Menu
 > レビュワー
 > rakitarou さん
rakitarouさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 63
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  アイズ ワイド シャット 《ネタバレ》 
 プチ倦怠期の夫婦の浮気願望をベースに使いながら、一般人の住む「表社会」と超エリートのみからなる「秘密の裏社会」があることを暴露したキューブリック監督の遺作。明るい虹・クリスチアニティ(ツリーに象徴)で表現される「表社会」と暗くサタニズムに基づく「裏社会」の対比がストーリー内に豊富にちりばめられた暗喩で描かれます。「目を硬く閉じて(見なかったことにしろ)」という題名は秀逸。医師のビル・ハーフォードは患者で超富豪のジーグラーのパーティーに妻と招待され、そこでコンパニオンの若い女性達(奴隷階級)から「虹の向こう(裏社会)に行きましょう」と誘われる所から彼の非現実的な旅が始まります。旧友のナイチンゲールから秘密の儀式へ入る合い言葉を知り、裏社会の儀式に迷い込むのですが、そこは、仮面はつけているものの裸身の「奴隷階級」とマントを着た「支配階級」が別れて面妖な儀式や乱交が行われている壮絶な場所。結局ビルは身分がバレて放逐されますが、一般人を入れてしまった者の過ちは死であがなわれます。妻のアリスはパーティーでハンガリーの実業家に二階(虹の向こう)に誘われるのですが、「奴隷」としてか「支配階級」としてかが問題となります。これは後半に妻が話す夢「裸で乱交している周りを沢山の人が見ている」で奴隷階級の方であったことが明らかに。最後の娘のヘレナにクリスマスプレゼントを買いに行くデパートのシーンも小道具の暗喩が満載。遠景にジーグラーのパーティーに出席していた人達(支配階級)が見える所で、ビルが旅の途中で知らずに会っていた奴隷階級の娘達が部屋に飾ってあったぬいぐるみをヘレナは「欲しい」と言って駆け出してしまいます。子供から目を離してはいけない社会で大丈夫か、と思わせる中、妻アリスが「結局なんだかんだ言っても私たち(奴隷階級)はF○CKでもするしかないわね。」というラスト。秘密裏に制作しながら映画公開したものの、公開直後に急逝(映画と同様死亡は事件性なし)してしまったキューブリック監督にこの点で。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-21 18:11:07)
2.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 
グロテスクなシーンや無抵抗の捕虜を殺害するシーンを加える事を戦争のリアリズムの表現と勘違いする傾向が何故か21世紀に入ってからのアメリカ映画に多い。戦争が始まって4年経っているのに新兵が「戦場で人は殺せません」などという事を言うはずがない。米国でも新兵はそれなりの覚悟をして戦場に来るものです。新兵ノーマンはさしずめ現在の戦争と関係のない観客達を戦場に強制的に連れ込んだときに感情移入しやすいように設定された役柄とは思いますが、敢えて捕虜を殺すことをリアリズムと正当化する手法は現在米国が中東で行っている所業を「仕方の無い事」と映画を通して一般人に思わせる意図があるのかも知れません。米軍人をBC級戦犯として裁く人はいないからリアリズムで片付けて良いのだという気の弛みが今の米国人にはあるのでしょう。プライベートライアン以降、映画における戦闘シーンのリアルさ(実はclear viewの度合い-実際の戦場は何が起こっているのか煙や埃でよく見えないというのが本当と思う)は凄い出来だと思います。皆さんが指摘するようにストーリー展開にもリアルさを入れてくれればより卓越した戦争映画になり得たものをと残念に思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-04 13:11:29)
3.  グリーン・ゾーン 《ネタバレ》 
作品中では詳しく描かれませんでしたが、イラクの将軍は米政府と組んでサダムフセインの後を継ごうとしていた訳で、米政府は将軍から大量破壊兵器はないと知らされていながらそれを口実に開戦に踏み切った。どちらが悪かと言えば悪代官と三河屋のようなもので「両方悪」としか言いようがない。主人公のミラーは軍、CIA(将軍を生かす方)どちらに組みしても「悪に組みする」ことになる。それを現地人のフレディの最後の一発で知らされるという「落ち」は物語として理解するにはやや難解かも。政府の欺瞞をマスコミへの告発で正そうとするのは、現在のアメリカマスコミ事情を考えると劇中度々出てきた言葉で言えば『ナイーブ』すぎる希望的結末ではないかと思います。採算度外視で1億ドルかけて作った意気込みにこの点数で。
[DVD(字幕)] 7点(2013-08-06 11:16:25)
4.  Vフォー・ヴェンデッタ 《ネタバレ》 
