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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 《ネタバレ》 
実は、ハリーポッターシリーズははっきり言ってあまり好きではないのです。 しかし今度のこの作品については、可愛らしいかつての子役たちが(大人の役者としては微妙ながら)行きがかり上そのまま演じ続けていた前シリーズと違い定評ある大人の俳優たるレッドメインが主演であることだし、20世紀初頭という時代背景もいい感じなのでそれなりに期待していたのですが、いやはやとんだ期待倒れの作品でした。 まず、先のレビュワーのお二人が仰っているように、主役にほとんど魅力が感じられません。そんなに腕のある魔法使いにも思えない。さりとて不器用ながら愛すべきキャラクターってわけでもない。思わず笑ってしまうような気の利いたユーモアもない。 ワキを固めるのも、いかにもありがちな権威的なお偉いさん、その中にいかにも「ひそかに潜んでいる」のだかすぐに「こいつがラスボスだな」と気が付いてしまうような悪役、不器用ゆえ上に評価されないいかにも生真面目なヒロイン(?)と、なんだかどれもこれもどっかで見たことあるものばかり。 つまりこの映画は登場人物たちのキャラではなく、タイトル通り「ファンタスティック・ビースト」たちが売りなのか?とも思うのですが、それも……うーんどれもこれも微妙…。最初のほうの動物たち捕獲ための追いかけっこなんて、なんだか長すぎて「ワクワクする」というより「イライラさせられ」てしまいました。  なにが駄目だったんだろう? 結局「ハリポタ」人気の遺産をあてこんで安易に作っちゃった結果ってこと?やっぱり脚本とテンポかな?もっとスピーディーに気の利いた笑いをちりばめてグイグイ観客を巻き込んでいかないと、なかなか感情移入できないです。 そういう意味では、今回満を持して脚本を手掛けた感のある原作者ですが、脚本は専門家に任せたほうがいいのかもしれませんね(そのそもこの方の紡ぎ出す「思わせぶりな謎をちりばめて引っ張っていく手法」自体がどうも私には合わないようです)。つまり役者は関係なかったってこと、今作ではっきりわかりました。
[映画館(吹替)] 3点(2016-11-24 18:16:22)
2.  イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 《ネタバレ》 
うーん、何が足りないのだろう…… ものすごく丁寧に作っているし、俳優たちもがんばっている。(予告見たときは「無駄に綺麗なキーラが鼻についてしまうかも」と危惧した彼女だって決して悪くなかった。)交差する過去と現在だっていい感じ混ざり合い、決して混乱させるようなヘマはやっていない。暗号解読後の冷徹な判断も常人ならざる主人公らしさをよく表していると私には感じられた……。 しいて言えば、やっぱ「数学の足りなさ」なのかなぁ。暗号を解く仕組みやクロスワードパスルと確率の関係、その気が遠くなるような作業をどうやってコンピュータにさせるのかなど、そんなところがただ会話で説明されるだけではなく、もう少し突っ込んで表現してほしかった。 でもウィキペディアでちょっと調べたぐらいじゃなかなか理解できないようなしくみをド素人相手に映画でさらっと匂わせるなんて考えてみればかなり無理な話なわけ。それを求めた私が悪かったんだろう。うんうん、きっとそうだ……そう反省しつつも、何とかして天才数学者の頭の中のちょっとでも覗きたかった私には、本作は結局「秀作だろうとは思うが取り立てて印象に残らないまあ普通の映画」、といったところです。平均点下げてすみません。 
[映画館(字幕)] 5点(2015-03-25 12:16:56)
3.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
やっぱインドってところが新鮮だったんだと思います。 やたら理不尽で、言いようも無く悲惨で、むちゃくちゃ混沌とした、それでいて実にパワフルな世界… でもそれ以外は、例えば「許されない幼馴染との恋」とか「一攫千金」とか「ギャング」とか割とフツーかな、と。 ま、アカデミー賞ってこんなときもありますよ。いわゆる勢いってヤツなんですかね。 というわけで感動のハッピーエンドストーリーよりも全編を流れる音楽、ラストの意味不明の踊りこそがこの映画の真髄だろ理解した次第。 以来、”Jai Ho!”ってあの歌声がラジオから流れてくるにちょっと足が踊ってしまう私です。 
