1. 355
《ネタバレ》 正直に言ってしまうと、ジェシカ・チャスティンとダイアン・クルーガーの共演が観たくて鑑賞。典型的なアメリカンと典型的なドイツ人って感じでキャスティングとしては最高。しかも劇中なんか反目し合ってて、そこもポイント高い。 しかし、他のレビュアーの方も書いておられたが、キレキレアクション満載のスカッとする映画を期待していただけに、中盤で挟まれる人質殺戮シーンで一気に気持ちが重たくなってしまった。その後の弔い合戦(しかも重めの)的な流れも、恋人に裏切られる展開も重たさ倍増で予想外。 女性版「エクスペンダブルズ」が観たかったのだよ、私は。 まあこれは私の身勝手な希望なんだけども。 しかし、今回のようなちょっと蓮っ葉な役もできるし、王室の高貴な女性も演じられるしで、ダイアン・クルーガーでつくづく魅力的な女優だなあ。そこに加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-12 15:53:47) |
2. タイガー・ハウス
《ネタバレ》 恋人にボウガンを向けて誤って射抜いてしまうような、あんなピンボケした息子に逆襲を食らうなんて、強盗団はそもそもプロ失格。それで計画が台無しになるのはまあ映画のストーリー上仕方がないのだが、もう少し脚本なんとかならなかったのかね、というのがずっと残って、どうしてもサスペンスというよりもコメディ寄りで観てしまった感が否めない映画。 で、強奪した金をさらに持ち逃げしようとするヒロイン。 これ主演がカヤ・スクデラリオじゃなかったら許せないところだが、彼女だからまあいっか。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-30 10:46:28) |
3. FALL/フォール
《ネタバレ》 そうか。緩衝材はもう靴ではなく、友人の体なんだね。 彼女が誘ったんだから、それは仕方ない。 どうやって降りるか、ではなく、どうやって救助を呼ぶか、という所に話がいってしまったのがちょっと早くて、もう少し何か考えて欲しかったな、というのが残念なポイントの一つ目。そしてもう一つは、登山の悲しみや恐怖から脱却するには、鉄塔登りじゃなく登山では?というのは、映画の設定自体がそうなのでまあ仕方ないよね。 しかしながら、高所の恐怖感は十二分に味わえる、今までにはなかった映画。 ジェフリー・ディーン・モーガンは、ウォーキング・デッドの悪役を完全に払拭できた感じで、彼が出ていることで映画が引き締まった感が強い。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-07-14 08:18:49) |
4. プラトーン
《ネタバレ》 二人の軍曹の物語、であろうか。 ベトナム戦争の映画と言えば、まず思い出されるのが「ディア・ハンター」か本作ではないかと。 若いアメリカ兵たちを襲ったのは、ベトコンの恐怖だけではなく、疑心暗鬼によって善と悪の境界線が判断できなくなってしまう狂気。戦場で生き残るために必要なものは正義か、保身か。あんな所にいたら、まともな判断なんかできるわけがない。バーンズは許しがたいけど、それはあくまで安全な場所で暮らす我々のスタンス。エリアスでありたいと思うけど、果たして極限のあの状況でそれが果たせるのか。 どちらにしても、戦争は虚しい。結局そこに行きつかせてしまう力がこの映画にはあると思う。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-16 08:01:38) |
5. ターゲット(2010)
《ネタバレ》 まあね。そもそもエミリー・ブラントが観たくて観たので、彼女のいけすかないやりたい放題のわがままっぷりが心地よくて大満足。 こういう役をやっても憎めないのがエミリー様の魅力。 で、どう見ても年齢詐称のビル・ナイが彼女や彼のビッグ・マザーに振り回されるのがまたたまらなく面白い。アクションはちょっと雑だけど、ほんわか進む感じがちょうどよい映画。ザ・イギリス映画、かな。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-01 16:10:15) |
6. モーリタニアン 黒塗りの記録
