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コメント数 304
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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1.  我が至上の愛 ~アストレとセラドン~ 《ネタバレ》 
何かに到達するとは厳密な否定を経て、それを乗り越えてこそであるということなのだ、ロメール映画において。その厳密な否定に、パラドックスやアイロニーなどの通常のロメール味が付随する、ということが今わかる。あの、ピリピリ神経質になっている二人に最後に訪れる、彼女の口から「命令」としての愛の言葉が「自発的に」湧き出ずるのも、パラドックス。
[DVD(字幕)] 7点(2025-06-05 21:44:58)《更新》
2.  エドワールとキャロリーヌ 《ネタバレ》 
一度も戸外には出ないが、長回しで、よく動き回っている感じの名作。実際にダニエル・ジェランが弾くかの如くのピアノの音色が素晴らしい。盛り沢山の演奏会シーンも充実している(「妻思い」のエドワールを支えようとしてピエロを演じる羽目になってしまう貴婦人のエピソードなど)し、主役カップルの諍いのありようも典型的で納得できる。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-30 23:11:27)
3.  友だちの恋人 《ネタバレ》 
『緑の光線』同様、恋の相手選びにいろいろと迷う、当たり前だが。その厳密な高いハードルを超えたところにいちおう確実なものがありそうだ、それは映像で納得できる。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-28 22:51:41)★《更新》★
4.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 《ネタバレ》 
時事問題的な議論を細かく調査して、いかにも作り物の浅いレヴェルを脱して、実質的な充実感のあるものにこしらえあげている。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-26 22:08:09)
5.  モード家の一夜 《ネタバレ》 
人と恋愛関係に入るには、情欲の宗教的・哲学的位置付けが必要であるかのように始まる。キリスト教やらパスカルやらの話題、さらに表面的には何も起こらないモードのところでの一夜なのだが、お互いの他者性の探り合いはスリリングである。後半のお目当ての女性との絡みに移って俄然面白くなる。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-25 23:07:10)
6.  パリのランデブー 《ネタバレ》 
ロメールの人物は戸外を歩く(小津なんかと比べれば圧倒的に歩く)。で、特に第二話は、なんと戸外を歩くしかない設定。この話の終わり方、アナタはメインのカレの補完存在なのだからメインと切れればアナタの存在理由も自動消滅よ、とはなんとも面白い。こういうリクツやアイロニーやパラドックスが必ず仕込まれているのがロメール味。まさにそのために若者たちを使うのが主で、いつまでも若者たちの生態に興味があったとしてもそれは従だろう。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-25 05:18:13)
7.  穴(1960) 《ネタバレ》 
あの、ただ一つのシーン、細長いヤスリの鏡効果で、捕縛に来ている一団(仲間の裏切りにより)が映し出される時。あれほどゾッとさせる一巻の終わりシーンも珍しい。
[ビデオ(字幕)] 8点(2025-05-23 17:58:45)
8.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
一番身近なところに敵が居る、というミステリーの基本はやはり欠かせない、効果的だ。ネット検索で重大な機密を知れるとは脚本甘目。とはいえ、味方がほぼ見つからない分厚い現実の壁というものを構築した佳品。CIAからの逃げ道(外部)というものはないのだ。国家が相手のたたかいはあのフィルム・ノワール『キッスで殺せ』のごとくゼッタイ無力。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-22 22:38:38)
9.  恋の秋 《ネタバレ》 
カップルを成立させるための仲介をする女性が、純粋に仲介役割にとどまらずに少々ちょっかいを出したりするので、ややこしくなる。ややこしくなっていいのである、生身の人間なのだから。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-21 23:08:57)
10.  パリでかくれんぼ 《ネタバレ》 
無関係の三人の女性をいきなりばら撒く、するとこの三人がどこで出遭うのだろうかというミステリアスな関心が湧く。映画の並行編集の妙である。歌ありダンスありで、豊穣に作り込まれた痛快な織り物だ。面白い事例を一つだけ挙げると、女性の一人が盗みを働いた際その現場を偶然にとある男に見られたとのではないかと疑心暗鬼である(実は男は目撃していないことを観客は知っているのだが)ゆえ、男に近づき「目撃したかどうか」を確かめたいが果たせない(問題の性格上絶対に不可能である)のを、映画が決して説明的にならないでひたすら見守ること。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-19 08:52:01)
