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プロフィール
コメント数 173
性別 女性
ホームページ http://stern-sanchi2.cocolog-nifty.com/
自己紹介 レビュワーになって丸15年が経ちました。

14年目の去年のレビューは0件、コロナ禍とはいえ映画館にも行かなかった1年でした。

「もうここにレビュワーとして参加するのも卒業かな…」なんて思っていたところ、過去に投稿した拙レビューに「良」と投票してくださる方々がいまだにいらしたことを知り、無性にうれしく思ったものでした。
こんな想いを抱えたままではまだまだやめられないな、と…

そんなわけで相も変わらずのぼちぼち参加ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします・・・

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1.  ツーリスト 《ネタバレ》 
えー、全然期待してなかったけど、意外に面白かったです。 アクションっていうよりは小洒落たロマンティック・コメディって感じかな。 ラスト、主人公の切れ者振りにはスカッとさせられるし、スコットランド・ヤードたちの微妙な間抜け振りも笑えました。 一番感心したのは元007のティモシー・ダルトンの使い方。 あれっこんなつまんない役やるようなになっちまったのかよ、とマジで思わせるには絶妙のポジションにいる俳優に思えたので…(失礼、でも最後にはナイスフォローされてたんで安心しました)。 ただアンジェリーナは痩せすぎ(浅丘ルリ子を思い出しちゃいました)で設定のゴージャスな美女としてはちょっと痛々しかったかも。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-30 17:54:53)
2.  おとなのけんか 《ネタバレ》 
やっぱりジョディとヴァルツの尖ったキャラが目立つがケイトとライリーの小市民的フェイク振りもジワジワくる。ああ、いいねぇ…。 「棒で武装」とか 「ドゥードル!」「よく言えるよな」とか 「(アフリカについて)しゃべりだすと止まらんぞ」とか 「この女は隅から隅まで偽物」とか 「本音はみんな一緒だ、ペネロペは別だが」とかとか… …観てからもう3日たったけど、ずっとこんなふうにセリフがぐるぐる頭の中を回ってる感じ。まさにこういうもんだよね、面白い映画って。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-30 17:53:30)
3.  メランコリア 《ネタバレ》 
なんか、すごかったです。 映画の仕立てとしては全くリアリズムのない作品で、そういうSF映画ではないというのは一目瞭然。 そもそも、前半(乱痴気ウェディングパーティー)のほうが後半(惑星衝突)より登場人物が多いなんてちょっと笑っちゃうぐらいですよね。マスコミによる報道も完全にスルーだし。 でもだからこそゾクリとさせられる。 確かにどんなに多くの人に囲まれていようが正確な情報を逐一得ていようが、それらが全く意味無いものになるという絶望的状況が、逆説的に描いているからこそより切実に迫ってくるのかもしれません。 また、あえて「生命の完全なる死滅」を主人公に語らせるなんて容赦ない無慈悲さ加減にも… それでも最後の最後には……?と思い続けるなんて私が甘っちょろいってこと? もっともあのラストは、 前半のアンニュイで不毛なやりとりを我慢して見続けていた価値あったと思えるものでしたが。  今日になって、この監督が「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を撮った人だと知りました。 ……なるほど、ですな。 またもガツンとやられた感じですが、前回よりは後味よくやってもらえたようです。 好感触。 
[映画館(字幕)] 7点(2012-02-20 17:18:53)
4.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
上映時間148分、正直観る前は心配でした。  「ただ逃げているだけの単調で起伏の無いストーリー」 「それでなくとも陰気な空気に気がめいる」 「そもそも息すら殺して潜まねばならない主人公がピアニストである必要があるのか」  すべてごもっともです。でも、惹きこまれたんですよね、私は。  多分それは、ツクリモノである映画がギリギリのリアリティを追求したからなのだと思います。つまり、この手の話にありがちな「お説教めいた主張」や「泣かせどころの不自然な強調」、「安易なラブ・ストーリー」をことごとく排除した結果の感動なのだと……  恥ずかしながら最後にこの作品が実話に基づいていることを知りました。 でも本作は、「実話だから」というのと「リアリティがある」「感動する」というのは全く別のものなのだということと実感させてくれる作品、です。 久しぶりに何度でも観たい佳作に出会えたことに感謝!  