《ネタバレ》 自国の暗部、いやここでは同盟国の暗部を描く骨太の映画。 同時多発テロ当時のイスラム教徒へのいわれなき嫌悪感は、世界を巻き込んで危うい方向に向かっていたと今になれば思う。 そんな中、人権派弁護士とは言え、自国の国民を大量に殺害した発端と疑われる人物の弁護を買って出るのは並大抵の神経ではない。ゆるぎない信念の人。 しかし、その信念が時に揺れてしまうのもこの映画の見どころの一つ。 こういう強い中にほのかに弱さを匂わせる役をやらせたら、やはりがジョディは他の追随を許さないはまり役。 B・カンバーバッチとの火の出るようなやり取りと、彼の潔さもなんだかアメリカ的。 名優同士のぶつかり合いも必見の映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-01 15:51:42) |
7. リトル・モンスターズ
《ネタバレ》 ゾンビ映画の新境地を開いた感のある佳作ではないかと。 ダメ男が恋する女性のために強くなるとか、その女性にもどこか陰があるとか、ポイントは押さえつつも、あとはやりたい放題の娯楽映画。 せっかく出演した子どもたちは、試写会でこれ観せてもらえるのかなと心配になるくらい、楽しい下ネタ満載で、大人は大満足の映画。ゾンビのコメディ映画では、やっぱり走らないゾンビじゃないとだめだな。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-28 15:47:51) |
8. ヴァチカンのエクソシスト
《ネタバレ》 ホラー映画でありながら、ほぼ冒険活劇でアクションでコメディ。 これはいろんな層の人が楽しめるエンターテイメント映画ではないかと。 ホラーとしてもアクションとしても充分な面白さ。 しかし、いまだに本家「エクソシスト」のエビぞり階段下りを超える衝撃を受けたことがない。本作でも似たようなシーンがあるが、やはり二番煎じになってしまうのは悲しいところ。 [映画館(字幕)] 6点(2023-07-27 15:22:14) |
9. ザ・インタープリター
《ネタバレ》 筋立ては少し複雑なのだが、観ているうちにどんどん引き込まれてしまった。 バスが爆破されるあたりの緊張感はかなりのものだったのだが、逆にラストの大統領に復讐を果たすのか否かのシーンに迫力が足りなかったのは残念。英語だからよくわからないのだが、主演二人の演技力に少し問題がある気がした。二人とも名優だと思ってるんだけどね。 それにしても、ニコール・キッドマンのこの世のものとは思えない美しさにただただ圧倒される映画だった。正直この映画の一番の見どころは彼女だと思う。加えてキャスリーン・キーナーの要所を押さえる演技も素晴らしかった。 最後に物申したいのは、ラストシーン。ショーン・ペンがガードレールらしきものに終始腰かけているのだが、二人の身長差を隠す効果しか与えていない。それならベンチでもよかったのでは?と思ってしまう。そこが残念。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-02-15 07:42:41) |
10. ディセント
《ネタバレ》 時々観返したくなるホラー映画、というジャンルがあると勝手に思っているのだが、この作品もその一つではないかと思う。 未知の洞窟に踏み入る女たち、おまけに地底人、なんて忘れた頃に観たくなるもの。 そして期待通りの適度な恐ろしさと緊迫感。 と言っても、ラストの助かったと思わせた後の実はまだ洞窟の中、は完全に忘れていたので、大満足のどんでん返し。 人間の記憶力ってつくづく当てにならないのね。 もう一度観たくなるのは何年後かな。いや、佳作。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-28 07:27:18) |
11. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 どっちが先に作られたのかわからないけど、「ワールズ・エンド」とほぼ同じ展開。 この監督この作風が好きなんだろうね。 いや、もちろん私も嫌いではない。 サイモン・ペッグが優秀な警官、という時点でコメディが成立しており、ニック・フロストが脇を固めた時点で面白いことが確定していると言っても過言ではない。 心には残らないけど、時々「あの映画また観たいな」と思わせる映画。きっと観るたびに新しい発見があるんだろうなあ。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-21 08:11:50) |
12. 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
