1. 吸血鬼(1931)
《ネタバレ》 自分は映画をストーリーで見るタイプなので、ストーリーがあるようでないようなこの作品をみて正直「面白い」とは思えませんでした。 ただ、「そういう類」の作品と知って思い返してみると、棺の中から覗く顔や幽体離脱?をした時の演出など映像で見せることに関してはとても素晴らしく、また不気味と思えるシーンがたくさんあって、そういう意味では楽しむことができました。 [DVD(字幕)] 7点(2024-05-31 02:12:30) |
2. ジェヴォーダンの獣
《ネタバレ》 CGの怪物とかインチキカンフーが出てくるとかで見る前は結構トンデモ映画なのかな、と思っていましたが、いざ観るとそれなりに真面目に作ってあるなという印象。 18世紀中期にフランスで起きた有名な未解決事件ということで、自分はそれだけでまず好きなジャンルでした。 ところどころスローになったり謎のエフェクトが入ったりしているし、事件が起こるまでというか導入部は結構長いというかかったるいのですが、世界観自体はいい雰囲気ですし、物語世界を堪能する意味では良かったです。 マーク・ダカスコスが途中退場というのはちょっと残念ですが、アクションは見応えありましたし、カンフーというよりサバットの原型なんじゃねーかなと思いました。 ランタイムは長いですし話がちょっととっ散らかっているイメージではありますが、謎の獣、仕込み武器、陰謀、女密偵、秘密結社などなど、自分の好きな要素てんこ盛りだったので結果rとても楽しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2023-06-02 20:26:46) |
3. 鉄格子の彼方
《ネタバレ》 中年期に差しかかったジャン・ギャバンの演技が光る恋愛もの、というか親子もの? 殺人の罪で逃亡中の男がイタリアで下船し給仕の女性と恋に落ちる。男の正体を知った娘は彼と距離を取ろうとするが嫌いにはなれず、迫りくる警察の追手をなんとか知らせようとチョークでメッセージを残すが、結局捕まってしまう。 あれだけ警戒していたのに愛ゆえに盲目になりメッセージを見落としたりという失態や「これでいいんだ」と逮捕される件は決してハッピーエンドではないけれど、静かな余韻があってよかったですし、戦後間もないイタリアの庶民たちの貧しくもありそれでも助け合って生きていく姿に人間的な力強さを感じました。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-05-28 00:11:48) |
4. どん底(1936)
《ネタバレ》 ゴーリキー原作の作品ということですがもちろん原作は知らず。 極貧の生活を送る泥棒ぺペルは男爵の屋敷に盗みに入るが、賭博で全財産も公金も使い果たしすっからかんになってしまっており、それが縁で妙な友情が芽生える。 かたやどん底から這い上がり「違う世界を生きたい」と願うジャン・ギャバン演じるペペルと極貧に堕ちても「生きてさえいればそれでいい」とさえ思える楽観主義者であるルイ・ジューヴェ演じる男爵の対比が面白いです。 ところどころ舞台的な演出がありますがうまく登場人物の生活の様子を描いていますし、ものすごく悲惨な話ながら全然そんなこと思わせない手法はさすが。 ラストの警察を背にしてひたすら前向きに歩いていく2人の姿にいい余韻を感じました。 馬担いで行くのはちょっと笑いましたが(笑) [インターネット(字幕)] 8点(2023-05-27 16:05:18) |
5. 右側に気をつけろ
《ネタバレ》 バカなんでよくわかりませんでしたパート4。 ドストエフスキーがモチーフ、それについてのいろいろが並行して描かれているのですが全然わかりませんでした。 ただ音楽の使い方やロケーションなどはよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-04 20:12:31) |
6. 勝手に逃げろ/人生
《ネタバレ》 バカなんでよくわかりませんでしたパート3。 冒頭からかなり攻めた性描写にはんぶん笑い、でもどんな顔して観ればいいんだろう、と思ってしまいました。 話自体は分からないようでいて比較的わかりやすかったと思います。 ただとにかく海岸沿いの景色や木々の間を自転車で滑走していくシーンが奇麗なのでそれだけで観て良かったな、とか思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-04 20:10:06) |
7. パッション(1982年/ジャン=リュック・ゴダール監督)
《ネタバレ》 バカなんでよくわかりませんでしたパート2。 ドラクロワやレンブラントの求めた「光」を映画的に再現しようとする撮影隊とそれにかかわるあれやこれやが並行して描かれる作品。 ストーリーをまじめに考えてしまうと余計訳が分からなくなってしまうのですが、とにかく映画的に再現された絵画世界がとても印象的な作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-12-04 20:05:20) |
