61. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 派手な戦闘シーンこそありませんが、戦争というものを当事者達とは別の一面からわかり易く描いていて非常に興味深い作品でした。 兵器産業という業界が存在する限り、世の中から紛争は無くならないということなんでしょうね。まるで、自動車をセールスするかのように兵器を売り歩くニコラス・ケイジの姿がフィクションでは無く事実に基づいていることに暗澹とした気分にさせられます・・・・。 最後に流れる「最大の武器供給者は米、英、露、仏、中である。この5か国は国連安保理の常任理事国でもある」というテロップは非常に重いですね。映画としては、とても面白い作品となっているんですけどね・・・・・。(しかし、オープニングの銃弾の製作から使用されるまでの一連の流れはユーモラスですけど恐ろしいですね。) [DVD(字幕)] 8点(2007-10-02 12:47:00)(良:1票) |
62. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 まるで、自分がその街にいるかのような気分にさせてくれる作品ですね。個人的に人気の無い夜中の街の風景が結構好きなので、とても楽しめました(何か、昼間よりもリアルな感じがするんですよね)。 ストーリー的には、パリの話が一番好きでした(「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダルが中々すごかったです。)。後は、ヘルシンキの話の登場人物の名前がミカとアキって・・・・カウリスマキ兄弟じゃんw ジャームッシュのセンスの良さに浸れる2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 12:07:50)(良:2票) |
63. ピエロの赤い鼻
《ネタバレ》 非常に軽妙なタッチで描かれているんですが、内容は非常に重いですね・・・・。 何というか、人生はリセットできないし、愚かな失敗をしてしまったらそれを一生背負っていかなければならないわけで、その哀しい事実がなんともいえず切ないですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-30 21:01:21) |
64. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 何というか30代半ば過ぎ、独身、1人暮らしの人間としては、いろいろと考えさせられる事が多い作品でしたね。一人一人が自分の「島」を持つってセリフとか、本当に共感してしまい、ちょっとヤバいかもしれませんが・・・・。 それ以外にも、片親の問題とか学校でのいじめの問題とかいろいろと重いテーマが取り上げられていますが、主人公と少年が問題を克服していく姿がコメディタッチで描かれているので、暗くなりすぎることがなく、観終わった後爽快な気持ちになりました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-05-23 18:44:38) |
65. 夜と霧
《ネタバレ》 次々と悲惨な映し出される、アウシュビッツ収容所の悲惨な状況。このような残虐行為が国家の指示の下で合法的に為されたことに驚きを感じましたし、人間がいかに不完全な生き物であるかを思い知らされました。 映画の中でも語られますが、このドキュメンタリーで描かれた状況は「ある国のある時期にたまたま起きた特別な事件」で片付けることはできないですね・・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-10 20:28:41) |
66. パラダイス・ナウ
《ネタバレ》 パレスチナ問題をパレスチナ人側から描いている作品ということで、正直観る前は、パレスチナ人やイスラムの考え方がどこまで理解できるだろうかと思っていました。けれども、実際観てみるとまったく違和感なく映画の世界に入ることができましたね。ドキュメントとしても、ドラマとしても良い作品だと思いました。逆に「ミュンヘン」のようなイスラエル側の作品よりも、登場人物の思いがわかるような気がしましたね(どっちの肩をもつとかいう話ではないです)。 しかし、上映する場所が非常に少ないのが残念です。もっとたくさんの人に見てもらいたい作品ですね。日本のマスコミ報道なんか、「アラブ人=狂信的なテロリスト集団」みたいな扱いですからね・・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-04-25 16:56:41) |
67. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 もう、オープニングの美しくせつないテーマ曲とひまわりの映像が非常に素晴らしいです。しかし、力強く咲き誇るひまわりの下には哀しい事実が・・・・・・。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの哀しいラブ・ストーリーも素晴らしかったですが、この映画は戦争により尊い命を落とした人たちへのレクイエムなんじゃないでしょうか。そしてその人達の象徴があの一面に広がるひまわり畑なんでしょう。 本当に名作と呼ぶにふさわしい作品でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-08 20:20:43) |
68. エル・スール
《ネタバレ》 静かでどちらかというと地味な作品でありながら、観ている間まるで魔法にかけられたかのように惹きこまれていきました。その位魅力にあふれる素晴らしい作品でした。 映像の美しさ、ストーリー展開や親子の描写の巧みさ等々全く隙が無いですね・・・・・・。 まだ、いろいろ謎が多く残されているので、もともと脚本が書かれていたという南へ行った先のエピソードも是非映像化して欲しいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 18:14:09) |
69. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 観応えのある作品でした。アイルランド独立~内戦の緊迫した空気が2時間の間、まったく途切れることなく続きました。パルムドール受賞も納得です。 しかし、立場が人を変えるといいますが、横暴な英国軍が去った後、アイルランド人自身が同じような振る舞いをする ようになってしまったのが哀しかったですね・・・・・・。 見る前に、アイルランドの近代史をちょっと知っておくと良いと思います [映画館(字幕)] 8点(2006-12-04 19:41:02) |
70. モンパルナスの灯
《ネタバレ》 あのモジリアニが、不遇だったとは知りませんでした。今では億の単位で絵が売買されているというのに、スケッチが5フランでも売れなかったとは・・・・・。そういう意味では、あのハイエナのような画商の目利きは確かだったわけですね、やり方は許せませんが。 しかし、アヌーク・エーメの美しさは絶品ですね。目の保養とはまさにこういうことを言うんだなと思いながら見てました。それだけに、ラストの笑顔が物悲しいですね。(あの画商は本当に許せん・・・) この作品では触れられてませんが、モジリアニの死後すぐにジャンヌも後を追うんですよね・・・・そう考えると非常に切ない話です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-12 11:59:14) |
71. 憎しみ
《ネタバレ》 あまり、見ることのできないフランスの一面を見ることができる作品です。ここには、我々が思い浮かべるいわゆる「フランス」は出てきません。黒人やアラブ人、ユダヤ人といった移民系の若者達のある1日の姿を通して、フランスの抱える闇の部分を映し出しています。そのエピソードのふしぶしに、彼らがおかれている立場というのが表現されています。一般のフランス人からはゴロツキ扱いされ、警察は完全に犯罪者予備軍としてしか見ていなかったり・・・・・ こういう重いテーマではありますが、非常にセンス良く作られているのはさすがフランスと いう感じですね。 スキンヘッドに銃口を向けるシーンからラストにかけての展開が圧巻でした。白黒の映像がリアルさを増幅させていて、非常に緊迫感がありました。(まあ、後味の悪い終わり方ではありましたが。) オープニングの暴動シーンで流れるボブ・マーリーが非常にクールでした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-01 13:45:02) |
72. ニュー・シネマ・パラダイス
やっぱり、映画って素晴らしいな・・・・としみじみ思わせてくれる作品でした。ラストの場面はやはり感動しました。まあ、いろいろな思いがあのキスシーンを繋ぎ合わせたフィルムに重なりあって最高のエンディングを創りだしていると思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-08-19 23:59:37) |
73. 白いカラス
《ネタバレ》 人種差別の問題の根深さを思い知らされる作品でした。アンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマンの恋愛をベースにストーリーは進んでいくのですが、折々に挿入されるアンソニー・ホプキンス演じる主人公の秘密の歴史が非常に衝撃的でした。 まず、肌の白い黒人が白人として生きている事実が実際にあることに驚きました。またそこまでさせてしまう、アメリカの人種差別の過酷さを実感しました。(もう、主人公の厳格な父親のエピソードは本当に涙が出てしまうほど哀しかったですね。) 個人的にはもう少し「人種転換」のドラマを深く描いて欲しかったです。ただ、非常に考えさせる作品でした。 [DVD(吹替)] 8点(2006-08-18 23:50:33) |
74. イースト/ウエスト 遥かなる祖国
