1. ゾンビ・サステナブル
《ネタバレ》 前作は強烈なインパクトをもった異色のゾンビ作品でした。本作についても全く同様の視点でゾンビを描いています。 ポイントのひとつはゾンビが放つガスをエネルギー資源として活用していること。なので、邦題の「サステナブル」は何を今更といった感があります。相変わらずユニークで楽しいアイディアではありますが。 そしてポイントのもうひとつは、感染してハイブリット化するとゾンビを意のままに操れるようになること。これもある意味「サステナブル」ですね。死者(正確には感染者?)であっても再利用して戦力にする。既視感がないでもありませんがこれまた相変わらずユニークです。 もっとも、予告編でドカーンと出ていた「SDG's」は、真面目に取り組んでいる人たちからは怒られそうな気がしますが…。 結局、マッドサイエンティストは気付いてしまったわけですね。ゾンビ化を防ぐのではなくゾンビを再利用して(操って)こそ、この荒廃した世界を生き抜き支配する最良の選択なのだと。そのあたりを若干過大評価すれば、今まさに世紀末化しつつある世界に対する警鐘となるべきテーマ性を有した作品、と言えなくもないような気がしますが、やはりそれは過大評価とも思えたりして。 前作ほどの強烈なインパクトはなく焼き直し感は否めませんが、スピーディで容赦ない展開と短めの尺によって、本作も大いに楽しめた次第です。6点献上します。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-10-07 23:53:08) |
2. TALK TO ME トーク・トゥ・ミー
《ネタバレ》 ひさびさに良質で後味の悪いホラーに出逢えた感じです。 良質というのは、定番・鉄板的な若者が調子に乗って霊をいじってしっぺ返しというメインストーリーに、ヒロインの抱える心の闇(母の死と父との関係性)の繋がるヒューマンドラマ的要素、そして全編通じてのある意味オーストラリア映画らしい?容赦のなさが冴える演出とビジュアルの禍々しい美しさです。出演者の如何にもといった感じが良く表現されている演技もいいですね。 後味の悪さは、少年を巻き込むのはアルアルだとしても痛めつけ過ぎとダメージ受け過ぎなところと、いつの間に悪霊と契約したの?ってな感じでのヒロイン身代わり投身。そもそものヒロイン90秒オーバーの件があったからこその予定調和とも思えず、少年の魂をあれほど渇望している悪霊たちがヒロインの魂でも良しとしたのは何故?ヒロインの母親の霊が語っていたことはどこまでが真実?等々、いくつもの腑に落ちない点が散在しているのが消化不良。 とは言え、ひさびさに惹き込まれたホラーの佳作に7点献上します。ちなみ、もしカンガルーに止めを刺していたら大幅マイナスでした。ホラーで罪のない動物が死んではいけませんので。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-06-12 11:55:18)(良:1票) |
3. プリデスティネーション
《ネタバレ》 タイムパラドクスものは好物であるにも関わらず未見でした。遅れ馳せながら鑑賞。 タイムパラドクスには大雑把に分けて二つのパターンがあると常々素人考えしている私。二つというのは、ひとつは過去を変えると未来が変わるパターン、もうひとつは過去を変えても新たに時間軸が分岐して並行世界が加わるというパターン。 しかしながら本作は、その二つのパターンのハイブリット的構造になっていて、二次元的に表現すれば劇中にも登場するように自らの尻尾に食いつく蛇のようなループ構造なのですね。それによって主要な登場人物が皆同一人物であることによる矛盾を解消しようという試み。いや逆かも。主要な登場人物が皆同一人物であることによって矛盾を解消しているのかも。原作がしっかりしているだけに流石の展開ですね。 ただ、そうは言ってもひとつの矛盾を解消しようとすれば新たな矛盾が生じてしまうもの。大きな疑問のひとつとして、輪廻することによって切り離された過去と新たな時間軸の接合点についてが今ひとつ理解出来ませんでした。そしてもうひとつ、同一の世界に住む他の存在と時間が共有されていること。勿論、個々人が時間を占有することは(多分)無いと思われ、時間を共有している他者が如何に「爪痕」を最小限に抑えようとも並行世界は同時多発的に増殖しかねないような?何より「爪痕」を抑えるのは何のためなのか?考えれば考える程、素人考えはループし続けてしまいます。 こんな風に悩み考えて何度も鑑賞出来る作品はそうそう多くはありません。納得は出来ずとも傑作であることには変わりなし。9点献上します。 [インターネット(字幕)] 9点(2023-12-11 10:35:50)(良:1票) |
