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 > アラジン2014 さん
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プロフィール
コメント数 731
性別 男性
自己紹介 ソフト化されたタイミングでのレビューが中心です。2008年、子供の頃から夢だった自宅シアタールームがついに実現しました。(100~110インチ程度、音響2.1ch)できるだけネタバレせずに書いていますので文章がおかしい場合もあると思いますが、暖かい目で見守ってやってください。(2014初登録)

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1.  チャップリンのニューヨークの王様 《ネタバレ》 
チャップリン最後の映画ということでしたが、イマイチ何を描きたかったのかよく判らない作品になっています。色々と考察等読んでみると、どうやらアメリカの政治や社会に不満があってそれを皮肉っているようですが、イマイチそれも届いていないように感じます。そもそもアメリカを追放された後にそのようなメッセージを発しても負け惜しみにしかならず、このようなことはすべきではなかったようにすら感じました。  本作と併せて見た「ライムライト」のほうがずっと地に足がついた作品に仕上がっています。ただ、本作も酷評するほど悪くもなく、まあいってしまえば可もなく不可もなくといった凡唐な作品でした。チャップリン最後の作品として映画ファンとしては押さえておきたい作品ではありますが、個人的には本作ではなく「ライムライト」のほうを押さえるべきだとも感じます。  想像の域を出ませんが、第二次世界大戦が終わり10年も過ぎた時代です。アメリカ的にいうなら”アメリカの黄金期”ですので、色んな意味で新しい価値観や生き方が芽生えていた時期でしょう。そういった新しいジェネレーションの中で、チャップリンの価値観ではもう世の中にはついていけず、アメリカからもつまはじきにされた彼の心情をつづった作品なのかもしれません。しかしそれすらもイマイチ観客の心には届いていないように感じる寂しいラストを飾った作品だったといわざるを得ないです。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-11-14 16:52:54)《新規》
2.  クライング・ゲーム 《ネタバレ》 
「ネタバレ厳禁ですので鑑賞後にレビューを読むことをお勧めします」 30年も前に、、映画の師匠である先輩から勧められて鑑賞、とても感動した作品でした。今でもアレの衝撃だけはよく覚えていますが、久々に鑑賞してみたらアレ以外はほぼ全て忘れていました(笑) 人間の記憶って本当に当てになりませんね。 大人になって見返してみると脚本が非常に良い。友情と恋愛、人間の本質と性というものをリアルに描いてあって序盤からやたらと面白い展開を見せます。他の映画と違ってオープニングも非常に上手く、「男が女を愛する時」の曲と歌詞をじっくり観客に聞かすことで、暗に男が女を深く愛する映画なんだと刷り込まれます。結果的に半分は正解で半分はミスリードであったことが途中で判りますが、演出上は非常に自然で嫌味がありません。(まあ考えようによってはミスリードではないのかもしれませんが・・)  今でこそ性の多様性を認めるのが当たり前の時代ですが、当時は偏見も酷く本当にひた隠しにしていた人もいました。地域や宗教によってはバレたら犯罪者として裁かれるほど深刻な問題であったりもします。しかし物語ではその、、「アレ」に関しては全く隠しておらず、むしろポロリポロリと大胆に種を落としてみせたりします。ディルが一見すると性別が判り難いアフリカ系であったことで、歌に踊りにバイオレンスにと派手な演出で上手くカモフラージュされています。このディルという難しい役を本映画がデビュー作であるジェイ・デヴィッドソンが好演しています。いかにも強気な女性を演じていたかと思えば「あなたが裏切らなければ、私は一生あなたのもの」なんて素敵なセリフがでてきたり、表情豊かにリアルな女性像を巧みに演じています。  問題はファーガス(スティーヴン・レイ)のほうで、こちらはイイ人ぶっている割りにかなりのポンコツ具合を晒します。何せ半分は自分のせいで既に死んでいるジョディ(フォレスト・ウィテカー)の最期の願いを伝えないばかりか、ちゃっかり自分が新恋人の座についてしまうのですから。オマケにアレが判明した後の態度もまあまあ酷くて、決していい人なんかではありません。しかし良くいえば”人間らしい弱さを持ったリアルな男性像”がきちんと描けていて、まあそれなりに魅力的で憎めない人物に仕上がってもいます。実際、ジョディからもディルからも(悪の仲間からも)好かれるキャラクターで、この巧みな人間形成がこの映画の奥深さに繋がっているような気がします。  か弱い彼らと彼らを取り巻く厳しい現実が上手く絡まりあい、しつこくなり過ぎずシンプルかつ衝撃的なラストを迎えます。素敵なおとぎ話である「サソリとカエルの物語」も、イマイチ誰と誰に向けて語っているのか微妙に分かり難いわけですが、これも含めラストは悲劇的になり過ぎない絶妙な塩梅で終わります。総合的に意外と奥深くて脚本賞受賞は納得の出来栄えです。考察する余地を残した素晴らしい作品ですので映画通以外の人にも広くお勧めできる作品です。 (余談ですが「ぼくのエリ」同様、本作品の根幹にかかわる最も大切な部分がボカシで隠されます。映倫の連中は映画とポルノの違いも判らない無能であることは誰の目にも明白で、、心底残念です)
