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プロフィール
コメント数 2290
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 お世話になっております。
只今『真・女神転生VV』攻略中のため新規投稿お休みしております。
2024.6.28
とりあえず1周目クリアしたのでぼちぼち投稿再開しています。
2024.7.19


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  ドント・ヘルプ 《ネタバレ》 
ネタバレあります。ご注意ください。  物語終盤、マリアが幻覚を見ていたシーン。父は娘(マリア)に「殺してくれ」と懇願しました。かつての虐待を詫びるため。もし彼女が幻覚の中で父を殺していた場合、実際に死んでいたのは誰でしょうか。当然「枢機卿」と予想されます。であるならば、我に返ったマリアの傍には枢機卿が居なくてはいけません。しかし彼女の傍にいたのはタマラ(悪魔憑きの少女)でした。これは一体どういうことでしょうか。私は当初、単純なミスと考えました。詰めが甘いと。しかし結末をみるに、悪魔(アモン)は最初から取り憑く先を枢機卿に変更するつもりであったと推測されます。そうならば合点がいきます。枢機卿が殺されては元も子もありません。折角取り寄せた「極上の器」ですから。 アモンによる「枢機卿乗っ取り計画」において、強盗は完全なアクシデントだったことでしょう。もし彼女らが有無を言わさずタマラを保護していた場合のみ、最悪の結末は免れたかもしれません。そういう意味で邦題は『ドント・ヘルプ』ではなく『マスト・ヘルプ』が正しかったと考えます(貧困な英語力失礼)。とはいえ、強盗によるタマラ救出は無理筋も無理筋であり、やはり枢機卿が迂闊であったと言わざるを得ません。ということで本件から得られる教訓は「戦うなら自分の土俵で」「一人仕事はダメ」の2点であります。 最後に「黒い影」の正体について。立ち回り的にマリアの父親説が疑われます。すでに長女によって殺されている男。姉妹にとってトラウマの元凶です。アモンの幻覚は完全創作ではなく、対象者の記憶や願望を鋭利に顕在化させる類のもの。父に謝って欲しい。いやそれ以上に赦したいと考えていたのかもしれません。あるいはアモンの誘惑に抗うために、赦さざるを得なかったのか。いずれにしても彼女の口から「赦す」という言葉が出た意味は重いです。父の魂を救う必要は1ミリもありませんが、どうか彼女の魂は癒されて欲しいと願います。 (以下余談)この邦題は『ドント・ブリーズ』のヒットを受けた便乗商法と推測されます。『ドント・ブリーズ』以降『ドント〇〇』が量産された印象があります。原題『The Inhabitant』をカタカナ表記したとしても英検4級の私のようなものには何も響きませんし、気の利いた邦題が欲しいタイプの作品には違いありません。作品のクオリティや特徴の無さ(失礼)を考えると、物語のポイントを的確に捉えた本作の邦題は成功の部類に入る気がします。
[インターネット(吹替)] 6点(2023-10-15 06:54:41)
2.  クロノス(1992) 《ネタバレ》 
ゴシックホラーの風合ですが舞台は現代。『吸血鬼もの』にも関わらず、コウモリに変化もしなければ、人を襲ったりもしません。お約束の美女を吸血するシーンすらなし。私たちが思い描く『吸血鬼もの』とは一線を画していました。一般的なホラーというジャンルにも当てはまらない気がします。それでいて紛うことなく『吸血鬼もの』の趣。それは吸血鬼映画特有の美しさ(芸術性)が、ギレルモ・デル・トロ監督によって見事に担保されていたからだと思います。さて本作では、錬金術で生み出された『クロノス』という昆虫型機械がドラキュラ伯爵の代わりを務めました。機械内部にはグロテスクな生物の姿。コイツがクロノスのカラクリを使って人を吸血し快楽でその者を支配すると共に、人を不死の生物に変化させる仕組みです。魅入られた美女がドラキュラ伯爵に身を捧げるのとシステム的には大差ありません。効能、常習性、それに伴う代償。機械針で吸血という手法も含め、ドラッグに溺れる中毒患者を彷彿とさせます。一度そう認識してしまうと、もう『麻薬中毒者の末路』を比喩した映画としか見えなくなります。果たして主人公に与えられた選択肢とは、モンスターとして生きるか、人として死ぬかの二択。結末に救いを感じるのは、私たちが人間だからに他なりません。 素晴らしきはギレルモ・デル・トロ監督の映像作家としての実力です。聞けば本作が長編デビュー作との事ですが、どの画の端々にも監督のサインがみて取れるよう。並の監督でないのは一目瞭然でした。物語の骨子は『ドラキュラ』ですが、主人公の姿は『フランケンシュタイン』を模していました。本作のテーマ『人が人たる条件とは何か』を語る上で、人造人間もまた欠かせぬモチーフだったのでしょう。愛する人がいるからこそ、人は人でいられる。それはすなわち、人は一人では生きられないというメッセージと考えます。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-10-20 15:28:59)
