1. 幸せのレシピ
私は、映画前半のケイトのように仕事を優先するが余り、周囲への配慮は二の次というほど極端ではないにしろ、人間関係の疎ましさは、いつも感じてきた。だから、苦手な人とは距離をとって、周囲とは波風たてないように仕事をこなし、成果はそこそこ出す。それが正しいと思って生きてきた。人と深く関わらないようにしてきた。しかし、働く上で、いや、生きることは人間関係を築くことであり、避けては通れない。 この作品の中でケイトは、仕事を人生の優先事項とし、単純に仕事だけに打ち込む日々であった。それが、姪をひきとり、恋人ができ、孤独と引き換えに多くの悩みと向きあっていくことになる。悩みながら人との関わりを築く事により、少しずつケイトの壁がとれ、素敵な女性になっていく様子を爽やかに描いている。 生きている以上、人と関わりを持つ以上、悩みは絶えない。むしろ人との関わりが深くなればなるほど、煩わしさは増えていく。 だけど、そんな悩みが人生を豊かにしてくれる。素直にそう感じさせてくれるすばらしい作品です。 [地上波(吹替)] 10点(2011-06-26 14:40:13)(良:1票) |