1. LION/ライオン 〜25年目のただいま〜
《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。事実に忠実にということだろうか、道徳的な観点が極力排除されていて、ムリヤリな感動を呼ばないつくりが「スラムドッグ$ミリオネア」と対照的だと思った。たとえばサルーはすごくいい子だからいい家族に引き取られたというような誘導はなくそこは淡々と「たまたま」が描かれているし、あるいは大人になったサルーが何不自由なく育てられたことに恥ずかしさやうしろめたさを感じているかというとそうではなく、サルーが出自を明らかにしたいと願う背景にはただ単に自分の中にある穴を埋めたいという思いしか描かれていない。なので全体を通じてドラマティックな映画にはなっていないが、その分最後の感動が純粋なものになっていると思った。 一方、弟のマントッシュや恋人のルーシーとの関係は、ぶっちゃけストーリーとなんの関係もないのにもかかわらず、こちらも淡々とそれなりのボリュームで描かれてしまっていて、それっているの?と思ってしまった。 そして、それにしてもいつもニコールの存在感と演技は素晴らしい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-04-29 10:07:06) |
2. 幸せのレシピ
《ネタバレ》 基本的に、がんばってる女の子が幸せになっちゃうこの手の映画が恥ずかしながら大好きなのだが、これはちょっといただけない。というのも、主人公の常に「自分が、自分が」って言っているところに、そしていつも「自分は精一杯頑張ってるの!」って開き直っちゃっているところにうんざりするし、「そんな女、誰も好きにならないだろう」と正直思えてしまうから。キャサリン・ゼタ=ジョーンズはそりゃあ美しく、また料理の才能も図抜けていて尊敬に値するのかもしれんが、それと恋愛は別だろうよ。ちょっとでも男目線で見たら(それとも女性から見ても?)、実に意味不明な映画。 [DVD(字幕)] 4点(2008-09-21 18:40:28) |
3. スーパーマン リターンズ
正直言って、少しガッカリした。「スパイダーマン」のあの不思議な浮遊感を見てしまった今となっては、超高速で飛び回るスーパーマンですら凡庸に感じられ、爽快感はない。ならばせめてストーリーぐらいスカっとさせてくれるかと思いきや、最近の流行なのか、悩み多き主人公には終始もやもや感がつきまとい、2時間半見た挙句何のカタルシスもなかった。28年の時を超えて、これか・・・。リメイクのほうが良かったのにと、心から思った。 [映画館(吹替)] 5点(2006-09-04 22:37:45)(良:1票) |
4. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 つらいなあ。たとえばデイヴのように何の救いもないまま死んでいく人も、そしてジミーやショーンのように決して放棄することのできない罪を一生背負って生きなければならない人もいるってことは、もう大人だからわかってはいるけど(笑)、それでもこうしてストーリーとして見せられてしまうと、つらすぎる。映画自体はそんなことを感じさせるのには十分な出来だったとは思う。けど、主な登場人物6人ぐらいの心理描写を平行して行おうとしているので、全体としては散漫な印象だった。そして、音楽が変だった・・・。全然映像と合っていない。クリントに才能があるのはわかっている。だからといって、自分で音楽まで担当することないじゃないか! 5点(2004-02-08 12:45:26) |
5. マトリックス レボリューションズ
《ネタバレ》 「リローデッド」が正直いまいちだったので、実はあまり期待していなかったのだが、期待以上に面白かった。「マトリックス」の世界観はこの作品で非常に明快に整理されていたと思う。ネオの存在自体もマトリックスを均衡する予定されたプログラムでしかないという事実は衝撃的だが、しかし救世主としてのネオの存在はネオやモーフィアスという人間がもった強い「意思」(それはオラクルのいうところの「選択」)によって「のみ」生み出されえたのだと語られたところに人間への希望が感じられて、非常によかった。 8点(2003-11-16 18:17:41) |