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-12 18:03:28)
5.  レッド・サン 《ネタバレ》 
(以下激しくネタバレです。) 子供の頃(30年ぐらい前)に見て、日曜に久しぶりに再鑑賞! 「ロバはしゃべらない」なんて三船のセリフ、いいねぇ。 「寡黙ゆえに一見間抜けと思われがちだが、実は誰よりも誇り高く、物事の本質を理解する能力にもあふれている」 という日本人にはたまらない美化された日本人=サムライ像!  それだけにラストのドロンに切りかかるあたりが非常に唐突で不思議。 ブロンソンの「殺せ!」も一瞬、え、今なんて言った?誰にむかって言っている?ってこちらも混乱してしまう。 <三船は夢中でブロンソンの加勢をするために切りかかる。だが、一瞬ブロンソンと目が合い(?)彼との約束を思い出し躊躇。その躊躇がドロンに撃たれるスキを与えることを知っているブロンソンが、三船に「(躊躇するな、)殺せ!」と叫ぶ。結局三船はその一瞬の躊躇が仇となって死ぬことになり、三船を殺したドロンをブロンソンは大金在り処を引き換えにしても、赦すことができなかった…> てなかんじなのだろうが、でも三船さん、武士に二言はないはずなのに何で約束破っちゃったんだろう。 それまではとことん武士道やサムライを崇めておいてのこの落差。 このあたりがどうにも納得いかん。 が、それを除いてはこんなキワモノのくせに良質の佳作だと思う。コマンチとかの無意味で時代遅れな後半の展開は確かに失笑モノだが、それを差し引いたとしても少なくとも「ラストサムライ」なんかよりずっといい。こちらのほうがずっと楽しませてくれる。 どなたかも書いているけど、私の中でも本作は洋画サムライモノで最高作品だ。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-02 12:21:28)
6.  プライドと偏見 《ネタバレ》 
ちょーつまんなかった。 確かに当時の「財産を持たぬ中途半端なお嬢さんたち」の悲喜交々は上手く描けていたとは思うけど。だって唯一いいなって思ったのは、あのダサダサの求婚者の彼の描き方(ああ、いるんだよねーこういう悪い人じゃないんだけどどうしようもない人)とか、そのコリンズと不本意ながら結婚を決意するちょっと冴えない友達の悲哀とかぐらいなんだから。もしエリザベスをヒロインとして際立たせるのだとしたら、ただ美しくて意地っ張りなだけじゃなく、その中に凛とした芯のような何かが描かれればよかったのだろうけど、残念ながらそういうものは見当たらなかったな。(少なくとも、観客である私には伝わらなかった。) だから結局「キーラ扮するエリザベスには美貌がありそれゆえの自信があったから自分を売り惜しみできたってこと、それを最高の高値で買うことができたのはMr.ダーシーの財力なんだねー」って印象しか残らない。そんな映画じゃラブストーリーにはならないよね。 特にツンデレの王道をいくようなベタだけど小気味いい展開を期待していた私には、肩透かしもいいとこだった。原作はもっとマシなんでしょうけど、ねえ…
[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-07-22 14:23:52)
7.  バティニョールおじさん 《ネタバレ》 
一昨日衛星で深夜やっているのを、ついつい観てしまいました。 こういう普通の俗っぽいオジさんが成り行きで英雄的行動をとることになってしまう話が私、大好きなんです。 多分、いかにもヒーローという力強いハンサムなお兄さんなんぞがこういうことやるってのは、ツクリモノめいてシラけるとか、コミカルな味を出すにはその辺のオジさんが最適だとかいろいろ理由はあるんでしょう。でもそういう理由以上に、このオジさん俗物ぶりが私たち観客に、自分自身と重ね合わせ易くしていること、それが大きい効果を生んでいるような気がしてなりません。 「もしも私ならどうするのだろう、オジさんのように命の危険を冒しても赤の他人のユダヤ人の子供を助けることができるのだろうか?」……多分、ぎりぎだけど、出来そうな気がするって思った人結構いるんじゃないでしょうか。娘のフィアンセ殺害もあそこまでいっちゃっていたら、ああするより他ないような気がします。だってあのままゲシュタポに通報されたらオジさんだってただじゃ澄まないでしょ。もちろん本当にできるかなんていうのは、全く別の問題なんだけれど、「こういう非常時に自分も勇気ある行動とれるかも」という錯覚を抱かせる、この映画その辺のバランスが絶妙なんですよね。 地味ながら良作。ハラハラ感やその中にもクスリとさせるユーモアのセンスも良いです。ライフイズビューティフルなんかの無理無理さに較べりゃ、ずっといい作品だと思いますよ。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-26 13:17:33)(良:1票)
8.  ジャック・サマースビー 《ネタバレ》 
辛口の批評も多いようですが、映画の内容はそんなに悪くないと思います。主人公のモラル云々も元々それほどの人間ではなく、今までの自分をリセットしたいという願望の現われと見ればソコソコ納得できる。他人になりすまして財産を勝手に売却しちゃうだの、それを知ってて知らぬ振りする町の人なんてけしからんと言う意見もあるようですが、逆にワタシには「リアルでいいな」と映りましたけどね。 実際戦後って混乱しているもんだから、「顔がそっくり」ってのはさておいて「なりすまし」みたいなことって起こっていたかもって気がしてしまうし。要はその「なりすまし」という詐欺を、周囲が皆で容認するか否かで「ウソかマコトか」「善か悪か」が決まってしまう。そういう混沌たる社会の姿を何気に描けていてワタシ的には好印象でした。甘いメロドラマかとおもいきや、なかなかの良作じゃないかと。 (それにしても、あーあまた振られ役かよ、ビル・プルマン。それもかなり形振り構わぬ執着ぶりを披露しちゃう悪役ぶりで、密かにファンのワタシとしてはちょっと悲しかったです。口直しに「あなたが寝てる間に・・・」でも借りてきて観ることにでもしましょう、ぐすん。) 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-03 12:45:30)
9.  クィーン 《ネタバレ》 
この映画がただの「そっくりさん大会」ではないことは重々承知の上ですが・・・それにしても女王とエジンバラ公がかくもイメージどおりなのに息子のチャールズがなんであの役者さんなんですか?似てないってばかりか印象も極めて薄すぎ!出てくるたびに「誰?スタッフだっけ?」って思ってしまいいちいち興ざめしました。「ボクはチャールズ」とでも書いた札でも下げてくれなきゃわかんないような役者をどうして起用したんでしょうね? あとは王室の風景は良しとしても、実際の首相の生活ってあんなもんなんなのかな、と。随分庶民的なので驚きました。これって労働党の政権だからだとか?・・・それからいわば敵役っぽい立場のブレア夫人の扱いがちょっと不満。あんな描き方じゃなくもう少し理知的魅力的に描いたほうがぐっと深みが増すと思うんですけどね。アレじゃよくあるおばかなリベラリストって感じで公平性を欠く気がします。 ・・・とまあ、いろいろ不満を書きましたが全体としては悪くないかと。ヘレン・ミレンの流されない確固たる気高さなんて申し分ないし、そのほかの保守的な王室の面々のいけずぶりもなかなかいい味出しています。 ・・・・しかし、いくら気に染まぬかつての嫁でも、その訃報に際しても休暇を続行し雲隠れを続けるっていう王室側の姿勢もどうなんでしょうね。声明や弔意云々よりもそっちのほうが気になりました。やっぱ孫たちには一刻も早く「彼らの母」の亡骸に会わせてやるのが本当なんじゃないでしょうか?たとえそれがマスコミの晒し者になることとを意味したとしてもそれが人の情ってもんではないのかと思うんですけど・・・ってこんな考え方って極めて下々の常識なだけで高貴な方々はまた別の規範を元に己を律しているものなのかもしれませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-31 17:07:24)
10.  8人の女たち 《ネタバレ》 