[インターネット(字幕)] 8点(2024-10-31 18:06:37)
3.  プロミシング・ヤング・ウーマン
かなりの衝撃作。全体的な流れは最初からある程度予想はできるものの、まさかここまでやり切るとは思いませんでした。一見するとリアル志向なのにライトでポップな要素もふんだんに使われていて退屈させません。学長との一件などもセリフだけで十分に怖さを演出しており、脚本と演出の上手さが光っています。この監督さん、全体的に直接的な描写をせず音・セリフ・印象だけで状況を理解させる術をよく知っていて、映画作品としては極めて洗練されています。(若手新人監督のエメラルド・フェネルという女性はまだ39歳というのだから驚き)  賛否あるようですが主人公は用意周到でことに臨んでいますので、刺し違える覚悟だったのは明らか。台詞でも「説明不能なほど考え抜いた結果」と言っていますので、自分が殺人犯になるか殺されるかの二択しか想定していなかったハズです。 動機として弱いという側面も確かにありますが、医大生というIQの高さゆえリスペクトしまくっていた大親友があのような悲惨な事件に巻き込まれ、親友の為に大学を中退までしたのに自殺されてしまったという衝撃的な経緯を知れば、動機としては十分あり得たと考えられます。 これが適度におバカさんであれば頭脳で消化しきれず、”理解不能案件”として徐々に風化するか心が壊れるかのどちらかだったのですが、彼女は頭が良すぎてそれを忘れることなく論理的に処理、徐々に考えが膨らんでいきます。その妄想に支配され、7年の時を経て妄想が実行可能なリアル案件へと変貌を遂げます。序盤のヤサ男風クズ男を懲らしめる描写はほとんどが前振り&予行練習だったということが理解できます。  きちんと前向きに生きる努力も描かれていますし、弁護士男性の心理を理解し歯止めをかける描写も描かれていますので、本人としてはできれば忘れたかったのでしょう。しかし前述のように高IQがそれを邪魔してしまい、哀れとしかいいようがない結末を迎えてしまいます。  この映画の凄い所は徹底的にセリフや情景だけで見せるイメージ戦略を貫いておいて、最後の最後、ラストの殺人描写は一部始終をハッキリ見せ切る潔さです。”4”が記させる佳境のシーンは「これリアルなんじゃないの?」というくらい生々しくて恐ろしく、そして”5”が記されるエピローグで彼女の想いは遂げられます。悲しくも素晴らしい映画でした。
[インターネット(字幕)] 9点(2024-10-21 11:52:19)
4.  モーガン プロトタイプ L-9 《ネタバレ》 
リドリー・スコットの息子ルーク・スコット長編デビュー作ということで手厳しい評論家が多い本作ですが、ご祝儀キャスト、コンパクト脚本、落ち着いた演出、高い演技力、洗練された映像表現等、基本的にどれをとっても文句の出ない美しい作品だったと思います。個人的にはかなり良かった。 結局のところ皆さんが気に入らないのは、父親の代表作である「ブレードランナー」の影響を強く受けている(あえて同じ流れに挑んだ?)点でしょうか。個人的には大いに結構で、むしろ赤の他人ではリドリー・スコットの影響下に深く切り込んだ本作のような絶妙路線はなかなか取れない訳で、七光り息子の利点を最大限に生かした本作作風はルークスコットならでは、非常に素晴らしいとすら感じました。  とにかくキャストが豪華。リー・ウェザーズ(ケイト・マーラ)も最初からどっちがアレなの?という絶妙な演出&演技力だし、モーガン(アニャ・テイラー=ジョイ)に至ってはもう本当にリアルでウマイの一言。ジェニファー・ジェイソン・リーなんか最初はどこに出ているのか判らないくらい贅沢な使い方だし(笑)、ミシェル・ヨーも「サンシャイン2057」や本作など、興行成績より趣味優先で割とハードなSFが好きなんだなと驚きすらありました。ポール・ジアマッティ、トビー・ジョーンズら大御所もかなりリッチに使われていますし、ゲーム・オブ・スローンズで美味しい役を演じたローズ・レスリーも難しい表現を上手に演じていました。 美的センスも洗練されていて、天国のような湖がどうなるのか不安でしたが大人が見て納得できるリアル志向の美しさでした。ぶっちゃけ、、「ブレードランナー2049」「プロメテウス」「エイリアン・コヴェナント」なんかよりもずっと上手くまとまっていたと感じました。  エクス・マキナと比較されている方も多いですが、DNA的(クローン的)な流れの本作と、AIモノ(アンドロイド)とは全く別の流れだと思っています。そういった意味では本作は疑問符が多く、むしろエクス・マキナのほうが流れに無理が無かったように感じます。そもそも論、遺伝子操作で作った生命体は本来弱く短命なハズで、むしろ兵器として利用するなら感情に関わるDNAをどうやって排除すべきか苦労したはずです。