《ネタバレ》 衝撃のラストと言ってもいいのではないか。 タイムボカンシリーズで正義の味方が悪に敗れた時くらいの驚きがあった。 世界を救うためのミッションを完遂し、仮にボンドに島を脱出する時間が残っていたとして、彼は果たして脱出しただろうか。 愛する妻と娘を抱きしめることができない人生に何の意味がある? ダニエルボンドにしびれ続けてきたけれど、今回は最高にしびれた。 彼一人に世界の運命を背負わせるのはちと酷な気もするが、ボンドの死の代償はそれぐらいでかくないと割に合わない。世界を救ってもらった代わりに、我々はジェームズ・ボンドを失うのだ。 かっこよかったぜ、ダニエル・クレイグ。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-21 08:01:57) |
13. 007/スペクター
《ネタバレ》 ど派手アクションと火薬の量はそんじょそこらのアクション映画の比ではない。まさにやりたい放題。そもそも007て娯楽作品なんだから、こういう魅せるシーンも盛り込まないとね。そして新たなボンドガールかと思ったモニカ・ベルッチ様はこれまた派手に色気を振りまいてレア・セドゥに交代。「ミッドナイト・イン・パリ」のあたりから彼女のファンである私には嬉しい展開。彼女の陰影に富んだ演技は、感傷的なダニエル・クレイグのボンドシリーズによくはまっていると思う。 難点は、このシリーズの特徴であるストーリーの難解さ。誰が味方で誰が敵かとか、この人誰だっけとか、これどういうこと?みたいな疑問符がとりあえずたくさんつくのだが、まあダニエル・クレイグかっこいいしいっか。みたいな感じ。 このシリーズのオープニング、ちょっとくどいよねと思ってるのは私だけではないはず。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-04 13:08:09) |
14. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 正直ダニエル・クレイグのボンドにはあまり興味がなかったのだが、3本目でついに白旗を上げることになった。 いや、面白い。 否、興味深いと言うべきか。 これまでジェームズ・ボンドの過去なんて考えたこともなかったし、それが007シリーズのセオリーでもあったと思うのだが、ボンドの生家がラストの舞台になり、彼の幼少期が明かされる展開になるとは思ってもみなかった。感傷的なボンドの真骨頂というところか。 まあアクションのド派手でスタイリッシュなことは、他のアクション映画の追随を許さない面白さ。嫌な奴だった上司が実はけっこういい人で次のMになる、なんて演出も月並みだけど嫌いじゃない。 そしてダニエル・クレイグの着こなしにも要注目。 やっぱ面白いわ、007。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-04 08:40:36) |
15. アンモナイトの目覚め
《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞したのだけれど。 なんだか同性愛を描く作品が多くなって来たなあと。 いや、私がそういう映画ばかり観てしまっているだけかもしれないが。 「燃ゆる女の肖像」のよう燃えたぎる愛は実はそんなに描かれてなくて、それを激しい性行為の描写で補っているように思えた。 シアーシャ・ローナン演じるシャーロットは、女性が好きというよりも、自分を強く導いてくれる相手を欲しているのではないか。それが男性であろうと女性であろうと。 メアリーを愛しても、夫の言うことに逆らうだけの勇気も知恵もない。そしてロンドンで夫の目を盗んでメアリーを囲おうとする。そこにメアリーの誇りとか生きがいを想像する思考を彼女は持っていない。夫がシャーロットにしたように。そのあたりの経験値の低さと傲慢さをシアーシャは見事に演じていたと思う。 対するケント・ウィンスレットの演技も素晴らしかった。 「タイタニック」の頃の彼女を好きになれなかった私だが、年齢を重ねて円熟味を増した彼女は本当に魅力的だ。無骨な彼女が徐々にシャーロットに惹かれ、抑えることのできない熱情を開放するシーンのなんと美しくエロティックなことか。 メアリーの「生きがい」である恐竜の化石を挟んで対峙する二人の成り行きが知りたくなる絶妙なラストシーンも良かった。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-30 10:58:43) |
16. 007/慰めの報酬
