1. あなたを抱きしめる日まで
《ネタバレ》 かなり多くのテーマを内在しながらも、それらを重すぎないタッチで描き切った良作でした。タイトルと予告編を見る限りではかつて幼少期に手放した息子を探すヒューマンものかと錯覚しましたが、ふたを開けてみると宗教やジャーナリズム、移民、同性愛、といった様々なトピックが入り組んだ実話を、抑制の効いた展開で見せてくれる小品でした。 メインテーマはやはり規律と伝統を重んじるカトリック教会な犯してきた「罪」にありますが、人がおもしろがりそうなエピソードをとってつければ「記事」という名の商品を量産してしまう現代のジャーナリズムのあり方も描かれている点に、わずかながら興味と好感をもちました。ジュディ・デンチの安定感ある演技はもちろんのこと、当初のやっつけ気味なスタンスから想定外の展開に徐々に熱量を高めていく記者をスティーブ・クーガンが好演しています。 本作は「宗教など幸せな人生には必要ない」と言い切る記者の視点で進むため、宗教や修道院はいかにも閉鎖的で悪者として描かれていますが、本当に彼らを全面的かつ心の底から糾弾してよいものなのか、個人的には腑に落ちない部分もありました。私自身は無宗教ながら、宗教が人の生活に与えてきた影響や歴史は否定できないものがあります。破壊活動に手を染める盲目的かつ危険な集団が宗教の名のもとにいくつも結成されてきた一方で、人がもつ道徳観や秩序が様々な宗教の影響によって作られてきた歴史もまた事実です。 カトリックのように一見まともな宗教であっても、頑ななルールと判断基準をもつ信者やその行動が、移ろいの早い現代の時流に照らすと時代遅れに見えたり、異常に見えたりすることは出てきます。ただ敬虔すぎる精神を持ち合わせるがゆえに現代社会の中で正しい判断ができなくなっている宗教家もまた、ある意味では被害者なのかもしれないと感じる部分もあります。どう社会と宗教はギャップを解消していくのか、「裸足の季節」を見たときにも陥った虚無感が本作の鑑賞後にも残りました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-13 00:51:44) |
2. わたしを離さないで
カズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞に合わせて観賞しました。テーマが深く重い分期待値も高かったのですが、映画は淡々とした描写に終始しており、そのテーマの重さを取り扱い切れていない感がありました。よく表現すれば演出に抑制がきいていると言えなくもないのですが、本作に関してはどちらかと言えば適切な抑揚を欠いているという表現の方が正しいと思います。臓器や体の一部を提供する運命に対する登場人物の中での納得感が高すぎる点は、ある意味そうした設定なので仕方がないとしても、提供までに彼らに訪れるライフイベントやドラマがやや希薄すぎる気がしました。描かれているのは少し淡泊めな友情と恋愛だけで、せっかくキャシーは介護人という職業についているのであれば提供を看取る中での多くのドラマもあったのでは?という印象です。端的に言えば、原作の提示しているテーマに映画が勝っていないというか、うまくそのテーマを料理できなかった作品というところでしょうか。しかし見たものに重要な倫理的な問題を提起し考えさせるという点に関してはある意味成功している作品かもしれません。 [DVD(字幕)] 4点(2018-01-07 22:05:10) |
3. ダンケルク(2017)
公開翌日に鑑賞。ノーラン監督のファンであればあるほど、評価の分かれる作品ではないかと思います。過去のSF作品では観る者の圧倒的な期待感を、それすら上回るおもしろさでねじ伏せるパワーがありました。登場人物が5人いれば5通りの目的や狙いがあって、そうした複雑さやリアリティが作品に多面性や重層感を与えていましたが、本作はそうではありません。史実を極力ねじ曲げることなく、各戦士の匿名性は高く、無駄なドラマや感動は排されています。これまでの作品から想起される期待感とのズレが大きければ必然的に評価は厳しいものになるでしょうし、私自身このパターンでした。どうしても肩透かされた感が拭えなかったというか、作品に入り込めなかったというか。。 それでも品質の高い映像美や、ノーラン作品では定番の三元中継的な展開が全編にわたる緊迫感ある構成はもちろん見どころとして健在で、そうしたポイントに「乗る」ことさえできれば、満足度は高いものになるでしょう。才能豊かな監督が戦争映画という新たなジャンルに挑戦した作品として、映画史の中でもノーラン監督史の中でも、この先末永く語られる作品になっていくはずです。 [映画館(字幕)] 5点(2017-10-10 00:15:27) |