4. ラン・ラビット・ラン
《ネタバレ》 これはサラの幻影か、妄想か?それともアリスの亡霊のなせる業か?そのどちらとも受け取れると同時に、どう見るのかによって大いに評価が変わりそうな作品ですね。個人的には、全体通じてサラ目線で描かれていることもあり、語られているのはあくまでもサラの世界だと思いました。 幼き日に妹を散々苛め、挙句の果てには殺してしまった。それは紛れもなく狂気のなせるものであり、彼女自身に反省や自戒の念はないのだと思います。ただ、そうは言っても、サラにとって妹の死はどうにも振り払うことの出来ない悪夢となって脳裏に染み付いており、歯止めとなっていた父親の死に加え、愛娘が妹と同年齢になったことを契機に再びその狂気が頭をもたげて来たのでしょう。最早ミアはアリス。ミアが自らをアリスと呼ぶのは、ミアにアリスを求めるサラの幻影と思われます。 ラスト、元夫さえも殺してしまったサラは窓辺からアリスがミアを死に誘う場面を目撃しますが、勿論それも幻影でしょう。既にミアを殺してしまっているのか、それとも逃げ惑うミアへの殺害衝動が幻影となっているのか。明確に語られないので判断は難しいところですが、そこに至る以前の様々なシーンから、サラに僅かに宿る母性が殺すことは押し留めたのではないかとも思えますが、それは希望的観測に過ぎないかも知れません。 冒頭のサラの夢はトラウマそのもの。妹を殺してしまったことへの後悔の念なのか、それとも自らも死のうとしたものの助かったのだという弁明的な念なのか。観終わった後、いろいろと反芻する楽しさの味わえる作品に対し、そして、一見ジョディ・フォスター似、サラ役のサラ・スヌークさんの鬼気迫る演技に対し、8点献上します。 ちなみに、サラに対して心を閉ざすミアが被る手作りのウサギのお面。庭に迷い込んだウサギ同様、かつ、妹の名前がアリスなのですから、登場するウサギには「不思議の国のアリス」のイメージが重なります。それに限らず、「ドニーダーコ」や「インランド・エンパイア」など、ウサギが象徴的に登場する作品がありますが、欧米ではウサギそのものに何か特別の意味があるのでしょうか?日本では飛躍とか子沢山とか+イメージが多いような気がしますが…。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-10-22 15:02:05) |
5. モーガン・ブラザーズ
《ネタバレ》 バランス良く出来たホラーコメディ。皆さんがレビューで書かれていることは概ね頷けることばかりです。スプラッター系なのにキモさをまるで感じることなくクスっと笑えるというのは脚本と演出の妙ですね。オーストラリアの作品は結構激しくグロいイメージがあるのですが、この作品で印象が少しばかり変わりました。 ワタシ的にツボだったのは、おバカでKYでまるで役に立たない立ち位置の弟と、そんな弟を我慢に我慢を重ねつつ支え続ける忍耐強い兄、みたいな関係性だったのが、弟の方が田舎育ちの都会の女子の魅力に惹かれていった結果、兄よりよっぽど常識的で利発になっていく半面、一方の兄は本来の狂暴性が顔を出し、生きてる人間は加工するは、警官は撃つは、あろうことか叔母とヤッちゃって(もともと叔母は兄弟とそういう関係?)、挙句その叔母も撃っちゃって、若者一人も撃っちゃってと、大いに人格崩壊していって兄弟の立ち位置が逆転するところです。(長い一文失礼しました) スプラッターとかお下品コメディはダメ!という方には受け入れていただけないでしょうけれど、これはある意味傑作ホラーコメディじゃないかということで7点献上します。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-06-13 10:47:46) |