[DVD(字幕)] 5点(2011-12-19 17:38:26)
4.  トリスタンとイゾルデ 《ネタバレ》 
よかった、と思いました。 地味だけど美しく儚く悲しい物語が情感豊かに描かれていたと思います。 トリスタンのフランコはこういう屈折した苦悩の様がホントはまりますね。マーク王はカッコよすぎだし。 欲を言えば、「トリスタンの忠誠心やその背景となるマーク王との係わりをもっと描いて欲しかった」とかありますけど全体的には及第点です。多分イゾルデが必要以上に露出していなかったからかな。恋に溺れきっちゃう寸前でとどまるからこそトリスタンも「いい男」たりえるのですから。 禁じられているからこそ燃え上がるという恋の本質がよく描けた佳作。蛇足ですがイゾルデ役の人がちょっとぽちゃ気味だったのも好感触と付け加えておきます。。
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-04 12:58:56)(良:1票)
5.  英国王のスピーチ
よかったです。 繊細で癇癪もち、そして不器用な吃音症の英国王バーティ……とっても魅力的でした。 彼の緊張と共に私も緊張し、彼に笑顔がほころぶたびに私も頬を緩める、完全に感情移入した2時間弱。 ただ、これは私がコリン・ファースという役者が大好きなためなのかも。そのせいか冷静にこの映画の良し悪しを語れそうにありません。 自分の好きな役者がいい映画に出ることは普通はうれしいものなんでしょうが、なんだか本作品に関しては複雑な心境になってしまいました。 「コリン・ファースにうっとりしたのではなく英国王バーティに心を奪われたのだと、そう確信できる何かがほしい」なんて思うなんて贅沢なのかな…… 
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-28 17:49:12)(良:1票)
6.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
上映時間148分、正直観る前は心配でした。  「ただ逃げているだけの単調で起伏の無いストーリー」 「それでなくとも陰気な空気に気がめいる」 「そもそも息すら殺して潜まねばならない主人公がピアニストである必要があるのか」  すべてごもっともです。でも、惹きこまれたんですよね、私は。  多分それは、ツクリモノである映画がギリギリのリアリティを追求したからなのだと思います。つまり、この手の話にありがちな「お説教めいた主張」や「泣かせどころの不自然な強調」、「安易なラブ・ストーリー」をことごとく排除した結果の感動なのだと……  恥ずかしながら最後にこの作品が実話に基づいていることを知りました。 でも本作は、「実話だから」というのと「リアリティがある」「感動する」というのは全く別のものなのだということと実感させてくれる作品、です。 久しぶりに何度でも観たい佳作に出会えたことに感謝!  
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-12 18:03:28)
7.  アバター(2009) 《ネタバレ》 
3D効果が半端じゃないと評判のIMAXシアターにて鑑賞。チケット売り切れ状態が続いて3週間もお預けをくった末、ようやくの鑑賞だった。 で… すごい…こりゃ乗り物酔いちゃうかも…と感動し、そして心配していたのは、結局杞憂に終わった。 慣れてしまうのだ、30分もすると… そして、慣れちゃうともう「ちょっと迫力ある映像」にしか過ぎなくなってしまう。 (…大変だよね、映画作るってさ、こんな我侭な観客を満足させなきゃいけないんだもん。) というわけでアゲそうなほど見飽きたストーリーの展開に後半は失笑気味だった。 もう、敵方の首長の娘とかその婚約者もどきとか、他に考えられないのかよって感じ。 ストーリー云々は関係なく技術でアッと驚かすなら、もっと短時間のほうがいいよ、絶対に。みんなが慣れる前に息もつかせず畳み掛ける、そうしたほうがよかったんじゃないの?  (追記) ホントは最初5点だったんだけど、「ビデオでも良い感じ」とはとても言えないので。「そこそこに面白い(6点)」よりはやっぱ「意外と面白くなかった」ので4点とさせて頂きました。
