1. ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
《ネタバレ》 前作は健全なお伽噺といった作りでそ気に入ったのですが、本作は、中途半端に人物像を掘り下げようとしたためか健全さが失われ妙にどろどろしたものになってしまってます。とにかく殺し合いの連続で、子供が人を殺しまくるというのは、見ていてあまり気持ちのいいものじゃないです。おまけにアスランが2回咆えただけですべて片付いてしまった結末を見せられると、そもそもナルニアが人間に滅ぼされることなどなかっただろうにという疑問だけが残ってしまい、なおさらつまんない気分にさせられました。 [映画館(字幕)] 4点(2008-05-31 17:54:01) |
2. ペネロピ
「先祖にかけられた呪いで豚の鼻を持った女の子が、名家の男性に愛されることでその呪いが解ける」という設定の割には、それほどドラマティックな盛り上がりはないものの、常にほのぼのとした雰囲気に包まれ、軽い笑いを誘いながら話が進んでいくハートフル・コメディです。画面の作り、キャスティングもぴったりで、満足できるお伽噺でした。話の展開はやや意外性があるので、事前にネタバレ無しで見ることをお勧めします。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-31 17:30:06) |
3. アース
NHKで放送された「プラネット・アース」の映像のなかから選んだものを、映画の一場面(スペクタクル、アクション、コミカル等々)のように編集して、それ相応のBGMをつけ、それなりの流れに沿ってまとめ上げた作品です。地球温暖化に対する問題提起を無理矢理こじつけてますが、基本的にはちょっと大げさなBGM付き映像を楽しむだけのものでしかないでしょう。同様の成り立ちの「ディープ・ブルー」は海中が舞台なので、ちょっと幻想的な映像で、環境ビデオ的な見方にも適していたんですが、陸上生物のシーンは生々しいので、環境ビデオ的に見られないし、かといってまともなドキュメンタリーでもないので、見ているうちに何となくいらいらしてきました。動物もののドキュメンタリーの好きな人で「プラネット・アース」をハイビジョン環境で見た人には、薦められないですね。また、この手の映像は映写機+スクリーンで見るよりは、ハイビジョンテレビで見た方が画面サイズは小さくとも解像感が高くて好ましいです。 正直、この映画を見るよりは、いずれ発売される(レンタルも)「プラネット・アース」のBDで見る方がよほどましでしょう。 [映画館(吹替)] 4点(2008-02-27 01:23:14) |
4. エリザベス:ゴールデン・エイジ
全体的に重厚な作りの史劇といった雰囲気なんですが、基本的にエリザベスⅠ世の女性としての葛藤が主題になってしまっているので、どうも違和感が残ってしまいます。さらに、史劇としての描き方がかなりはしょっているので、いまひとつ理解できない部分が出てきてしまいました。出来ることならもっと史劇としての部分を追加したものを見てみたいものです。このように不満はいろいろあるのですが、それでもケイト・ブランシェットの演技力の賜で、それなりには楽しめる作品になっています。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-26 01:08:11) |
5. ライラの冒険/黄金の羅針盤
「ロード・オブ・ザ・リング」以降、ファンタジーに壮大・重厚さを求める人が少なからずいるようですが、私はお伽噺的な軽めのものが好きです。で、この作品ですが、とにかく画像が綺麗で、出演者・声優も良く、全然だれることなく話が進むのでまったく退屈することなく見ることが出来ました。ただ、予備知識無しだと、ダイモンをはじめとするこの物語の世界観が理解しにくく、また、明らかにかなり原作をはしょっているのが見え見えで、判りにくい部分があったのが残念です。最低でもあと30分くらいは長くしてもっと丁寧に描くべきだったと思います。3部作の第一作ということで、最終的な評価は全部見てからすべきですが、とりあえず映像の綺麗さと今後への期待を込めて7点を付けておきます。 ところで、この映画、映像が売りですから、興味のある方は、絶対、映画館で見ることをお勧めします。小さなテレビ画面で見るとこの作品の価値の半分以上が失われるのは確実です。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-26 00:53:43) |
6. ウォーター・ホース