展開はVと両親を政府によって殺されたイヴィー、政府の中枢の人達とVを追跡する刑事を中心に描かれるのですが、どこか舞台演劇のような作風で割と狭い空間内でストーリーが展開してゆきます。敢えて安穏に暮らせる日常を捨てて強権的な政府に楯突く道を市民が選ぶようになる経過はイヴィーがVに捕われて擬似的?拷問を受けながら、困難な自由への道を選択するという過程に暗喩されていて、全編を通じてVの芝居染みた台詞や象徴的な展開・表現が多いこと(倒される政府中枢の人少なすぎ?とか)からこの映画の好き嫌いや評価が分かれる所だと思います。Vは超人的・暴力的で、それは原作に従って漫画的なのかも知れませんが、権力は嘘をつくもの、国家権力による管理社会は個人の自由を平気で侵害するもの、自由は国民皆が意識を持って改革を迫らないと得られないもの、といったメッセージは十分伝わるし、ここに描かれた国家の姿は多かれ少なかれ、我が日本を含む現在の世界中の国家権力の姿を反映していることも理解できます。そういったメッセージ性を評価してこの点数で。
[DVD(字幕)] 7点(2013-07-22 19:38:01)(良:1票)
5.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
穿った見方とは思いますがこの映画、キューブリック流「真・善・美」の解釈のように思いました。中世のカソリック、プロテスタントが交錯した国々を描く中で宗教問題は完全にスルー、牧師のラントは教育係に徹してます。つまり「真」は今も昔も不確かなものとして相手にせず片付けられています。淡々としたナレーションと現代人の我々が主人公に感情移入できない構成、しかも善悪の判断を描かないことで、何が「善」であるかも不確かなものと解釈していると思います。平民、貴族それぞれに善悪の解釈が違うし、現代人の観客とも違うと見るべきでしょう。一方で中世の城なんてもっと不潔きわまりないものだったはずですが、「美」については映像全てを壮麗な絵画の中で描くように徹底的に追求しています。虚実や善悪は人間が死んでしまえば同じでたいした問題ではないけれど「美」だけは永遠であるという監督の主張が最後のナレーションによってさらに強調されたようにも感じました。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-05-04 18:46:56)
6.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
数少ない場面設定とはめ絵のような航空シーン、僅かな屋外の戦闘シーンで構成されていてどこか舞台演劇を見ているような印象をもってしまう。それだけにこの場面設定で世界の運命が決まってしまう怖さを感じました。しかし皆さんご指摘のように映画の原題にもなっているストレンジラブ博士の出番が少ない。それでも彼のラストの喜びようを考えると酒池肉林ということの他に「第三帝国を滅ぼした米ソ自ら、そして少し英国がからんで(派遣将校)とうとう総統閣下の野望を達成しましたぞ」という意味があるかも。そう考えるとあと一役ピーターセラーズが演ずるとしたらソ連の大使かソ連首相だったかも知れませんね。
[DVD(字幕)] 8点(2007-02-13 13:37:57)
7.  空軍大戦略 《ネタバレ》 
航空ファンの私にとって小学生の時初めて見たこの映画はバイブルに匹敵します。全て実機を飛ばし、絶好のロケ日和を選び、ドイツ側も公平に描く。これ以上の映画は見た事がありませんし、多くの航空映画のみならずフライトシミュレーションゲームもこの映画に感化されています。勿論DVDも買いました。10年ほど前英国の友人が「毎年この時期(7月終わり頃)になるとこの映画をテレビで恒例のようにやるよ」と話していたのを思い出します。英国は陽が沈むことがない帝国であったのに、第二次大戦を機会に多くの植民地を失い没落しました。あろうことかここで描かれる時はまさに新興ドイツに本国が負けそうであったのです。この映画でも「我々は敗ける」という台詞が何度も語られるのですが、当時の英国人は100年以上語る事のなかった台詞でしょう。第二次大戦の戦勝国なのに没落した国としての忸怩たる思いを戦後の英国人達は持っていたはずです。この戦いでは少数の英国空軍パイロットの活躍で窮地を脱するのですが、映画の節目節目で出てくるスピットファイアの勝利の旋回(victory roll)はこれを見ている1970年の英国人達にそれとなく「我々はやれる」という過去の栄光を復活させる勇気を与えようとしているかに見えます。(1回目は今はそれどころではない、2回目はまだ早い、そして3回目は?)ドイツを悪や卑怯者として描かず、どちらも正々堂々の勢力として描いた目的もそのあたりにあるのかも知れません。皆さんご指摘のようにあまり脚色をせずに史実を忠実に描き込む映画が少ないだけに素晴らしさが光ります。
[DVD(字幕)] 10点(2006-12-27 19:59:42)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS