141. 二十四時間の情事
《ネタバレ》 他の方も書いてますが、私もヒロシマ・モナムールと聞くとどうしてもアルカトラス(グラハム・ボネットとイングヴェイ・マルムスティーンが居たバンド)の名曲を思い浮かべてしまうんですが、この映画も非常に美しく切ない作品でした。 広島の街を舞台にしたフランス映画ということで、変な日本の描写があるのではと心配でしたが和と洋が見事に融和していて全く問題ありませんでした。やはり、フランスの繊細な美的感覚は日本にも合うということでしょうね。(喫茶どーむには行ってみたいですね。もう無いでしょうけど・・・・・) 広島の原爆被害とそこからの再生の話だけではなく、フランス人女性の戦争によってつけられた大きな心の傷についての話でもあって、その広島出身の男とフランスのとある町(ヌベール)出身の女の束の間の出会いを描くことによって、戦争という悲劇とそこからの再生を物語っているように感じました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-10 11:36:01) |
142. 万事快調
《ネタバレ》 ゴダールの映像センスの素晴らしさを堪能できる作品でした。何というかデザインセンスが抜群でしたね(ポスターにして貼っておきたいシーンがたくさんありました)。音楽もCM撮影シーンでかかる曲が結構頭に残りました。 内容は非常に政治的で、ちょっと時代を感じさせるものになっていますが、映像作品としては今見ても斬新で格好良いですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-02 19:02:55) |
143. バベル
《ネタバレ》 遠く離れた国々がある事件の連鎖で繋がっていくというスケールの大きさ、異なる文化・人種のぶつかり合いが生み出す緊迫感で、2時間30分近くの長編ですが長さを感じさせませんでした。 しかし、菊池凛子のアカデミー賞ノミネートで話題になった作品ではありますが、正直「日本編って必要なの?」と思いましたね。何というか、ストーリー的にさほど重要ではないと感じましたし(ていうか、わざわざモロッコまでハンティングしに行く人っているの?)。後は、日本の描写にやや違和感を感じてしまいました(ニュース映像が東京MXテレビだったのは笑いました。何でUHF局・・・)。菊池凛子も体当たり演技でインパクトはあったけど、ちょっとこれでオスカーは・・・・という感じでしたね。まあほとんどのマスコミが具体的な演技内容について深く言及しなかった訳がよくわかりました。そして、何といっても今話題の「ポケモンフラッシュ」(笑)のシーンも見ましたが、確かにあれはキツかったですね。まあ、ニュースを見てなるべく直視しないようにしたので問題はありませんでしたが。 何というか、全体的には映画としてのグレードも高く面白かったんですが、日本編が何というか足を引っ張っているような気がしました。 [映画館(字幕)] 7点(2007-05-02 15:28:53) |
144. ウェルカム!ヘヴン
《ネタバレ》 こういう最後まで展開が読めない映画はいいですね。まあ、キリスト教における天国と地獄の位置づけとかは良くわからないんですが、とりあえずペネロペ・クルスのあばずれぶりがとてもハマっていて良かったです。あと、所々に社会風刺的なものも散りばめられて楽しめました。(最後の方の展開はちょっと強引でしたけど・・・・) ただ、救おうとするボクサーが本当にしょうもない奴で全く同情できないキャラクターだったのがちょっと・・・・・(何というか芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を思い出してしまいました。)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-07 22:47:44) |
145. マイ・ネーム・イズ・ジョー
《ネタバレ》 ろくでもないスラムから抜け出したくても抜け出せない哀しいロクデナシたちの物語です。もう後半のジョーがブチ切れてからの展開は目を背けたくなるようなものでした。断酒した筈のジョーが酒を飲みながら仲間を淡々と罵るシーンの恐ろしさが非常に印象に残りました。(ピーター・ミュランの熱演が光ります。) [映画館(字幕)] 7点(2007-02-04 15:37:56) |
146. パリは燃えているか
《ネタバレ》 「花の都」パリが、もしかしたら消えていたかも知れなかったとは・・・・・。コルティッツ将軍の英断を讃えたいですね。 映画としてというよりは、ドキュメンタリーをみるような感覚で観てしまいました。最後のヒトラーの「パリは燃えているか?」の叫びがとても印象的でした。あと、音楽が素晴らしかったです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-06 20:44:19) |
