1. エイリアン:コヴェナント
《ネタバレ》 前作『プロメテウス』のラスト、生き残ったショウ博士は「エンジニアは人間を造り、何故滅ぼそうとしたのか?」というその理由を次回作(これ)に残してエンジニアの故郷へアンドロイドのデヴィッドと共に旅立っていきました・・・。『コヴェナント』はその10年後のお話。タイトルについに『ALIEN』の文字が!!そう、やっとこさあの見慣れたエイリアンが拝める映画なんです。監督のリドリーさんも、もー早くエイリアン撮りたくて撮りたくて仕方なかったらしく、前作の「その理由」をものの1、2分でスッ飛ばす潔さ!そしてエイリアンの登場も胸とは逆から飛び出すわ、口から飛び出すわ、床の血ですっ転ぶわ(2人)、グロシーンもそこそこ見応えあります。中でもデヴィッドが見守る中、飛び出したチェストバスターがデヴィッドの真似をしてバンザイするシーンのキモ可愛いことと言ったらww。全体的なビジュアルにスケールはまさに現代の大作映画で見応えは十分ですが、シリーズがここまで来ると流石に演出の限界を感じざるを得ない、と言ったところか。仕方のないことかもしれませんが、『ハンニバル』でレクター博士がシャバに出てしまい、そのカリスマ性や神秘性が薄れてしまったのと同様に、野外で縦横無尽に走り回るエイリアンを見て1作目にあったその孤高のカリスマ性や神秘性が感じられなかったのが残念です。が、自分は全然満足ですけど。あと、キャサリン・ウォーターストンのライトグレーのタンクトップ姿はお約束なのか、リドリーさんの粋な計らいにはニヤリとしました笑。お話的には従来の「エイリアンに襲われる人間の恐怖」を描いていると思いますが、人間が創造した代替機によって人類が危機に陥るという、結局は自らが招いた過ちであり、自業自得、という皮肉が込められているのかな?さて、今回もデヴィッドは生き残りますが、次回、『プロメテウス』で首をもがれた理由が分かると良いですけど。それともエンジニアはもう関係ないのかな笑。ま、最新のゼノモーフが見れただけで十分ですけどね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-08-27 21:26:20)(良:1票) |
2. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 映像と音響の大洪水。「日本の観客に字幕無しでも分かるようにしたかった。」と語った監督の言う通り、MADでクレイジーな爆音を響かせた、イカれた下品な(誉め言葉!)改造車数十台が広大な砂漠地帯をとにかく爆走!双頭のトカゲを踏み潰し喰らう、2代目マックス・ロカタンスキー:トム・ハーディの後ろ姿から幕を開けるオープニングからタイトル、何の説明も無く、目的もただモンスター級のタンカートレーラーを走らせる為だけと言える、シンプル極まりない生身カーアクション映画の極致とも言える仕上がりを見せる。日本のアニメに影響を受けたという終末世界のビジュアル、細部にまでこだわりを見せるセットや美術、無法地帯でそれぞれシマを持つ組織のインパクト重視のメンバー、ニトロに火を吹かせるだけじゃ物足りないらしく、ギターにまで火を吹かせる始末!踊るペンギンアニメを撮ってた人の頭ん中とは思えないハジケっぷりについて出る言葉は「凄ぇ…。」しかなく、只々凄ぇ…。ビジュアルセンスも相当に良く、ありとあらゆる構図、アングルを駆使し、観客を疲労させる程の情報量を伝えてくる。オーディオで言えばコスト度外視で物量投入した超重量級アナログアンプの様な映像世界。美しい金髪をバッサリ刈って『エイリアン3』のリプリー状態のシャーリーズ・セロンの、これっぽっちも色気の無い役作りに、「彼女の意味があるのか?」とも思えたんですが、世界観統一の為だったんでしょうかね。その代わりと言っていいのか、砂漠に咲く5輪の花の美しさを際立たせる5人の女優の清涼感は良かったです。(ロージーさんはトランスフォーマーの人ですね。こちらの方が断然イイ!)無骨・不器用・無愛想と3拍子揃ったハーディは台詞こそ少なく(映画全体で凄い少ないと思う)表現が非常に限られた中で相当困難だったのではないかと思うのですが、煮えたぎる寸前の冷静さを伺わせる表情が印象的で、さらにコミカルでは無いのにそれを感じさせる雰囲気とか、良い役者さんだなぁ、と感じました。無法地帯で強いものが権力を握り、若者が洗脳に近い感じでそれらを崇拝し、正しいものが見えなくなる。(そもそも何が正しいのか?)そんな問い掛けるメッセージがあるのかないのか?分かりませんけど 、ニュークスの「何て素敵な1日なんだ!!」って台詞を聞いてワクワク出来る人は画だけ見て興奮して下さい。ちなみに吹き替えのEXILE、AKIRAと竹内力はどこぞのタレント声優よりも随分マシでした。3Dで見るなら吹き替えもお勧めかも。でも字幕読まなくてもこの映画なら全然イケると思いますけど(笑)。 [試写会(吹替)] 8点(2015-06-17 11:44:47) |