3.  パラドクス 《ネタバレ》 
(ネタバレありますので未見の方はご注意ください。些細な情報もシャットアウトして観る方が絶対におススメ。予告編も観ちゃダメです……)閉鎖空間に閉じ込められ、出られなくなる主人公。既視感のあるソリッドシチュエーションスリラーで、日本でいえば『世にも奇妙な物語』にありそうな一編。この手のお話は、状況設定の奇抜さがセールスポイントで、“オチ無し”が結構当たり前。その点、本作は腑に落ちる結末を用意してくれた分、良心的かと。劇中で現象の解説は為されているものの、解釈の幅はありそう。ということで私なりの理解を述べたいと思います。 この不思議空間の法則は終盤2人の老人の口から語られる通り、前半35年、後半35年の2部制が採用されています。閉じ込められる空間は全く異なりますが、イベントやルールは同じ。爆発音、人の死、役割演技、死の間際での気づきとバトンタッチ、サバイバル要素なし……。「閉じ込められた世界での肉体的・精神的状況は現実世界でも反映される」「閉じ込められた私たちは本物の自分たちのために酷使される」、それに「この世界には自分のほかにもう一人」。これらの状況から推測される「不思議空間」の真相は「自我の世界」ではないかということ。相方はさしずめ“超自我”さんでしょうか。少々自我の確立時期が遅い気もしますが、みなさん大器晩成タイプなのでしょう。若者時代の前半35年は幸せだが、年配者は過去に囚われて生きるので後半35年はキツイという理屈には異を唱えたいものの、本作で提示されたサンプルは最終的に皆現実世界で「自殺」を選択しているため、「うまく自我をコントロール出来ない人生は地獄ですよ」という事かもしれません。私もまさしく人生の後半戦に入ったところ。肉体的にも精神的にもグッドシェイプして“健康に”乗り切りたいものです。
[DVD(吹替)] 7点(2016-10-15 19:24:03)
4.  皆殺しの天使 《ネタバレ》 
何故ブルジョワだけが、神の仕掛けた罠に絡め取られたのでしょう。危機を察知して、屋敷から逃げ出した使用人たちとの違いは何か。ブルジョワたちは、いろんなモノを身につけ過ぎたのだと思いました。地位、名誉、金、プライド…。装飾が足枷となり、本来動物が持っている危機感知力を鈍らせた気がします。理性を失い罵りあう人々。足枷が外れたから、彼らは助かったのだと思いました。もっともそれは一時的なもの。一度服を着た人間はもう裸に戻れない。だからあの結末なのだと思います。不条理映画ではありますが、体裁はサバイバルサスペンス。『CUBE』や『SAW』と同じソリッドシチュエーションスリラーとも言えます。そういう意味でこの状況設定は秀逸です。物理的な拘束より心理的な抑圧の方がずっと強固な監禁状態だと思えました。お見事。謎の多い映画なので、鑑賞後にあれやこれやと自分なりの解釈をして楽しむのがお勧めです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-26 18:53:16)
5.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
開始20分で、これは良い映画(自分に合う映画)だと確信しました。ポイントは2箇所。まずは主人公が廃墟の迷宮を目の前にした場面。彼女は手にしていた本を“落したまま”、ラビリンスへ駆寄ります。ドラマでよく目にする定番の表現です。“驚き”や“没頭”を意味する。でも実際にはそんなことしない。落とした物は拾います。普通は。これは演劇におけるある種の記号。リアルさを追求する映画なら使わないほうが上品です。でも本作の場合は効果的だと思いました。彼女のパーソナリティと作品の立ち位置が一発で分かります。大佐が兎狩りをしていた父子を尋問するシーン。酒瓶の底で鼻の頭をガツンガツンガツン!!!大佐の本性が顕となり、強烈な驚きと痛みが物語への求心力に繋がります。掴みが上手い。どんなジャンルの映画でも大切な要件ですが、殊更ファンタジーでは、早い段階で作品世界へ観客を引き込むことが重要と考えます。主人公が目にする幻惑の世界。予想通りそれは彼女の心が創り上げたものでした。人は辛い現実と常に向き合ってはいられない生き物。夢と空想、現実逃避を織り交ぜながら、現実と折り合いを付けていく。でも少女の場合は偏り過ぎた。その技術を身に付けられなかった。想像の世界の中で幸福に包まれるよりも、辛い現実の中に幸せを見つける事の方がどんなに価値があることか。この世の“真実”を知らずに死んだ少女が哀れでなりません。ただ、自分の幸福よりも弟の身を案じることが出来たことは救い。彼女がこの世界で見つけた唯一の真実だったのかも知れません。
[DVD(字幕)] 8点(2008-11-02 17:54:28)
6.  天国の口、終りの楽園。 《ネタバレ》 