147. 中国女
《ネタバレ》 非常に政治色の強い作品ですが、とにかくファッション・音楽・セット全てが洒落ています。セリフとかは時代を感じさせるんですが、それ以外の部分は今見ても鮮烈で格好いいです。 内容的には、電車の中でのテロを計画している学生とそれを諫める先生(?)の会話が印象に残りました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-01-03 23:01:03) |
148. グッドナイト&グッドラック
「もしテレビが娯楽と逃避のためだけの道具なら、もともと何の価値もない。」というエド・マローの言葉は、スポンサー第一で視聴率に一喜一憂し、安易なバラエティ番組と報道番組とはとても言えないニュース・ショーが氾濫している日本の民放テレビに捧げたいですね。 しかし、50年近く前から警鐘が鳴らされているのに進歩が無いんですね・・・・・(まあ、我々の方でも情報の取捨選択をしていかなければならないんでしょうけど・・・・)。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-26 21:45:07) |
149. 雲が出るまで
《ネタバレ》 トルコとギリシャの関係が良くないというのは、キプロス問題等で何となくは知っていましたが、この作品の背景にあるような強制移住の話等は初めて知りました。 そのような歴史を知るきっかけとなり、非常に興味深い作品でしたね。(重い話ですけど・・・) ラストの引き離された姉と弟が、古い写真を見ながら語っているシーンは非常に考えさせられますね。良いとも悪いとも言えない終わり方が民族紛争の根の深さを表している気がしました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-10 18:26:01) |
150. インドシナ
《ネタバレ》 フランス版大河ドラマという感じですね。フランスの植民地であったベトナムの激動の歴史の始まりを舞台に、母と養女、そしてその両方が愛する事となるフランス人将校の三角関係を軸にしたストーリー展開に見入ってしまいました。養女が刑務所から出てくるシーンはホロリと来ました。 しかしながら、この作品に限らず西洋の映画に出てくる東洋(この作品ではベトナム)の描き方は、上から見下しているのがありありと見えて違和感を感じます(まあ、かつての支配者としてはどうしてもそういう視点になってしまうんですかね。カトリーヌ・ドヌーブがゴム農園の労働者をムチで折檻しているシーンが印象的でした)。 まあ、あまりフランス統治下のベトナムの様子を知る機会はないので、非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2006-07-17 23:05:05) |
151. ベルリン・天使の詩
《ネタバレ》 見終わった後、内容を噛み締めていく内に味が出てくる・・・そんな作品でした。 白黒とカラーの使い方が非常に巧みで、主人公の天使が人間界に降りてきたときには、自分も自由の身になったかのような解放感に襲われました。 コロンボが元天使だったとは・・・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-07-12 16:53:49) |
152. 勝手にしやがれ
《ネタバレ》 ジャン・ポール・ベルモンドがとにかく格好いいですね。死に方すら非常に印象に残ります。 (タバコの吸い方は真似したくなりますね。) しかしながら、もう50年近く前の作品なのに全く古びてないのが凄いです。ジーン・セバーグが最後に「最低って何のこと?」とつぶやいて終わる感性は凄いですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-27 23:32:55) |
153. リトル・ストライカー
《ネタバレ》 もう、最後に主人公の少年がマン・Uのスカウトに言ったセリフが最高でしたね。 なんか、このセリフを言うために全てのストーリーがあると言っても過言ではないと思います。 しかし、ここまでシティ寄りだとマン・Uサポから文句来たりしないんですかね・・・。 何しろ、登場するマン・Uサポが金持ちのいけすかない奴ですからね。 ストーリーはちょっと出来すぎ感もありますが、とても爽快な気分にさせてくれる作品でした。 [DVD(吹替)] 7点(2006-05-22 17:49:42) |