全体としては子鹿物語を思い起こさせるような展開(ベン・チャップリンがグレゴリー・ペックに見えてしまいました。)で、ごくごく単純なストーリー展開ですけど、映像の出来も良いし、ちょっとした小ネタやおきまりのドタバタなどもうまいこと入っていて、退屈することなく楽しんで見ることが出来ました。終盤のシーンは結末がどうなるんだろうと、それなりにドキドキ(子鹿物語を知っていると特に)させられます。 この映画は、何の予備知識もなしに見た方が良いでしょう。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-02 16:13:47) |
7. スターダスト(2007)
《ネタバレ》 ロード・オブ・ザ・リングをはじめ最近のファンタジー映画は、ある世界の存亡をかけたような作品ばかりでしたが、この作品ではそんな大仰なテーマはなく、登場人物の行動は、ガールハント、家督相続、若さ獲得といった全くの個人的なちまちました動機からのものばかり。が、そのおかげで無理のないストーリー展開ができたうえに、実に丁寧に伏線を張ってあるし、敵役の魔女が魔法を使う度に若さを失っていくという設定のおかげで主人公に過度な試練がかかることもなく(敵役自体憎めないし)、全体としてとても判りやすくかつ楽しめるお話になってます。また、基本的に登場人物が自分自身のために行動しているので、コメディ仕立てにもなじみやすく、結果、ちょっとブラックなファンタジー・コメディとして仕上がってます。 登場人物の行動がちまちました動機によるもののおかげで壮大な戦いのシーンなどあろうはずもなく、映像的にもわりとこぢんまりとしたものばかりになってますが、そのぶんいろいろなシーンが丁寧に描けているので、見ていて疲れることもなく飽きることもなく見ることができ、ナレーションで語られるエンディングがうまい具合に物語り全体を締めているので、一話完結の物語としての完成度は高いです。 壮大な物語を求める人には向かないかもしれませんが、よくできたコメディーの好きな人、気楽なファンタジーを観たい人にはお薦めの作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2007-11-03 23:17:20)(良:2票) |
8. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 ここのところ、とかく小難しいテーマ性が表に出たり、ちょっとひねりすぎてたりと昔のように単純に楽しめないミュージカル映画が続いてましたが、久しぶりにほんとに楽しいミュージカルでした。人種差別なども出てきますがそれはあくまでもストーリー展開の要素として使われているだけ、そして登場人物は主役はもとより敵役までも愛らしくて最初から最後まで微笑みぱなっしで見ることができました。おまけに上空からの雲の映像で始まり鐘の音で慌てて学校に走り込むオープニングをはじめ過去のミュージカルを思い出させるところも多く、昔からのミュージカル・ファンにはたまらない作品です。 [映画館(字幕)] 9点(2007-11-03 22:13:05) |
9. エディット・ピアフ~愛の讃歌~
私にとってエディット・ピアフの歌は、1,2曲聴くぶんにはとても良いと思うものの続けて聴くとなんかしんどくなってくる。ピアフの不遇な生涯が歌ににじみ出ているせいなのでしょうが、この映画を見るとそのことが再認識されました。そんな不遇な生涯を映画を描いた作品なだけに見てて辛い映画であろうことは予想してましたが、ピアフ自身の問題点もこれだけ描かれていると感情移入もできず、やはりあまり後味はよくないですね。 ピアフを演じたマリオン・コティヤールの演技が素晴らしい(完全にピアフになりきっていて、その前に見た「プロヴァンスの贈りもの」とはまったく別人で全然気づきませんでした。)だけに逆に見ての辛さを強める結果になってます。おまけに時間軸が飛びすぎるので、登場人物の対応を取るのがたいへんなのも余計疲れる原因になってます。ピアフに興味のある人は一度は見て良い映画でしょうが、朝っぱらから見ると一日中暗くなってしまうので、なるべく夕方以降見た方が良いでしょう。 [映画館(字幕)] 5点(2007-11-03 21:45:44) |
10. 魔笛(2006)