[映画館(吹替)] 4点(2010-03-20 18:41:59)
8.  プライドと偏見 《ネタバレ》 
ちょーつまんなかった。 確かに当時の「財産を持たぬ中途半端なお嬢さんたち」の悲喜交々は上手く描けていたとは思うけど。だって唯一いいなって思ったのは、あのダサダサの求婚者の彼の描き方(ああ、いるんだよねーこういう悪い人じゃないんだけどどうしようもない人)とか、そのコリンズと不本意ながら結婚を決意するちょっと冴えない友達の悲哀とかぐらいなんだから。もしエリザベスをヒロインとして際立たせるのだとしたら、ただ美しくて意地っ張りなだけじゃなく、その中に凛とした芯のような何かが描かれればよかったのだろうけど、残念ながらそういうものは見当たらなかったな。(少なくとも、観客である私には伝わらなかった。) だから結局「キーラ扮するエリザベスには美貌がありそれゆえの自信があったから自分を売り惜しみできたってこと、それを最高の高値で買うことができたのはMr.ダーシーの財力なんだねー」って印象しか残らない。そんな映画じゃラブストーリーにはならないよね。 特にツンデレの王道をいくようなベタだけど小気味いい展開を期待していた私には、肩透かしもいいとこだった。原作はもっとマシなんでしょうけど、ねえ…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-07-22 14:23:52)
9.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師 《ネタバレ》 
あの狂った乞食女が実は奥さんだった……ってとこ以外目をみはるようなところは一つもありませんでした。海辺の町での未来予想図もニヤリってする程度だったし、若い二人の恋の行方なんてホントどうでもいい感じだし。 しかしあんなにも恋焦がれていた奥さんとも娘とも再会しているにもかかわらず、全くそれに気付かず罪を犯し続ける主人公の姿になんだか哀れを感じましたね。「ああ、この人は血に飢えた狂気に支配されきってしまったのだなぁ」と。そういう視点ではなかなか及第点。 でもミュージカルとしては中途半端(ジョニデは思ったより頑張っていたと思うけど)だし、ホラーとしても今ひとつ。 確かにジョニデ+バートンという触れ込みがあってこそ興行が成り立ったような映画ですね。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-30 16:04:49)
10.  ブラス! 《ネタバレ》 
エルガーの「威風堂々」。 この手垢の付いたセレモニー音楽にこんなにも胸が揺すぶられる日が来るとは思ってもみませんでした。 「確かにコンクールに優勝した。でも炭鉱は閉山。結局何も解決はしていない」というお先真っ暗な状態にありながら、なぜここまで感動を我々観客にもたらすのでしょうか。それは「バンドこそ全てである」と言い切るピート・ポスルスウェイト、彼の言葉にその答えがあるような気がします。 人はパンが無くては生きてはいけないけどパンだけでも生きてはゆけないもの。 どんな人間であっても生きていくにはパンと同時に「人として生きてゆく誇り」が必要なのです。 だが今やパンである「炭鉱」は失われ、それと同時に仲間とともに炭鉱を守るという「誇り」すら失いかけた彼らに残された最後の「誇り」が音楽でありこのバンドだった。その最後の「誇り」を彼らが取り戻しかけた瞬間が、ラストのあの演奏だったのでしょう。 彼らの前途は正直暗いです。パンだけでは生きられないように「誇り」だけでも生きられないことも彼等も観客である私たちも十分知っている。そして、悲しいことにそれが現実というもの…… しかし、いやだからこそ、一層その「誇り」はパン以上に「生きていくには必要不可欠」なのだ、と、そう信じたい、信じ込ませて欲しいと思う心が私たちにはある。 その心に直接響く、夜風に吹かれながら彼らが奏でる「威風堂々」は、映画から現実に戻った私たちをも励ましてくれる素晴らしい応援歌となってくれたはずです。この曲がもはや単なるセレモニーを盛り上げる楽曲以上のものとして響くのは当然のことなのではないでしょうか?  
