2. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 一度目は友達と見て、二度目も違う友達と見て、ミュージカルシーンは美しかったけど、見終わった後どっちもずーんとなってしまった。自分を犠牲にして息子の病気を治したかったセルマの気持ちはわからないでもないけど、やっぱり子供には親が必要だよ。父親だっていないんだし、母親が死んだらいかん。息子は、母のおかげで目が見えるようになったという感謝と、そのために母が死んでしまった罪悪感の狭間で一生生きていかなければならない。これはつらい。母の無実を信じていようと、それが社会的に証明されなかったことへの憤りも抱えていかなければならない。セルマは、本当の意味での無償の愛を息子に残し、病気を治して強く生きていって欲しいという思いとともに死んでいったが、残された息子は母の死に対する罪悪感、自責の念、憤りといった非常に深刻な想いを背負って生きていく。まだ小学生ほどの子供にとって致命的とさえなり得る重さだと思う。本当の悲劇は息子のこれからの人生なのではないだろうか。やはりセルマは生きるべきだったと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-01 15:00:07) |