1. 別離(2011)
10年前くらい前、イランでは宗教や政治のせいで映画の表現にすごく制約があると聞いたことがあります。その先入観でいたものですから、宗教や社会の負の部分を色濃く描いた本作には、とても驚きました。変化したその背景について不勉強でまったくわかりませんが、抑圧がつよかった分、映像表現に対するモチベーションが高く、それが各登場人物の演技力の高さにも反映してるのかなあといった感想を持ちました。脚本も巧みだと思いますが、シチュエーションと各人の心理(のうかがえる演技)がばっちり連動していて、そこが観客にとり、いたたまれない感情をもたらします。娯楽や感動を得たいタイプの観客には合わない作品ですね。たとえるなら、スウェーデンのベルイマン監督作品を観たときのような感覚に近かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2014-03-23 09:16:09) |
2. グリーン・カード
すいません。どの環境で見たか、完璧に忘れました。どうしましょう。最初から最後まで見たのは間違いないのですけど。困るなあ。2004年から衛星放送をいれてるので衛星放送にしておきます。ゆるしてちょんまげ。ところでこの映画、特に本国アメリカでも人気なんですってね。IMDbでも6.1です。身につまされ度が高いからなのかもしれません。社会性が高いのにちゃんとコメディになってるし、後味が悪くないので、エライと思います。ところで「恋はデジャブ」とか、B級映画にも好んで出ていた?アンディ・マクダウェル、最近見ないと思っていたらハリウッドに嫌気がさしてどこかへ移住してしまったとか!? めんどくさいから検索してませんが、好きな女優さんだったので、私は戻ってきてほしいと思うんですけど。そういう人にこそ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-21 19:05:33) |
3. 幸せのレシピ
《ネタバレ》 ヒックス監督のオリジナルに対するリスペクトが伝わってきて、○。キャサリンも、公開当時は「絶対にこのキャラには合わないでしょっ!(怒)」と思って「見るもんか」と思っていたけど、予想外に健闘。そこも○。むしろ「あなたにはムリ」なんて思っちゃってゴメンチャイって感じ。あと、オリジナルよりいいかも、と思ったのは、姪っ子ゾーイ。繊細な彼女の表情は、「この子役、将来どうなっちゃうの!?」と心配にならないでもないけど、とにかく彼女の演技は一級品であることは、間違いない。但しオリジナルの面白さの大きなファクターである「ドイツのフレンチ・レストランで働くドイツ女性らしーい女シェフと陽気なイタリア男」の取り合わせの妙や、その二人が歩み寄るプロセスのドキドキ感は、本作にはないなあ。アメリカ人どうしだもんねえ。国民性の違いといった背景はないわけだから、緊張感の度合いが違う。ただ、ラストシーンのいかにもアメリカ映画らしいまとめ方は、あれはあれでGOOD。オリジナルの最後の見せ場とエンディングのほうが好きだけど、(※オリジナルのネタばれ、削除しました。今までごめんなさい)あの展開は不可能だから、どうオチをつけるかのアイデアとしては、上出来かな、と思いました。あーだけど、残念ながら、料理はもっとおいしそーに撮ってほしかったなー。だから7点か6点か迷いましたけど、見終わったときの感想そのままに7点とします。 [映画館(字幕)] 7点(2010-07-07 19:25:02) |
4. シャーロック・ホームズ(2009)
予告編からじゃ、この味はわかりませんやね~。予告編を見た限りじゃ、シャーロック・ホームズには程遠いでしょ、それに、「ロック、ストック・・」ヤ「スナッチ」の頃のアホ面白さは薄そう、とたいして期待してませんでしたが、友が「どうしても見たい」というので、しぶしぶついていったら、意外と楽しめました。人をくったようなガイ・リッチー節も健在だったし(むしろパワーアップ!?)、フェロモン系男二人は見てるだけで心地よかったし、テンポは速いし。今までジュード・ロウあまり好きじゃなかったんですけど、今回は「俺が、俺が」的じゃなくてよかったです。まあ、もっと「俺様」度の高い(笑)ロバート君に張り合っても意味ないし、主役はホームズだし、ワトソンは少し控えめにしたほうが光るキャラだしね。そうそう、原作のキャラに意外と忠実だよ、の声に、自分がかつて読んだ「ホームズ」は子ども向けに潤色されたものだったことに気付きました。続編、絶対に見に行こう! と思ってます。 [映画館(字幕)] 7点(2010-04-30 11:20:16) |
5. ピアノ・レッスン
ヒット作、名作といわれるものにかぎって「私には合わない」ということが少なくありません。 [ビデオ(字幕)] 5点(2004-08-22 02:37:24) |
6. 裸足の1500マイル
脇役に徹し、無知で傲慢で野蛮な文明人を体現しきったケネス・ブラナーを、初めて本気で賞賛したくなった。 やっぱりうまい人なんだな~。 でも映画全体は味が薄くて、肩すかしだったかも・・。 ケネス、少女たちの瞳、大地の力、音楽の魅力。 いくらパーツがよくたって、それに頼りすぎている感じで、映画としてのマインドが感じられない。残念。 5点(2004-07-04 20:02:05) |
7. アナライズ・ユー