11.  緑の光線 《ネタバレ》 
緑の光線の瞬間へ、観客もこの「絶対」に向けて視覚の限りを尽くすというのがいい。それが二度あって、二度目の次に来るのは抱き合っている二人のシーンかと思いきや、このラストシーンは不在で、これが何故か泣かせる、素晴らしい。なぜ泣かせるのだろう。あのまさに存在論的な緑の光線に匹敵するような恋の「絶対」はついに無いということなのだろうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2025-05-18 16:33:55)《更新》
12.  灼熱の魂 《ネタバレ》 
凄すぎて評点を付け難いくらいだが、映画館に配給されるという検閲をパスした、「市民化」・ゴラク化されたものなわけなのだ。オイディプスの悲劇の連想がこの暗鬱・苛烈な映画世界を文化的に救出している。ギリシャ悲劇はエライ。
[ビデオ(字幕)] 8点(2025-05-18 13:42:53)
13.  日曜日が待ち遠しい! 《ネタバレ》 
映画館で、このファニー・アルダンだけを観ていた感じ。あの「セラビ」(この軽やかさ良い!)を発しながら爽やかな「外部」を振りまく、元気よく。長身だから男にも体力的に負けない。で、探偵として、ややこしい人生模様・犯罪関係の「内部」に嬉々として顔を突っ込む。そのありようがいいのである、それだけである。正直、この映画のハナシはさっぱりわからない。いまどきのミステリーもののように、犯罪の人間関係を機能化しすぎで「こころ」が乏しい、という気がする。
[映画館(字幕)] 6点(2025-05-18 09:45:30)
14.  秘められた過去 《ネタバレ》 
圧倒的な、観客に覆い被さってくる映像である、ダッチアングル。ウェルズの「記憶喪失」を真に受けて、その過去を調査することによってまんまと殺人の片棒を担がされる主人公(狂言回し)つまりは観客。フラッシュバック形式が絶えず過去を意識させるが、実は片付いてはいない、並走する過去なのである。映画の最後でのウェルズとの格闘において、やっと「過去」が落着して観客の手に入るというわけだ。ウェルズは観客存在を見事にターゲットにしている。
[ビデオ(字幕)] 9点(2025-05-10 13:04:10)
15.  雨のしのび逢い 《ネタバレ》 
原題に謳うように、中庸・節度を保つこと、踏みとどまること、が主題。ベルモンドの役柄が圧倒的に踏みとどまっている(あのジャンヌ・モローと駆け落ちしても先は知れている、のをわきまえている感じ)ので、映画らしい転落は起こらない。一見ジジ臭い(ピーター・ブルックは年輩だ)中庸つまり踏みとどまることを馬鹿にしてはいけない。それには自制の大きな力が必要なのである。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-06 16:54:55)
16.  夏物語(1996) 《ネタバレ》 
特徴ある「三種類」の女性が相手でいずれも捨て難いとなれば(実はあの本命はケシカランが)どれかに絞れない、主人公の「優柔不断」となる。この「優柔不断」は本来どの選択肢もキープしておきたいという欲望の表れ、ということだろうが、しかしこの場合はむしろビョーキに近い。だからこそ、この「優柔不断」の贅沢を転覆する外的事情があのような目覚ましい解放となる。皮肉なものである、というか、こういうアイロニー味こそロメールだ。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-06 08:18:23)
17.  メランコリア 《ネタバレ》 
作品の形式はいかにもアンバランスだが、前半のニヒルなヒロインが自身の社会的体面をぶち壊す迫力や、後半の迫り来る滅亡に対処する人物たちの姿勢の逆説的な変化などにおいて、個々の表現自体は充実している。
[DVD(字幕)] 8点(2025-04-27 22:32:15)
18.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 
こういうの「難解」とかではなく、意図的に迷路にされているだけ、とむしろ冷ややかに評されてしかるべきだ。ただし、上手いのは、例えばヤバそうな大金の存在が、あの「鍵」(迷路を解除する鍵)により霧散すること、それと同時にナオミ・ワッツ演じるヒロインの姿も消えることだ。全ては彼女の妄想なのだ。隠れたものを覗き見るスリリングなスタイルがこの映像全般にあるが、なかでも精神分析的な無意識への探索(「リタ」の部屋に入ることの、つまりは自分の無意識の)のかたちを、深掘りして欲しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2025-04-10 22:23:36)
19.  雪の轍
主体(意識)と無意識ということだ。主体というものが無意識的に前提している自己満足の楼閣が切り崩され始める(姉や妻やその他従えている人々などによって)、という普遍的な話である。人はこういう映画を観て、自分の生が無意識的に依拠している(踏み付けている)構造を反省するのだ。教訓的なのである。
[DVD(字幕)] 8点(2025-04-10 18:04:29)
20.  曳き船 《ネタバレ》 
1941年の、フランスにとっても過酷な時代に、この古典的な名品。古典的といえばスタジオでの制作の感じが強いし、筋もまた禁欲的な節度を保つ。こういう「古典的」なものが戦後はリアルな表現によって乗り越えられていくわけだ。
[DVD(字幕)] 6点(2016-04-10 13:51:54)
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