154. ブロークン・フラワーズ
《ネタバレ》 過去の恋人を訪ねる旅に出るという設定は、非常に面白かったです。やはり、思い出の人が今何をしているのかというのは結構気になったりしますよね。そういった意味で2時間近くの間飽きずに見ることができました。 いろいろ結末を予想しながら見ていたのですが、実際は全然違っていてちょっと意外でした。ただ、こういう形のラストの方が印象が強く残りますね。 音楽もいい感じでした。 ビル・マーレイの哀愁漂う中年男の演技が良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2006-05-01 23:25:29) |
155. フェリーニのアマルコルド
《ネタバレ》 イタリアの小さな町の出来事が、ニーノ・ロータの音楽と美しい映像と共にテンポ良く描かれています。 全般的には、どこにでもあるようなエピソードが続いていきます。ただ、ムッソリーニによるファシズムが台頭していった時代ということで、それに対する人々の様子が描かれていて興味深かったです。 グラディスカの結婚式が終わり、祭りの後のなんともいえない感傷的な状況を春の訪れとともに描いたラストシーンがとても心に心に沁みました。 あとは、途中綺麗な孔雀が出てくるのですが、イタリアでは孔雀は不幸の前兆であると信じられているんですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-16 21:42:40) |
156. アリゾナ・ドリーム
幻想的で美しい映画です。エミール・クストリッツァの作品ですが、「アンダーグラウンド」や「黒猫・白猫」とはまた違う洗練された雰囲気の作品となっています。(それでも音楽とユーモアに溢れた作品ではあります。) まあ、若々しいジョニー・デップやフェイ・ダナウェイ(Bonnie And Clyde!)ジェリー・ルイスなどキャスティングが素晴らしいです。 個人的には、ヴィンセント・ギャロが映画のモノマネをする下りが非常にツボにはまりました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-16 21:18:58) |
157. ライフ・イズ・ミラクル
《ネタバレ》 ロバに尽きますねこの作品は。もうロバに始まりロバに終わる・・・そんな感じです。この作品の見所の一つは、様々な動物たちの素晴らしい演技?です。 しかし、民族紛争、息子が捕虜の身、奥さん駆け落ち、捕虜の女性との恋・・・・・とよくよく考えると非常に悲惨な状況なのに、それほど暗さが無いのもすごいですね。(音楽とユーモアと動物たちが掻き消してくれてるような気がしました。)約2時間半の作品にも関わらず長さを感じさせないのはさすがクストリッツァ監督!と感じました。 「この戦争は我々の戦争ではない」このセリフが非常に重いですね・・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-16 21:09:45) |
158. 女は二度決断する
《ネタバレ》 ダイアン・クルーガーの熱演が光っているが、それを引き出すためにか、ファティ・アキン監督の作品としては平凡な出来になっているように感じました。(あくまでも、監督作品としてはです) 主人公が武士のタトゥーを入れたり、最後の主人公の行動など、内容的には日本人好みの内容になっているのですが、この映画が取り上げている問題を、ハリウッド映画のように「わかりやすく」描いてしまっていることに、正直疑問を持っています。【ファティ・アキン】監督の力量であれば、もっと生々しく、そして我々の心に訴えかけてくる作品が作れたのではないか・・・ 今後、同じようなテーマで作品を撮ってくれることを期待しています。 [DVD(字幕)] 6点(2019-02-03 22:49:56) |
159. ローマ法王の休日
《ネタバレ》 ほのぼのとしたヒューマンコメディかと思ったら、「皆から尊敬されるべき宗教指導者だって決して超人ではなく只の人間なんだよ」というブラックコメディでした。 ただ、登場人物が、10数億人もの信者たちの指導的立場にあるのにも関わらず、ことごとく凡庸で「覚悟」の無い人たちばかりで、正直「さすがにここまでではないんじゃないの?」と思ってしまいました。 [地上波(字幕)] 6点(2016-01-09 21:52:38) |
160. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
《ネタバレ》 ナチスドイツの非道ぶりだけでなく「情報」の重要性、恐ろしさを教えてくれる作品 [地上波(字幕)] 6点(2014-08-14 12:10:36) |