6. スケア・キャンペーン
《ネタバレ》 決して面白くないとは言いませんが、折角の企画が十分に生かされていない作品ですね。既にレビューされている方もいらっしゃいますが、二転三転するサプライズ含みの展開が肝心のラストで尻すぼみしているように思えます。 仮面集団もドッキリ動画作成集団だったことが明かされて火葬されそうになった彼が失禁して笑ってごまかすとか、ヒロインが解放されたのは彼女もマスク集団の一員で車中で幽霊役の女優とハイタッチするとか、あくまでもドッキリ番組の延長線で纏めてくれた方が「してやられた感」が確実になって良かったかなと。大ラスとかエンドロールで、実はこれ全体がドッキリ企画でしたなんてのもありだったかと思います。 ところが製作者さんは、マスク集団を実在の犯罪集団として描いて終わってしまいます。結果、一番後味の悪いエンディングですね。そこを狙った作品と言うことでしょうか。 だとしたら何故ヒロインは解放されたのか?マスクの親玉は「待っている」って言うけど、何をどうして待つのか?彼女に何を求めたいのか?車に監視カメラ据えてどうしたいのか?そもそも、彼らの属する巨大で財政豊かな組織とは一体何を目的とする組織なのか? あぁスッキリしない。こりゃどう見ても「2」製作前提?でも予定はなさそうだし。何とも残念な仕上がりでした。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-04-23 12:17:53) |
7. ファイナル・アワーズ
《ネタバレ》 感想としては↓の方のご意見にほぼ全く同感です。なのでここで書くことは自分なりに引っかかった点について。蛇足かも知れませんが書きます。 冒頭リアルなセックス描写があります。終盤で出て来る乱交パーティ会場でのセックス描写は当然必要かもしれませんが、冒頭に何故それを持って来たのか。どの道置き去りにしようとしている彼女と敢えて激しく求め合うシーンを持って来たのは、主人公の動揺ぶりを示すためだけのもの?それとも彼女との別れを決意するための行為?でも、いきなりそれを見せられて作品の方向性を早合点してしまう人もいるかも。必要だったのかなぁ? そして妊娠を告げる彼女。時が時だけにだからなのか、二股掛けた相手の妊娠にまるで動揺せずそれでも置き去りにする主人公。これもまた自らの確定的な命の危機に動揺し、半ば錯乱している主人公の有様を描いているのか? 母親と再会し素直な心を取り戻していく主人公。姉の死を告げられないのは母親への最後の優しさ。乱交パーティの会場には連れて行けないにしても、冒頭の彼女と同様に置き去りにしてしまう。自分だったら出来るだろうか? そして少女とその父の亡骸を置いて冒頭の彼女の元に走る主人公。この時点では自らを見つめ直し、人としての生き方を選んだ後だけに置き去りは止むなしといったところか?母親よりも、少女よりも、裏切り撃ち捨ててしまった自分への無垢な愛に応える道を選んだのだろう。でも、自分だったらどうだろう?老いた母親の元に駆け付けないか?はたまた幼い少女を置いて行けるだろうか? 類似の作品は幾つか観て来ましたが、この作品には考えさせられることが多かったです。 そして、特に少女の演技と愛らしさは特筆もの。それもあって、迷いましたが8点献上します。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-01-20 10:56:14) |
8. ピーターラビット
《ネタバレ》 ピーターラビットの物語と基本設定は同じだけれど、キャラクター設定やストーリーは児童書である原作からだいぶ飛躍してると言うか、デフォルメしてるというか、実に洋画のコメディらしいアレンジと演出ですね。基本、擬人化されたウサギが最上位にあって人間や他の動物はそれ以下。小ネタも効いてます。アニメ版がほぼ原作を踏襲していたことを考えれば、やっぱりハリウッドだな、と言ったところか。こういう作品、こういうコメディ、好みです。 それにしても、技術革新には脱帽するばかり。ピーターたちが実に自然に実写の世界に溶け込んでますね。まさに命を与えられているといった一挙手一投足。動物たちの自然な動きや表情に釘付けになり、あっという間にクライマックスを迎えてしまいました。 CGキャラが活躍する作品に、また新たな記念碑的作品が登場しましたね。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-04-18 00:34:03) |