3. マンイーター
《ネタバレ》 時代は『サメ』でもなく、『ヘビ』でもない、はたまた『ピラニア』でもなく、コイツを選んだ。そう、『ワニ』である。ワニだあぁぁぁーーー!!(ワニ好きであるとか、叫ばずにはいられない理由は特にありません。)ラダ・ミッチェルさん、地元民のガイドさんと言う事で、華やかさとは無縁ではありますが相も変わらずお綺麗なお顔で美人であります。ミア・ワシコウスカ、んっ!?ミア・ワシコウスカ、っすか・・・?先に観た『キッズ・オールライト』よりも断然若い?いや、子供じゃん!ナゼ?あっ、こちらの方がずっと先に製作されてたんですね。それでか。そしてサム・ワーシントン。人類を裏切ってナヴィになった彼もここで密かに経験値を稼いでいたんですねー。彼も地元民という設定で、トラブルメイカーなチンピラキャラを演じていますが、ケイトとの訳アリ過去を匂わせておいて結局何も無しなのが少し残念ではありましたが、ワニに襲われてからの、地元民としてのワニに対する知識で窮地を脱する為に先頭に立つ姿と表情はまさにペルセウスそのもの!でカッコいい。観光客に絡んでピートに「アホ」呼ばわりされたニール、ロープを巻いて川を渡る時の「賢いな。」「そっちこそ。」というやり取りは和解&男の友情を感じさせたとても印象に残るシーンでありました。でも割とあっさりパクつかれて途中退場させられちゃったのにはビックリ!残念(涙)でした。きっと美味しいとこ取り扱いで、OPキャストロールでの「and」でキャスト名が紹介される類なんだろうなぁ、と思ってましたが、そうでもなかったし。この頃はまだまだ端役だったんですね。監督サンは前作でも何気にオーストラリアをアピール(?)してましたが今作でもアピール度全開!OPから前半のボートでのツアーは圧倒的なロケーションで観客も観光客気分を十分味わえます。映画の出来も中々良くて、ヘビ映画のパイオニア(?)『アナコンダ』のチープなヘビ、及びCG、ドラマ、演出、撮影等、足元にも及ばない印象でありました。(ただしJ・ローのキャミソールびーちくとJ・ボイトの怪演・半溶けウインクに勝るトコロは御座いませんが。)強いて言えばあの賢く可愛いワンちゃんが食べられちゃったのが少し悲しく、残念でありました。今後もこの路線で活躍して頂きたいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-11-08 21:55:44)(良:1票) |
4. ウルフクリーク 猟奇殺人谷
《ネタバレ》 素直に面白かった。ヒロインであるリズに対する殺人鬼の生々しい残虐行為は正直、少し退屈しかけた後半で無くなりかけた集中力を一気に目覚めさせてくれた。自分の中で「ヒロインは助かる、もしくは傷つかない」という定義を気持ち良い位に裏切ってくれた、ヒロインに対する仕打ちが格別印象に残る。ただ折角『木偶人形』にしたのに、リズの「その後」の描写が無かったのが非常に残念だ。アメリカ映画で治安の悪い都市が舞台の映画を見てもアメリカへは行きたいと思うが、これはマジオーストラリア(田舎)に行くのを躊躇してしまうぞ。オーストラリアが「誰もオーストラリアへ行きたがらなくなる」映画を作ってどうする?映画は面白かったけどね。 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-26 18:17:05) |
5. パラサイト・バイティング 食人草
