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1.  アルバート氏の人生 《ネタバレ》 
P-12。残酷なシーンがあったら嫌だな、と思いつつ観に行きました。主人公のアルバート氏がどうして男として働く道を選んだのかは、大体予想がついたので。  舞台から映画への変換が、ちょっと上手く行ってない感じも…。カットが悪いのか繋ぎ方が不味いのか、話の展開の仕方に間の悪さを感じるのが残念。話自体も駆け足な印象はあります。113分だからもう少し尺を取れなかったのかな…。 ただ、淡々としたロドリゴ・ガルシアの撮り方は良かったように思います。  誰かが死ぬとどうしても悲しい気分が続いてしまう人には、お勧め出来ない作品かも知れません。  男装するグレン・クローズは、メイクや髪型、演技は素晴らしいけれど、目の優しさ、頬や声の柔らかさが、やっぱり男性には見えない。それが残念なのではなくて「ああ、やっぱり女性なんだな…」という不思議な実感でした。 もう一人の男性として生きるジャネット・マクティアも身長は立派で、体格も立派に装っているのですが、やっぱり目や声が女性。 男性っぽい仕草は、ジャネット・マクティアの方が上手かったように思いました。  暴力によって人生が変わり、暴力によって人生が終わる主人公アルバート氏の人生を、どう受け止めるかは個人によって違って来るかも知れません。 恋愛に対してひどく真面目なんだけどアルバート氏のちょっと、かなり的外れなやり方に腹立たしく感じる人もいるだろうし、それも理解出来るのです。  ただ、美しい娘であるヘレンの心が(同性とは知らなかったけれど)アルバート氏に動いたあの扉のシーン、そして最後の「この子はそうならないようにしよう」と微笑んで言ったヒューバートの台詞が、厳しい時代を懸命に生きたアルバート氏の人生にも意味はあったのだと、確信出来るラストでした。  パンフレットのインタビューを読む限り、主役のグレン・クローズもそう願って製作されたみたいなので。 最後に少しだけ、アルバート氏に「良かったね、無駄じゃなかったよ」と言いたくなる作品です。
[映画館(字幕)] 6点(2013-04-27 00:22:00)(良:1票)
2.  ファニーゲーム U.S.A. 《ネタバレ》 
前作は未見。セルフリメイクであるさえ知らずに観てしまったのですが、この作品が同じ監督でリメイクされたことに、何と言うか一番の不条理さを感じました。撮り方は綺麗だと思うんだけど、やはり展開が。え?それがなに?という感じで、10年も経てば前回では衝撃的だったはずのあの巻き戻しもやっぱり古臭いわけで…多分、同じリメイクでも今なら今のもっと上手い演出や練り直し方をする人を選べたような気がします。不愉快!と叫べるほどやられた感もないし、登場人物達がグルグル引っ張られた時は『あ…そういう展開なんだ…』思わず反応に困って目を伏せたくなるような、妙な無力感さえありました。なるほどなー、10年前だったら苛々したりびっくりしてたかも知れない。不思議と監督の他の作品は観てみたくなったので、この点数です。
[DVD(字幕)] 3点(2010-03-28 22:51:25)
3.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
あれ?大昔に流行ったマフィア映画のインド版?のような気がしなくもないし、司会者だけが悪者っぽいテレビ業界やらストーリーはちょっとばかり、いやかなり現実味に欠ける気がするけれど、過酷な生活の中で得た知恵と愛だけを信じて無知ゆえに全力で前へ進むパワーは否定出来ません。特に子役の2人の生命力は本当に素晴らしい。それだけに自分の中でも評価が分かれます。 個人的には、スラムに生きる闇の部分を一人で背負う形で現実に埋もれて行った兄サリームを責められず(そもそもの事の発端は弟ジャマールだと思うので)その分だけ悲しかった。 この展開はありえないわー的冷静さと、少しずつみんなの希望になって行くジャマールと美しく成長したラティカにどうか頑張れと願う波が交互にやって来る忙しい構成でした。もう少しジャマール側にも迷いとか苦悩があれば良かったかな。 冷静に考えると結末の更にその後は危険な道のりだとは思うのだけれど、ようやく手に手を取ることが出来たふたりを祝福したくなる映画です。ラストのダンスは、ジャマールの足がすらっとして長くて本編以上にかっこよかった。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-19 00:34:27)
4.  ターミネーター4 《ネタバレ》 
硬派な娯楽映画、というのはちょっと変だけど絞って作られていたように思います。前作までのシリーズを観ていないと、どうして真っ裸のムキムキが突然登場するのか分からないし、実は誰が誰の父親でその父親が実は~的な未来と過去を行き来する時間の流れも分からない。あくまで続編の続編です。けれどさくっと冒頭から現れるタイトルや敵側マシンの抑えた色合い、それに合わせるように歌曲を一切使っていない(よね?)BGMが気に入りました。最近多用されている、これでもかと畳み掛けるような歌声にスローモーションという演出にちょっと飽きていた部分があったので。マーカス・ライトという新しい、向こう側にはなれなかった人間臭いターミネーターを登場させることで更なる可能性を探ろうとしているのですが、そのせいで人間側のリーダーであるはずのジョン・コナーが脇役、悪者っぽく見えてしまうのが残念。ラストもマーカス的には救われたのかも知れないけど、こんな設定を新しく付け加えていいのだろうか、という戸惑いもあります。引き締まった顎は未来の戦士っぽくてかっこいいクリスチャン・ベイルなのですが、未だに痩せ過ぎな気がして心配なのは余計なお世話でしょうか。全体的に6.5くらいなんだけど、バーンと登場したムキムキが色んな都合で速攻人間の形でなくなってしまう展開にちょっと笑ってしまったので7点。続編があれば観に行きます。
[映画館(字幕)] 7点(2009-06-14 05:06:45)
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