彼女らはあくまで”モノ”として生まれ”モノ”として消費されていく運命です。そういった意味では本作は根本的に無理な設定が目立つし、更にはそれら”モノ”に派手なアクションをやらせて収束させた脚本も少々安易でした。本来ならもっとインナーSF特有の深みを与えることができるテーマだっただけに惜しい作品と言わざるを得ません。ただ、否定的に見ても映画としては案外楽しめましたので、やはり作品の出来映えとしては結構良かったものと思われます。  ちなみに日本の配給会社は本当にセンスがなくて、売れなくても本作は劇場公開しておくべきカルト映画だったと思いますがビデオスルーという憂き目をみています。ハイウェイの彼方に/プレミアム・ラッシュ/ナイン・デイズ(2020)等、割といい作品をビデオスルーしていて本当に日本の配給基準のセンスの無さが辛いところです。。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-08-29 10:52:38)
5.  レ・ミゼラブル(2012)
ミュージカル系の映画は大嫌いなので評判を聞いても見ることはありませんでした(舞台とかミュージカル、オペラは見ますよ)。今回ついに録画されていたので仕方なしに見てみましたが、やはり自分の勘を大切にしていて正解でした。私には見る必要のない作品でした。(見て損した映画を挙げるのはラ・ラ・ランドに続いて二度目です)  物語自体は面白いので「人気ミュージカルの完全映画化!」ではなく「原作小説の完全映画化!」で観たかった作品です。シリアスなシーンで歌い出した時には爆笑してしまいました。あとラッセル・クロウは歌が微妙でした。とにかく死ぬほどつまらなかった、心底そう感じた作品。
[地上波(字幕)] 0点(2024-08-08 14:58:19)
6.  ラビリンス/魔王の迷宮 《ネタバレ》 
対象年齢15歳以下ですが、これが意外とよく出来ていて楽しい映画です。当時ローティーンだった私は、、「こんなに可愛い女の子が世の中にはいるんだ!」と感激した思い出が蘇ります。映画雑誌ロードショーなどを買ってマジマジとジェニファーの顔を見たものです。彼女のゲジ眉をバカにする同級生もいましたが、私は顔では笑いつつも密かに恋心を募らせたものです。デヴィッド・ボウイも当時人気爆発中でしたが、個人的にはあまり好きではありませんでした。35年以上の月日が経って、今見てもやはり歌のシーンは少々退屈。あと、タイツのもっこりが気になってだな・・  ストーリーはシンプルで分かりやすく、魔王の設定などにも無理がありません。幼い少女が遭遇するおとぎ話としては非常によく出来ていますが、ジェニファーの設定が15歳にしては少々幼過ぎる印象はありました。序盤の弟への接し方やお姫様遊びなどは明らかに10歳程度の精神年齢感覚で、この部分においては少し違和感を感じてしまいました。(まあでも、そのおかげでジェニファーが余計に可愛いわけですが)  今の年齢(50歳)になって見返してみると、魔王=明らかに彼女の負の心理であることが判ります。そう考えるとホグルは良心、サー・ディディモスは勇気、ルードは平和(安心)でしょうか。ラストのエッシャー的な世界(部屋のポスター)からも判るように夢見がちな少女の空想の産物といえなくもない物語でしたが、最後のパーティー描写を付け加えていることを考えると現実に起きたお話だったと解釈するのが正解でしょうか。  他の方も書いてらっしゃるように、マペットの動きが今見ても素晴らしいです。終盤の石コロ戦争も可愛くて安心して見ていられます。光学合成もさほど違和感なく今の時代でも十分に見られますが、オープニングのフクロウは流石にラフ画のようで粗かったですね。とにかく、今見てもジェニファーがものすごく可愛い。一発屋だと思っていましたがまさか超一流の女優になるとは当時夢にも思いませんでした。懐かしい思い出補正で少々甘めの点数です。
[地上波(字幕)] 7点(2023-11-12 15:19:17)(良:1票)
7.  ショコラ(2000)
タイトルは知っていましたが今まで見る気が起きず躊躇していた作品。TV録画されていたので頑張って見ることにしました。メルヘン&コメディということで仕方がないのかもしれませんが、、序盤の入り方が一方的かつ少々強引な印象でした。おとぎ話風に始まったわりには堅実路線で更に困惑してしまって、もしかしたらガチの魔女モノかなと疑ってみたり・・  脇を固める俳優陣がほとんど主役級ばかりで驚きますし「ギルバート・グレイブ」を撮った監督ということで期待値も上がりますが、ストーリーの骨格自体はいわゆる変わり者風情のよそ者が伝統を重んじる村をかき回して新しい風を吹き込むというありきたりなもの。チョコレートを作る過程など凝っていて美味しそうではありますが、イメージビデオのようで少々鼻につきます。余談ですが、この手の映画を見ていつも思いますが、つくづく人間と宗教ってあまり相性が良くないですよねえ。結局のところ、できる人間は宗教に頼らずともできるし、できない人間はどんな宗教にすがろうともできないものです。  アルマンドばあさんが良い味を出していて意味ありげ。素晴らしい演技力でさすがのデンチ様といったところです。