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プロフィール
コメント数 1016
性別 男性
ホームページ http://blog.livedoor.jp/gepper26/
年齢 37歳
自己紹介 いつまでもこどもでいたいから映画は感情で観る。その一方で、もうこどもではいられないから観終わったら映画を考える。その二分化された人間らしさがちゃんと伝わってくる映画が好き。

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1.  ライフ・イズ・ミラクル 《ネタバレ》 
絶望的な状況と希望に溢れた関係が同じ空間内に存在しており、その相反する状況がとてもコミカルで口元がニヤニヤしてしまった。ルカの切迫した感情が、アバーハによって次第に解きほぐされ、癒され、そして家族がどうでも良くなっていく様が素敵だった。また、二人が愛し合う姿は生きることそのもののように見え、それは戦火が激しくなればなるほど二人の想いも燃えていき、活き活きと輝いていくように見えた。“死”と“生”は常に表裏一体で、その状態がまさに画面の中にしっかりと描かれていた。エミール・クストリッツァ監督の作品を観ていると、そのことを常に意識して作品を描いているように思えてくる。生きることが恋をすることで、恋をすることは生きること?なのかな?まぁ、それはさて置いても、ロバとルナが失恋で死にたいと思うのは、つまり生きる希望を見失ったからだと思った。アバーハの魅力には、脳天打ち抜かれたように頭がクラクラした。笑顔も顔をクシャクシャにして泣きながらルナの名を呼ぶ姿も、ルナの服を口に銜えて走る姿も、上目使いも、全部可愛い。それを観ただけで満たされ、癒される。動物たちのように、無邪気で無知で愛くるしく、純粋無垢で自由奔放で抱きしめたくなる。クストリッツァ監督の女性の趣味があまりにも素晴らしい!
[DVD(字幕)] 9点(2008-08-30 22:43:56)
2.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 
本来ならコミカルな要素など入る隙間もないはずの素材なのに、天才クストリッツァ監督は見事に自分の色でコーティングしている。光の届かぬ地下世界の人々に、笑顔や歓喜や活き活きとした生命力をしっかり注ぎ込んでいた。その一方で地上にいるマルコはナタリアと共に、あまりにも多くの人々を騙し、自らの気持ちにも目を背けていた。本当の意味での、地上は一体どちらにあったのだろうかとずっと考えていたが、結局どちらもそれぞれの地下でしかなかったように思う。愛は人を迷わせ、戦争で得るお金や地位は人を狂わせてゆく。地下の物理的なアンダーグラウンドと地上の比喩的なアンダーグラウンドが絶妙に描かれている。だからこそ、クストリッツァ監督が鮮やかで活き活きとした息を吹き込まなければ、あまりにも苦しすぎる作品だったことに気付かされた。地下で希望を胸にマルコの弟が作ったチャペルの模型。地上でマルコの弟が鳴らした絶望的なチャペルの鐘の音。ゆっくりと動き続けるマルコとナタリアを乗せた火達磨の車椅子。視覚と聴覚同時に感じる絶望。それを見つめるクロ。 だからこそ、ラストシーンの描写だけが希望に観え、アンダーグラウンドからようやく抜け出せた彼らの姿に心が震えた。
[ビデオ(字幕)] 9点(2008-08-23 17:38:24)
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