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-11 18:16:10)(良:4票)
11.  リトル・ダンサー 《ネタバレ》 
行き詰まった世界を粉々に打ち砕くような情熱―パッション。彼の踊りはそれ以外のなにものでもない。何よりすごいのはそのすべてが無意識のうちに形作られていくところ。 彼は踊りが好きなのではない。ただ踊らずにはいられないだけなのだ。その渇望を閉じ込めようとすればするほどそれは爆発のようなエネルギーをもって外の世界に弾け出る。 そのエネルギーをこれほどまでに巧みに描いた映画があったであろうか。この弾け出るようなエネルギーのほとばしりに触れられたということだけで、私は十分この映画に出会えたことを感謝したいと思う。 男のバレエ?不遇な環境に置かれた才能ある少年のサクセス・ストーリー?「鳶が鷹を生んだ」かのような凡庸なる父と非凡な子の葛藤と愛?衰え行く炭鉱産業の悲哀?そんなものたちは所詮脇役にしか過ぎない。 理屈じゃない。自分にすらコントロール不能の情熱を天から突然授かってしまった少年の一挙手一投足の全て。それこそがこの映画の肝である。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-11 18:11:34)
12.  ヘアスプレー(2007) 《ネタバレ》 
悪いけど、イマイチでした。クリストファー・ウォーケンのコメディぶりとミシェル・ファイファーの憎めないイケズぶりが楽しめたくらいであとはさほどじゃなかったな。トラボルタも頑張っているけどその頑張りの空回りっていうか、彼が太った上に女装してママ役をやる必然性を全く感じなかったっていうか。あと、だいたい主役の子もそのダンスに魅了はされなかったし(その辺がやっぱりイマイチに感じる理由の最たるものじゃないかしら)。 それに対して印象的だったのは黒人のキャラたちのダンスや歌。こういう分野では白人は黒人には全く太刀打ちできないってことをこの映画ではつくづく痛感させられました。(別の映画で♪キャデラック、キャデラック、キャデラックを買ったんだ♪って曲が白人にパクられてたエピソードを思い出しましたね。)ホント、白人が歌うと同じ歌でも能天気で間の抜けたものになってしまうのはどうしてなんでしょうね。 残酷なようだけど、ひょっとすると彼らのこの天分への妬みゆえに、白人の彼らへの差別もまた根強く残ってしまっているのかも…… 
[DVD(字幕)] 4点(2008-07-08 17:20:24)
13.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
ううむ・・・クリスマスでHAPPY!HAPPY!って映画かと思いきや、微妙な尻切れトンボがチラホラする。特に障害のある弟を持つ彼女の話なんぞ投げっぱなしでオチすら与えていない始末。そんな「恋って甘いだけじゃないのよ」という現実を描いているにしちゃ、妻を失った中年男がクラスメートのお母さんと手軽に恋の予感に嵌っちゃったりというご都合主義もあったり、バランス悪くないスか、この映画? まあ現実の恋って物自体がそういう不平等なもんなんだって言いたかったのかもしれないし、そういう意味じゃリアリティーを追求した結果なのかもしれないのだけど、クリスマス映画なんだからさ、もうちょっと観客を安心あるいは納得させて欲しかった気がするな。これじゃ「キーラ不倫しちゃうかも・・・」とか、「アランとエマの夫婦はちゃんと上手くやってけるのか・・・」とか余計な心配しちゃうよ(ホント余計だけど)。 ちなみにTUTAYAのバーコードシールの出演者欄はヒュー・グラントじゃなくアラン・リックマンだったのでびっくり。うーん、アラン・・・主役だったのか? 