見ごたえのある作品でした。スターリン時代のソ連の状況を垣間見ることができ、非常に興味深かったです。また、それだけでなく登場人物たちの心の動き・葛藤が上手く描かれていて人間ドラマとしても良くできた作品だと思いました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-07-10 14:26:53) |
75. JFK
「正義とは何か?真実とは何か?」を問いかけてくる作品でした。もし、一人の検事が生命を賭けて「権力によって作られた真実」の欺瞞を突き詰め、暴いていくことがなければ、ケネディ暗殺事件の真相が闇に葬り去られていたかと思うととても恐ろしさを感じました。(まあ、この作品で語られている事が真実であるかはまだ判りませんが。) 利権のために戦争が行われ、一般市民が戦地に送られていく現実は本当に何とかならないものかと思ってしまいますね。国を守る為に戦うのではなく、軍需産業とその利権に群がる人たちのために なぜ戦わなければならないのかも判らぬまま、敵と呼ばれる人間に銃を向けなくてはならないなんて 非常にやるせないですね。(ただ軍需産業に従事して生活している人も多くいるわけですから全てを否定はできませんが。) しかし、3時間半近くの間ずっとドキュメンタリータッチでシリアスな場面が続くのでちょっと疲れました・・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-29 16:05:51) |
76. ドアーズ
《ネタバレ》 リアルタイムでは知らないけれどもドアーズが大好きな私にとっては、当時の彼らがどういう存在であったかを知る貴重な作品です。結構最後の方は人気も下降気味だったんですね、そして、ジム・モリソンもデビュー当時の精悍さをすっかり失っていたとは・・・。そういった中での「L.A.WOMAN」だった訳ですね・・・。しかしながら、ジム役の人ソックリすぎです。あとは、メグ・ライアンがとても可愛いかったです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-02 10:26:14) |
77. 戦場のアリア
《ネタバレ》 やはり音楽の力というのは凄いなと感じました。本当に素晴らしい光景が音楽によって一時ではありますが戦場に生み出された事に感動しました。(例えこの話が事実と大きく違っていたとしても、素晴らしい話であることには変わりありません。) ただ、やはりこういった交流は実際の戦争の中では許されるものでは無く、厳しい現実が彼らに待ち受けているのが非常に悲しかったですが・・・・・。 「ドイツ兵を殺せといっているあんた達より、ドイツ兵の方がよっぽど人間的だ!」という台詞が非常に印象に残りました。 [映画館(字幕)] 8点(2006-05-01 23:50:42) |
78. レオン(1994)
もう、ナタリー・ポートマンに尽きますね、この作品は。彼女の演技を見ているだけであっと言う間にエンディングまで行ってしまった感じですね。(もちろんジャン・レノも良かったですけど) 見終わった後、牛乳が飲みたくなったり(もちろん2パック買いました)、腹筋を始めたりしてしまいました・・・・・。軽くハマってしまったかも。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-23 17:32:39) |
79. コーリャ 愛のプラハ
《ネタバレ》 基本的には、55歳の独身中年と偽装結婚後逃げた妻の連れ子コーリャが心を通じ合わせるストーリーで、それだけでも非常に心温まるのですが、それ以上に、チェコスロバキアが1989年, 民主革命(「ビロード革命」)により共産主義体制が終結し、新しい体制に移行する時代の空気が、旧体制時の宗主国であるソ連から来たコーリャを置くことで凄くわかりやすく描かれていて、面白いです。(たとえば、ソ連に対するチェコ人の嫌悪感等)。 全体的に重いテーマも扱っているのですが、テンポも良くユーモアにあふれ、子役の演技もとても良いです。主人公が奏でる音楽も非常に素晴らしく、最後には名指揮者ラファエル・クーベリック本人が出てきます。 ストーリー自体はシンプルですので、予備知識無しでも楽しめますが、ちょっとチェコの歴史を事前に知っておくと、この話をより深く理解することができると思います。見た後、幸せな気持ちにさせてくれる映画です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:33:50)(良:1票) |
80. ビフォア・ザ・レイン
《ネタバレ》 非常に美しい作品です。そして、民族対立の恐ろしさを静かに淡々と伝えてくれます。マケドニアにおけるマケドニア人とアルバニア人の対立は、マケドニア人が「500年の恨みを晴らす」というセリフがあるように非常に根深いものを感じました。 3つの物語が、とても上手くつながっていて非常に良く出来た作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:23:14) |