その娘のキャロライン(キャリー=アン・モス)もかなり意味ありげでチラ出しますが結局最後まで立ち位置不明のままよく判りません。ルー船長(デップ)も同様、イマイチよく判らない立ち位置で解釈に困ってしまいました。セルジュ(ピーター・ストーメア)も明らかにオーバースペックだし、よく判らない&勿体無いのオンパレードです。  結局最後まで予定調和の域を出ませんが神父の説教はスマートで素晴らしかったです。情緒不安を心配していましたがジョゼフィーヌ(レナ・オリン)も最後にはイイ場面をもっていきました。予定調和的でほとんど文句も出ない無難な仕上り具合をどう見るかでしょうか。私はテレビドラマ程度のライトな作品だったと感じてしまいました。7-8点付けられる内容ではありますが、映画としての評価はあえて厳しめの6点としておきます。
[地上波(字幕)] 6点(2023-11-09 12:49:12)
8.  007/ドクター・ノオ 《ネタバレ》 
007シリーズはあまり好みではないのですが、最近しきりにTVで放送されていて、ついに第一作目を見ることができました。まず第一に一作目からきちんと007の人と成り、キャラクター造形が完成していることに驚きました。(というか、その後60年もずっとブレずに設定を維持してきたことに驚きます)また、私のような007素人が初めて初期作品を見ても普通に見られることにも驚きました。  ただ、ディティールにこだわっている割にはアタッシュケースの指紋の件が回収されなかったり、敵がタランチュラを部屋に放ってみたり、女と遊ぶだけ遊んでポイしたりと、割とグズグズだったりもします。CAIネタもほとんどボンドを助けるためだけに存在しているにすぎず、最初のもったいぶった演出は一体何だったのかと。酷いのは初代ボンドガール(シルビア=ユーニス・ゲイソン)、ストーリーにはほぼ絡まない無意味な登場で、当時の世相的には女性=華やかな添え物でしかなかったことが伺えます。 またノオさんもかなり失笑もんで、中国=エセドラゴン、なぜロケットに妨害電波を放っているのかもよく判らず、義手も何だか変だったりと色々??が付く部分が多いです。終盤もノオさんが研究所で指揮している最中、ボンド氏がでたらめに機器を触る流れもほとんどドリフ。あと、後半のボンドガール(ハニー・ライダー=ウルスラ・アンドレス)も画面に花を添える為なのかラストでイチャイチャしたいだけの為なのか、かなり強引な登場のさせ方で笑っちゃいました。  文句たらたら書きましたが予想外に楽しめましたし、記念すべき第一作ということで点数はかなりオマケしておきます。
[地上波(吹替)] 7点(2023-11-02 16:29:36)
9.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
クレイグ版のボンド第二弾ですが、これが最初っからちっとも面白くない。まず第一に他の方もご指摘のようにカット割りが多すぎてアクションシーンが何してるんだか判らない状態です。ジェイソン・ボーンの監督は凄く上手く編集していましたが、本作の監督さんは明らかにダメって感じで、ただただ見にくいだけでした。  あと第二にダニエルボンド&ボンドガールが暗い。そして必要な時にアノ音楽(オーケストラのアレ)が流れないので、もうこれ「007じゃなくてもよくね?」って感じです。この手の映画はリアルにし過ぎるとダメなんでしょうね、ピアース・ブロスナン版やMIシリーズのように、適度にギャグ化していないと楽しくないということを痛感します。(この手のシリーズ物は観客をニヤリとさせてなんぼでしょうというのが私なりの持論) あと何気にMがかなり幅を利かせているのも妙に気になりましたね。  敵役のドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)と部下のエルヴィス(アナトール・トーブマン)は意外といい味が出ていて好演でした。こういうちょっとイイ人ぽいのが表の世界を牛耳っていて、実は裏の世界も牛耳っているという感じは好きです(例えばXのIマスクも実は・・ だと面白い) ただラストにグリーンが007と互角に戦っているのは激しく違和感でした。あと、CIAのフェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)も前作に引き続き良い役で出ています。彼はウエストワールドで広く認知されましたが、ちょい役でも非常に印象深くて素晴らしい俳優です。また、ルネ・マティス(ジャンカルロ・ジャンニーニ)はあまりにも勿体無い退場でした。彼はクレイグの相棒としてシリーズ中は残しておくべきでした。  前作が良かっただけに落差にガッカリした作品です。頑張ってオマケしてもこの点数でしょうか。でも実は何気に終盤のホテルはよく覚えていましたし、序盤の中吊りからのキメ撃ちは最高にカッコ良かったです。 ※余談ですがクレイグ版のボンドになって女絡みのネタがキモイです。商売女に惚れる素人男のような、しかも真面目で世間知らずの若い子ばかりを口説いてて、ボンドのほうも内気でマジ惚れとかしちゃってて色んな意味で怖いです。なぜ遊び人陽キャ設定を捨てちゃったのか少々疑問です。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-10-09 14:05:35)
