121. まぼろしの市街戦
《ネタバレ》 小春日和の休日の昼間にウトウトしながら見ていたい感じの作品ですね。非常に幻想的で、まるで夢の中にいるかのような印象を受けました。大人のための童話と言っても良いかもしれません。 ただ、患者たちも楽しそうに見えますけど、街から出ようとする場面や最後病院に戻る場面など時折出てくる素の部分は非常に冷静なんですよね。もしかしたら、彼らは決して狂っているわけではなく、この狂った世の中から距離を置いているだけなのではないでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-11-24 19:30:27) |
122. 太陽(2005)
《ネタバレ》 非常に興味深いテーマではありますが、何となく禁忌を冒す罪悪感を感じてしまいながらの観賞となりました。まあ、日本では作れない映画ですね、上映できたことが驚きです(「昭和も遠くなりにけり」ということなんでしょうかね?)。 イッセー尾形は、いろいろな意味で難しい役を見事にこなしていると思います。下手すれば命を狙われかねない訳ですから・・・・・。 まあ、感想を述べるのが非常に難しい映画ですね。他の国の国王やら皇帝の話であれば簡単に述べられるんですけど・・・・。ただ、映像の美しさ等格式の高い芸術作品であったことは良かったなと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-11 23:40:03) |
123. 地下鉄のザジ
《ネタバレ》 なんというか、ギャグやコメディのアニメ-ションを実写化したかのような不思議な作品でした。とにかく、ハイテンション(ドタバタ?)でカラフルでポップでシュールな世界が繰り広げられます。 本当に「花の都」と呼ぶに相応しいパリを堪能できる作品です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-11 22:52:52) |
124. カンダハール
冒頭からパラシュートで空から降ってくる義足とそれを追いかける地雷で足を失った人々というショッキングな映像が映し出されます。その後も、アフガニスタンの「北斗の拳」を思わせるような荒廃した社会の姿が、まるでドキュメンタリーのように描かれています。北斗の拳はマンガですが、アフガンは現実ですからね・・・・。 いま、テロ対策特別措置法問題が世間を賑わせている中で、非常に興味深い作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-11 22:31:14) |
125. オール・アバウト・マイ・マザー
まあ、「人生いろいろあるわな」という感じですかね。とにかく、題名から個人的にイメージしていたものと内容が全く違っていたので、それが逆に良かったかもしれません。もう少し、時間を長くしても良かったのではないかと思いました。 まあ、さらにこの映画を噛み締めるために「イブの総て」と「欲望という名の列車」を観たいですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-10-22 18:47:45) |
126. エンパイア・オブ・ザ・ウルフ
《ネタバレ》 「ヨーロッパ最大のタブーに挑む! 」という謳い文句に釣られて鑑賞しました。トルコの極右テロ組織「灰色の狼」がそのタブーであるようなんですが、まだ題材として名前を出すのが精一杯という感じを受けましたね。 「移民大国」フランスのトルコ人社会の裏側(どこまで真実かは知りませんが)を描いているのは非常に興味深かったです。 まあ、ジャン・レノの良くわからない立ち位置、なぜかトドメを刺さない敵達、非常に無理やり感が強いラストのアクションシーン等々突っ込みどころは多かったですが、最後まで飽きずに見ることはできました。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-08 20:13:16) |
127. アララトの聖母
《ネタバレ》 ヒトラーはユダヤ人虐殺を決める際に「誰がアルメニア人虐殺を憶えている?」と語ったと言われていますが、この映画はその「アルメニア人虐殺」について劇中劇という形を取りながら現代に伝えている映画です。 劇中劇という形式をとることによってこの問題について説明を加えながら話が進んでいくので、殆ど知識が無くても理解しやすい内容になっています(プロパガンダ的な感じもしますけど)。まあ、例えれば「パッチギ!」の設定をトルコとアルメニアに置き換えたみたいな感じと言えばわかり易いですかね(作風や内容はぜんぜん違うので、暴論かもしれませんが)。 しかしまあ、日本も同様の問題を抱えていて決して他人事ではない話なんですよね。未だに「憎しみの連鎖」を断ち切れずにいる人類の現実には目を背けたくなります・・・・・。 非常に、白黒つけるのが難しいテーマであり、いろいろと考えさせられる映画でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2007-10-06 22:29:17) |