少年2人の派手な言動に目を奪われがちですが、真の主役はルイサでした。それは衝撃の結末で明らかになります。彼女が置かれていた状況を知ると、今までの出来事に対する捉え方が劇的に変化します。ルイサの心情を慮ると心が締め付けられる。同姓の観客ならば尚更でしょう。それは深い余韻を伴います。それにしても人生は無常なもの。しかし情緒的に捉えることも出来ます。彼女が「終わりの楽園」に辿り着いたのには、意味があるのではないか。存在するはずのないビーチ「天国の口」。もしかしたら、彼女は誰かに導かれたのかも。ルイサにとってハノは、夫である前に恩人でした。孤独から救ってくれた人。でも愛情とは、少し違うかもしれない。彼女が生涯のうちで最も愛したのは、元彼だったような気がします。ちょうどテノッチやフリオと同じくらいの歳に事故で死んだ彼。前歯が欠けた、ポニーテールの彼です。彼の話をするルイサは楽しそうでした。顔すら分からない彼の姿が頭をよぎります。ラスト、少し大人になったフリオの髪は伸びていました。頭の後ろで髪を縛れるほどに。この事から、死んだ元彼の霊的な介在を主張する気はありません。でも、ものは考えよう。全ての事に意味がある。理由がある。そんなふうに考えることで、救われることもあります。この夏の出来事が、2人を成長させたとは思いません。この出来事がなくても、テノッチとフリオは別れたと思います。2人の関係は、成長期の少年に多い、特殊な結びつきでしたから。彼らにとって彼女は、甘いような苦いような思い出の一つでしかないと思います。彼女の死を知ってもなお、それは変わらないと思う。少なくとも今のところは。ただ、ずっとずっと経ってから、ふと思い出して涙を流す日が来て欲しいと願います。それはたぶん精神的に彼女に追いついた時。その時、この経験は彼らをいい男に変えてくれる気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-14 19:00:05)
7.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 
人の心は天秤のイメージ。釣合いが取れている時は心穏やかな状態。辛いこと、悲しい出来事は重りとなって人の心を傾ける。傾き過ぎると、歩くことはおろか立っていられない。ボディーガードを引き受ける前のクリーシーは、この状態でした。アルコールを逆の天秤皿に注ぎ、一時的に傾きを中和する。でも酒はこぼれ落ちるばかり。酒は更なる重りに変わります。ピタと過ごした日々は、彼の心の天秤を水平に戻す過程であったと思います。やっと歩けるまでに回復した矢先の事件。傾きを和らげる手段として、彼が選んだのは復讐でした。重りを取り除くのではなく、逆の天秤皿に別の重りを載せる作業。重りを載せ過ぎるのは危険です。天秤は壊れ易い。でも載せずにはいられない。それが人間の情です。死の間際、クリーシーの心は水平だった。それがせめてもの救いだと思います。凝った映像表現がやや煩いものの、観客を惹きつける展開はお見事です。自分も架空の重りを心に背負いました。ピタが生きているのは不自然ですが、こういう奇跡は歓迎します。それにしても治安の良さは、かけがえのないものだと痛感しました。何だかんだ言っても日本は恵まれている。それは感謝しなければと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-26 18:16:15)(良:1票)
8.  ウェルカム!ヘヴン 《ネタバレ》 
まず工作活動の内容が分かり難くいです。例えば、困っている人を助ける(=善行)とか、拾ったお金をくすねる(=悪行)なら分かり易い。しかし本作の争点は、対象者にボクサーを辞めさせ、定職に就かせることが出来るか否か。ピンときません。(おそらく大前提として、殴り合いを生業とするボクサーは、キリスト教的に好ましくないのでしょう。)それに仲違いしている母親に謝罪の手紙を出させることが重要なポイントだという。すごく地味。行為そのものより、演出が。ゆえに前半は退屈しました。それでも挫折することなく観られたのは、主役2人の力に負うところが大きい。ペネロペは何よりルックスが、天国側のおばさんはその清潔感あふれる雰囲気が魅力的でした。中盤以降は物語にテンポが出てきます。2人の掛け合いも漫才のよう。オチも悪くありません。観終わってみれば、十分面白かったと言えます。個人的には、おばさん=ビクトリア・アブリルを知ったことが本作における収穫。熟女の魅力にやられました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-31 18:42:26)
9.  モーターサイクル・ダイアリーズ
南米をバイク1台で旅する2人の若者を描いたロードムービーです。一応目的地はあるものの、旅そのものが目的となっており、旅の中で体験する様々な国、文化、価値観に触れる主人公の感情の揺れが主軸に描かれています。伝記ものですので、旅に起こるイベントやアクシデント等はさほど刺激的ではありませんが、それ故リアルに感じられました。各エピソードはかなり淡白に描かれており、観客がその後の成り行きを想像で補う必要がありますが、逆にその点がこの作品の味になっていると思います。ラストエピソードでは「何かを成す人とはどういう人か」を的確に表現しており、良いと感じました。キューバ革命もチェ・ゲバラも知らなくても十分楽しめます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-07 01:59:23)
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