10.  007/ゴールデンアイ 《ネタバレ》 
本作がピアース・ブロスナン版では最も素晴らしいと思っていましたが、見返してみるとそうでもなかったです。本作は何となく007である必要性が薄い作品に仕上がっています。ただ、ブロスナン版第一号ということで、過去作を色濃く踏襲してある点はやはり素晴らしい。特にBondのテーマソング(オーケストラ)が掛かって町をめちゃくちゃにするシーンは最高でした。(戦車のシーン)  余談ですがオナトップ(ファムケ・ヤンセン)のぶっ飛び具合は素晴らしい反面、男の立場からするとあの感じで迫られるといくら綺麗でも萎えるなとww 奥ゆかしさとか秘めたエロとかそういったものは一切なく、ただただアニマルのごとくむさぼるだけという激しい描写はかなり笑えました。というか怖いよ・・ 更にさらに余談ですが、006アレック(ショーン・ビーン)がナターリア・シミョノヴァ(イザベラ・スコルプコ)のほっぺをべろりんちょして、ガチでキモがられるシーンがありますが、アレも普通の男だとかなりへこみますよね。。  ネタバレになりますが本作の敵は006ということで見ごたえがあります。手の内を知っていることで面白い効果がたくさん生まれています。ただ、逆にいうと同僚として手の内を知っているだけに、リアルなことをいうと即刻頭を打ち抜くのが正解ですが、映画なのでそうならない点はご愛敬といったところでしょうか。  最近大量のボンド映画がTVで放送されていて、久しぶりに見返してみた結論としては、個人的には毛嫌いしていたダニエル版ボンドの一作目「カジノ・ロワイヤル(2006)」がNo1、プロスナン版「ワールド・イズ・ノット・イナフ」がNo2、No3は本作にするか「ショーンコネリー 007は二度死ぬ」にするか決めかねているという結論に達しました。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-05 13:35:55)
11.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
ダニエル・クレイグ版の第一弾。白黒のオープニングは最高でしたがOP曲は微妙。個人的にはガンバレルから曲のトーンまではいつものものを踏襲していただきたかったところ。Wikiによるとアメリカでも本作OP曲はあまり人気が無かった様子でサントラ版にも収録されていないとのこと。  序盤からアクション満載で全速力ですが今までのボンドよりリアル路線でかなり真面目な流れ。新生ボンドは今までとは違う!というのを強調したかったのかもしれませんが、観客が見てるのはボンド映画だという矛盾。(派手なアクション映画は他にも沢山ありますし) ただ、ミサイルが出ないリアルなアストンマーティンは最高にクール(でも派手に横転しちゃって即刻退場)。ボンドガールのエヴァ・グリーンも大健闘していますが、当時26歳にしてはちょっと老け顔(でも後半はなかなか可愛いらしい一面も)。新しいカクテルを注文してみたり、やっぱりマティーニを注文してみたり(でもシェークはどっちでもイイなんて適当具合)、Qやマネーペニーが出てこないなど不満点も少なくないですが歴代の小ネタも多く出てきます。あと途中途中で挟まれる場面転換のシーンが歴代ボンドのシーンを踏襲したような雰囲気が多く、この点もよく考えて入れてあるんだろうなと感じました。  全体的な流れは結構良いものの、脚本はちょっと複雑で尻切れトンボ気味。私だけじゃないと思いますが、現シーンの結末が理解できていないまま場面転換、観客置いてけぼり状態のままで次のシーンに進んでしまう強引な流れが多かったように感じました。登場人物も多めなので誰が誰を裏切ったのかいまいちピンとこない部分もありますが、最後に全体的な流れを見たらまあ辻褄が合う状態にはなっています。  ラストカットでようやく出る定番のセリフ「Bond、James Bond.」は最高にカッコよく、歴代最高のシーンの一つに挙げられると思われます。個人的にはクレイグ版ボンドで唯一好きな回です。
[地上波(字幕)] 7点(2023-10-02 10:29:35)
12.  007/ダイ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
ピアース版ボンドが大好きな私ですが今作はイマイチ。まずちょっとシリアス過ぎる点が面白くないしSFが過剰な点もマイナスです。そして最大のイマイチポイントはパーフェクトストレンジャーのハリー・ベリー(ジンクス役)が魅力的に見えない点です。ついでに書くとCIAのお偉いさん役のマイケル・マドセンもどう見てもレザボア・ドッグスにしか見えない点も微妙でした。北のザオ(リック・ユーン)もマジもんにキモいし、今回は全体的にキャスティングが合ってないという印象が強かったです。(オープニングの曲もイマイチ)  唯一、ミランダ・フロスト(ロザムンド・パイク)当時23歳が最高に可愛くてついヨダレが出てしまいました。ツンデレ設定なのもソソるし、前作のソフィー・マルソーと並んで「借金してでも一晩お願いしたい女」の称号を与えたい女性です。(あの人と遊びで一夜なんて、ボンドに殺意が湧くわ~) 失笑もんのストーリーにはあまり触れませんが、色々と超絶SF設定が酷いです。ボンドカーがアストンに戻ったと思ったら透明で見えませんか(笑)黒幕が北のお坊ちゃん設定もかなり無理があるし、そのお坊ちゃんがイーロンマスク級の人間に成り代わることが可能なのかも色々と議論の余地があります。衛星は誰が上げたのか?オープンカーで氷上チェイスはどうなの?とか、色々凄すぎてツッコミ処は多めです。  カマトト風で超絶可愛いルックスで、なおかつツンデレという過去最強のロザムンド・パイク嬢に全てを捧げて異例の8点献上。(嬢が出てなかったら4点)