《ネタバレ》 まるでビデオスルー作品の様な陳腐な邦題を付けられていますが、中身は当時の全米ボックスオフィスTOP10入りした、このジャンルにおいての良作です。はっきり言ってメジャーなリメイク作の「13金」や「エルム街」なんかよりも格上だと思います。異国の地で言葉も分からない現地民に理由も分からないまま拘束状態にされる得体の知れない恐怖感に、「まさか」とも思える植物に襲われる恐怖。皮膚の下を這いずり回る蔦の描写は生々しくてショッキングである。そして水に食料の不足、苛立ち、疑心暗鬼、精神状態の悪化、気の狂い・・・。こうした状況下での描写の方が丁寧に描かれていて見応えがあります。唯一冷静に事を見ていたジョナサン・タッカー扮するジェフが最後にとる行動、恋人だけは死なせないとする自己犠牲には現地民に対する脱走成功への意地も感じられた。近年作に見る映像美にCG描写も気に障る事の無い出来で物語に最後まで集中出来る。ティーン向けB級ホラー作品は若手俳優達の登竜門的な位置付けがされているが、この作品はそれよりもずっとリアルでシリアスだし、メインの4人の若手俳優達の演技もレベルは高い。中でも若手女優の身体を張った熱演は真に迫っていて好感が持てた。今後の活躍に期待出来るし、この様な良作ホラーもドンドン作って貰いたい。 [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2012-05-02 17:00:06)(良:1票) |
6. 幸せのレシピ
《ネタバレ》 非常に綺麗で丁寧に作られてるのが良く分かります。何と言っても夜のレストラン内の雰囲気が最高に良い。薄暗い照明と明るさを放つランプが醸し出す独特の雰囲気・・・。逆に厨房内はカラリと明るくてスタッフの慌ただしい動きと、目にも鮮やかな料理の数々。この雰囲気を味わえるだけでこの映画の価値は十分にあると思います。そんなに好きでもなく、印象も浅かったキャサリン・ゼタ=ジョーンズでしたが、厨房内の白衣姿も似合ってたし、アーロン・エッカート扮するニックとの掛け合いや、不器用だか次第にニックに惹かれていく様子、2人きりでのシーンの甘美な演出は印象に残ります。そしてニックによって少しずつ心の傷を癒し、開いていくゾーイを繊細に、時に純粋な子供の様に表現したアビゲイル・ブレスリンは可愛くてほんと、上手でした。階下の親切なショーンの暖かなキャラの良さやレストランオーナーを演じたパトリシア・クラークソンの美しさも際立ってましたね。この映画で味わえる雰囲気、観賞後の気分は格別です。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-04-10 18:45:17) |
7. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 役者それぞれの魅力がとても発揮されてたんじゃないでしょうか。バーティーとローグの掛け合いは楽しく、時に心の友の様にバーティーの子供時代の話を聞くしっとりとした場面もとても良かった。ヘレナ・ボナム・カーターのお茶目で可愛らしい雰囲気もすごく良かったし、こういう伝記映画は敬遠しがちだけど退屈せずに見れましたよ。吃音でろくにスピーチも出来ないという、普通に喋れる人達からすればそう大した問題ではなさそうだが、ラストのあのスピーチは散々訓練して、困難を乗り越えた後に訪れた最大の山場だったのでとてもドラマティックでしたね。見応えありました。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2012-03-27 22:11:30)(良:2票) |
8. マトリックス
《ネタバレ》 試写会で2回、映画館で2回、この当時はまだ入れ替え制じゃなかったのでそのまま席を立たずに何度見た事か。劇場鑑賞最多記録映画です。この映画はストーリーはそこそこですが、視覚に訴えかけてくる映像が圧巻!我々が日々目にしていた世界を仮想空間とし、現実世界は太陽の光が届かない、暗く陰湿な廃墟空間。そしてみすぼらしい服と食事。この両極端の世界を描いておく事で「マトリックス」をメチャクチャ際立たせている。だからマトリックスに侵入する時のあの超クールな格好にシビれる訳ですよ!モーフィアスを救いにマトリックスに侵入するまでがまぁ引っ張る引っ張る。「銃をどっさりと」のビジュアルで一気に目が覚め、やっと回転扉から姿を現したネオとトリニティのクールな姿にもう鳥肌ぞわぞわ!もはや説明要らずの「弾よけ」に「空中交差」その他にもトリニティがエージェントの頭に銃を向ける「よけてみな」カットなど、兎に角クールなカットとシーンが目白押し。のちに多大な影響を与え、遺したこの映画はまさに「遺産」であります。ありがたや、ありがたや。 [DVD(字幕)] 10点(2011-12-21 20:33:06) |