「シャレのわかる人向けの映画。これがわからないアナタはシャレのわからない人ってことよ・・・」と言う声が聞こえてきそうな映画。そうですね、この映画には作り手や演じ手の楽しんで作っている様子が溢れている。その様子をあたかも自分も参加しているかのように楽しめる人にはお勧めなのかもしれません。しかしそれに置いてけぼりをくった観客はどうすりゃいいんでしょう?アリバイ崩しというよりは単なる悪口雑言による暴露合戦、「なんでもあり」の痴情にまみれたこの非現実的な一家の惨劇(?)や唐突に始まるヘタな歌や踊りのどこに惹きつけられればいいというのでしょうか?私、最初は字幕原語上映で観ていましたが、耐え難くなったので途中で吹き替えに替えて鑑賞してみました。吹き替えのほうが昼メロっぽくなって丁度いいなぁと思いましたよ。まあ、私にとっちゃそういう映画でした。シャレがわからずごめんなさい・・・
[DVD(吹替)] 2点(2008-01-28 13:03:46)
11.  麦の穂をゆらす風 《ネタバレ》 
「本当に貧しいもののための国を建国する」。 その理想に主人公は殉じます。主人公だけではなく、この理想を頑ななまでに追求する彼の仲間たちはこの先もずっと殉じていくのでしょう。 でも少し冷静になって数々の歴史を振り返って見るに、かつてこの地上でそういう国が誕生しその理想郷を実現したことがあったでしょうか?フランス革命のジャコパン党が?その後のパリ・コミューンが?それとも20世紀ロシアのボリシェヴィキが? 悲しいことに「本当に貧しいもののための国」を作ることは何故か殺戮の繰り返しに繋がってしまう。それを押さえ込もうとする恐怖政治に繋がってしまうのです。それが金持ちの邪悪さのためなのか、貧しい者の愚かさゆえなのか、その辺のところは私には正直よくわかりません。でも何故かな、この映画に関しては私は、理想からは外れて変節したと見える兄テディの姿勢に一番共感を感じました。矛盾しているかもしれないけど、国を流血の泥沼化から抜け出させるのは理想ではなくこういう卑劣にも見える現実的決断なのじゃないだろうか、とね。 もしも、この映画が弟のデミアンではなく兄のテディを主人公にしたものであったなら・・・そちらのほうがある意味「秀作ではあるがどこか甘さの残る」本作に比べより壮絶で胸に迫る作品になったような気が私にはしてなりません。かつてはあんなにも憎んだ英軍と同じ立場に立たざるを得なかった男。その苦悩を細やかに丁寧に描いたような映画のほうが個人的には観てみたい気がします。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-17 17:07:02)
12.  マリー・アントワネット(2006) 《ネタバレ》 
あぁぁ、きれいでいいねぇ・・・ここんトコちょっと歴史モノは薄暗い中でドロドロやってるって感じのものを見続けていたので、「こーゆーのはこーゆーのでいいのかも」と思いました。 ほんとのトコ言えば、この時代も衛生的にはまだまだで体臭がムンムしちゃうような不潔さでいっぱいだったんだろうけど、そういう時代考証なんかは取り合えずは問題じゃないんでしょうな。女の子たちが「まあステキ!」って喜んじゃうような豪華なお城やドレスに埋め尽くされた可愛いマリーの孤独、そしてそれを埋め合わせるためのヒステリックなほどの彼女のキリキリ舞いが、この監督の描きたかったものなんでしょうから。そういう意味では「こんな生活したって刹那的にはいいけど結局は虚しいだけ」っていう感じはそれなりに良く出ていたと思います。お菓子やシャンパン美味しそう(映画観ながら甘いものが無性に食べたくなったよ)だったし、キルスティンは可愛い(あくまで愛嬌あるって意味よ)し、いいんじゃないですか?どうせ革命の何たるかを描いた映画じゃないんですから。 ただ苦言を言わせてもらえば、あのフェルセンとの中途半端な恋は勘弁して欲しかった。あんなんならあれは省いてもよかったのでは?(もっともその分夫のルイ16世がぐっと前に出ていたので、彼のファンの私にはその辺は結構うれしかったですけど・・・)  
[DVD(字幕)] 5点(2007-11-29 17:11:17)
13.  ロバと王女 《ネタバレ》 
とても美しく夢のある映画ですが、あくまでこの映画のミソは、亡くなった奥さん以上に美しいからって実の娘を後添いにしたいなどと言い出すちょっと異常な父王様にあると思います (それに少しフラっとしちゃう王女様のいい加減さも笑えるけど)。だからお城を抜け出してからの「ロバの皮」になってからのストーリーは正直やや退屈でした。恋の相手の王子様もいまひとつインパクトないしね。そりゃきれいな昔話絵巻やシュールな演出(ヘリコプターでの登場など)がスクリーンに展開されていきますが、それだけだったら絵本で読んでおのおのが頭の中で想像する世界のほうが上なわけで、わざわざ映画として作り上げるならもう一味工夫が欲しいところ。もちろん1970年という公開年を考慮に入れるなら、このぐらいでも十分冒険はしているとは思うんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-10-15 17:17:50)