[地上波(字幕)] 8点(2023-09-23 13:54:47)
13.  007/ワールド・イズ・ノット・イナフ 《ネタバレ》 
レビュアーさんの点数が思いのほか低くて驚きます。ピアース版のボンドの中では脚本は結構良い出来だし、序盤のボートチェイスから印象深くて非常に良い回だったと感じています。確かに少々”らしくない”演出も多く、Mがアッサリ捕まるところやまるでモデルのようなエロい科学者(クリスマス・ジョーンズ博士=デニス・リチャーズ=少々大根役者だった)とか多少強引な点もチラホラあります。まあでもボンドといえば昔からこんなもんですからその辺はあえて触れないのが正解でしょうか。  もちろんエレクトラ役のソフィー・マルソーは最高、公開当時33歳だと思いますが拷問椅子のエロさったらもうね・・ 一生に一度だけでもお願いしたい女ナンバーワンの称号を与えたい女性です。  ストーリーのほうはなかなかよく練ってあって、ソフィー・マルソーが難しい役どころを上手く演じています。映画内では「ストックホルム症候群」としていましたが、愁いを含んだ可哀そうな女ではなくもっと悪女です。しかし脚本・演出が悪くて判り難くなっていました。確かにキッカケはレナード(ロバート・カーライル)だったのは事実ですが、女の武器でレナードを虜にしてテロリストを操っていたのはエレクトラのほう。更に彼女はMとMI6を信頼しているフリをしつつ、父を葬り去るというかなり高度な悪に徹しています。ボンドもまんまと騙されましたが。Mがしゃしゃりでて来たせいで何となく”らしくない”展開になってしまったのは少し意外でした。ソフィーの退場の仕方も”らしくない”印象ですが、あの撃ち方は個人的には非常に良かったです。  確かに全体的に”らしくない”異例な感じはありましたが、スケール感も結構大きくて話も綺麗にまとまっていたので好きです。少々甘めの点数で。
[地上波(字幕)] 8点(2023-09-18 14:07:00)
14.  007/トゥモロー・ネバー・ダイ 《ネタバレ》 
個人的にピアース・ブロスナン版が最もバランスが良くて好きです。某、死んじゃったボンドは辛気臭くてほんと楽しくなかった。本来Mrボンドといえば本作が踏襲しているように明るくて楽天的、決して深刻な人ではないハズです。 余談ですが、ピアース・ブロスナンはボンドになる前からスピークラークのCMでボンドっぽい感じで演じていました。本作ではQ(デスモンド・リュウェリン)との保険ネタも実際のCMでパロられましたしなかなか笑えました。リモコン操作の車や二人乗りバイクでのチェイスもなかなか出色の出来です。何気にピアース版の時ってボンドカーがBMWだったことにも少し驚きます。(アストンじゃないことに違和感を感じていませんでした)  ミシェル・ヨーのボンドガールはちょっと特殊で魅力に欠けたかなと思いますが、敵の奥さん役のテリー・ハッチャーも地味で微妙なので今回のボンドガールは全体的にイマイチ。カウフマン博士(ヴィンセント・スキャベリ)はいい味が出てたのでスペクターばりに頑張っていただきたかったところですが、こちらは即刻退場しちゃいましたね。。  シェリル・クロウの主題歌も話題になりましたしM(ジュディ・デンチ)やQ(デスモンド・リュウェリン)なども健在で安心感はありましたが、全体的に手堅くこじんまりと仕上がってしまった印象。もう少しとんがった部分も欲しかったかなといった物足りなさは感じました。色んな意味でお手軽な映画のお手本のような本作のバランス感覚はまあ悪くはないものです。少し甘めの点数。
[地上波(字幕)] 7点(2023-09-18 14:00:49)
15.  落下の王国 《ネタバレ》 
TV録画を字幕版で見ました。かなり素敵な映画ですが、、色んな意味で非常に惜しい作品でもありました。  皆さんがおっしゃるようにターセム・シン×石岡瑛子×ベートーベンは素晴らしいです。とにかくいちいち映像が美しく、前作(ザ・セル)同様に砂漠は凄いし、突き抜けた明るさも美しく、素敵な映画の代名詞のようです。現実世界である病院での描写も素晴らしく、少女の肩の骨の折れ方や左右の眼をつぶって指先が移動する表現なども素晴らしい。現実とおとぎ話のダブルキャストの面々も素敵で、5歳の子供の心理が本当に上手く表現されています。  何から何まで本当に素敵な映画なのですが致命的な残念ポイントが一つあります。リー・ペイス扮するロイ/黒山賊/パパの行動が、あまりにも大人げなさすぎて萎えるほどでした。