1. キス・オブ・ザ・ドラゴン
ジェット・リーはたまにナイナイの岡村に見えなくもないが、切れのあるアクションはまさに本物。往来の香港カンフー映画をフランス&現代風に味付けし直した超B級(褒め言葉)アクション映画。これを見ずして死ねるか!! 9点(2004-01-19 03:35:36) |
2. 過去のない男
《ネタバレ》 笑っている人が少なく、店の雰囲気も暗く、街の雰囲気も寒く、曲も悲しく、どうも切なくなってしまう。後半に出てくるタクシーを見る限りでは限りなく制作年に近い現代なのだろうが、これって現代?と思うくらいのカルチャーショック。人物描写は大変優れてのだが、ストーリーが安っぽい。べたなキスシーンはジャッキーチェンの蛇拳でとっくに使われた常套手段なシーン。今さら「目にゴミが付いてるよ」って、おい!何もかもがどうもつぼにはまらなかった。 5点(2004-01-18 22:31:13) |
3. 耳に残るは君の歌声
《ネタバレ》 ナチスドイツ時代を流されるままに生き、翻弄される少女を淡々と演じるクリスティーナ・リッチ。少女に影響を与えた様々な人々との出会い、そして別れ。戦時中を生きた一般の市民が、自分ではどうすることもできない“時代”というものをあるがままに受け入れざるを得なかった悲しさを描いている。愛することも、自らを証明することも、家族と居ることすらも自由にならず、それでも家族を想いその時代を生き抜いていく。彼女が背負った人生の重みは、体験し得ない私たちの環境では計り知れない思いだ。病床に就く父との再会で言葉よりも歌に思いを馳せる二人の涙は、少女から大人に、ポーランド人からイギリス人に変わり生きてきた彼女が、幼い自分を愛してくれた父との関係を再び思い起こさせる感動のシーンとなっている。それぞれのシーンには見応えがあり、クリスティーナ・リッチを中心とした、ストーリーを確実に伝える淡々と描かれた展開はその行く末を常に案じてしまう。戦後(エンディング後)ジョニー・デップを探しに行くことになるかもしれないがそこまでは描かない潔い切り方のエンディングは、そもそも映画の主題が、時代に翻弄される父と娘の姿を描く映画だったということを再認識させる。オープニングからエンディングまで、父を想う娘の一貫した愛の描かれ方はただの恋愛映画として終始せず、ジョニー・デップ演じるジプシーの家族愛と呼応するかのように父の元へ誘っていく。最後に、クリスティーナ・リッチさん、ジムに通って体を作り直してください。 8点(2004-01-12 04:11:18) |
4. レオン/完全版
《ネタバレ》 他のどの作品を見てもレオンの印象が強すぎてしまう位、ジャン・レノという役者を確立してしまった。個人的には初めてビデオを買った作品で、何度見ても感動する。冷血なはずの殺し屋が出会った、命を捧げても良いと思えるほどの相手は幼い少女。最初のそれは家族が殺されたことに対する同情であるかのように見え、この子も死んだ方が幸せなのではと考えるが、それは愛情に変わっていく。愛するが故に犯してしまう、レオンらしからぬ復讐が糸口になり、結局は自らの首を絞めることになる。最後の復讐を果たした彼の死は、これからを生きる少女にとって貴重な死だ。ストーリー中、キャラクターの個性がさりげない形で説明されており、小物一つ取ってみてもこだわりを感じ、大変好感が持てる。エンディング、校舎から階段を下り植物を植えるシーン。レオンの魂が昇華していくことを表現するかのような俯瞰で抜けていくカメラワークと、ギターで始まる印象深いスティングの曲は、涙より感動を誘う。ゲイリー・オールドマンの切れっぷり溢れる好演と、ナタリー・ポートマンが光る、後世に名を残すであろう名作。 10点(2004-01-12 01:45:05) |
5. コレリ大尉のマンドリン
ハリウッドで甘い中年イタリア人男を演じたらピカイチのニコラス・ケイジ。この映画でも相当甘い。戦争のさなか恋に落ちていく二人。美しいマンドリンの音がより雰囲気を高めている。ペネレペ・クルスの演技には深みが無く、よく言えば無垢な、悪く言えばアホな、そんな印象。 6点(2004-01-11 20:01:44) |
6. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 ゲットーでの生活、ナチスの体質、ユダヤ人迫害を、本人達も不甲斐ないまま受け入れざるを得ない極限を描写した良作。ナチス将校の前で弾くピアノの切ないまでの力強さが、主人公の生に対する執着と戦争の悲惨さを物語る。 8点(2004-01-08 03:33:35) |