4. インターステラー
《ネタバレ》 3時間近い長さを、飽きずに魅せる力はさすがでした。ただ3時間必要な物語だったかといえばやや別の話で、特に長く感じたのはエピローグ部分。あそこに時間を割いて物語をキレイにまとめてしまったのはやや興醒めでした。個人的にはInceptionのようにエンディングはぼやかして余韻を残してもらった方が好みですし、その分の浮いた時間をNASAに迷い込んでから宇宙に出発するまでの、家族内の描写に使ってほしかったです。各シーンを丁寧かつ凝った描写をする分、上映時間が長くなりがちなところがノーラン監督の欠点だと思っていますが、本作もそうでした。また配役についていえば、マシュー・マコノヒーは本当にクーパー役にベストなキャスティングだったのか?やや疑問。 一方でノーラン作品に多い、細かくカットを入れて複数のシーンを切り替えながらテンポよく魅せる演出は健在で、映像の美しさや魅せ方もさすがです。わかりやすいとは言えないストーリーと、先が読めない展開も彼の作品の魅力的な点であり、資産の一つだと感じました。TARSのような、目や心を惹きつけるキャラクターの設定も素晴らしく、映画に対するセンスの高さが現れています。新作がリリースされるたびに必ずチェックしておきたい監督の一人です。 [映画館(字幕)] 6点(2014-11-30 03:12:12)(良:1票) |
5. スラムドッグ$ミリオネア
近所の劇場で上映していたので観賞してきました。御伽噺と言ってもいいくらい,悪い表現ではうまく纏めすぎとも言えそうなほどの物語でした。主人公の幼少期から青年期までの人生を,クイズというメディアを用いて炙り出すという発想の良さや,純愛一辺倒にならずインドのスラムの悲惨さという社会風刺を込めた部分が,私はとても気に入りました。最新デジタル一眼レフカメラの動画撮影機能を駆使して撮られたともいわれるバイタリティに満ちた映像を見ても,本作が平凡な人生活劇に収まることなく世界的な評価を獲得したことに納得がいきます。個人的にはラティカの哀愁を帯びた大人びた風貌よりも,青年ジャマールの純粋さやひた向きさ,また彼の表情が持つあいくるしさのようなものにすっかり心を奪われてしまいました。最後のダンスもこの映画のもつ後味の良さを増幅させてくれたような気がするので,とても好きです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-20 03:03:57) |
6. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 メインの2人はあの現場でこそ敵対していましたが,もし戦地でないところで出逢っていたらどうなっていたのか…なんて考えると,きっと映画中の会話で出てきた共通の知り合いの話やなんやで気心の知れた2人になっていたような気がします。特に恨みつらみはないけれど相手が自分を殺そうとするから相手を殺そうとする,相手に取っても同様であり,戦争の虚しさの縮図がこの2人の関係性に集約されているように思いました。平和のために活動しているはずの国連はただのマスコミの取材の標的という存在に成り下がっているし,マスコミは平和をただ口で訴えるだけで何の役にも立っていない。特に憎いわけでもないのに殺し合おうとする2国の兵士,意味のない国連や地雷撤去部隊,何も面白そうなネタがなければそそくさと帰るマスコミ,そして極めつけは全世界に取り残され動けなくなった兵士。全てがこれ以上ない強烈な風刺であり,戦争映画としてはかなりの傑作だと思います。派手なドンパチはありませんが,戦争の無価値さを訴えるのにそんなものは必要ないことを証明してくれました。 [DVD(字幕)] 9点(2007-11-25 04:06:57) |
