アレクサンドロスに関して好きで文献を数多く読んでます、というような人は笑いネタのために観てください。非常に笑えます。まず撮影がクソ過ぎる。衣装がバカすぎる。美術が大雑把。ヴァンゲリスの引き出しの少なさがイラついた。勘違い史実踏襲の連続。描くべき部分は描かず、描かなくていいところを掘り下げてる。何故か?と思っていたら、最後の最後に言いたいことがあったんだな、と。その2,3分程度の意見を述べたいが為の3時間。今まで数多くのオ○ニー映画を見てきましたが、これは最悪ですね。時間と金と労力の無駄。ダメなスタッフが集まったら、やっぱりダメなものが出来たという典型。超絶駄作。非常にオススメ。頼むから皆さん観てください。被害者は多ければ多いほど自分の心が休まります。 1点(2005-02-10 00:05:34) |
9. オペラ座の怪人(2004)
舞台モノというのは舞台で見たほうが迫力があるものですが、この映画は映画であるという利点を使用して実に胸に迫る映像と効果の連続で魅せてくれます。冒頭で銅版画を思わせるパリの街並みにググっと寄っていって次第に立体的になっていく映像の見せ方などは、古典的かつ新鮮で凄く感動しました。思わず「おー」と呟きました。隣の嫁は「ああ」と感嘆してました。とにかく大感動。クライマックスでオーケストラの大洪水が寄せてきたと思ったらサっと音が引き、次の瞬間オルゴールが奏でられるのですが、あれはもう反則でしょう。オルゴールの音色が鳴った瞬間、ブワっと涙が溢れました。マスカレードの場面も圧倒されましたが、今まで映像化された歌劇をなぞったような手法が多かったのが残念。ただ、これは舞台であり映画であるという二面性を最大限生かそうとしていた作りこみとこだわりがビシビシ感じられたのが良かった。ともすれば中途半端になりがちですが、舞台を表現する平面的な場面と、映像を表現する暗闇へ向かう奥行きの場面のコントラストが良かったと思う。まるで長い夢を見ていたかのような映画。終わった後ほとんどの観客が(年配の方が多かったです)席を立たずエンドロールを最後まで見ていたのが印象に残りました。歳取ってからまた夫婦でスクリーン上で見たいと思わせる、そんな映画です。大傑作。 9点(2005-02-07 07:38:48)(良:1票) |
10. キング・アーサー(2004)
軒並み低い点数が多いですが、ボクは間違いなく8点献上にふさわしい映画だと思っています。まずはアーサー王伝説を完全無視した構築に一票投じたい。アンチヒーローズとなった円卓の騎士達があまりにもカッコ良くて燃えました。ともすれば「金髪・青髪・美しい容姿に蕩けるような声と美形」なんていう、腐女子のアニメ的二次産業の欲望のオモチャになりがちな、ふぁんたじーアーサー&騎士達ですが、その概念を壊しただけで大拍手。何万という、非現実的な戦闘描写を回避したリアリズムにも一票投じたい。他には編集が最悪。戦闘が何がなんだかわからなかった。随分ヘタクソなカットマンだなと思いましたが、撮影の美しさで補われてましたね。イジャックのセンスには脱帽です。ジマーの音楽は取り立てるようなものでもありませんでした。これはちょっと残念。アーサー役のクライヴ・オーウェンをこの映画で初めて知りましたが、一発でファンになりました。こういうリアルアクターが増えてくれるのは大歓迎。素晴らしい役者だと思います。カットのダメさに-5点、全編に通されたリアリズムを重視した制作に+2点、そして、ふぁんたじー好きな、指輪→トロイの流れで観て酷評してる愛すべき消費者達に+1点。8点献上です。 8点(2004-08-14 22:03:29)(良:1票) |
11. トロイ(2004)