《ネタバレ》 予告編で第一次大戦風の場面があったので、いったいどんな具合になっているんだと不思議に思いながら見に行ってきました。端的に言えば、魔笛の楽曲を使った実写版ファンタジア風パロディ映画ですね。タミーノとパパゲーノが楽器を手に入れるシーンは「戦場のアリア」、タミーノとパミーナの空想のダンスシーンはまるっきりアステア・ロジャースだし、ラストは「ファンタジア2000」の中の「火の鳥」。他にもMGMのミュージカル風場面などどっかで見たことがありそうなシーンが有り、元ネタ探しをしながら見るの一興でしょう。 元々のオペラ自体、ストーリー的にあまりしっかりしたものでは無いのですが、この作品では時代設定を第一次世界大戦に設定したせいもあって、ますます訳がわからなくなってます。元々のオペラを知っていると、「あの場面がこういう風になったんだ」という見方でそれなりには楽しめますが、もとのオペラを観たことがないとかなりきついかもしれません。一応、平和への願いがテーマみたいになってますが、ストーリー性を考え出したらとても見てられないこと請け合いです。 音楽は歌詞が英語なのがやや違和感があるものの良い演奏なので、「ファンタジア」のようにクラシックの名曲に実写のイメージ映像を乗せたものとして見ることをお勧めします。点数付けが難しいんですが、自分自身の中で賛否が分かれるので5点にしときます。 [映画館(字幕)] 5点(2007-09-02 15:33:05) |
11. クィーン
《ネタバレ》 ダイアナ妃の事故死をめぐっての話と聞いていたので、もっと深刻で辛気くさい話かと思っていたのですが、全編、皮肉混じりの会話に思わず失笑することも多く、なかなか面白かったです。これぞ英国流のユーモアなんでしょう。エリザベス女王役のヘレン・ミレンとフィリップ殿下役のジェイムズ・クロムウェルはルックス的にもイメージ通りの適役、ブレア首相もちょっと軽すぎる感はありますが、まあ、これはこれで良し。ただ、チャールズ皇太子だけは違和感がありすぎで、これがこの映画の最大の欠点でしょう。 ストーリー自体は淡々と進んでそれほど盛り上がりはないですが、しっかりとした脚本、出演者達の確実な演技、絶妙な英国流ユーモア感覚に支えられて、少しもだれることなく最後まで見ることができました。最後の方で女王が首相に言う言葉も、ここのところのブレア首相の状況(すでに退陣を表明しちゃいましたが)を見るにつけ、ブラックな香りが引き立ってます。 それにしても、女王も首相もすべて現役のときにこのような映画が作られたことが、同じく皇族を戴く日本人としては少し驚きです。日本で皇族、とくに民間から嫁いだお妃の方々に焦点を当てれば、この作品以上にドラマチックな映画になりそうですが、おそらくそれは今の時代が時代劇の世界になるまでは無理なことでしょうね。 [映画館(字幕)] 8点(2007-05-11 22:17:55) |
12. エラゴン/遺志を継ぐ者
《ネタバレ》 この映画、スター・ウォーズEP4そっくりの設定とストーリー展開にロード・オブ・ザ・リング風の映像を詰め込んだという印象です。脚本の詰めが甘く、内容的にはそれほどほめられてものではないのですが、そのおかげで判りやすく先の読みやすいストーリー展開になっているので気楽に安心して見られるのはこういうファンタジー映画ではそう悪いことではないでしょう。登場人物はどれもいまひとつ印象が弱いものの、ドラゴンがそれを補ってあまりある存在感を示していて、結果、ファンタジーとしてそれなりの満足感が得られます。3部作の予定だそうですが、EP4同様、この作品だけでも一応の結末が得られているのはいいですね。今後は、おそらくSW旧3部作同様、次作は王側の逆襲でピンチに追い込まれ次回に続く的な終わりとなり、3作目で王を滅ぼし万々歳の結末となりそうです。 [映画館(字幕)] 7点(2006-12-16 18:33:32) |
13. マッチポイント
なんだか評価の難しい映画です。つまんないわけじゃないけどあまり面白くもない。全編を通してウッディ・アレン特有の皮肉が効いているのと女性陣のおかげでまったく飽きることなく観られるのですが、ウッディ・アレンの仕掛けを楽しめるかそうでないかで、評価は分かれるでしょう。ただ、ここのところのつまらないコメディとは違い、最後までどうなるのだろうというミステリー的な展開にウッディ・アレンらしいひねくれた結末のおかげで、後味は良くないものの、まあ、これはこれで良いかというところですね。 これから観る方は事前情報を入れずに観た方が良いでしょう。 [映画館(字幕)] 6点(2006-10-27 22:36:16) |
14. 僕のニューヨークライフ
コメディとして笑いの要素となる部分が不快に感じるだけで見始めてから終始いらいらしっぱなし。映画館で見てなければ途中で見るのをやめていたことでしょう。主要登場人物すべてにいらつかされる上にウッディ・アレンとジェイソン・ビッグスがともにどもり気味の台詞回しで喋りまくるのがとても耳障りで、何度席を立とうとしたことか。音楽が良いのが救いで、音楽でいらいらを癒しつつなんとか最後まで見通したといったところです。 [映画館(字幕)] 3点(2006-05-13 23:35:35) |
15. ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!