128. ピアニスト
《ネタバレ》 なんというか、ある程度の年齢に達した人間の心の傷や闇を暴き立て、そこに塩をすりこむような嫌らしい作品ですね・・・・。しかし、イザベル・ユペールの迫真の演技などもあって、心をつかんで離さない不思議な魅力を持つ映画です。後味は悪いですけど・・・・・。 まあ、あんまり自分を抑えこんでしまわず、ほどほどに生きていった方が良いということなんでしょうね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-06 21:33:49) |
129. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 派手な戦闘シーンこそありませんが、戦争というものを当事者達とは別の一面からわかり易く描いていて非常に興味深い作品でした。 兵器産業という業界が存在する限り、世の中から紛争は無くならないということなんでしょうね。まるで、自動車をセールスするかのように兵器を売り歩くニコラス・ケイジの姿がフィクションでは無く事実に基づいていることに暗澹とした気分にさせられます・・・・。 最後に流れる「最大の武器供給者は米、英、露、仏、中である。この5か国は国連安保理の常任理事国でもある」というテロップは非常に重いですね。映画としては、とても面白い作品となっているんですけどね・・・・・。(しかし、オープニングの銃弾の製作から使用されるまでの一連の流れはユーモラスですけど恐ろしいですね。) [DVD(字幕)] 8点(2007-10-02 12:47:00)(良:1票) |
130. 僕のニューヨークライフ
《ネタバレ》 正直言ってイマイチでしたね。「セレブリティ」の時も思ったんですが、ウディ・アレン的な役を他の俳優が演じると非常に違和感があるんですよね・・・・。はっきりいって、ストーリーも散漫で、ウディ・アレン出演部分だけ見れば良い感じでした。 しかし、ニューヨークを舞台にした作品はもう撮らないんですかね・・・・。NYを舞台にしたラスト2作がこの作品と「メリンダとメリンダ」だなんてちょっと寂しい気がします。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-08 23:38:11) |
131. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 まるで、自分がその街にいるかのような気分にさせてくれる作品ですね。個人的に人気の無い夜中の街の風景が結構好きなので、とても楽しめました(何か、昼間よりもリアルな感じがするんですよね)。 ストーリー的には、パリの話が一番好きでした(「ベティ・ブルー」のベアトリス・ダルが中々すごかったです。)。後は、ヘルシンキの話の登場人物の名前がミカとアキって・・・・カウリスマキ兄弟じゃんw ジャームッシュのセンスの良さに浸れる2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 12:07:50)(良:2票) |
132. 百年恋歌
《ネタバレ》 1966年(恋の夢)、1911年(自由の夢)、2005年(青春の夢)と3つの時代の物語のオムニバスですが、内容の評価としては1966年>1911年>>>2005年という感じでしたね。「煙が目にしみる」等の懐かしいオールディーズナンバー、雰囲気のあるビリヤード場と60年代の雰囲気がとても心地良かった1966年、サイレント映画の技法を用い、音楽と映像(建物の中に差し込む光がまるで閉鎖的な世界から垣間見える自由の象徴のような感じで印象に残りました)の美しさで戦前のせつない物語を描き出した1911年に比べて、2005年になるといきなり俗っぽくなってちょっと醒めてしまいました。 まあ、1911年や1966年に比べ豊かになった分失ったものもあって、決して2005年の若者達も満たされているわけではないということなんでしょうけど、ちょっとイマイチで残念でした。 [映画館(字幕)] 6点(2007-09-03 18:46:32) |
133. 街のあかり
《ネタバレ》 観終わった後、元近鉄の鈴木啓示の座右の銘である「草魂」(雑草のように踏まれても踏まれても立ち上がる魂)という言葉が思い浮かびました。人生どんなに辛くても、孤独でも挫けちゃいけないと励まされましたね(ちょっと単純かも知れませんが)。 しかし、主人公はもうちょっと三枚目タイプの方が良かったかもしれませんね・・・・(個人的意見ですが)。 ラストは、単純に希望が見えたとは言い切れない感じでちょっと北野武の「キッズ・リターン」と似たような印象を受けました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-08-28 19:25:52) |