9. ゾンビマックス!/怒りのデス・ゾンビ
《ネタバレ》 皆さんのご意見のとおり、怪しげな邦題からは想像出来ないような佳作ゾンビ映画ですね。「28日後」を髣髴させる全力疾走する狂暴ゾンビは造形も素晴らしく、「マッドマックス」的デザインのピックアップトラックはカッコいい!グロ描写の特殊効果もリアリティに溢れてますね。ゾンビの身体から発せられるガスがエネルギー源として活用可能だとか、感染しない血液型の人間にゾンビの血液を注入すると亜種となってゾンビをコントロール出来るとか、かつてないアイディアも盛り込まれています。そして、肝心のストーリーは、きっちり人間ドラマを挿し込みつつも、ちょっと省略し過ぎなぐらいに短い尺の中で纏められていて、ゾンビの動きと同様にスピーディに展開していくところに好感が持てます。マッドサイエンティストのいかれっぷりを始め、何気にコメディ的要素まで盛り込まれていてバラエティに富んだ仕上がりです。ある程度ゾンビ映画を観慣れた観客に向けた意欲作と受け止めました。初心者向きではないですね。 ちなみに、まるでパロディ作品かと思われてしまうような無理やり感溢れる邦題よりも、私的には初見の単語でしたが、原題直訳の方がいいのではないでしょうか?「苦い経験」とか?それじゃますます意味不明かな?(笑) [インターネット(字幕)] 7点(2021-12-26 01:15:13) |
10. リトル・モンスターズ
《ネタバレ》 ゾンビコメディのスタイルを取りながら、ひとりのダメ男が自らの人生を見つめ直し、素直な好人物へと変貌していく姿を描いたラブコメ風味のヒューマンドラマですね。実に楽しい。ルピタ・ニョンゴのキュートな魅力が満載で、ゾンビ映画としての場面の数々もかなりキッチリ作られているにも関わらず、グロさがさらっと流されていて観終わってみればむしろ爽やか。登場する子どもたちも、個性豊かながら、題名に反して決して前に出過ぎることもなく存在感を示していて好感が持てます。子どもの犠牲者がゼロというのもいいですね。(園児以外では犠牲者ありのようですが…) ちなみに、冒頭、デヴィッドのダメ男ぶりが紹介される部分や、農場で偶然居合わせた人気司会者(実はクズ男)テディの出演場面で、しつこ目に繰り返される放送自粛用語&表現の数々や、テディが子どもゾンビに暴力的になる場面には、「子どもが大勢出演する映画でこれってあり?まして子どものセリフにまで使っちゃったりして?!しかもいくらゾンビでも子どもに暴力??」と心配してしまいましたが、そのあたりは大人の男のショーモなさを表現するためとか、ゾンビ映画なので不可避ということでOKかな?制作国の米英豪では大丈夫なんですね。台詞の方は邦画ではありえないかも。 それから、軍の指揮官が「子どもは二度と撃たない」みたいな発言をするのですが、あれは何かのパロディなんでしょうか?そこは解らず仕舞いでした。 そんな感じに気になる部分はあるものの、大いに満足の1本でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-11-04 23:07:55) |
11. カリフォルニア・ダウン
《ネタバレ》 たまたまスカパーで観賞。3Dじゃないからイマイチかなと思いきや、かなりの大迫力でした。 ただ、お決まりのご都合主義的超予定調和のオンパレードには安心感さえ覚えたものの、近年様々な自然災害に多くの被災者が今なお苦難を強いられていることを思うと、娯楽大作として受け入れることには抵抗がありすぎます。 せめて主人公たちの行動が少しは現実的であったらと思わずにはいられない作品です。それだとリアルになりすぎて、テーマを支えきれなくなるのかなぁ…でも、中途半端な他人無視の家族愛より良いと思うんだけどなぁ… [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-27 12:38:49) |