情けなすぎるキャラのデ・ニーロはきらい。 [映画館(字幕)] 5点(2004-06-13 21:31:06) |
8. ベイブ
久しぶりに見ましたが、やっぱりいーい! 風刺も利いているし宗教的なところもあるんだけど、すべてがほどよくて、愛に満ちてます。昔からブタは好きだったけど、この映画でのかわいさは、群を抜いてますね。映画としての構成も一級品。これを知らないあなた、確実に損をしています! 8点(2004-03-11 21:04:19) |
9. エンジェル・ベイビー
はい、わるくなかったと思います。でも、精神病理に興味のない人で、ふつうのレンアイ映画だと勘違いして見てしまった人がいたら、お気の毒ですなあ。ところで、【アラキング】さん、横浜の我が家のすぐそばのレンタルショップにはずっと以前から(今も)ありますよ。あ、だけど2年近くも前で、そしてこの作品にしか書き込んでいらっしゃらないのね。 7点(2003-12-13 10:46:18) |
10. マトリックス
ま、おばちゃんだけど、こういうハヤリモンもちゃんと見てるのよってことで。(え?もう今や旧作ですか?やっぱりね・・)・・疲れてたときに見たので、なかなかちゃんと頭に入ってこなかったのですが、伝えたい世界観はなんかわかりました。共感します。大人こそ、この映画は見たほうがいいと思います。いわゆるヴァーチャルものの中では、お金もかかってるせいか映像も見ごたえあるし。 7点(2003-11-21 19:26:40) |
11. ロミオ&ジュリエット
大胆な脚色だから、点差が開くのはまあ当然でしょうね。私はなかなかいいできだと思いますけど。どうしてかというと、原作のロミオ、ジュリエットの本来のキャラクターに2人がピッタリだから。このエピソードは忘れられがちですが、ロミオって元々別の子に入れ込んでいたのに、ジュリエットに会ったらコロッといっちゃったのよね。そういう、純情だけどかなりいきあたりばったりな男の子だし、でも女の子にうつつを抜かし続けてきたロミオに一目ぼれされちゃうくらいだから、ジュリエットはかなり早熟な性的魅力を持った女の子なわけですよ。ほらね、2人の個性そのままだと思う。それと、カップルのキャスティングって、理屈を超えた「バランス」がとても大事だと思うのね。微妙な個性の差によって、いいコンビにもいまいちにもなると思う。この2人の場合、「バランス」としかいいようのないものが、実に絶妙。ほんとにいい組み合わせだと思います。クレアってほんとにうまくてセクシーででも愛らしい、なかなか稀有な女優。「タイタニック」のヒロイン候補でもあったそうですね。彼女が演じていたら、レオとのラブシーンにもっとリアリティーが生まれ、もっとレオもひきたつステキな映画になっていたことでしょう。ほんとに惜しいことだったと思います。(ん? 「笑」票をもらったのは嬉しいが、大まじめに書いたんだけどなあ・・仮にもらえるとしたら「良」のほうだとばかり思っていた、私。ハハ、ズーズーしくて、シツレイしました) 7点(2003-09-26 15:22:21)(笑:1票) (良:2票) |
12. プリシラ(1994)
演技も映像も衣装もいいんだけど、いまいちノリきれませんでした。ゲイ・ムービーは好きなものが多いんですけどね。湿り気のなさとも関係があるのかもしれません。マイノリティテーとして生きる切なさがもっと感じられたほうが、ナチュラルなような気がしました。もう一度見たら、全然違う感想になるかもしれないけれど・・。(それにしても、「LAコンフィデンシャル」のガイが、「マトリックス」のヒューゴが・・と、本当にビックリ!) 6点(2003-06-22 18:39:09) |
13. アナライズ・ミー
私はそもそも「ゴッド・ファーザー」見てないのよ。そんな私が見ても、ツボがわかるわけないって? ショボーン・・。いやそれでも、つまらないものはつまらなかった、と断言しちゃおう。何かを見てなくちゃ笑えない「笑い」なんて、2流なんじゃないかしら。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-05-11 10:04:38) |
14. シャイン
実のところ、この作品はいつも涙なくしては見られません。 あそこまでの抑圧を受けたわけではないけれど、私自身が親の望むコースに抗えなかった一人なので、他人ごととして受けとめられないのです。 しかも、私の涙をさらにしぼるのは、監督が、泣かせよう、という作り方をしていないから。父親の描き方があざとくなくて、父のほうもいっぱいいっぱいだったのがよくわかる。 その悲劇性も心にしみます。 でも、いくら愛情から出発したことでも、個人の人生を抑圧しちゃいけない。 そちらのメッセージのほうが上回っている。 だから、その人間理解の深さ、監督が人間に寄せる愛の深さに、余計に泣けるのです。 このストーリーを、芸術家の特異な人生、と読む人も多いかもしれないし、それも間違いではないと思いますが、普遍性をも描ききれたからこその、名作だと思います。 過去を浄化する力も持っている音楽の力にも感動しますが、それ以上に、後半、運命的に出会ったパートナーと交わす、シンプルで豊かな愛情表現に心打たれました。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-03-21 04:18:35)(良:1票) |