《ネタバレ》 欽ちゃんの吹き替えはちょっと作りすぎて本来の雰囲気が再現されず好きじゃないのですが、見に行ける範囲では吹き替え版しかやってないので、しょうことなく吹き替え版を見ました。このシリーズ今更声優を代えにくいでしょうが、もう少しオリジナルの雰囲気を出せるようにして欲しいですね。で、映画そのものですが、単純に面白かったです。でも、ドリーム・ワークスと組んだせいなのか、以前のような独特なちょっとダークな雰囲気が消え去り、ハリウッド的明るさが表に出たのが残念です。とくにグルミットが可愛くなり過ぎ。おまけに映像そのものも、以前のようないかにもクレイアニメといったものからフルCGでもできそうなものになってしまい、これも旧作のファンにとってはマイナスポイントです。テーマ音楽もブラスアンサンブルからフル・オーケストラになってしまいましたが、ここれもちょっとね。 とまあ、文句はいっぱいあるのですが、やっぱり面白かったです。過去のいろいろな映画とテレビドラマへのオマージュ(パロディ?)満載の展開に、「ウォレスとグルミット」の世界がしっかり絡み合って、十分満足のできる作品です。DVDが出たら是非字幕版で見なくては・・・ [映画館(吹替)] 8点(2006-04-02 20:24:56) |
16. サンダーバード(2004)
この映画はオリジナルのTVシリーズを観ているかどうかで評価が大きく変わりますね。日本で初めてテレビ放映されたとき、私は幼稚園児。当時は白黒テレビのほうが多くカラー番組は「カラー放送」と画面に表示されていた時代です。同じクラスのカラーテレビが家にある子の周りには放送の翌日、あの場面のあの場所はどんな色だったなどと訊きに皆が集まるぐらい、当時の子供達は夢中になって見入ったものです。その思い入れがいまだに強く残るおじさんにはとって、この映画、何とも複雑な思いです。サンダーバード各号機はまるでガメラみたいな2号以外はいい出来だし、パーカーはオリジナルそのままだし、フッドもわりと雰囲気でてるしで悪くないんですが、隊員以外の子供たちが活躍するというストーリーは、オリジナル・シリーズへの序章という立場で今後オリジナルの雰囲気を再現したシリーズが製作されるならそこそこ評価できますが、続編が作られないなら許し難いです。 一方、サンダーバードのオリジナルを知らなければそこそこ楽しく観られるんでしょう。 ということで、点数をつけるのは難しいんですが、オリジナルのように国際救助隊の活躍を画く続編が出来ることを期待しつつ5点。 [映画館(吹替)] 5点(2005-12-06 00:05:01) |
17. ビクター/ビクトリア
どうもブレイク・エドワーズのコメディは好きになれないものが多いのですが、この作品はあまりアクが強くないこととジュリー・アンドリュースのミュージカル・シーンがあることもあり、けっこう楽しめました。それと、ロバート・プレストンとジェームズ・ガーナーもなかなか良い味を出していていました。欲をいうならもう少しジュリーのミュージカルシーンを多くして欲しかったですね。 [映画館(字幕)] 7点(2005-12-01 20:28:34) |
18. ビーン
テレビシリーズはちょっと見ただけでしたが、普通のコメディといったところだったのに、よくもまあ、これだけつまらない映画になったもんです。ローワン・アトキンソンの使い方を間違ったとしか言えないような酷い脚本演出のたまものでしょう。 [映画館(字幕)] 1点(2005-12-01 20:01:13) |
19. チキ・チキ・バン・バン
最初に見たのは小学校3年のとき映画館でしたが、子供心にもなぜかあまり面白いとは思えませんでした。その後、自主上映やテレビ、DVDで見てますが、やっぱり楽しめませんね。曲や車が空を飛ぶシーンは良いのですが、いかんせんストーリーが中だるみしすぎだし、海辺のシーンは映像的に他と雰囲気が違いすぎて違和感があるなど、とにかく中途半端なできあがりです。好きな場面もあるので甘めに採点して5点です。 [映画館(字幕)] 5点(2005-12-01 02:53:24) |
20. ミニミニ大作戦(2003)
公開時に映画館で見ました。ストーリー展開はどうということもなかったですが、テンポ良くカースタントなどが盛り込まれていて退屈せずに楽しめました。個人的にはもう少しミニのカースタント・シーンが多いと良かったんですけどね。この手の映画はやはり映画館の大画面で見るに限ります。 [映画館(字幕)] 6点(2005-11-30 02:30:47) |