1. ある子供
《ネタバレ》 折々に見せる暇つぶしの仕草、その場しのぎの金の使い方、彼女が憤るのはわかりきっていたはずなのに、いざ反対にあったらすぐに赤ん坊を連れ戻しにいく行動など、まったく先のことに考えが及ばない、子供にしか見えないブリュノ。刑務所に入っただけで更生するなどという話はまずないだろうとは思うが、いつかそうなる可能性は確かにあるはずだ。彼が出頭したのは、回収人から逃れるためかなとも思ったが、考えたらそこまで頭が回る人間じゃない。彼には悪いが(笑)。責任というものの片鱗がそこには見え始めたんじゃないか。格差が与える教育への影響は甚大なものがあるそうだ。日本でも底辺校の生徒の家庭を調べてみると、進学校及び中堅の学校と比べて圧倒的に経済的格差がある。単に学力だけでなく、問題行動を起こすなど適応能力等も実際に劣っている。そうするとその子も子供ができたとき、自分の親と同じような職業に就くしかなく、悪い環境に追いやってしまう。そう、この状況は循環するのだ。これは決して外国の話ではなく、日本の話でもあることをしっかり心に留めないといけないと思った。あの赤ん坊がそうはならないことを願うばかり。頼むよ、ブリュノ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-18 06:10:13)(良:1票) |