もちろん心の中で自殺願望が強いのはOKだし、子供を手なずけて薬を取ってこさせるのも全く問題ありません。大人げないのは自分の願望を5歳の女の子に全力でぶつけてしまったことです。その結果、終盤になるともう5歳の女の子の無垢な心だけを原動力にこの映画は突き進んでしまいます。傍観している観客としては見ていてちょっと痛々し過ぎるくらいです。 日本人的なのかもしれませんが、自分のせいで怪我をしてしまった女の子、ダメ人間である自分を父親のように慕ってくれる5歳の子、この無垢な女児のために自分の葛藤を犠牲にしてでも素敵な話を紡いでいただきたかった。その過程で、女の子に悟られることなく自分の心が再生されるお話が見たかったです。(というか、女の子を号泣させて懇願させるのは色んな意味でダメでしょ)  この致命的な問題を除けばおとぎ話も面白いし現実世界の話も面白く、ほとんど文句のない作品に仕上がっています。ダブルキャストや「落ちる」に掛けた様々な伏線も素晴らしかったです。(邦題”落下の王国”はちょっと違うと思いましたが) 心底惜しい作品なので少々甘めの点数ですが、念のためにもう一度見返してみようと思います。  追伸 見返しました。この映画の完成度の高さは随一です。この映画の良さを再確認すると同時にやはりどうしてもラストのロイが、、5歳の女の子をイジメてるような構図が納得できませんでした。集中治療室で目覚めた5歳の女児にする仕打ちじゃないですよねアレ。
[地上波(字幕)] 6点(2023-07-31 11:45:42)
16.  トゥームレイダー2
4Kテレビ放送されていましたので久しぶりに鑑賞しました。パート1に引き続き、ゲームのララ・クラフトにクリソツなアンジェリーナ嬢が好演していて素敵です。しかし素晴らしいのはそのクリソツ具合だけで、映画本編・物語の骨格に関しては非常に薄っぺらくてご都合主義満載でした。いわゆる中高生向け、良くも悪くもゲーム的で安易な内容です。煩雑な下町にヘリで乗り付けるライス博士(ジェラルド・バトラー)も少々過剰演出で失笑もんですが、ゲーム的な観点から見れば許容範囲でしょうか。  監督ヤン・デ・ポンは「スピード」を初監督して大成功させただけあって、映画の撮り方、見せ方、表現方法は非常に洗練されていて良いです。全体的に失笑する箇所は多いものの、映画としては静と動のバランス良く最後まで飽きさせません。明らかに無駄であろうバイクでチチくり合うシーンも素敵だし、その前の飛行機をぶっ壊して中国入りするシーンもやたらと派手で豪華。全体的にリアル路線だった流れが急展開、終盤に魔物系になる点も非常に楽しく、こういう各演出の上手さは監督の手腕でしょう。  総じてゲームファン、厨二病満開の世代、アンジェリーナが大好きという方は結構楽しめる作品ですが、大人志向(思考)の方には失笑な作品。個人的にはレッドドワーフ号のリマ―が出ているだけニンマリしますが、クリス・バリーはリマ―の印象が強過ぎてもう他の役では成功しないということが痛感できる作品でもありました。
[地上波(吹替)] 6点(2023-07-18 13:42:00)
17.  007/ムーンレイカー
昔、子供の頃に見たと思いますが、先日TVで4K放送されていたので今回落ち着いて見てみました。結論から書くと、、まあ・・ ねぇ。といった作品でした。  何が酷いかって、まずはロジャー・ムーア。当時52歳のおっさんが20代のモデル風美女にやたらとモテるのは明らかにオカシイ。しかも手の出し方がキモくてなんか嫌でした。あと、ここに突っこむと作品自体を全否定してしまいますが、、宇宙が酷かった。ツッコミどころが多すぎてどこに突っ込んだらいいのか判らないくらいに、、全体的に半笑い。  ファンの方には申し訳ありませんが私には007は合いません。いや、私の中でピアース・ブロスナン以外のボンドはちょっと受け付けない感じになっています。合唱。
[地上波(字幕)] 3点(2023-07-16 14:53:08)
18.  ダウントン・アビー 新たなる時代へ
非常に良かった!特に思い入れが強いであろうTVドラマ版からのファンの方でしたら納得の仕上がりでしょう。125分でよくまあこれほど綺麗に収めてあるものだと感心してしまいました。初の劇場版であった前作のような慌ただしさを感じることもなく、ゆったりしていて優雅な雰囲気が堪能できるのはさすがとしかいいようがありません。内容的には非常に忙しい本作でしたが、それを感じさせない演技力と演出力の高さは目を見張るものがあります。本当にこの点はよく注意して見ていただきたい部分です。  細かいあらすじや感想は野暮なので省きますが、起承転結がとてもスマートで判りやすい構成・演出・脚本になっています。恋愛の行方、事件の結末、各自それぞれの事情・情事などの細かい伏線の張り方と回収もスマートで見事としかいいようがありません。これ以上下手なレビューで本作品の品位を貶めたくないとすら感じるほど素敵な仕上がりは、本当にお見事以外の表現が見当たらないのです。 これからも歴史のようにダウントンアビーの今後を見守っていきたいので、、ぜひとも定期的に映画化していただきたい作品です。伝統のダウントンアビー後日談としては心底申し分のない仕上がりでした、笑い・拍手・涙が同居する素敵な作品です!