12. キラー・エリート(2011)
《ネタバレ》 予告編に期待させられすぎてしまった感があります。「孤高の殺し屋」VS「無敵の特殊部隊」 特殊部隊のターゲットは世界最高クラスの殺し屋で、特殊部隊員が束になってもかなわず、「俺にかまうな!」ってなキメ台詞に凍りつくような恐怖を覚え退散してしまう、みたいな展開を期待してました。裏の強者こそが真の強者…という感じかな? ところが実際はもっと人間臭くて、殺し屋稼業はいい加減にして愛する人と余生を全うしたい、友人だって命を大切にして欲しいから引退して欲しい…実話ベースだとどうしても現実路線になってしまうのかな? というわけで、決して駄作ではなく思いっきり楽しめるアクション・エンターテインメント。けれどもハードボイルド感は弱く現実路線まっしぐら。不安定な出来栄えに7点献上です。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-04 01:54:53) |
13. アイアン・スカイ
《ネタバレ》 予告編で惹かれて鑑賞。中身は期待以上でした。 細かなネタから鋭い社会風刺、そしてパロディと、てんこ盛りの内容をウィットに富んだ演出とチープな仕上げと色調の画面できっちりと纏め上げた監督の力量は評価に値すると思います。 それにしても人の命の軽いこと。いきなり射殺される(にわか?)宇宙飛行士。総攻撃に逃げ惑う地球市民。反撃で無差別に攻撃される月面市民… そのあたりの描写に、作り手の怒りと悲しみを感じてしまうのは私だけ? [DVD(字幕)] 8点(2013-06-02 08:04:06)(良:1票) |
14. ザ・プラマー/恐怖の訪問者
《ネタバレ》 1980年の作品。当時、こんなに古臭かったかなぁ… リアルタイムでその頃青春してた年代としては、なんともレトロな感じがショックと言うか、自分もこの時代を生きた人間なんだなぁ、などと複雑な心境になったりして。 ま、そんな感傷はともかくとして、シチュエーションとしてはかなり恐い作品なんだけれども、もはやこの程度の恐怖感では恐くなくなってしまっている今日この頃。ヒロインのあまりの無防備さ加減に辟易し、夫の言動と行動にも呆れ返り、どうにもこうにも感情移入不能。表現したいのは「人間の本質」というか「内に秘めた狂暴さ」というか、何となく理解は出来るものの、あまりにあっけらかんとエンディングを迎えるシンプルさが拍子抜けでした。 と言う訳で、繰り返しになるけれども、1980年という時代のあまりのレトロ感に愕然としたというあたりがこの作品を観ての収穫でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-06-30 20:48:15) |
15. シャーロック・ホームズ(2009)
素直に面白いと感じられたアクション作品。ミステリー色は薄いけれど、「シャーロック・ホームズ」だからと言ってミステリー一辺倒に仕上げる必要はないし、原作へのオマージュとして十分に成立してるんじゃないだろか? allcinemaで検索すれば55作品もヒットする世界的に有名なヒーローもの(?)。本作品の解釈や表現が、ひとつの主流になってもいいんじゃないかと思います。 画面全体から溢れ出る19世紀のロンドンの空気、主演2人の演技力とコンビネーション等等。英国紳士的「シャーロック・ホームズ」像から離れ、ゼロスタートで楽しむのが一番ですね。 ただし、ストーリーはもう少し厚くして欲しかったな。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-03 18:43:29) |
16. アンストッパブル・ハイウェイ
《ネタバレ》 「激突」あるいは「ロードキラー」かと思いきや、物語が進むにつれ、さながらS・キングが原作かと見紛うような衝撃の展開。正直、「そう来たか!」てな感じです。この展開を受け入れるか否かによって、本作の評価は真逆に分かれるでしょうね。でもって、私は結構好きです。冒頭イキナリのエロチックシーンがあったりして、しかも、どうしようもない邦題が付けられてたりして、思いっきりチープなB級作品の雰囲気ですけれど、この救いようのない展開は結構ハマります。なので、ちょっと甘目の7点献上。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-10 01:25:32) |
