1. ラブリーボーン
《ネタバレ》 予告編は明るい雰囲気だったので、殺人というエピソードはあるものの何か爽やかな映画なのかと勘違いして見に行きました。 物語は死後の場面から始まるのかと思いきや、スージーが死ぬまでのプロセスがじわじわ描かれ、性犯罪や猟奇的な題材は最近めっきり苦手になった私は、うんざりしながら鑑賞。 犯行場面そのものが詳細に描かれているわけではなく、イメージや連想させる手法ですが、私には十分でした。女性、それも全く抵抗力のない少女に対する暴力...かなり残酷で、知ってたら観なかった...と思いました。まさに穴の中に入って行ってしまったスージーと同じく、後悔しても遅かったです。 また、ロード・オブ・ザ・リングのピーター・ジャクソン監督ということで、すかっとするような壮大な風景が観られるかなと期待していたのですが、それほどでもなかった...。舞台をあの世とか天国に設定すると、結構イメージはありきたりで広がらないものなのかも。 犯人役の最期もとってつけたようで、観客サービスみたいな感じがしましたが、まったく納得いかず、消化不良な感じでした。死というものを軽々しく扱ってるなぁという感じが否めません。 死後も魂は生き続けるどうこうというモチーフがなんだか全然効いてませんでしたね。そういう系の映画ならスピルバーグの「オールウェイズ」の方が数段ましだと思いました。 ただ、主演のシアーシャちゃんの、今しか出せないであろうキラキラ感がよかった。彼女がとっても可愛かったです。 ちなみに死後の世界とか言って、あまりにも人生や生というものを都合よく考える人たちが多すぎると思います。死んでもまた会える、なんて本当に甘美な思想でハマる人はハマってしまうのでしょうが。 [映画館(字幕)] 5点(2010-04-02 22:20:09) |
2. ワンダとダイヤと優しい奴ら
《ネタバレ》 私にはツボです...マヌケの全てを知りつくした人が書いて、演じてるハイセンスな映画。うすっぺらいパンに、シンプルな具材を分厚くサンドしたイギリス風のサンドイッチを思い出すような作品。 うすっぺらいパン、というのはタイトルにもなってる、ワンダと名付けた魚をこよなく愛するオッサン(ケン)のエピソード。これがきちんと冒頭と結末に来て、物語をサンドさせてるところが、何とも言えず好きです。 タイトルが出る時、おサカナがクローズアップするところで爆笑。 原題「ワンダと呼ばれた魚」から見れば、この映画の真の主役は、実はこのおサカナなんですからカメラ目線のワンダ(魚)のクローズアップを投入するのは道理ですよね。 たまりません(笑 その際流れる音楽も、ソープオペラ&メロドラマ調で最高です。 この映画はこんなにも下らないんですよ~と暗に華々しく発表されてる感じでときめきます。 私が最もツボなのはアーチーの奥さんのキャラ(ウェンディ)。 彼女とケヴィン・クライン演じるオットーとの掛け合い、最高。 オットーが口ごもりながらテキトウに言ったおかしな偽名を、しばらく経ってから完璧な再現で呼び掛けるところとか! 残忍な目をしたアメリカ人の単純バカ男を演じているケヴィン・クラインも出色だったし、アーチー役のジョン・クリーズには言うことないし、ケン役のマイケル・ペイリンもうますぎるなぁと。 人を嘲笑するのじゃなく自分を笑う類の笑いのセンスがベースだから安心して笑ってみていられました。 ジェイミー・リー・カーチスのいかにもアメリカ美人を強調したダサ系なファッション、面白いです。ほしのあきみたいなスレンダーに爆乳なグラマーぶり、すごかった。 トゥルー・ライズもまぁまぁだけど、やっぱり彼女はこの作品が一番輝いてますね。 [地上波(字幕)] 9点(2010-03-30 01:32:09)(良:1票) |
3. Dr.パルナサスの鏡
《ネタバレ》 どんな感じか予想できていたので、観に行こうと思いつつ、腰が重くなる一方でしたがヒース・レジャーの最後の出演作だし、もしかしたら意外に面白いかもしれないしね、と少ない期待を抱きつつようやく観にいきました。 感想は...だいたい予想通りでした。予想をちょっと下回った。。。 動く絵画展、みたいな感じで楽しめばいいのかなと思います。 ジョニー・デップ以外のシーンでは、顔が変わる必然性がシナリオの展開にあまり組み込まれてなく、やっぱりヒースの不在は苦しかった。 テリー・ギリアムワールドの忠実な映像化には膨大な予算が必要だなあと思いました。予算不足と折り合いがつけられない監督なのかな、という印象があります。 ともあれ、何かと製作上のトラブルが多いギリアム作品が、ぶじ日の目を見れてよかったです。 ワールドを表現するのに、監督が自分だけでできる方法(絵画や小説など)とか、小規模な製作(フィギュアとかアニメとか)を見つけることができれば、ギリアムワールドがもっと世に出れるんじゃないか、なんて思いました。 ストーリーもグダグダ感があったのですが、脚本も監督なのか....。 [映画館(字幕)] 5点(2010-03-03 23:23:26) |