8. ウイークエンド(1967)
《ネタバレ》 自分がバカなせいでさっぱり意味が分からなったのですが、後期の作品よりはだいぶまし。 それより前半の長い渋滞で「いったい何があったよ?!」という感じの長回しや、道中の出来事などそれ自体はなかなか面白かったです。主人公たちもメタ的な表現が多くて、これはそういう映画だ、と考えを切り替えて楽しむのが正解だったのかなと思いました。再見すればより楽しめるのかもしれません。しばらくしないと思いますが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-12-04 20:02:17) |
9. 中国女
《ネタバレ》 壁に描かれた文字だったろ役者を映すアングルだったり、アパルトマンの窓の外を移動しながら内部を映すシーンだったりとそういう点は観ていて面白いなー、とは思いましたが、毛沢東だのマルクス・レーニン主義だのと久しぶりすぎてその会話の内容を思考するので精一杯でした。 まあただ知ったかぶりの連中がひたすらしゃべってるとかって流してしまえばいいんでしょうけど。 面白くない、、、んですけど、つまらないと言われると、意外と最後まで観られてしまったので、一概にそうとは言えず、どんな顔して見れば良かったんだろう?とか考えてしました。多分そんなこと考えちゃダメなんでしょうけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-11-26 00:41:29) |
10. 女は女である
《ネタバレ》 子どもが欲しい彼女と子どもが欲しくない彼氏の痴話喧嘩を延々見せられる映画、と書くとなんだそりゃ?という感じですが、ストーリーそっちのけで爆音で鳴り響くBGMだったり突如挿入される違うシーンだったり、斬新なオープニングだったりと「そういう演出」を楽しむ作品という印象を受けました。 「Rの発音ができないくせに!」とかフランス着わかってないとピンとこないやりとりとか、「口聞かない!」と言って本の題名でひたすら会話するくだりとか、ラストの「え!?それでいいん!?」な展開含めて、ゴダールの難解さもなく理屈で観ちゃいけない作品と思って観るとなかなか楽しかったです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-11-10 01:27:23) |
11. はなればなれに(1964)
《ネタバレ》 パリ郊外に住む叔母の家からたっぷりの原生を強奪するために男女三人が三角関係気味になりながらあれやこれやするって、ストーリーだけ見ると全然つまらないんですが、物語と全然関係ない部分が非常に楽しいのでついつい見入ってしまいます。 「ストッキングに穴が!」と言って下向かせた間に自分の飲み物を相手のグラスにブッ込むとか、一分間の沈黙、と言って本当に画面から音が消えたり、ルーブル館内を全力疾走したり、非常にテンポが良くって、エンタメとして楽し作りをしていました。 それでいて、お決まりの男女の車のシーンからのラストのくだりの演出とかなかなかニクいなあぁと思いました。 ゴダールは正直あまり得意ではありませんし、序盤は結構退屈で「これつまんないなー」とか思っていましたが、全然そんなことない作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-11-01 04:33:33) |
12. 北の橋
《ネタバレ》 セルバンテスのドン・キホーテを下地にしている、と言ことらしいけど実際に観るとストーリーはほぼ意味わかりません。 升目状に描かれたパリの地図や隠されている秘密、双六など意味深でいて終盤それらをすべてかなぐりすてて収束していってしまうので、自分の理解力では追いつけませんでした。 ただ、唐突に始まる空手バトルからの空手教示、今まで見えざる者からの視点だったはずが急にカメラを回す者の存在の明示やら、ラストに解体されゆくパリの街並みを映してエンド、という一連のシークエンスがなかなかクセになるものでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-19 20:14:13) |
13. プロヴァンス物語/マルセルの夏
《ネタバレ》 1900年のフランス、少年マルセルのひと夏の出会いと別れ。 雄大な丘の景色は懐かしいようでいてとにかく綺麗。 少年リリとの出会いからが俄然面白くなってきて、夏休みの終わりからささやかな決意のくだりまで、ちょっぴり寂しくなる展開。 具体的に何が起こるとかそういうのではなく、観始めた最初はあまりのまっすぐさに、もう少しフランス映画の毒気があってもいいのかな、とか思いましたが、だんだんと愛おしさのほうが勝ってくる作品でした。多分、この季節感、この(少年の)年代だからこそ感じられるものなんだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-16 19:58:55) |
14. 大頭脳