7. ユナイテッド93
機内の臨場感や緊迫感にはただただ圧倒されるばかりでした。人間臭くテロリストを描いたこともよかったように思います。テロに立ち向かった乗客の方々の遺志が,映画という形で反テロを歌う作品として後世に残るものになったということがまず意味があるように思いました。それだけに管制塔のシーンが長く,いやに緊迫感ない仕上がりになっていることが残念です。管制塔でWTCに飛行機が突っ込んだ映像を見るシーンであったり,応答のない飛行機へ応答を求め続けるシーンであったり,「演技っぽさ」が非常に鼻についてしまい作品全体のバランスが崩れているように思いました。しかし,監督のこの作品への意欲・情熱が溢れんばかりに機内のシーンに注ぎ込まれており,あの忌まわしいテロ事件をリアルタイムで見ていた人の誰もが見るべき作品であることは間違いありません。 [DVD(字幕)] 4点(2007-08-09 00:27:27) |
8. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 皆さんも言われている通り前半と後半ではまるで別の映画ですね。繋がりもなければ場面も全く違います。前半で描かれる,ただひたすらに敵を殺す機械を作る軍隊はある意味では戦場よりもつらい場所なのかも知れません。恐ろしい軍曹がいて,ヘマをすれば連帯責任,原因になったうすらデブはいじめに…本番の戦争以前に,この時点で人はなんて非生産的なことを時としてしまう生き物なんだと思わされますね。前半のパワーが圧倒的なのは言わずもがなですが,意外と私は後半も嫌いではありません。楽しげな戦場で売春婦を束の間の楽しみにする戦士・一転やってくる敵の奇襲,まさに戦場というのは正気と狂気の入り交じった場所だと思った最後にそれを最も簡潔に象徴したかのようなミッキーマウス・マーチの行進…いやーやられました。キューブリック作品でも1, 2を争うくらい好きな作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-17 05:54:37) |
9. ターミネーター3
《ネタバレ》 僕らはこんな映画が見たかったわけじゃない,という映画の続編の典型ですね。私もターミネーターファンの端くれなので,こんな映画をターミネーターとは呼んでほしくないです。お前誰よ?と言いたくなるような違和感剥き出しのジョン・コナー,機能的には2から近年の携帯電話レベルのマイナーチェンジしかしていない敵役のターミネーター,また昔は好きだったクレア・デーンズが久しぶりに見たらすっかり老けてしまっていたこともショックでした。敵を前回より強くするのはわかりますが,ここまでくると逆に強くなっていないシュワちゃんが頼りなく見えてくるのも残念です。しかもT-Xの最期は,あんなんだったらT-1000なら復活したのでは?みたいなやられ方なのも消化不良。昼間のシーンが中心で緊迫感が全く引き出せていない点や,途中のジョークにもセンスがない点,監督はこんな作品で前2作に勝てるとでも思ったのでしょうか?お話になりません。序盤のアクションシーンに3点。 [地上波(吹替)] 3点(2007-07-01 22:40:29) |
10. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 前半はさすがティム・バートンの世界といった感じでなかなか入り込めたのですが,工場の中に入ってからは新鮮味が足りず少し見飽きてしまいました。原色で作り出したせっかくの世界が,ヘタなCGにバランスを崩され台無しになっているのも見るに耐えませんでした。教育色を強く出した感じはさておき,最後のウォンカ親子のエピソードは完全に蛇足な気がします。子供に対しては「あまりわがままはいけません」,子を持つ大人に対しては「子供を甘やかしすぎてはいけません」,某世界的歌手に対しては「子供を夢の国へ引き込んでいたずらしてはいけません」この映画のメッセージはこんなとこでしょうか。「ビッグ・フィッシュ」でも同じような家を見ましたが,個人的にはチャーリーの家の傾いた感じが好きです。 [DVD(字幕)] 4点(2007-06-05 02:01:25) |