14.  11'09''01/セプテンバー11 《ネタバレ》 
11の国の11の監督の「9.11のテロ」への9分11秒。 それそれの思いか篭った作品。中には「力入りすぎ」ものや、「わけわかんない」もの、「言わなくてもいいことまでお節介に言いすぎ」なんてものもあります。でもこの映画の意義は「それぞれの思いをそれぞれの視点で自由に描く」ことにあるわけですからその辺は構わないのでしょう。むしろにばらばらで不揃いで調和がとれていないところに意味がある・・・ そんな数々の私が最も好きなのは、ショーン・ペンのもの。この9.11の被害者であり、それでありながら世界的な同情論は決して多いとはいえないアメリカという国の監督が、如何なる作品を出してきたのか?と私は意地悪い気持ちで彼の作品を鑑賞したのですが・・・そのラストは極めてショッキングなものでした。小学生のころ観た「猿の惑星」以来味わったことの無いようなガツンと頭を殴られたような衝撃!・・・あの光が差し込んだ部屋の美しさと空虚さ、全てが白日のもとにさらされてしまった心もとなさ・・・まさに「してやられた!」という感じ。素晴らしいです、ショーン・ペン!この作品こそ私にとっての短編映画の中の最高傑作品。この作品ゆえに私はこの「セプテンバー11」という映画に躊躇せずに満点をつけることができる、それほどの作品であるのです。 
[DVD(字幕)] 10点(2007-10-09 15:07:52)(良:1票)
15.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
・・・ずっと思っていた。「この世で最も憎むべき人間とはこの映画の主人公のような武器商人たちである」と。戦争により、より大きな権力を得ようとする為政者たちでも、その為政者を倒すためなら手段を選ばないことで民衆を更なる悲劇に追い込む自称・解放者たちでもない。彼らに節操無く武器が売ることで利益を得、その富で贅沢な暮らしを楽しみ、自分自身は絶対に戦場には現れず命の危険にもさらされないような武器商人が、この世の悪の張本人なのだと、深く信じていた・・ ああ、でもこの主人公は鬼でも悪魔でもなく、「普通の男」であった。貧乏から抜け出して愛する女性を妻とするために、しゃかりきになって働く「普通の男」。極端にモラルに欠けた人間でもなく特に暴力を好む人間でもない愛すべき男・・・だが、それはただひとつの点(それは彼と世界にとって最も不幸なことなのだが)彼の才覚が「武器を売ること」にあったことを除いては、の話だ。 「金ならもう十分だろ」という弟に彼は言う、「金じゃない、才能だ」と。彼は「武器を売ることに」に自分のビジネスマンとしての才覚とその能力への誇りを感じていたのだろう。そんな誇りは決して許されるものではないと私もきっと彼自身も思っているのだろうけれど、そういう人間がいるのも事実なのかも、と思った。この映画は自分の「天職」が、「神に背く悪魔の技であった」という男の悲劇を描いたもの・・・観終わったあとそんなことを考えた。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-09 12:42:13)
16.  王妃マルゴ 《ネタバレ》 
久々にグロい歴史モノを堪能させてもらいました。多くの日本女性が憧れるおフランスの宮廷も実はこんな汚辱に満ちたものでもあったんだと啓蒙させてくれる作品ですね。フランスの史劇なんていうとルイ王朝の華麗な絵を想像しがちだけど、血の滴るような肉食民族としての歴史を見せ付けられた感じ・・・ 確かにあんな生活してたら一族としての命運がつきてしまうのも分かるような気が・・・ 愛人に先立たれるマルゴよりも、皆に隠れて密かに普通の家庭を営んでいた兄王シャルルの悲劇が胸に沁みました。あとアンジュー兄さんをやった彼、マイク真木に似ているように思ったのは私だけですか?