17. イエスマン "YES"は人生のパスワード
《ネタバレ》 ジム・キャリーの作品をひさびさに観ました。彼独自の濃い芸風を期待していると、ある意味裏切られます。でも、それは良い意味での裏切りであって、その抑えた芸風(それでもかなり濃いかも)だからこそ心地良い時間が流れていきます。 勿論、作品もテーマ自体も好感が持てるものですけれど、出演陣の一人ひとりが皆善人。お約束的な主人公の痛い場面や危機一髪場面も殆どなく(てか、あったとしてもあっさり解決)、そして、それが物足りないのかと言えば決してそんなことはなく、ストレスなく物語は展開していきます。 ジム・キャリーのキャラクターに適度に依存しつつ、とても真面目に創り込まれた良心的作品ですね。 追記。ヒロインがボーカルをつとめるバンド「ミュンへハウゼン症候群」がいいですね。ポップなリズムに辛辣な歌詞、彼女の可愛らしさとのミスマッチ。ファンになりそうです。バンド名が作品のテーマと重なって意味深ですが…。 追記2。確かに、本作品でのテレンス・スタンプは「SAW」シリーズのトビン・ベルに似てるかも…。 [DVD(字幕)] 8点(2010-11-22 00:49:17)(良:2票) |
18. ボディ・アーマー
《ネタバレ》 冒頭の知事暗殺シーンからは結構期待させられるんですけどね。どうにも粗い。シナリオも演出も粗い。敵キャラは弱い。展開も先読み容易。でもって、あまりにあっけなく終わってしまう。90分で限界の作品です。テレビの2時間ドラマのつもりで観れば楽しめるかな? [DVD(字幕)] 3点(2009-01-21 01:08:10) |
19. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 典型的な勧善懲悪モノですね。「水戸黄門」「桃太郎侍」「必殺仕置人」…日本国民大賛同のストーリー展開じゃありませんか! 私は支持しますよ、好きです。現実の世界は、法治国家だし私刑なんてとんでもない!仮令被害者であっても、やっちまったら単なる犯罪者になってしまうだけ。でも、せめて作品世界の中だけでもいいじゃないですか。これを観て実践する人、います?いるとしたら相当低レベルな人間。そういう人間は、そもそもが復讐を口実にしているだけの本質的に狂暴な人間。論外な人々です。 キチンと善悪判断して楽しみましょうよ。願望は願望、現実は現実。決して間違った作品じゃあありません。クソ犯罪者はぶっ殺してやりたい!でも、それはやっちゃダメだよ。そういう趣旨と私は感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-10 20:25:26)(良:2票) |
20. インベージョン
《ネタバレ》 素直に楽しめました。設定的にも表現的にも、流石に原作のトーンを残しているので古さは否めません。でも、随所を現代風にアレンジし、緊迫感ある流れを作り出しているように思います。 やはり人間というものは、異質なものや異形のものに恐怖するのですね。そして、排除しようとする。しかし、力関係が逆転すると当然の如く逆の図式が形成される。愚かな永久運動の始まりというわけです。 ただ、過去の映画化作品はその時代背景から冷戦や東西関係を象徴していたわけで、本作はその後の新たな争いの構図、より混沌とした構図を象徴して然るべきと思うのですが、何せそれほどの長尺ではないわけで、少し急ぎ足な感があります。 まぁ、それでも退屈することもなく、また、ニコール・キッドマンの美貌を堪能しつつ過ごせる90分強でありました。 ちなみに過去3作の映画化作品… 最初の作品を昔観たような観なかったような… 記憶がはっきりしないので比較はできません。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-03 17:07:34) |