11. バリー・リンドン
《ネタバレ》 個人的に自然物の映像美は下手な映画監督の手にかかると安易になりがちなので、人工物による手作りな感じの映像美の方が好みなのですが、さすがはキューブリック、この映画のフィルムは美しいですね。大自然と対比させ、レドモンドが所詮世界の中ではただの一人の人間でしかないことを再三印象づけた後の、最後のダメ押しのようなあの一言はさすが心に響きました。模範的でない人物が登りつめ、結局は失墜してしまうストーリーを決して道徳的だったり説教じみた演出ではなく、人生の無常観をして鮮烈に観る者に与えてくれる作品です。長さを感じさせない演出も見事ですが、最初にレドモンドが恋した従姉が、ある時期を境に一度として風の噂にもならなかった辺りがレドモンドの変わっていった現実さを象徴している気もしました。まぁ終盤でまた例の従姉が登場したら随分と陳腐な映画になってしまっていたでしょうが。 [DVD(字幕)] 7点(2007-04-10 01:40:47) |
12. 2001年宇宙の旅
宇宙を移動している間の冗長な映像はさておき、未来を予言したかのような21世紀の描写はひとつの芸術品と言っていいでしょう。細部まで練られたインテリア、無重力空間の視覚効果、窓から見える宇宙空間の幻想的な脈動…それら一つひとつが息を呑むほどの力を持っています。観る者全てをまさに宇宙の旅へといざなう、歴史的作品ではないでしょうか。キューブリックは音楽を巧みに使うのは勿論ですが、この映画ではHALの叛乱というサスペンス要素を静かに際立たせる上で、沈黙を随所に挟むことによって誰もいない宇宙空間での人間と人工知能との闘争を、見応えたっぷりに魅せることに成功していると思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-10 01:20:54) |
13. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 うーん、キューブリックファンを自称している私としてはかなり期待していたのですが、残念ながら私の好きなキューブリックではありませんでした。ブラックテイストの利いたシニカルな描写は相変わらずでしたが、いつもの圧倒的な映像美が観られずがっかりでした。飛行機の飛ぶシーンは元より、とりわけ爆弾と共に少佐が落ちていくシーンは映像までもがコメディタッチになっていて、当時の技術ではしょうがなかったのかもしれませんが納得いかなかったです。せいぜい会議室での独特なアングルからのカメラワークが少し見所があったくらいでしょうか。しかしこの時代にこういった世界情勢を食いモノにしたような作品が作られていたとは驚きです。英空軍大佐が公衆電話から大統領に連絡をしようとするシーンや、会議室でのソ連の大使とアメリカ首脳とのやり取りも傑作でした。特に最後の「歩けます!」はツボです。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-04-10 01:05:51) |
14. 日蔭のふたり
《ネタバレ》 安易な部分もありますが、自然を生かした映像が非常に美しく、イギリス映画ならではの叙情的な映像の魅せ方というのがよく出ていたと思います。反面ストーリーは明るい部分がほぼゼロで、何とも暗い気分になりましたが個人的にはこういったお話も嫌いではありません。途中、無駄にブタを傷つけたり、スーの出産シーンがやけに生々しかったりと、こんな描写が必要なのかといいたくなるような場面が随所に見られ、映像面以外の部分は意外と粗い気がしました。また登場人物の心情の変遷が不連続だったり、アラベラが不要な場面にも登場したりしたのもどうかと思いながら見ていました。しかし婚姻という関係で愛を圧しつけられるなら逃げる、結婚していなくても恥じることはないと言っていたスーが、子供たちの一件の後ラストではジュードに婚姻上の妻であるアラベラのもとに戻れと言った心境の変化は非常に共感できるものがあり、この物語の負の部分を象徴しているような気がしました。 [DVD(字幕)] 4点(2007-04-04 19:11:43) |
15. 時計じかけのオレンジ