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-26 17:34:13)
17.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
一言で言ってあざとい映画ナンバーワンですな。あどけなくかわいい少年、映画を愛してやまない朴訥とした善良なる老映写技師、某生保の広告でも有名なあの泣かせどころを心得た美し過ぎる音楽!んんんーもぉぉぉー、これはラストに向かって泣け泣け泣け攻撃の集中砲火じゃないですか!というわけで、その辺の製作者側の意図が見え見えって感じがしてしまい、この程度の評価になってしまいました。平均点下げてこめんなさい。それでも広場のへんな住人とかそういう脇のエピソードなどにくすりとかほのぼのさせてもらえました。こういうとここの監督上手いよね、悔しいけど。
[地上波(字幕)] 4点(2007-07-20 15:41:01)
18.  ブロークン・フラワーズ 《ネタバレ》 
ビル・マーレー結構好きなんですけど、この作品に限ってはちょっと物足りなかったかも。いかにも女がほっとかない何となくいい男って感じは上手く出ていたとは思いますが、ちょっとアンニュイ過ぎかなーって(それって単なる男の好みの問題でしょうが)。 んなわけで、ワタシとしてはむしろ次々に登場してくるかつての恋人たちのほうが気になりましたね。「みんなそれぞれいろんなこと抱えて生きてきたんだろうなぁ」なんて。個人的にはシャロン・ストーンの演ったローラみたいに年をとっていけたらいいでしょうね。金銭的には決して恵まれちゃいなそうなのに、あんなふうにドンを受け入れられるなんてきっとそれなりに今幸せなんでしょうねぇ。反対にやだなぁってのは不動産屋やってたドーラだっけか?未練タラタラ跡ひくタイプっぽいっつーか。(ワタシ的には彼女が4人の中じゃ1番送り主っぽい気がします。モチロン子供の話はフィクションね。) 意外だったのはラスト近くになって急にドンが父親に目覚めちゃうところ。男って昔の女には興味があってもまだ見ぬ自分の子なんかにゃ興味ないのかもって思っていたけど、最後は哀れなほど醜態をさらしてしまっていて、ちょっと泣けました。 結局、「また観たいとは思わないけど観たことは後悔のない映画」ってとこかな。うーんこういうのは評価難しいです。 
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-14 16:01:04)
19.  ピアニスト 《ネタバレ》 
いやー痛いお話ですな。女も男もエゴが剥き出し。互いに相手を支配できるって自信満々なところを挫かれて、そりゃしょうがないでしょうって感じ。 主人公は確かに極端ですけど、多分誰にでもある自信とコンプレックス、それがドワッとあふれ出てきちゃった醜悪な瞬間って誰もが恐れているものなのでしょう?それが見事に描かれている、確かにそうです。そのあたりがこの映画のミソなんでしょうが、でも「だから?」って聞かれても「ただそれだけ」としか言えない。その辺りが一度観れば十分ってところに落ち着いてしまう理由なのでしょうか。(格調高い芸術の世界の息苦しさや非常さ、それにもかかわらずそこしがみつきたい人々の喜怒哀楽の描き方なんかは好ましかったですが・・・) そんなドロドロ感が多い中で若い教え子の二人(コンサートで弾くはずだった彼女とレッスン中こてんぱんに貶されていた彼)の初々しさが対象的で印象深かったです。それも今のうちなんだろうね、って思うから余計まぶしかったのかもしれないけど・・・ 
[DVD(字幕)] 5点(2007-05-21 13:16:11)
20.  アメリ 《ネタバレ》 
ワタシも子供時代のほうが面白かったクチです。成長してからはちょっとテンポがね。でもドワーフが送ってくる旅先からの写真は気に入りました(特に赤の広場からのヤツ・・・)。あんなん見ると欲しくなっちゃうよなぁ、ああいう可愛くないちょいリアルなドワーフ。買ってうちの庭にも置きたいよ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-21 12:56:31)
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