3. かもめ食堂
《ネタバレ》 なんともいえないこの感覚。特にこれといって派手な展開があるわけでもなし、流行の音楽が流れるでもなし、斬新なカメラアングルでひたすら楽しませるでもなし…。 一見、普通の映画。下手したらそこらのドラマよりもつまらないと思われるかもしれない。 しかしどこか違う。 登場人物は謎が多い。しかし日常でも、「そう云えばあいつって、どういう奴なんだろう?」という人はざら。そんな人が集まって織り成す一つの物語。 最初は客がいなかったかもめ食堂。しかし、次第に、ふらリふらりと客が寄ってくる。なんだか知らないけど寄って来る。そう云う店ってあるよね、入るとどこか落ち着く店、思わず入りたくなっちゃう店。正にここはそんな感じ。 落ち着いた映画だから、カメラも全然動かない。結構長回しの場面もある。登場人物が立体的に配置されている場面とかもあって奥行きがある。なんだか舞台劇を見ているみたいな感覚。すぐに次の場面に切り替わって他の人写したり、ぶち切られるのではなく、人と人とのつながり、会話している、そんなものを感じさせる。 そして、食べ物が物凄く美味しそうに見える。 ここまで日本の食べ物が美味しそうに見える映画って、なかなかないと思う。 流行に乗らず、判る人だけ判ってくれればいい、そんな感じの作品。お好きな人は是非。 [DVD(邦画)] 8点(2007-03-21 15:09:50) |