《ネタバレ》 大頭脳ってどういうこと?(笑)って思ったら、天才ゆえにブレインとあだ名されている泥棒というくだりでなんとなく納得。 「情人よりも脳の質量が多いので頭が片側に傾いてる」そんなバカな!(笑)と思った次の瞬間本当に傾いて、あ、これってそういう類の作品なのね、とさらに納得。 とてもこいっくチックな脱獄のシーンや、真っ二つになる車、空に舞う札びらなど、後世の作品でさんざん見ることになるシーンばかりですが、どれも面白く、またオープニングやエンドロールに流れるテーマ曲もなかなか癖になるものでとても面白かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-30 21:43:21) |
15. 恋の秋
《ネタバレ》 降り注ぐ日の光というか情景がとにかく綺麗、何か大それたことが起こるかといえばそうでもなし、自分のために彼氏のお母ちゃんと恋人の先生くっつけようとする女の子とか生とに手出しまくってる教師とか「お前らなんなんだよ!」というのはもうロメール作品にはつきものなのでまあいいとして、結婚相手の募集広告で知り合った男性が振り回されすぎてて&唯一の両親と言った感じでなんだかかわいそうとか思うのだけど、ラストはそんなこと気にならない感じで終わるので結果よかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-29 00:11:22) |
16. 夏物語(1996)
《ネタバレ》 最初はちょっとすかしてるくらいで珍しくちょっと「好青年」してるなーとか思ってたらとんでもない、後半にいくにつれてどんどんボロが出て挙句トリプルブッキング!男の目線から見ても「お前なんなんんだよ!」とか言いたくなりますが、とにかくマルゴのキュートさと自然の美しさで夏の暑さあに浮かされたような、なんか帳消しになる感じの映画でした(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-29 00:07:35) |
17. 荒野の1ドル銀貨
《ネタバレ》 マカロニウエスタンらしく、ガンファイトだけじゃなく肉弾戦も豊富。銃身の切られた銃や1ドル銀貨などが物語進行のいいスパイスになっていて、単純な勧善懲悪ものなのに単調ではないいい味付けになっていました。 主演のジュリアーノ・ジェンマも、前半までの髭ぼうぼうから一変、髭を剃り落とした後のハンサムな顔立ちといい、銃の腕といいとても良かったですし、アニメ長のオープニングなども今観てもとてもおしゃれで格好良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-19 14:27:52) |
18. 冬物語
《ネタバレ》 ロメール作品には拗らせ女子が付き物ですがこれはちょっと自分には合いませんでした。 ただ冒頭とラストだけ観る分にはいい映画っぽくなってるので、そこだけはよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-08-13 12:25:37) |
19. 春のソナタ
《ネタバレ》 エリック・ロメールですので劇的な展開も急速な盛り上がりも派手なスコアももちろんないです。 出てくるのは大体拗らせてる人ばかり、会話の内容もアカデミックというよりペダンチックで、お国柄なのかと。 しかし、なぜかその会話の応報というか流れが心地よく、不思議と退屈しないで観られてしまうんのもロメールマジック。実に不思議な作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-13 12:09:01) |
20. ANNA/アナ(2019)
《ネタバレ》 リュック・ベッソンお得意のネタ?のようでいて、近年のノリと勢いだけの感じを受ける作品よりは幾分かストーリーも複雑になっていて、二転三転する展開に最後まで楽しめる作品でした。 まあ、KGBのスカウト理由がそれ?とか、3年で超一流の超一流の諜報員になるとか半年でトップモデルになるとか、「ウソ~ん?!」なことも多いですが、それは主人公の美貌と、士官学校に通っていた(+親も軍人)という設定で強引に納得。 過去と現在を行ったり来たりしてちょっとテンポが悪いな~と始めのうちは思うのですが、作戦の導入部やその後の展開を描写するスパイものの作品には半ば仕方ないことですし、後半からは気になりませんでした。 何よりも、強くて美人で格好いいおねぃさんが男どもをバッタバッタと葬り去るレストランでの大立ち回りや、華麗にヘッドショットを決めてスマートに暗殺を遂行していく描写などがひたすら格好いいです。 ラストに関しても、男どもは無駄に翻弄され、女が求めるものを手に入れて去っていく「勝ち逃げ」感があってよかったですし、某南画のセリフ「裏切りは、女のアクセサリー」ともいうべき感じでm手玉に取られてる感があって、バカな男の一人としてはとても良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-07-31 15:51:39)(良:1票) |