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自己紹介 2006年春にレビュワーにしていただきました。よろしくお願いします。

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1.  美しき諍い女 《ネタバレ》 
流れとしては画家とモデルの緊迫したやりとりになるんでしょうけど、とにかく長いので観る方の緊迫感が薄れてしまいます。絵を描いているシーンが延々と続きますし、そのとき紙やキャンバスをこする独特な引っ掻く音がユニークだけどあんまり気持ちは良くないです。また、本格的に絵を描くシーンは手とキャンパスだけなので、吹替(?)なのはみえみえです。リアリティを出すのならミシェル・ピコリさんに絵のお勉強もしてもらわないと。そして最後まで問題の絵は晒されません。実はその絵がこの作品で最も重要になるのですが、それは観客には見せない。そのような作品が実際に出来るわけでもなく晒せないのはそれでいいんですけど、その絵がどのような絵かを役者さんの演技でわかるように演出しないといけないのですが、ちょっとこの演技だけでは不足な気がします。ある緊迫した空気を楽しむには良い作品かもしれませんが、あまりに長すぎるのでだれてしまいました。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-23 19:25:41)
2.  パリ、ジュテーム
とにかく数が多すぎます。同じ人が撮っているのならそれもいのでしょうけれど、それぞれ別の人が撮っているものだから、当然のこととしてテイストの違う作品ばかり。展開の予測が出来ないので、観る方としては非常に疲れます。パリのいろんな場所での出来事というのが共通なだけで、ちゃんとオチのある話もあるし、ただ日常を描いているだけのもあるしでまとまりがありません。こういうのは総監督(というのがいるのかしら?)がちゃんとまとまりをつけないと、指揮者のいないオーケストラみたいになってしまっています。かろうじて鮮明に思い出されるのは、「おまつり広場」。刺された黒人男性と黒人看護師の物語。5分あまりの時間できちんとまとまりのある作品に仕上がっていると思います。この監督さん(オリヴァー・シュミッツ)は短編のつくりかたを知っている方だと思います。あとは、ビノッシュやドパルデューやファニー・アルダンが出ていたなあと覚えていますが、ストーリーを明確には記憶してません。あと、それぞれの冒頭がパリの夜で始まる作品が多かったので、作品の弁別もとっても悪かったです。再度見直して一話一話味わってみたい気にはなりますが、トータルとしての評価はどうしても低くならざるを得ませんでした。
[DVD(吹替)] 5点(2008-04-05 18:20:44)
3.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
セリーヌとほぼ同じ時間で人生を生きてきているので共感できます。公開時に見たときは、でも、こんなのあり得ないと思った。今、ビフォア・サンセットと同時に見ると、こんなのもありそうかなと思います。こんなペースでお互いしゃべり続けて半日過ごせば、ほとんど相手のことがわかるでしょ。相性が良ければ恋におちるかも。まあ、私なら住所ぐらい聞いとくけどねって、今の年齢だからいえるのかも。面白いエピソードや会話がたくさんちりばめられて(やっぱ、電話のシーンが最高ですよね)、それらの間にまとまりはないけれど、現実のおしゃべりだってそんなものですよね。これって、最初に列車の中でジェシーが言っていた、ある人の24時間をケーブルテレビで流すってあの企画をそのまま映画にした感じ?この作品を映画でやる必然性があるのか。ラジオドラマでもいいのでは?って考えることもありますが、そこはそれ。おしゃべり大好き。聞くのも大好き。大好きな映画なので良い点つけます。
[DVD(吹替)] 8点(2006-05-28 11:27:22)
4.  マーサの幸せレシピ
いい雰囲気の作品なんですが、なにか足りないところがあるようです。まるでマーサみたいに(原題のMostly Marthaって、少し何かが欠けているマーサ、みたいな訳でいいのかなあ?)。マーサ、マリオ、リナ。それぞれの性格もちゃんとわかるし、俳優さんもきちんと演技している。マーサ役の女優さんなんて、ほんとに中年にさしかかろうとするキャリアウーマンの行動や、気持ちの動きを見事に表現しています。ストーリーも、良くある展開ですが、悪くはないですよね。上等な食材ばかり揃って、さあ、どう料理するかはシェフ(監督)の腕次第なんですが、力量不足は否めません。演出がストレートすぎるようですね。マーサとマリオが結ばれるシーンも唐突な感じを受けます。もう少しひねりをきかせて、途中に盛り上がりを入れてもらえたら、2人でリナを迎えに行くシーンで大泣きできるのに。ハートウォーミングな作品とキャッチ・コピーにはあるけれど、あまりにも展開が淡々としすぎて、最後があっけなくて、泣くに泣けません。セラピストや階下の建築家の存在意義も乏しいです。それに、マリオのウソ(死んだ母)にほだされて食べたくないパスタを口にする程度の良識は持ち合わせているマーサが、ちょっと料理をけなされたからって、いきなり客を怒鳴ったりテーブルの上をひくっり返すかなあ。王様のレストランの「しずかシェフ」でも、お客様にあそこまではしなかったですよねえ。まあ、だからセラピストのお世話になっているのかしら。料理そのものの映像表現も伊丹十三監督の「たんぽぽ」には、はるかに及びませんねえ。それでも、私はレストランや料理好きなので最後まで飽きずに鑑賞できました。作品のもつテイストも十分伝わってきましたので、佳作といってもいいかと思います。 追加:リメイク版「幸せのレシピ」を見て、オリジナルの素晴らしさ(冬のドイツの重苦しい空気の中で対照的な性格の男女の織りなすストーリー展開の素晴らしさ)を見直して+1点です。
[DVD(吹替)] 8点(2006-05-17 20:02:23)
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