とにかくお見事の一言に尽きますね。この映画で初めてキューブリック作品に触れましたが、今にも溢れ出しそうなほど画面の隅々に満ちた天才的な感性、人の視覚に強く訴えかけてくるようなビジュアルなどに、ただただ驚かされるばかりでした。CGに頼らない未来像の描写や、圧倒的な映像センスは全編を通して一貫としています。しかし暴力や性犯罪に対する描写が少々私には過激だったようで…しかもそういったシーンが多いですね。そこらへんも逆説的・婉曲的に描けなかったもんなんでしょうか、ってとこです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-13 03:07:30) |
16. 恋におちたシェイクスピア
何といっても事実と虚構の絶妙な融合に尽きると思います。歴史に記された実際のシェイクスピアの人生に重ねて描かれる歴史には残らないような恋愛。この部分のテクニカルさは確かにアカデミー賞に値するのではないかと思いました。しかしグウィネスの男役があまりしっくりこなかったり、内容的にも盛り上がりに欠ける映画であったことは否めません。あと(この映画に限らず)歴史モノは衣装や舞台にこだわって当然、と思っているので、その辺も評価外です。 [映画館(字幕)] 5点(2007-02-18 01:03:41) |
17. ギャング・オブ・ニューヨーク
《ネタバレ》 前半のレオナルドが復讐を企み、投げたナイフが防御され失敗に終わるところまではなかなか見応えがあったんですが、その後は一転別のお話かと思うほどテンポの悪い展開に驚きを隠せませんでした。冗長に引っ張り結局スカッとする終わりでもなく観賞後はこの映画に対して怒りを覚えてしまいました。前半部だけに加点してもよかったのですが、後半で前半積み上げてきたものが台無しになっている感が強く、一つの作品として捉えたときにこの映画に与える点数はありません。 [ビデオ(字幕)] 0点(2007-02-05 19:03:57) |
18. イングリッシュ・ペイシェント
《ネタバレ》 最近DVDで再見しました。思った以上に忘れている箇所が多く、改めて新鮮な気持ちで見ることができましたが、やはり大した作品ではないですね。無駄に長伸ばしした展開や、不倫を美化したような描写、友人を裏切った事実に罪悪感のない主人公も鼻につきました。サイドストーリー的なハナの恋愛もあそこまで時間を割く要素は見受けられません。戦時中という時代設定も、(ハナの物語は別として)アルマシー側の回想部ではラストの拘束される場面以外に必要性を感じませんでした。ただ映像が以前は気づかなかった部分で美しく感じたのでよかったと思います。 [DVD(字幕)] 3点(2007-02-04 21:58:48) |
19. ホテル・ルワンダ
安易に暴力的な描写を用いず、それでもルワンダの内戦を確と伝えた部分が映画としてよくできていると思いました。何が憎くて殺すのか、何の罪があって殺されるのか、殺される人々は生きていたところで何をしでかすというのか。内戦を含め戦争というのはいつも理不尽です。ドン・チードルがホテルの屋上で奥さんに「敵がやってきたら何も考えず子供を抱えて飛び降りろ」と言っていたのが、女を愛する男の気持ちを何より表しているような気がしました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-02-02 12:16:49) |
20. グラディエーター
《ネタバレ》 舞台や衣装、ストーリーなど総合的に完成度が高い映画だと思います。ラッセル・クロウは個人的に嫌いなのですが悔しながらかっこよかったです。ちょっと兵士として完璧すぎる気もしましたが、前半のマキシマスの家族が殺され覆面兵士となってから後半の直接対決まで、気を抜くことなく楽しめました。ただ歴史もの、というよりはヒーローものの舞台を歴史上に移したという感が強く、どうも現代的な作風になってしまっていたのは少々残念です。またマキシマスが家族と再会しているかのような最後のシーンは、薄っぺらい演出に見えて非常に興醒めでした。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-29 07:06:21) |