《ネタバレ》 アクション満載なのだが、前作からの続き的な部分が多すぎて、この一本だけ鑑賞して楽しもうという御仁には不向きかも。その点はちょっと問題かな。 ダニエル・クレイグはボンドとしてはかなりのはまり役。そして彼の着こなしは男性として大いに参考にしたいところ。まああくまで参考にしたいというだけで、真似はできないのだけどね。 ストーリーは、前作からの続きということを差し引いても、お世辞にもわかりやすいとは言えない。スパイ映画って、誰が敵でどうすれば世界が救えるのかってことが単純明快でないと、そこが気になってなんだか楽しみづらいんだよね。そこが問題。 そしてM。ジュディ・デンチはキャリアもあって素晴らしい女優であることは間違いないと思うのだが、個人的にこの役にははまってない気がしている。でもこの後の007でもずっと出続けるんだよね。彼女絡みのシーンが多いんだから、まあこれは諦めるしかないか。 これまでの007シリーズよりも人間臭いボンド、という触れ込みに違わぬボンドは、意外に嫌いじゃないな。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-12-26 10:46:59) |
17. クライモリ(2021)
《ネタバレ》 ハラハラドキドキ感が楽しめるのは正直中盤までかな。 怪しい集落の住人が街中で商売してるのは、得体が知れない感をかなり薄めてしまっていてもったいない。ルール無用の殺戮集団、ではなくそれなりの秩序をもった集団であることで理不尽さは増すものの、その分なんだよこいつら的な恐怖が削がれてしまっている。 逃げた女性を追いかけてキャンピングカーでやってくるなんてちょっと想像していなかった展開だったが、その後の展開は思った通りでスカッとしたかな。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-12-10 10:43:45) |
18. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
《ネタバレ》 この映画は、エドガー・ライトの作品だと知った上で観るか否かで大きく評価が分かれそうなのだが、映画とは本来そんな観方をすべきではない。 …が、そんなことを百も承知でエドガー・ライト。 人類の危機よりパブ制覇。 だって俺には、お前たちみたいな家族も仕事もないんだぜ。 なんて切ない事情もありつつの怒涛の展開に、予備知識なしで観た人はぶっ飛ぶだろうね。 おっさんばかりでそろそろうんざりしてた絶妙のタイミングでロザムンド・パイク。 これにはやられた。 酔っ払いに邪魔されて地球人のしつけをあきらめた宇宙人って、意志弱すぎだろって思うけど、酔っ払いに何言ったって通じないんだから仕方ないよね。 「ショーン・オブ・ザ・デッド」もそうだったけど、この監督は歪んだ世界を元に戻そうとせず、歪んだままで終わらせるってところが好きだな。 人には勧められないけどね。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-25 18:24:16) |
19. ミッドナイト・ミート・トレイン
《ネタバレ》 地下鉄の作り出すあの独特の暗くてジメジメして不気味な雰囲気は良い。 殺戮方法がまずは肉屋の使うハンマー?なのも痛くて良い。 しかし、時々はさむ漫画のようなゴアシーンに心が萎えてしまうのは私だけだろうか。 ストップモーションになり、異常に強調された肉片が飛び散るシーンに、正直白けてしまった。 感情を排した仕事ぶりが肉屋の真骨頂なら、映像も徹底的にリアルを追求して欲しかった。 そこが難点。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-11-01 17:25:33) |
20. ラストナイト・イン・ソーホー
《ネタバレ》 これは映画館で観るべきだった。もったいないことをしたと後悔。 とにかく主人公のエロイーズが魅力的で、もうそれだけで映画として成立してしまいそうな勢いがある。筋立てもスリリングで、しかも想定外の幕切れ。 サンディのために犯人を捕まえようとするエロイーズを阻止しようとする亡霊たち……かと思ったら、全くの見当違い。いや、やられた。あの亡霊たちは、サンディの罪を暴こうと躍起になってたのね。 さすがエドガー・ライト。今回はコメディに寄せず、正統派のホラーで攻めてきた。 いや、いい映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-23 14:47:37) |