史上稀に見る駄作。バーマン制作ということでその時点から「超大作B級ハリウッド」を覚悟してましたが、あまりにも予想通りで逆に笑えました。TVゲームでももっとマシなCG作るぞ!と言いたくなるほどのクソっぷりと、使いまわしの多さ、単にモブの数だけで演出した戦闘の迫力、効果音に懲りすぎたらかえってゲームみたいになりましたの典型的例となるダメ派手さ、なによりもかによりも、キャスティングに大失敗、そして「イーリアス」を舐めんな!と激怒したくなるほどのご都合主義と不必要極まりない恋愛要素。見所は何一つナシです。ヤーレの音楽が凄く浮いていた。ロマン主義系音楽家にこういう映画の音楽を作らせてはいけない。フェルプスの美術は圧巻。唯一光ってましたね。ヨダレが出るほど美しかったです。エリック・バナのヘクトールとショーン・ビーンのオデュッセイアは天下一でした。特にショーン・ビーンに至っては、あれほど少ない出番であるのにも関わらず、奸智に長け洞察力鋭い、小国の王ゆえに抱く葛藤を持った人物であるオデュッセイアを見事に演じきっておりました。最後のシーンの笑顔なんか、これから迫り来る希望と不安と何らかの予兆を感じさせて見事すぎるほど見事。 2点(2004-08-14 21:41:45) |
12. ロブ・ロイ/ロマンに生きた男
失敗作。観るべきものは何もないけど、同名のカクテルが好きなので+1点。 2点(2003-12-12 00:06:41) |
13. グラディエーター
ここまで文句のつけようがない映画も稀だと思う。比べる対象がどうしてもベン・ハーになってしまい、満点をつけるわけにはいかなくなるんだけど、それにしても全てが凄い。ラッセル・クロウの抑えた存在感も見事だけど、ニールセンとホアキンの演技がピカイチ。そして何と言っても圧巻なのが美術と光の使い方、文句なしのジマー音楽。戦闘の迫力には欠けるものの、それを補って余りある演出力と構成力には脱帽。ただひたすら美しく、壮大で、感動できる映画です。天晴れ。 9点(2003-12-11 00:55:34) |
14. ターミネーター
ここから始まったとも言えるキャメロン節。上半身だけのマシーンが動く描写にはとてつもない恐怖を感じた。今見るとSFXにはやはり違和感が残るが、当時の衝撃はかなりのものだった。そして今見るとターミネーターとは無機質な殺戮マシーンであるということを改めて思い出せてくれる。マシーン、ロボットといった金属の魅力を見事に描ききった佳作と言える。 9点(2003-09-17 08:47:40) |
15. フルメタル・ジャケット
ある意味とてつもない異色作かもしれない。ストーン3部作のようなメッセージ性もないし、場面描写も変わった趣向が多い。個人的には好きな作品だがあまり胸を張って他人に「見るべし」と薦められる点が無い。 6点(2003-09-17 08:23:46) |
16. イングリッシュ・ペイシェント
死体を抱え上げてブワッと泣いた最後のシーン、後にも先にもシーンの役者と連動して泣いたのはこの映画だけ。映画館から出た後は暫く言葉が出なかった。非常なる佳作だけど、若い方や普通の恋愛してる方だと意味不明な映画かも。 9点(2003-09-06 18:09:27) |
17. ギャング・オブ・ニューヨーク
スコセッシ、やっちまったなの一品。見る価値なし。 1点(2003-09-06 17:54:40) |
18. アポロ13
凄くいい映画だ。いい映画なんだけど、何故か存在を忘れちゃう一本。ケビン・ベーコンがいつものとおりおミソな役どころをしてるのが大好きなのだが、何故か忘れちゃう一本。何故なんだろう……? 7点(2003-09-06 17:08:36) |
19. ターミネーター3
原点回帰した金属の重厚感にまず大拍手。効果音や演出など、金属という媒体を最大限意識して作っただけのクオリティと迫力は凄い。が、女Tの迫力(怖さ?)不足と、ジョンの「誰が演じても同じ」的役割、途端にファンタジーくさくなってきた展開等、前2作のファンからするといただけない部分が非常に多い。現代に現れたマシーンとの戦いという、Tシリーズ最大のキモであった設定はこれで終わったわけなので、次回作には毛頭期待しない。次回作はTの名を借りたファンタジーでしょう。 8点(2003-09-06 16:59:54) |
20. ノッティングヒルの恋人
唐突な展開がどうもなー。でもユーモアには笑えたし、観た後で「良かった」と思えるので損はないかも。 4点(2003-09-06 16:50:22) |