1. トランスポーター
コンパクトにまとまっていて良かったと思う。おかげでテンポ良く事が運んでいた。アクションも前半のカーアクションから後半のカンフーアクション、それに派手な爆破シーンと観る側を楽しませてくれる。統一性がないとも言えるけど…。ただ、主人公の過去や今後の詳しい説明を完全に無視している点が気になる。警察にウソの供述をしたり警察官を人質にとったり、そんなことが現実で許されるはずがない。娯楽性を追求した最近のリュック・ベッソンらしい仕上がりだと思った。 8点(2004-09-27 10:59:31) |
2. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 過去の英雄は話が美化され神話化されやすい。それはどこの国であって同じであり、救世主を求める人間の心理から生まれるのかも知れない。この作品はジャンヌ・ダルクをより現実に近い姿で捉えようと試みられていると思う。つまり、神話化されるような要素を取り除き、ジャンヌ・ダルクに人間臭さを求めている。特に後半のジャンヌ・ダルクの心の中での葛藤がそうだろう。一歩退いてみるとジャンヌ・ダルクは単なる狂信者にしか見えないかも知れない。しかし、私は上手く具現化されていたと思う。あの部分がなければ、それこそジャンヌ・ダルクは我々にとって掴み所のない人物であったろう。この作品でジャンヌ・ダルクは戦略を考えずにイギリス軍に勝ったように描かれているが、実際はある程度考えて行動したのであろう。だが、ただ神のお告げで勝ったように描くことによって、奇跡の度合いが増し、彼女が長年に渡って人々に語り継がれてきたことに結び付いたと考えられる。その辺りも、私が個人的にこの映画が好きな理由の1つだ。 8点(2004-09-26 10:10:52) |
3. ヴァイラス(1999)
《ネタバレ》 B級『エイリアン』って印象を受けました。『エイリアン』と違ってスリル感が足りないのは、エイリアンの見た目の問題があると思います。ロボットに襲われても恐怖感に少し欠ける。もっとグロテスクで何とも形容のし難い物だからこそ、観ている側はハラハラするような気がします。あと、エイリアン登場の演出にも物足りなさがありました。この作品では突然の登場や突然の襲撃シーンが少し弱かったように思います。でも、派手に行なわれる銃撃戦は見応えあったし、悪徳船長役のドナルド・サザーランドも良い味を出していました。 6点(2004-08-14 17:15:02) |
4. スカートの翼ひろげて
《ネタバレ》 のどかな風景が印象的でした。しかし、そのような美しい場所にも戦争の足音が聞こえてきて、結婚相手が死んだり婚約者の両足がなくなったりと、ドラマ部分はリアルな構成になっています。この作品で主人公となる3人の女性にはそれぞれ自分なりの障害があり、その障害を乗り越えて人間として成長していく姿もうまく描き出されていたと思います。やや強引なストーリー展開のような気もしますが、戦争をうまく題材にした映画と言えるのではないでしょうか。 6点(2004-08-09 15:34:52) |