4. バーン・アフター・リーディング
《ネタバレ》 予告が良かったので、海外DVDを購入して鑑賞。 感想は、「コーエン兄弟ってどんだけ...」。良きにつけ悪しきにつけ、どこか謎めいていて、かつそれを解き明かしたくなるコーエン兄弟映画。でも絶対にヒミツを教えてくれなさそうな... 前作「ノーカントリー」の面白さを、ほとんど解さなかった私ですが、今回の作品には笑いました。 シリアスな場面が、最終的には滑稽かつ笑えるシーンになり、結局、全体的に笑えてしまう。このオセロマジックを、兄弟はどうやってかけているのか...別録りした笑い声が流れるワケでもなく、役者もことさら笑いを取ろうとしてないのに、この可笑しさはどこから来るのか...。 見るからにコミカルに演じている監督夫人のマクドーマンドさんとブラピは、実はそれほど面白くなくて、一番笑ってしまうのは、一見まったくコミカルに演じてないジョン・マルコビッチ演じるオズボーン氏と、ティルダ・ウィンストン演じるその妻のシーン。これは何度見ても可笑しかったです。 考えてみると、ギャアギャア言う早口女性と、ボケラーとした男性という組み合わせは、コーエン映画によく登場するので、彼らの得意な分野(?!)なのでしょうね。 オズボーン夫妻のあまりに関係の破綻したさま...あっけにとられつつ、やはり笑い。 夫「大変なことが起きた」妻「頼んでおいたチーズは取ってきたのっ?!」 夫「...疲れたんだ」妻「はァ?どうして??」 夫「ずっと官僚主義と闘ってきて、うんぬん」妻「私の年金とかはどうなってるの?」 そんなに面白い会話でもないはずなのに、なんで笑っちゃうのか。 そして、なぜ、コーエン映画は深い感じがするのか? 謎はつきませんが、おいおい考えていきたいと思います。 あと、 ジョージ・クルーニーが、とてもカコワルいのですが、よく見るとシャツをやたら股上の深いジーパンの中に思いっきりイン状態にしていたりする...感慨深いです。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-03-07 03:09:30) |
5. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 前作を見ておかなければならないというのがちょっと面倒でしたが、そこはやはりダニエル・ボンドの魅力に負け、きちんとDVDで予習してから映画館へ行きました。 出だしの、いつもの007調のエロファンタジーCGを見て、前作に比べ予算がとっても増えてる感じに期待と不安が入り混じったのですが.... フツーのアクション映画という感じで退屈しました。ダイハードの3以降みたいで、死ぬ気が全くせず、スリルがない。なんか何もかもキマりすぎ、カッコよすぎ。 あまりボンドが活躍しなかった前作の方が、むしろボンドの人間的魅力が感じられてよかった。 内容に全く関係ないんですが、最も気になってしまった点。露出ファッションが主なオルガさんの背中の、微妙な皮膚の異常。見ながら、一体コレは何?と考えてしまいました。日焼けしすぎたあとの皮ムケのようにしか見えなかったので。伏線になる、「醜い火傷あと」という作りでは全くなく。スクリーンでもわかりにくかったので、DVDだったら全然わからないのではないか。もしかしたらホントに日焼けなのか、今も確信持てませんが、撮影で日焼けムケ背中ってあり得ないし。リアルすぎたんでしょうか? オルガさん、アクションシーンが結構よかったです。女優さんがアクションうまい場合は大抵、練習の成果みたいな型にはまった動きだし、ヘタだと「モデルが女優がんばってる」という感じで現実に引き戻されますが、オルガさんはそのどちらでもなかった。運動神経のとてもよい女性、なかなかやる~!という感じでリアルでした。 [映画館(字幕)] 6点(2009-03-07 01:09:46) |