[インターネット(吹替)] 10点(2023-02-15 18:54:58)(良:1票)
19.  チャーリー(1992)
私の個人的な感覚でいえばロバート・ダウニー・Jrといえば性格俳優の趣きが強く、そういった意味でもチャップリン役は彼に最も適した役だったのではないかと思います。実際彼の役へのなり切り具合はとても素晴らしいものでしたがストーリーがそれに見合っておらず、どうにも軽い作品に成り下がっています。喜劇俳優を描いているにもかかわらず大して面白くもなく、また心に響くような深い映画にもなっていません。そもそも論ですが世界で最も有名な喜劇俳優かつ監督、いわゆる偉大な芸術家であったチャップリンの一生をたった2時間半で描こうとしたのがそもそもの間違いで、ガンジーのようにせめて3時間、いや3時間半でも良かったかもしれません。  幼少期も青春期も青年期も全てが早歩き過ぎて、見ている私たち観客の心には何も響きません。ロリコン気味の彼の女性遍歴も何となく早歩きで軽く紹介しただけで終わっています。更に成功期から晩秋期においてはアンソニー・ホプキンス(ジョージ・ヘイドン記者)が妙に幅を利かせてきて要らぬ存在感を放ちます。意味深なセリフも目立っていて妙に映画が散漫になっているのです。何か哲学めいた雰囲気からのあのイメージビデオのようなラスト。他の方もおっしゃっている通り、キャップリンの人となりを知りたかったら「街の灯」を一本見るだけで十分に彼のことが理解できるでしょう。 2時間半の伝記映画にするにはあまりにも偉大すぎたチャップリンの紹介映画は、それを作ってしまった時点で蛇足以外の何物でもなかったという感想です。ただし、早歩きでざっと彼の人生を見渡すにはよく出来た作品ではありました。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-09-13 11:28:04)(良:1票)
20.  ダウントン・アビー
ゴージャスな同窓会!正しくこの言葉がぴったりの作品でした。もちろん私は全シーズン鑑賞済みでダウントン・アビーの大ファンです。出演陣も欠けることなく(ローズ=リリー・ジェームズが居なかったけど元々ゲスト的な扱いでしたし)、エピソード詰め込みまくり&役者大量投入&120分という制約があったにもかかわらず、優雅に時が過ぎていく演出とストーリーは本当に素敵でした。  バロー(ロブ・ジェームズ=コリアー)の過去の顛末を考えると、彼も一応それなりに幸せな着地点を見せましたし、バイオレット(マギー・スミス)もある意味正しい着地点を見つけたようです。メアリー(ミシェル・ドッカリー)がちょっと年食っちゃっててチト残念だったのですが、それはまあラストシーズン前くらいから気になっていた点ですのでしょうがないでしょうか。。(この映画の撮影時まだ38歳なんですよねぇ・・) 本作ではトム・ブランソン(アレン・リーチ)が大活躍で、今後彼が中心となって話が回っていきそうな予感がします。あ、もちろんイーディス(ローラ・カーマイケル)は全くお変わりなく安定の美しさでうっとりさせられました。彼女が天真爛漫に活躍しそうだったラストシーズンを考えると、これから羽ばたく可能性は残っていますね。。  映画版の第二弾(「Downton Abbey: A New Era(ダウントン・アビー 新たなる時代へ)」もまもなく公開されますし、本作で宙ぶらりんだった問題も綺麗に収めていただきたいですね!というか、これくらいノリノリ&たくさんの俳優さんが前向きに考えてらっしゃるのでしたら、まだまだドラマ版が作れそうです。淡い期待を込めて甘めの点数です!
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-08 15:55:03)
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