134. 過去のない男
《ネタバレ》 クレイジーケンバンドの曲が使われ、寿司や日本酒が出てくるというだけではなく、音楽や雰囲気なんかも日本人受けしそうな感じの映画ですね。 しかし、登場人物がみな無表情なのはフィンランド人の特徴なんですかね?まあそのことが妙にユーモラスな雰囲気を醸し出していて面白かったんですが・・・・。 何というか観終わった後不思議な感覚の余韻が残る映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-18 16:51:02) |
135. 二十四時間の情事
《ネタバレ》 他の方も書いてますが、私もヒロシマ・モナムールと聞くとどうしてもアルカトラス(グラハム・ボネットとイングヴェイ・マルムスティーンが居たバンド)の名曲を思い浮かべてしまうんですが、この映画も非常に美しく切ない作品でした。 広島の街を舞台にしたフランス映画ということで、変な日本の描写があるのではと心配でしたが和と洋が見事に融和していて全く問題ありませんでした。やはり、フランスの繊細な美的感覚は日本にも合うということでしょうね。(喫茶どーむには行ってみたいですね。もう無いでしょうけど・・・・・) 広島の原爆被害とそこからの再生の話だけではなく、フランス人女性の戦争によってつけられた大きな心の傷についての話でもあって、その広島出身の男とフランスのとある町(ヌベール)出身の女の束の間の出会いを描くことによって、戦争という悲劇とそこからの再生を物語っているように感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-10 11:36:01) |
136. 万事快調
《ネタバレ》 ゴダールの映像センスの素晴らしさを堪能できる作品でした。何というかデザインセンスが抜群でしたね(ポスターにして貼っておきたいシーンがたくさんありました)。音楽もCM撮影シーンでかかる曲が結構頭に残りました。 内容は非常に政治的で、ちょっと時代を感じさせるものになっていますが、映像作品としては今見ても斬新で格好良いですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-02 19:02:55) |
137. 女は女である
《ネタバレ》 非常に斬新でポップな感じですね。ちょっと古さは感じますけど・・・。 本の題名で会話するシーンは中々面白かったですね。 まあ、ストーリーを追うというよりは、ゴダールがどう仕掛けてくるかを楽しむ作品ですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-22 18:29:44) |
138. ピエロの赤い鼻
《ネタバレ》 非常に軽妙なタッチで描かれているんですが、内容は非常に重いですね・・・・。 何というか、人生はリセットできないし、愚かな失敗をしてしまったらそれを一生背負っていかなければならないわけで、その哀しい事実がなんともいえず切ないですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-30 21:01:21) |
139. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 何というか30代半ば過ぎ、独身、1人暮らしの人間としては、いろいろと考えさせられる事が多い作品でしたね。一人一人が自分の「島」を持つってセリフとか、本当に共感してしまい、ちょっとヤバいかもしれませんが・・・・。 それ以外にも、片親の問題とか学校でのいじめの問題とかいろいろと重いテーマが取り上げられていますが、主人公と少年が問題を克服していく姿がコメディタッチで描かれているので、暗くなりすぎることがなく、観終わった後爽快な気持ちになりました。 [DVD(吹替)] 8点(2007-05-23 18:44:38) |
140. 夜と霧
《ネタバレ》 次々と悲惨な映し出される、アウシュビッツ収容所の悲惨な状況。このような残虐行為が国家の指示の下で合法的に為されたことに驚きを感じましたし、人間がいかに不完全な生き物であるかを思い知らされました。 映画の中でも語られますが、このドキュメンタリーで描かれた状況は「ある国のある時期にたまたま起きた特別な事件」で片付けることはできないですね・・・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2007-05-10 20:28:41) |