[DVD(字幕)] 5点(2008-04-03 12:38:17)
14.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 
そもそも派手なパフォーマンスをくりひろげるイリュージョンって物自体、あまりマジック(手品)のなかで王道とはいい難いと思っている私なので、イマイチに感じられたのかもしれませんが・・・それにしても掟破りの多い映画でしたね。双子だの、人間コピー機だの(笑)。そういうのを「ギャハハ、そんなオチかよ!」みたいに笑えるようなB級作品なのだとしたらそれはそれでいいのですが、名人対達人の対決みたいに煽るからおかしくなるのだと思いますよ。てっきりマジシャンの「自分の身を削る」ような技の対決がみられるのかと思ったらペテン師まがいのステージの争いだったなんて、あーレンタルだからよかったようなものの、映画館でみたらきっと「金返せ!」モノでしたな。  
[DVD(字幕)] 5点(2008-03-24 17:16:14)
15.  クィーン 《ネタバレ》 
この映画がただの「そっくりさん大会」ではないことは重々承知の上ですが・・・それにしても女王とエジンバラ公がかくもイメージどおりなのに息子のチャールズがなんであの役者さんなんですか?似てないってばかりか印象も極めて薄すぎ!出てくるたびに「誰?スタッフだっけ?」って思ってしまいいちいち興ざめしました。「ボクはチャールズ」とでも書いた札でも下げてくれなきゃわかんないような役者をどうして起用したんでしょうね? あとは王室の風景は良しとしても、実際の首相の生活ってあんなもんなんなのかな、と。随分庶民的なので驚きました。これって労働党の政権だからだとか?・・・それからいわば敵役っぽい立場のブレア夫人の扱いがちょっと不満。あんな描き方じゃなくもう少し理知的魅力的に描いたほうがぐっと深みが増すと思うんですけどね。アレじゃよくあるおばかなリベラリストって感じで公平性を欠く気がします。 ・・・とまあ、いろいろ不満を書きましたが全体としては悪くないかと。ヘレン・ミレンの流されない確固たる気高さなんて申し分ないし、そのほかの保守的な王室の面々のいけずぶりもなかなかいい味出しています。 ・・・・しかし、いくら気に染まぬかつての嫁でも、その訃報に際しても休暇を続行し雲隠れを続けるっていう王室側の姿勢もどうなんでしょうね。声明や弔意云々よりもそっちのほうが気になりました。やっぱ孫たちには一刻も早く「彼らの母」の亡骸に会わせてやるのが本当なんじゃないでしょうか?たとえそれがマスコミの晒し者になることとを意味したとしてもそれが人の情ってもんではないのかと思うんですけど・・・ってこんな考え方って極めて下々の常識なだけで高貴な方々はまた別の規範を元に己を律しているものなのかもしれませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-31 17:07:24)
16.  マイケル・コリンズ 《ネタバレ》 
「麦の穂を揺らす風」を鑑賞した後だったので、それとついつい較べてしまうのですが、貧しい農村ではなく都会(ダブリン?)が舞台の中心だし登場人物も独立のリーダーとして地位を確立している人たちがメインのストーリーなので、虐げられたアイルランドの悲惨さがいまひとつ胸に響いてきませんでした。(コリンズったら豪華にホテル住まいなんかしちゃっているし・・・)そういう意味でこの映画はアイルランドの苦悩というよりは、独立の英雄コリンズの姿を描きたかったということなのでしょうね。だったら彼を英雄たらしめたその戦術とか、政治家としては老練ではなかったため不首尾に終わったイギリスとの交渉の過程なんぞをもうちょっと丁寧に描いてくれるとよりよかった気がします。DVDに付録されているドキュメンタリーを観てなんとなくコリンズの全体像が浮かび上がったという感じでしたから、映画単体だけで理解するのはちょっと厳しいかも。それにしても私が鑑賞したのは180分以上の特別版なのですが、それでも尚描ききれないってどういうことなんでしょうね。恋愛や三角関係云々は削ってもっと硬派な仕上がりにすべきだったですよね。最後にストーリーには関係ないんですが、アラン・リックマンってホントいい。本作鑑賞しながら、彼がスクリーンに出てくる度になんだか嬉しくなる自分を発見した次第です・・・
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 17:20:56)
17.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 
「本当に貧しいもののための国を建国する」。 その理想に主人公は殉じます。主人公だけではなく、この理想を頑ななまでに追求する彼の仲間たちはこの先もずっと殉じていくのでしょう。 でも少し冷静になって数々の歴史を振り返って見るに、かつてこの地上でそういう国が誕生しその理想郷を実現したことがあったでしょうか?フランス革命のジャコパン党が?その後のパリ・コミューンが?それとも20世紀ロシアのボリシェヴィキが? 悲しいことに「本当に貧しいもののための国」を作ることは何故か殺戮の繰り返しに繋がってしまう。それを押さえ込もうとする恐怖政治に繋がってしまうのです。それが金持ちの邪悪さのためなのか、貧しい者の愚かさゆえなのか、その辺のところは私には正直よくわかりません。でも何故かな、この映画に関しては私は、理想からは外れて変節したと見える兄テディの姿勢に一番共感を感じました。矛盾しているかもしれないけど、国を流血の泥沼化から抜け出させるのは理想ではなくこういう卑劣にも見える現実的決断なのじゃないだろうか、とね。 もしも、この映画が弟のデミアンではなく兄のテディを主人公にしたものであったなら・・・そちらのほうがある意味「秀作ではあるがどこか甘さの残る」本作に比べより壮絶で胸に迫る作品になったような気が私にはしてなりません。かつてはあんなにも憎んだ英軍と同じ立場に立たざるを得なかった男。その苦悩を細やかに丁寧に描いたような映画のほうが個人的には観てみたい気がします。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-17 17:07:02)
18.  エリザベス
こりゃ、素晴らしいわ・・・透き通るような冷たい冷たい身震いするような美しさ・・・ケイト・ブランシェットがこんなに綺麗だなんて思ったことがなかった・・・こういう美しさに女は一度は憧れます。男を惹き付ける為ではなく、自分自身の為に強くあるがゆえの美しさに。多分その美しさを得た当人としては、決して幸せというわけではないのでしょうが、まだ世の中を知らん小娘にはその「生き方」が堪らなく理想的に見えたりするモンなのです。 ・・・映画のストーリーははっきり言って凡庸、でも史劇だからこんなもんでしょう。おどろおどろしい雰囲気とこれだけの魅力ある主人公、そしてまだ若かりしキャプテン・バルボッサ(ウォルシンガム役のJ・ラッシュ)がいれば十分。 公開年が同じということもあって「恋におちたシェイクスピア」と比べる人が多いようですが、私はこれより少し前の仏映画「王妃マルゴ」をどうも思い出してしまいました。両方アンジュー公が出てたりするし、ね。ドロドロ史劇感はあっちのほうが勝っているけど主人公の魅力でいったらやっぱこっち。恋する絶世の美女より、恋を諦め国家と結婚する烈女(?)のほうがいいなんて、私もまだまだ青いってことなのかな?
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-11-06 17:07:44)
19.  恋におちたシェイクスピア 《ネタバレ》 
オヨヨ、結構評価低いですね、皆さん。わたしゃ好きですけどねこの作品。全くの嘘っぱち、フィクションでコテコテなんだけれど、その出鱈目さのシェイクスピアの作品への絡みが実に絶妙。そもそもは口から出まかせの「海賊の冒険活劇」がいつの間にか悲恋モノの王道「ロミジュリ」へと、無理矢理をぎりぎりのところで押さえた斬新な展開が続いていく。小気味いいじゃありませんか。いやーだウソぉと思いながらも「ほー、そんでどーなんのかね」と惹きつけられるのは多分脚本が上手いからなんでしょうな。そして最後「十二夜」に繋がるラストも爽やか。「十二夜」がハッピーエンドなところもいい余韻を残してくれます。 観終わって「絶対あり得ないけどこんな裏話があったらなんだか嬉しいな」とそんなこと思わせてくれる映画。そこまで思わせるなんて、なかなかない佳作ってことじゃないですか? 
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 17:04:37)(良:3票)
20.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
既に3回チャレンジしたのですが、あえなく3回とも眠ってしまった私・・・1回目は宇宙船のスチュワーデスさんのシーンで、2回目はだらだら子供がしゃべるテレビ電話あたりで、そしてついこの前の「今度こそ!」と思った3回目は宇宙船の中のランニング(?)のところかなぁ・・・いや、こんな私だってラストあたりの「ご飯食べてたかと思ったら急に眠ってたり老けちゃったりするトコ」とか好きだし印象に残るシーンでもあるんですけどねぇ。でもそれについて「だから何?」って聞かれたとしても、その哲学的意味とかは分かんなくて、「まあ『時間』や『空間』って見ようによってはこんなもんなのかも、面白い見方だな」って程度の感想しかないのです。 皆さんが絶賛するその芸術性とか科学的整合性も、どういうわけだか私には「その当時としちゃ画期的だったんだろうなぁ」って程度にしか感じられないわけで、やっぱ肌に合わないってことなのかな。特にラスト。あのラストを「投げっぱなし」と言わずして何を「投げっぱなし」と言うべきでしょうか。もちろん監督としてはその辺を意図しての「投げっぱなし」なのでしょうが、それを上手く受け止められない人が多すぎるような映画は、やっぱ映画としては大事なものが欠けているような気がしてなりません。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-10-31 17:06:19)
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